タイトル:【塩】 マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 2つ
ファイル:塩保管スク[jsc0232.txt]
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:547 レス数:3
初投稿日時:2007/04/17-16:58:58修正日時:2007/04/17-16:58:58
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1/5 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:42:51 No.40900135 それは、向日葵の花が頭を下げる夏の終わりの出来事。 脳天を揺さぶる蝉の声。肌を貫く太陽の矢。 吸い込まれてしまいそうになると錯覚するほどに只管青かった空。 それがとても怖かった事を仔実装であるスイはとてもよく覚えていた。 ママはだれ? と問われてもスイは首を傾げるしかできなかった。 産みの親は一切スイを含めた仔達に関心を示さなかったのだ。 腹が空いたと泣き喚けば、あの糞蟲種でも拳の一発でも飛ばす等の行動を起こすが スイの産みの親はそれすらをも行なわなかった。 関心が無いので、鳴いても喚いても放置し続けていた。 仔実装の鳴き声など、頭上から漏れてくる蝉の声に比べれば些細な音。 昼寝の邪魔にはならなかったらしい。 スイは産まれてから一度たりとも撫でられるは勿論、言葉すらもかけてもらえなかった。 一体何の為に仔実装を産んだのかと疑問視するほどの徹底した無視、無関心。 それがスイの産みの親であった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:44:01 No.40900183 初めの頃は本能に従い、産みの親が寝ている時に乳に吸い付き命を繋いでいたのだが、 やがて乳が出なくなると、衰弱死する姉妹が多数現れた。 このままでは死んでしまう。勇気を振り絞りスイは餌探しに向かう事にした。 何が食べ物で、何処に危険があるか? スイはその全てが分からなかった。 親実装が拾ってくる残飯を食い、何が食い物であるかを学習する機会がなかったスイは 石を食べ物と間違え飲み込んでしまう。 時間が経ちお腹に激痛が走った頃、ようやくこれは食べ物では無いと学習するのだった。 嘔吐と下痢を繰り返し、やがて衰弱状態になったスイが道端に倒れこむ。 そんな体に容赦無く降り注ぐ太陽の矢。 見上げた青空に吸い込まれそうになる錯覚を受け、怖くてテチィーと鳴いたものだ。 数時間後、フラフラになりながらも巣に帰ってくるスイ。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:45:53 No.40900272 疲れ果てた体を癒す為に目を瞑る。 そんな時聞こえてくる艶っぽい声。 それは産みの親の喘ぎ声だった。 一心不乱に股間を弄り、快感に身を任せる。 そんな声につられたのか、マラ実装が寄って来る。 後は同じ、毎回同じ事が起きる。 デップンデップンと腰を動かすマラと産みの親の交尾が長時間行なわれる。 その声が呪詛のようにスイの耳に届けられる。 両耳を押さえ、涙を流しながらその声に耐えるスイ。 何故だか分からないが、兎に角涙だけが止め処も無く流れていた。 その日スイは意識が朦朧としていた。 餌不足に、愛情の欠如、そしてこの気温。 直ぐに死んでしまってもおかしくない条件が揃っていた。 そんな条件下、最後の力を振り絞り立ち上がるスイ。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:46:22 No.40900291 目の前には寝息を立てている産みの親がいる。 暫しの間、ボーっとその顔を見つめる。 そして、両手で産みの親の前髪を掴むと、そのまま床に倒れこむ。 ブチブチというと音と、デギャ-という悲鳴。 慌てて起きた産みの親はおそるおそる自分の前髪に手をやる。 触れた場所には何も無かった。 大事な前髪を奪った犯人は薄っすらと笑みを浮かべながら産みの親を見上げていた。 怒りに身を任せながら、産みの親はスイをボロボロにしていく 右腕は引き千切られた。左腕は砕かれた バクリといかれた下半身はそのままなくなり、内臓がボトリと床に落ちていった。 両手でスイの顔を挟み、そのまま力任せに潰そうとする産みの親。 怒りに、屈辱に満ちた視線をスイに送る。 右目は飛び出し、鼻血を垂らし、ベキベキと己の頭蓋が砕かれる音を聞きながら最後の言葉を口にするスイ。