実装石の世界では、（客観的に見て）「賢い」と言うことは実はそれほど報われない特性だったりする。
なぜなら賢い実装石には物事の因果関係などが理解できたとしても、周りの実装石（家族、また野良の場合はそのコミュニティー）にそれを伝えることが非常に困難だからである。幸せ回路が正常に作動している実装石（当然実装石の大半である）にいくら理を持って説いた所で、結局は無駄足だからだ。
それどころか小賢しい、もしくは他の実装石を見下していると言われ他の「賢くない」実装石達によってリンチされてしまうケースすらある。それは普通の実装石が大抵「世界で自分が一番賢い」と信じており、自分より賢い固体が存在しうると思っていないからである。それ故「賢い」実装石の思考パターンや行動が理解できず、逆に排斥すべき存在だと認識してしまうのである。
運良くブリーダーの元に生まれてくるなり届けられたりした場合、このような「賢い」個体は躾をよく受け入れ天寿をまっとう出来るレベルの飼い実装なれる事もあるが（賢さも千差万別なのでやや賢い程度ではそうはならないが）、大抵はそんなに運は良くないので群れの中で排斥されてその短い一生を終える事になる。
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