タイトル:【塩】 屋台
ファイル:屋台.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:550 レス数:4
初投稿日時:2006/05/12-00:00:00修正日時:2006/05/12-00:00:00
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屋台 06/05/12(Fri),18:59:59 from uploader 花見客で賑わう公園の奥で実装石の屋台を見つけた。 お辞儀する成体の実装石の隣に2匹の仔実装が行儀良く座っている。 親子なのだろうか。 その様子は餌を貰おうと媚びて酔っ払いに殺される糞蟲とは違う。 難を逃れて別な場所に避難して行った賢い者達ともまた、少々雰囲気が違う。 店を出すぐらいなのだから賢いのは賢いのだろう。 実装石の屋台、一体何を出すというのだろうと辺りを回してみると、 成体実装の傍らに汚らしい板切れがあるのに気付いた。 「ユジンウ1ミソ」 恐らく看板であろう板切れには、下手糞な字でそう書かれていた。 ユジンウ1ミソ? 味噌? この実装石が書いたのだろうか。 文字を書いたのが実装石ならすごい。 こちらの視線に気付いた成体実装が、 それを書いたのは私だ、どうだすごいだろうと言わんばかりにふんぞり返って見せた。 そうか、確かにすごい。 すごいが、意味不明だ。 だが俺は解読する事が出来た。 「ユ」というのは下の線が長くなっているのでそう見えたが本当は「コ」だ そして「ン」は「ソ」であろう。 続いて1ミソだが、1味噌と読めてしまうから勘違いしていた。 良く見ると「1」と「ミ」の間隔が短い。 「ミ」が大きく書かれているから誤読してしまったが、 たぶん「1」と「ミ」はくっついて「ド」と書かれているのだろう。 つまり「1ミソ」とは「ドン」と読める。 全てを繋ぎ合わせると「コジソウドン」となるわけだ。 「コジソウドン」 それは恐らく「コジッソウドン」 「仔実装丼」か・・・実装石が屋台で出しそうな物としても辻褄が合う。 偶然目に入った仔実装がヒントになった。 最初に「ユ」を「コ」と読めたから解読できたのだ。 縦書きになっていたらもう少しわかりやすかったかもしれない。 しかし「仔実装丼」とは・・・ 仔を食い物にして売りに出すとは、何と外道なナマモノだろう。 横でじっと調理されるのを待っている仔が不憫だ。 だがそれはそれ、これはこれ。 面白そうなので一応注文してみた。 それを聞くと成体実装は「デスゥ!」と威勢良く一声鳴き、 袖を捲り上げて作業に取り掛かった。 どんな惨劇が繰り広げられるのかと期待したが、 成体実装は自分の隣にいる仔たちには目もくれず、 繁みの方へ走って行ってしまった。 しばらくして黙って座っていた仔実装2匹も立ち上がり、 少し奥の草むらの中から何かを引っ張り出し始めた。 2匹とも非力なようで手間取っている。 それは仔実装3匹を並べられるぐらいの大きさの板切れだった。 緑の体液が生々しく付着している。 自分たちが調理されるまな板を自分たちで用意されられているのかもしれない。 その板を出し終えた頃、成体実装が帰ってきた。 その手には何故か3匹の蛆実装が握られていた。 成体実装が蛆実装の服を器用に剥いで裸にする。 そして板の上に寝かせた。 仔実装丼と書かれていたのに、蛆実装を調理するのか? 成体実装は寝かせた蛆の腹を抑え、ころころと転がし始めた。 転がしながら、成体実装が仔実装たちに何やら指示を出している。 仔実装たちは調理されるのではなく、どうやら助手のようだった。 今まで様子を見ていた2匹の仔実装たちも、それぞれ同じように転がし始める。 成体は片手で転がしているが、仔実装は小さいので両手を使って転がしている。 あまり力を入れていないのか、蛆実装は潰れない。 腹を押されて気持ちいいのか、テフーテフーと声を漏らしている。 一体何をしているのか、全く見当がつかない。 伸びている・・・ 単調な作業が続いていたのでしばらくの間桜を眺めていたのだが、 視線を戻すといつの間にか蛆実装の体長が通常の2倍ほどに伸びていた。 腹を押えて転がし、蛆実装を伸ばしている? 成体実装の転がしていた蛆実装は、顔の部分はそのままに、 胴体が細長くなっていた。 仔実装の転がしている蛆実装も、成体のものほどではないが伸びている。 「テフ!!」 その時、仔実装の転がしていた蛆実装が口からモツを、尻から糞をはみ出させた。 