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:47:09 No.40900315  やっと… ワタチを見てくれたテチ… 言い終わるかどうか、そもそもその言葉が産みの親に伝わっているかも危ういが とりあえずべチッっと言う音と共にスイは絶命した。 … 先に投下したのと同じような話 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:22:10 No.40901596 その家にはペットショップから買い取られてきた仔実装がいた。 この小さな妖精は間違い無く飼い主であるその女性のアイドルだった。 飴玉を口の中で転がしながら食べるその仕草。クッキーをカリカリ食べる愛くるしい行動。 遊んで遊んでと、女性の後をおぼつかない足取りで一生懸命追う姿。 バランスを崩して倒れ、痛さから涙を流す。 テーンテーンと泣きはじめた仔実装に向かい痛いの痛いのとんでけーっと女性が人差し指で頭を撫でてやると、 さっきまでの泣き顔がどこへやらテッチ-テッチ-と大喜び。 クルクル回り、テチッと笑う。一緒にご飯を食べ、一緒にお風呂に入る。 産まれて間もない頃から毎日、躾と銘打った調教漬けの日々だった。 そんな仔実装に訪れた安らぎの時。 親という存在を知らない仔実装は女性の中にママの影を見ていたのであった。 いっぱい甘え、いっぱい愛してもらう。それだけで仔実装の心は満たされた。 金平糖や服、おもちゃに寿司、肉 そんなものなんかよりも余程価値のある幸福を、この仔実装は知っていた。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:22:46 No.40901618 だが、そんな幸せもすぐに崩壊した。 女性の部屋に男性が通い始めてからというもの 女性は仔実装にあまりかまわなくなってしまったのである。 寂しい思いを紛らわす為だけに女性に買い取られていた事実を仔実装は知らない。 女性の心を癒す道具としての性能は、仔実装よりも男性の方が優れていたようである。 そんな状況を好転させる為に仔実装は女性の興味を引く行動を起こすようになる。 糞投げ、夜鳴き、全ては自分を見てもらいたいが為の行動いわば愛情の裏返し。 唄や踊り、媚では黙殺されるが、糞投げを行なうと女性は仔実装の方に顔を確実に向けたのであった。 それが女性の心をますます離れさせる行為たどいう事など、仔実装には分かる筈も無く 日々その行動はエスカレートしていった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:23:19 No.40901638 その日仔実装は、家具の隙間にその小さな身を押し込み息を殺しながら潜んでいた。 脳裏に浮かぶのは少し前の出来事。やんちゃ盛りの仔実装は、かくれんぼと称しこの場所に隠れた事があった。 女性は焦ったようである。帰って来たはいいが仔実装の姿が見えない。 何も知らない仔実装一匹で外に出よう物ならば死は免れない。 女性は仔実装の名を呼びながら探し回った。 女性が泣き出す一歩手前で仔実装は隙間から這い出し、テッチューと声を上げる 抱きしめられ、もうこんな事しないでね。と言葉を掛けられた仔実装。 いけないことを自分はしてしまった。と思う反面こんなにも自分を心配してくれる女性を見て 愛されているんだなと再確認したようであった。 その事を思い出し、テププと笑う仔実装。 いっぱい心配させてやる。そう、心の中で呟く。 そこには寂しい思いをさせている女性への復讐心と、 ご主人様は必ずワタチを見つけてくれるといった信頼感があった。 同じ事が今度も起きるに決っている。揺るぎようも無い確信が仔実装を包んでいた。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:23:43 No.40901648 いつの間にか寝入ってしまった仔実装。 ガチャリと言う音と共に目を覚ましたようである。 どうやら女性が帰ってきたようだ。 楽しかったね。疲れた〜などの会話が聞こえてくる。 仔実装は思わず舌打ちをする。 あの男も一緒かと小声で呟くと、表情を不機嫌にさせる。 しかし、それも少しだけの不快感。 すぐに顔を歪め始める。 ケージに仔実装の姿が無い事を知った女性の慌てふためく姿を想像しながら テププと小さく笑う。 わくわくしながら早く早くと期待から体をソワソワし始めた。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:24:18 No.40901668 おかしい… そう思ったのは少しばかり時間が経ってから事だった。 あの後、女性は料理を作り始めてしまった。 楽しく談笑をしながら男性と食卓を囲む声が聞こえてくる。 それが終わるとTVを見始めたようである。 仔実装は焦っていた。おかしい、おかしい。