力加減を間違えたらしい。 まな板に付着していた緑の体液はそうやって付いた蛆実装の物だったのだろう。 成体実装の怒鳴り声が響き、怒られた仔実装は目を潤ませる。 成体実装はかなり職人気質のようであった。 賢い実装石とも違う雰囲気があると感じたのはその辺のようだ。 仔実装たちの転がした蛆実装はやや形が歪だが、 成体実装の方はきれいに伸びている。 蛆実装はうっとりとした表情で、されるがままになっていた。 やはり仔実装たちの技量は成体のものより劣るらしく、 途中何度も怒鳴り声が飛んでいた。 そうやって一人前の職人へと成長していくわけなのだな。 しばらくの間、実装石たちは無心に蛆実装を伸ばしていた。 蛆実装の長さが通常の4倍ほどにまで伸びた頃、 成体実装は仔実装たちに指示を出し、自分は仔実装の伸ばした歪な蛆の形を整え始めた。 完成が近いのだろうか。 しばらくして仔実装たちはどこで拾ったのか、欠けた茶碗を運んできた。 成体実装の方も作業が終わったようで、仔実装たちに労いの言葉をかけた後、 伸ばした3匹の蛆実装を茶碗に盛り付けた。 あんなに長くなっているのにまだ生きているのだからたいしたものだ。 盛り付けると再び成体実装は繁みの方へ消えて行った。 「デスッ!!」 戻ってきた成体実装が茶碗を元気良く差し出してくる。 見ると、3匹の伸ばされた蛆実装がその中で溺れていた。 繁みの向こうで茶碗に泥水を注いで来たらしい。 濁った泥水に肌色の3匹の蛆がとぐろを巻いて溺れ、 そこに黄色いタンポポの花と緑の葉っぱが浮かび、彩りを添えている。 泥水はちょっとアレだが、なかなかに美しい碗だ。 遠くから見れば美味しそうに見えるかもしれない。 これで完成のようだが、どう見ても丼物には見えない。 むしろ伸ばされた蛆実装と汁からして、麺類のような・・・ そこで俺は気付いた。 もしかして、「コジッソウドン」ではなく、「コジッソウウドン」 仔実装饂飩? ウドンなのか? 流石にそこまでは思いつかなかった。 元が「コジソウドン」と書かれてたわけだから、 「コジソ」「ウドン」と真ん中で切れば良かったのか。 そして「コジソ」に文字2つ、「ッ」と「ウ」を補って解読・・・俺には無理だ。 こいつらは蛆実装をこねて麺を作っていたようだ。 碗の中では伸ばされた蛆実装が溺死寸前だった。 俺はこれをどうしたらいいのだろう? 叩き返すには少々勿体無い気もする。 そんなことを考えていると、ズボンの裾が引っ張られる感触がした。 視線を落とすと、仔実装がアイスの空き袋を差し出している。 見ると、袋の中ほどまでぎっしりとコンペイトウが詰まっていた。 デザートかと思い受け取ろうとすると、成体実装に怒られてしまった。 お代のコンペイトウを入れろって事らしい。 自分と同じように注文し、さらにお代を払った人間がいるというのが驚きだった。 コンペイトウを求めているようだが、生憎今の俺はコロリしかもっていない。 そもそもお代など払う気などなく、変な物を出されたら殴ってやろうぐらいに思っていたのだが。 仔実装(蛆実装)ウドンは食えそうなものではなかったが、 熟練の実装伸ばしを見せてもらったから、ここは帳消しだろう。 俺は黙って立ち去る事にした。 しかし店の主がそれを許してはくれなかった。 「デッスゥ!!」 そう一声掛けると、蛆実装を取りに行った繁みの向こうから、 十数匹ほどの実装石たちがわらわらと現れた。 マラ実装や両目緑の妊婦実装、仔実装に後から随分遅れて「テフー」と蛆実装までが這い出てきた。 裏にはスタッフがこんなにいたのか。 俺は実装石たちに囲まれてしまった。 無銭飲食は許さないらしい。 どんなに数がいても所詮は実装石、負ける気はしないが、 この職人軍団、全滅させるには惜しいと思った。 俺は仕方なくアイスの袋にコロリを一粒だけ入れた。 犠牲者が1匹だけなら屋台の運営に支障は出ないだろう。 しかし・・・ 「デスゥ!!」 足りないと言われてしまった。 已む無くもう一粒追加すると、まあいいかというような態度で実装石達は引き上げていった。 袋の中身から察するに、十分な量が集まったのだろうか。 こっそり後をつけていくと、繁みの奥にはダンボール箱が4箱置かれていた。 ちょうど真ん中が広場のようになっていて、 それを取り囲むように少し大きめのダンボール箱が配置されていた。 実装石たちはその広場に集まっていた。 詳細はわからないが、見ると成体のほとんどが妊娠している事から、 店は麺作りの職人と蛆実装生産要員に分かれているようだ。 