何か変だと混乱し始めた。 泣き出しそうになった時思わぬ所から助け舟がでた。 「なぁ、ミミに餌やらなくていいのか?」 それは仔実装が嫌っていた男性からの助けだった。 フンッ、たまには使えるじゃないかと男性の評価を少しだけ上げた仔実装。 男性の指摘に女性が立ち上がり、餌の準備をし始める。 さぁ、いっぱい心配するテチィ… 目を爛々と輝かせながら、事を見守る仔実装。 あれ? っと言う女性の驚きの声が仔実装の耳に入ると興奮から脱糞しそうになった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:24:38 No.40901681  ミミが居ない。 女性は男性に向かいそう声を上げた。 すっかりくつろぎムードだった男性はその声を聞くと立ち上がり、ケージの中を捜索する。 「タオルを被って寝ているってわけでもないな…」心配そうに辺りを見回している。 「ちょっと俺、近所を探してくる」 何故か慌てている男性が上着を着て外に出ようと行動を起こし始める。 そんな男性の行動を制したのは女性だった。  そんな事しなくてもいいよ… 冷たい声が仔実装に聞こえてくる。 その後に続いたのは聞きたく無い、嫌な真実だった。  糞を投げて、暴れて、喚いてちっとも可愛くない。  実装石は成長するにつれて飼い主を馬鹿にし始めると聞いた。  きっとミミも私を馬鹿にしていたのに決っている。手がつけられなくなる前に消えてくれて本当によかった。  実のところ、明後日ミミを処分しようと思っていたと… … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:28:05 No.40901787 思わぬ言葉に男性が固まる。 それ以上に固まっていたのが仔実装であった。 早く映画の続きを見ようと男性を誘う女性。 いつの間にか涙を流していた仔実装。大声で泣こうと思った次の瞬間。 部屋に落雷が落ちた。 「何言っているんだお前は? 可愛くないから捨てる 実装石は物じゃないのだぞ、 生き物だ。笑って怒って泣いてそんな生き物を簡単に捨てるとか言うな。捨てるのならば最初から飼うな!!!」 男性は怒っていた。軽々しく捨てると口にした女性に悲しんだ。 ごめんなさいと、男性の腕を掴みながら、なぜか男性に謝罪の言葉を口にする女性。 男性はその手を振り解く。ごめんなさいは俺では無く、ミミにかけるべき言葉だろ、とイラつく 「室内に居ないんじゃ外に出た可能性が高い。探すだけ探してみる。どっちにしろ話はその後だ」 男性は上着を着終わると外に仔実装を探しに出かけていった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:28:57 No.40901803 部屋に取り残された女性は、  そんな、ちがう… と口にしながらヘタリと座り込む。 女性が悲しんでいる。その事を敏感に感じ取った仔実装は隙間から這い出てくる。 先ほど要らない、と自分を捨てた女性の悲しみを癒す為に仔実装が行動を起こす。 なんと言われようが仔実装にとって女性はかけがえの無い存在なのだから。 テッチューテッチューとやけに明るい声を出しながら小躍りを始める仔実装。 元気になってもらいたいと心から踊る。そんな仔実装に投げかけられる言葉…  私を馬鹿にするのがそんなに楽しいの? 次の瞬間。仔実装は首を絞められていた。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:29:39 No.40901828 元気付けようと踊ったはいいが、女性の目にはそれが悲しんでいる自分を見て笑っているものに映ったようであった。 テ ッケ テッ 苦しさから変な声を上げる仔実装。 しかし、抵抗はしなかった。 女性が自分の事を本気で殺すとは思っていないからだ。 悲しませる事をしてしまった罰。これは仕方がない事だと仔実装は思った。 首に女性の爪がめり込み、喉の奥から血の味が駆け上がってくる頃、急に楽になった。 テボッ、テボッと苦しさから咳き込んでいる仔実装の目に、 一方的に言葉を投げかけられる女性が見えた。 仔実装は男性に助けられたようである。 見上げた男性の顔は悪鬼のように赤く染まっていた。 女性を虐めている男性の首にでも噛み付いてやろうと思ったが、ダメージのせいか そのまま仔実装は気絶してしまった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:30:25 No.40901854 結局男性はこの女性の家にあれっきりこなくなった。 昔のように仔実装と女性だけの生活に戻ったのだ。 初めは仔実装を拒絶していた女性であったが、なんど無視されても卑屈にならず 笑顔を振り撒く仔実装に女性は次第に心を開いていった。 糞投げも、夜鳴きも行なわず良い仔になってきた仔実装。 元々ペット実装である。愛されていると十分感じれば元に戻るのも早かった。 そんな仔実装を女性は再び大切に扱い始めた。 ミミは再びアイドルの座に返り咲いたのであった。 幸せに生活をしているミミ。 そんなある日、女性に抱えられながら散歩をしていると言葉を掛けられる。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:31:17 No.40901881  あのね。私また付き合う事になったの今度の人はねとっても優しそうな人なんだ。 付き合うと言うのがどんな事か分からないが、女性が笑顔なのでつられて笑うミミ。  それでね。ミミには手伝ってもらいたい事があるの ワタチでよければなんでも手伝うとテッチューっと声を上げるミミ。  そう、手伝ってくれるのね。ありがとう。 女性はそれっきり声を発さなかった。 テッチューテッチューとご機嫌に声を出すミミの鳴き声を聞きながら モクモクと煙を吐き出す建物を見る女性。 その中に入ると、簡単な手続きを開始する。 また実装石が原因で別れる事になるなんて女性には耐えられなかった。 同じ轍を踏まないよう。今回は早めに手を打つ作戦に出たようだ。 … おわr  Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:31:46 No.40901890  大人しく待っているのよ と、さも迎えに来るといった感じでミミに言葉を掛ける女性。 それが最後だった。 数時間後、なんども女性の名を呼びながら業火に焼かれるミミの姿があった。 四肢の末端から焼き崩れ、ボロボロに朽ちていく体。 ママァァァァ マママママアァァァァッァアァっと女性に助けてもらおうと力の限り呼んだ。 皮膚の下から沸騰した血液がポコポコと動き、耐えられない不快感が襲う。 その傍から瞬く間に皮膚が焼かれ落ちていく。 目玉がデロンっと床に落ちた時、ミミの意識は遠いところへいってしまった。 その夜、ゴミ捨て場に粗大ゴミが放置してあった。 そのゴミに躓いた酔っ払いが腹いせに躓く原因を作ったゴミに蹴りを入れる。 蹴られた衝撃でケージのネームプレートが外れ地面に落っこちたようだ。 そのプレートにはミミとあった… 1/5 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:42:51 No.40900135 それは、向日葵の花が頭を下げる夏の終わりの出来事。 脳天を揺さぶる蝉の声。肌を貫く太陽の矢。 吸い込まれてしまいそうになると錯覚するほどに只管青かった空。 それがとても怖かった事を仔実装であるスイはとてもよく覚えていた。 ママはだれ? と問われてもスイは首を傾げるしかできなかった。 産みの親は一切スイを含めた仔達に関心を示さなかったのだ。 腹が空いたと泣き喚けば、あの糞蟲種でも拳の一発でも飛ばす等の行動を起こすが スイの産みの親はそれすらをも行なわなかった。 関心が無いので、鳴いても喚いても放置し続けていた。 仔実装の鳴き声など、頭上から漏れてくる蝉の声に比べれば些細な音。 昼寝の邪魔にはならなかったらしい。 スイは産まれてから一度たりとも撫でられるは勿論、言葉すらもかけてもらえなかった。 一体何の為に仔実装を産んだのかと疑問視するほどの徹底した無視、無関心。 それがスイの産みの親であった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:44:01 No.40900183 初めの頃は本能に従い、産みの親が寝ている時に乳に吸い付き命を繋いでいたのだが、 やがて乳が出なくなると、衰弱死する姉妹が多数現れた。 このままでは死んでしまう。勇気を振り絞りスイは餌探しに向かう事にした。 何が食べ物で、何処に危険があるか? スイはその全てが分からなかった。 親実装が拾ってくる残飯を食い、何が食い物であるかを学習する機会がなかったスイは 石を食べ物と間違え飲み込んでしまう。 時間が経ちお腹に激痛が走った頃、ようやくこれは食べ物では無いと学習するのだった。 嘔吐と下痢を繰り返し、やがて衰弱状態になったスイが道端に倒れこむ。 そんな体に容赦無く降り注ぐ太陽の矢。 見上げた青空に吸い込まれそうになる錯覚を受け、怖くてテチィーと鳴いたものだ。 数時間後、フラフラになりながらも巣に帰ってくるスイ。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:45:53 No.40900272 疲れ果てた体を癒す為に目を瞑る。 そんな時聞こえてくる艶っぽい声。 それは産みの親の喘ぎ声だった。 一心不乱に股間を弄り、快感に身を任せる。 そんな声につられたのか、マラ実装が寄って来る。 