職人は最初の3匹だけなのだろうか。 やがて報酬の分配が始まった。 全員がきれいに一列に並び、麺職人から一粒ずつコンペイトウを配給していく。 途中マラに三粒配給したのは事を荒立てないためだろうか。 配給を終えると、その場の実装石全員が輪になって座った。 そして「デスデスーーーッ!!」という麺職人の音頭の後、 みな一斉にコンペイトウを口に放り込んだ。 ブリブリブリーーーーーーーッ!!!! 最初に糞を撒き散らしながら飛んでいったのは麺職人だった。 その後すぐ、数匹が大空に舞った。 地上を見ると血を流しながら痙攣している者、 口からムリムリッと糞を吐き出している者がいた。 おいおい、俺はコロリは入れたけど、ドドンパとゲロリは入れてないぞ・・・ 職人軍団は俺が手を下すまでも無く全滅だった。 アイスの袋にお代を入れた奴、みんな俺と同じだったのかもしれない。 たぶんみんな無銭飲食しようとして実装石たちに囲まれ、全滅よりはましかと・・・ 職人軍団、一生懸命技を磨き、ドドンパとコロリとゲロリを集めていたのか。 騒ぎが収まった頃、近付いていってみた。 足元には蛆実装の死体。 職人の真似をして指でコロコロ転がしてみる。 プチッとあっけなく潰れてしまった。 これを生きたまま伸ばすのは相当難しい。 我々は素晴らしい職人を失ってしまったのだ。 「テ・・・テス・・・・・・」 その時微かな声がした。 見ると仔実装が一匹だけ、死なずに生き残っていた。 ピクピクと震え、身動きが取れないようだが確かに生きている。 あのアイスの袋の中に、一粒だけシビレが入っていたようだ。 今は動けないが、しばらくすれば回復するだろう。 助手かもしれないと思ったが、仔実装は助手の2匹以外に裏にも数匹いたようで、 配給の時に混ざってしまっていたため、この生き残りが麺を作れるかどうかはわからなかった。 だが希望は残った。 俺はこの生き残りを連れ帰って一人前の職人に育ててやろうと思った。 助手じゃないなら一から育ててやるまでだ。 職人への道は遠く険しい。 いつの日か、お前の生んだ蛆で麺を作らせてやろう。 俺はこいつを残して死んでしまった親や姉妹に誓った。 今日作ってもらった蛆ウドンは、帰り道、その辺にいた野良にくれてやったら喜んで食っていた。 どんな味だったのだろう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 注釈. 及び後記. *1:アップローダーにあがっていた作品を追加しました。 *2:仮題をつけている場合もあります。その際は作者からの題名ご報告よろしくお願いします。 *3:改行や誤字脱字の修正を加えた作品もあります。勝手ながらご了承下さい。 *4:作品の記載もれやご報告などがありましたら保管庫の掲示板によろしくお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 戻る 屋台 06/05/12(Fri),18:59:59 from uploader 花見客で賑わう公園の奥で実装石の屋台を見つけた。 お辞儀する成体の実装石の隣に2匹の仔実装が行儀良く座っている。 親子なのだろうか。 その様子は餌を貰おうと媚びて酔っ払いに殺される糞蟲とは違う。 難を逃れて別な場所に避難して行った賢い者達ともまた、少々雰囲気が違う。 店を出すぐらいなのだから賢いのは賢いのだろう。 実装石の屋台、一体何を出すというのだろうと辺りを回してみると、 成体実装の傍らに汚らしい板切れがあるのに気付いた。 「ユジンウ1ミソ」 恐らく看板であろう板切れには、下手糞な字でそう書かれていた。 ユジンウ1ミソ? 味噌? この実装石が書いたのだろうか。 文字を書いたのが実装石ならすごい。 こちらの視線に気付いた成体実装が、 それを書いたのは私だ、どうだすごいだろうと言わんばかりにふんぞり返って見せた。 そうか、確かにすごい。 すごいが、意味不明だ。 だが俺は解読する事が出来た。 「ユ」というのは下の線が長くなっているのでそう見えたが本当は「コ」だ そして「ン」は「ソ」であろう。 続いて1ミソだが、1味噌と読めてしまうから勘違いしていた。 良く見ると「1」と「ミ」の間隔が短い。 「ミ」が大きく書かれているから誤読してしまったが、 たぶん「1」と「ミ」はくっついて「ド」と書かれているのだろう。 つまり「1ミソ」とは「ドン」と読める。 全てを繋ぎ合わせると「コジソウドン」となるわけだ。 