後は同じ、毎回同じ事が起きる。 デップンデップンと腰を動かすマラと産みの親の交尾が長時間行なわれる。 その声が呪詛のようにスイの耳に届けられる。 両耳を押さえ、涙を流しながらその声に耐えるスイ。 何故だか分からないが、兎に角涙だけが止め処も無く流れていた。 その日スイは意識が朦朧としていた。 餌不足に、愛情の欠如、そしてこの気温。 直ぐに死んでしまってもおかしくない条件が揃っていた。 そんな条件下、最後の力を振り絞り立ち上がるスイ。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:46:22 No.40900291 目の前には寝息を立てている産みの親がいる。 暫しの間、ボーっとその顔を見つめる。 そして、両手で産みの親の前髪を掴むと、そのまま床に倒れこむ。 ブチブチというと音と、デギャ-という悲鳴。 慌てて起きた産みの親はおそるおそる自分の前髪に手をやる。 触れた場所には何も無かった。 大事な前髪を奪った犯人は薄っすらと笑みを浮かべながら産みの親を見上げていた。 怒りに身を任せながら、産みの親はスイをボロボロにしていく 右腕は引き千切られた。左腕は砕かれた バクリといかれた下半身はそのままなくなり、内臓がボトリと床に落ちていった。 両手でスイの顔を挟み、そのまま力任せに潰そうとする産みの親。 怒りに、屈辱に満ちた視線をスイに送る。 右目は飛び出し、鼻血を垂らし、ベキベキと己の頭蓋が砕かれる音を聞きながら最後の言葉を口にするスイ。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)03:47:09 No.40900315  やっと… ワタチを見てくれたテチ… 言い終わるかどうか、そもそもその言葉が産みの親に伝わっているかも危ういが とりあえずべチッっと言う音と共にスイは絶命した。 … 先に投下したのと同じような話 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:22:10 No.40901596 その家にはペットショップから買い取られてきた仔実装がいた。 この小さな妖精は間違い無く飼い主であるその女性のアイドルだった。 飴玉を口の中で転がしながら食べるその仕草。クッキーをカリカリ食べる愛くるしい行動。 遊んで遊んでと、女性の後をおぼつかない足取りで一生懸命追う姿。 バランスを崩して倒れ、痛さから涙を流す。 テーンテーンと泣きはじめた仔実装に向かい痛いの痛いのとんでけーっと女性が人差し指で頭を撫でてやると、 さっきまでの泣き顔がどこへやらテッチ-テッチ-と大喜び。 クルクル回り、テチッと笑う。一緒にご飯を食べ、一緒にお風呂に入る。 産まれて間もない頃から毎日、躾と銘打った調教漬けの日々だった。 そんな仔実装に訪れた安らぎの時。 親という存在を知らない仔実装は女性の中にママの影を見ていたのであった。 いっぱい甘え、いっぱい愛してもらう。それだけで仔実装の心は満たされた。 金平糖や服、おもちゃに寿司、肉 そんなものなんかよりも余程価値のある幸福を、この仔実装は知っていた。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:22:46 No.40901618 だが、そんな幸せもすぐに崩壊した。 女性の部屋に男性が通い始めてからというもの 女性は仔実装にあまりかまわなくなってしまったのである。 寂しい思いを紛らわす為だけに女性に買い取られていた事実を仔実装は知らない。 女性の心を癒す道具としての性能は、仔実装よりも男性の方が優れていたようである。 そんな状況を好転させる為に仔実装は女性の興味を引く行動を起こすようになる。 糞投げ、夜鳴き、全ては自分を見てもらいたいが為の行動いわば愛情の裏返し。 唄や踊り、媚では黙殺されるが、糞投げを行なうと女性は仔実装の方に顔を確実に向けたのであった。 それが女性の心をますます離れさせる行為たどいう事など、仔実装には分かる筈も無く 日々その行動はエスカレートしていった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:23:19 No.40901638 その日仔実装は、家具の隙間にその小さな身を押し込み息を殺しながら潜んでいた。 脳裏に浮かぶのは少し前の出来事。やんちゃ盛りの仔実装は、かくれんぼと称しこの場所に隠れた事があった。 女性は焦ったようである。帰って来たはいいが仔実装の姿が見えない。 何も知らない仔実装一匹で外に出よう物ならば死は免れない。 女性は仔実装の名を呼びながら探し回った。 女性が泣き出す一歩手前で仔実装は隙間から這い出し、テッチューと声を上げる 抱きしめられ、もうこんな事しないでね。と言葉を掛けられた仔実装。 いけないことを自分はしてしまった。と思う反面こんなにも自分を心配してくれる女性を見て 愛されているんだなと再確認したようであった。 その事を思い出し、テププと笑う仔実装。 いっぱい心配させてやる。そう、心の中で呟く。 そこには寂しい思いをさせている女性への復讐心と、 ご主人様は必ずワタチを見つけてくれるといった信頼感があった。 同じ事が今度も起きるに決っている。揺るぎようも無い確信が仔実装を包んでいた。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:23:43 No.40901648 いつの間にか寝入ってしまった仔実装。 ガチャリと言う音と共に目を覚ましたようである。 どうやら女性が帰ってきたようだ。 楽しかったね。疲れた〜などの会話が聞こえてくる。 仔実装は思わず舌打ちをする。 あの男も一緒かと小声で呟くと、表情を不機嫌にさせる。 しかし、それも少しだけの不快感。 すぐに顔を歪め始める。 ケージに仔実装の姿が無い事を知った女性の慌てふためく姿を想像しながら テププと小さく笑う。 わくわくしながら早く早くと期待から体をソワソワし始めた。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:24:18 No.40901668 おかしい… そう思ったのは少しばかり時間が経ってから事だった。 あの後、女性は料理を作り始めてしまった。 楽しく談笑をしながら男性と食卓を囲む声が聞こえてくる。 それが終わるとTVを見始めたようである。 仔実装は焦っていた。おかしい、おかしい。何か変だと混乱し始めた。 泣き出しそうになった時思わぬ所から助け舟がでた。 「なぁ、ミミに餌やらなくていいのか?」 それは仔実装が嫌っていた男性からの助けだった。 フンッ、たまには使えるじゃないかと男性の評価を少しだけ上げた仔実装。 男性の指摘に女性が立ち上がり、餌の準備をし始める。 さぁ、いっぱい心配するテチィ… 目を爛々と輝かせながら、事を見守る仔実装。 あれ? っと言う女性の驚きの声が仔実装の耳に入ると興奮から脱糞しそうになった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:24:38 No.40901681  ミミが居ない。 女性は男性に向かいそう声を上げた。 すっかりくつろぎムードだった男性はその声を聞くと立ち上がり、ケージの中を捜索する。 「タオルを被って寝ているってわけでもないな…」心配そうに辺りを見回している。 「ちょっと俺、近所を探してくる」 何故か慌てている男性が上着を着て外に出ようと行動を起こし始める。 そんな男性の行動を制したのは女性だった。  そんな事しなくてもいいよ… 冷たい声が仔実装に聞こえてくる。 その後に続いたのは聞きたく無い、嫌な真実だった。  糞を投げて、暴れて、喚いてちっとも可愛くない。  実装石は成長するにつれて飼い主を馬鹿にし始めると聞いた。  きっとミミも私を馬鹿にしていたのに決っている。手がつけられなくなる前に消えてくれて本当によかった。  実のところ、明後日ミミを処分しようと思っていたと… … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:28:05 No.40901787 思わぬ言葉に男性が固まる。 それ以上に固まっていたのが仔実装であった。 早く映画の続きを見ようと男性を誘う女性。 いつの間にか涙を流していた仔実装。大声で泣こうと思った次の瞬間。 部屋に落雷が落ちた。 「何言っているんだお前は? 可愛くないから捨てる 実装石は物じゃないのだぞ、 生き物だ。笑って怒って泣いてそんな生き物を簡単に捨てるとか言うな。捨てるのならば最初から飼うな!!!」 男性は怒っていた。軽々しく捨てると口にした女性に悲しんだ。 ごめんなさいと、男性の腕を掴みながら、なぜか男性に謝罪の言葉を口にする女性。 男性はその手を振り解く。ごめんなさいは俺では無く、ミミにかけるべき言葉だろ、とイラつく 「室内に居ないんじゃ外に出た可能性が高い。探すだけ探してみる。どっちにしろ話はその後だ」 男性は上着を着終わると外に仔実装を探しに出かけていった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:28:57 No.40901803 部屋に取り残された女性は、  そんな、ちがう… と口にしながらヘタリと座り込む。 女性が悲しんでいる。その事を敏感に感じ取った仔実装は隙間から這い出てくる。 先ほど要らない、と自分を捨てた女性の悲しみを癒す為に仔実装が行動を起こす。 なんと言われようが仔実装にとって女性はかけがえの無い存在なのだから。 テッチューテッチューとやけに明るい声を出しながら小躍りを始める仔実装。 元気になってもらいたいと心から踊る。そんな仔実装に投げかけられる言葉…  私を馬鹿にするのがそんなに楽しいの? 次の瞬間。仔実装は首を絞められていた。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:29:39 No.40901828 元気付けようと踊ったはいいが、女性の目にはそれが悲しんでいる自分を見て笑っているものに映ったようであった。 テ ッケ テッ 苦しさから変な声を上げる仔実装。 しかし、抵抗はしなかった。 女性が自分の事を本気で殺すとは思っていないからだ。 悲しませる事をしてしまった罰。これは仕方がない事だと仔実装は思った。 首に女性の爪がめり込み、喉の奥から血の味が駆け上がってくる頃、急に楽になった。 テボッ、テボッと苦しさから咳き込んでいる仔実装の目に、 一方的に言葉を投げかけられる女性が見えた。 仔実装は男性に助けられたようである。 見上げた男性の顔は悪鬼のように赤く染まっていた。 女性を虐めている男性の首にでも噛み付いてやろうと思ったが、ダメージのせいか そのまま仔実装は気絶してしまった。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:30:25 No.40901854 結局男性はこの女性の家にあれっきりこなくなった。 昔のように仔実装と女性だけの生活に戻ったのだ。 初めは仔実装を拒絶していた女性であったが、なんど無視されても卑屈にならず 笑顔を振り撒く仔実装に女性は次第に心を開いていった。 糞投げも、夜鳴きも行なわず良い仔になってきた仔実装。 元々ペット実装である。愛されていると十分感じれば元に戻るのも早かった。 そんな仔実装を女性は再び大切に扱い始めた。 ミミは再びアイドルの座に返り咲いたのであった。 幸せに生活をしているミミ。 そんなある日、女性に抱えられながら散歩をしていると言葉を掛けられる。 … 無念 Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:31:17 No.40901881  あのね。私また付き合う事になったの今度の人はねとっても優しそうな人なんだ。 付き合うと言うのがどんな事か分からないが、女性が笑顔なのでつられて笑うミミ。  それでね。ミミには手伝ってもらいたい事があるの ワタチでよければなんでも手伝うとテッチューっと声を上げるミミ。  そう、手伝ってくれるのね。ありがとう。 女性はそれっきり声を発さなかった。 テッチューテッチューとご機嫌に声を出すミミの鳴き声を聞きながら モクモクと煙を吐き出す建物を見る女性。 その中に入ると、簡単な手続きを開始する。 また実装石が原因で別れる事になるなんて女性には耐えられなかった。 同じ轍を踏まないよう。今回は早めに手を打つ作戦に出たようだ。 … おわr  Name マルカジリ ◆dfxcz.LBfg 07/04/17(火)04:31:46 No.40901890  大人しく待っているのよ と、さも迎えに来るといった感じでミミに言葉を掛ける女性。 それが最後だった。 数時間後、なんども女性の名を呼びながら業火に焼かれるミミの姿があった。 四肢の末端から焼き崩れ、ボロボロに朽ちていく体。 ママァァァァ マママママアァァァァッァアァっと女性に助けてもらおうと力の限り呼んだ。 皮膚の下から沸騰した血液がポコポコと動き、耐えられない不快感が襲う。 その傍から瞬く間に皮膚が焼かれ落ちていく。 目玉がデロンっと床に落ちた時、ミミの意識は遠いところへいってしまった。 その夜、ゴミ捨て場に粗大ゴミが放置してあった。 そのゴミに躓いた酔っ払いが腹いせに躓く原因を作ったゴミに蹴りを入れる。 蹴られた衝撃でケージのネームプレートが外れ地面に落っこちたようだ。 そのプレートにはミミとあった…

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1 Re: Name:匿名石 2018/07/17-03:05:54 No:00005502[申告]
面白い話やん
2 Re: Name:匿名石 2019/12/20-12:32:04 No:00006148[申告]
後半の女の思考パターンが実装石に似てんのも皮肉な感じでいい
3 Re: Name:匿名石 2019/12/20-12:43:52 No:00006149[申告]
どの立ち位置でも庇護されないとどうしようもない仔実装
そんな脆弱な命を無碍に消費する楽しさ
たまらんね
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