「コジソウドン」 それは恐らく「コジッソウドン」 「仔実装丼」か・・・実装石が屋台で出しそうな物としても辻褄が合う。 偶然目に入った仔実装がヒントになった。 最初に「ユ」を「コ」と読めたから解読できたのだ。 縦書きになっていたらもう少しわかりやすかったかもしれない。 しかし「仔実装丼」とは・・・ 仔を食い物にして売りに出すとは、何と外道なナマモノだろう。 横でじっと調理されるのを待っている仔が不憫だ。 だがそれはそれ、これはこれ。 面白そうなので一応注文してみた。 それを聞くと成体実装は「デスゥ!」と威勢良く一声鳴き、 袖を捲り上げて作業に取り掛かった。 どんな惨劇が繰り広げられるのかと期待したが、 成体実装は自分の隣にいる仔たちには目もくれず、 繁みの方へ走って行ってしまった。 しばらくして黙って座っていた仔実装2匹も立ち上がり、 少し奥の草むらの中から何かを引っ張り出し始めた。 2匹とも非力なようで手間取っている。 それは仔実装3匹を並べられるぐらいの大きさの板切れだった。 緑の体液が生々しく付着している。 自分たちが調理されるまな板を自分たちで用意されられているのかもしれない。 その板を出し終えた頃、成体実装が帰ってきた。 その手には何故か3匹の蛆実装が握られていた。 成体実装が蛆実装の服を器用に剥いで裸にする。 そして板の上に寝かせた。 仔実装丼と書かれていたのに、蛆実装を調理するのか? 成体実装は寝かせた蛆の腹を抑え、ころころと転がし始めた。 転がしながら、成体実装が仔実装たちに何やら指示を出している。 仔実装たちは調理されるのではなく、どうやら助手のようだった。 今まで様子を見ていた2匹の仔実装たちも、それぞれ同じように転がし始める。 成体は片手で転がしているが、仔実装は小さいので両手を使って転がしている。 あまり力を入れていないのか、蛆実装は潰れない。 腹を押されて気持ちいいのか、テフーテフーと声を漏らしている。 一体何をしているのか、全く見当がつかない。 伸びている・・・ 単調な作業が続いていたのでしばらくの間桜を眺めていたのだが、 視線を戻すといつの間にか蛆実装の体長が通常の2倍ほどに伸びていた。 腹を押えて転がし、蛆実装を伸ばしている? 成体実装の転がしていた蛆実装は、顔の部分はそのままに、 胴体が細長くなっていた。 仔実装の転がしている蛆実装も、成体のものほどではないが伸びている。 「テフ!!」 その時、仔実装の転がしていた蛆実装が口からモツを、尻から糞をはみ出させた。 力加減を間違えたらしい。 まな板に付着していた緑の体液はそうやって付いた蛆実装の物だったのだろう。 成体実装の怒鳴り声が響き、怒られた仔実装は目を潤ませる。 成体実装はかなり職人気質のようであった。 賢い実装石とも違う雰囲気があると感じたのはその辺のようだ。 仔実装たちの転がした蛆実装はやや形が歪だが、 成体実装の方はきれいに伸びている。 蛆実装はうっとりとした表情で、されるがままになっていた。 やはり仔実装たちの技量は成体のものより劣るらしく、 途中何度も怒鳴り声が飛んでいた。 そうやって一人前の職人へと成長していくわけなのだな。 しばらくの間、実装石たちは無心に蛆実装を伸ばしていた。 蛆実装の長さが通常の4倍ほどにまで伸びた頃、 成体実装は仔実装たちに指示を出し、自分は仔実装の伸ばした歪な蛆の形を整え始めた。 完成が近いのだろうか。 しばらくして仔実装たちはどこで拾ったのか、欠けた茶碗を運んできた。 成体実装の方も作業が終わったようで、仔実装たちに労いの言葉をかけた後、 伸ばした3匹の蛆実装を茶碗に盛り付けた。 あんなに長くなっているのにまだ生きているのだからたいしたものだ。 盛り付けると再び成体実装は繁みの方へ消えて行った。 「デスッ!!」 戻ってきた成体実装が茶碗を元気良く差し出してくる。 見ると、3匹の伸ばされた蛆実装がその中で溺れていた。 繁みの向こうで茶碗に泥水を注いで来たらしい。 濁った泥水に肌色の3匹の蛆がとぐろを巻いて溺れ、 そこに黄色いタンポポの花と緑の葉っぱが浮かび、彩りを添えている。 泥水はちょっとアレだが、なかなかに美しい碗だ。 遠くから見れば美味しそうに見えるかもしれない。 これで完成のようだが、どう見ても丼物には見えない。 むしろ伸ばされた蛆実装と汁からして、麺類のような・・・ そこで俺は気付いた。 もしかして、「コジッソウドン」ではなく、「コジッソウウドン」 仔実装饂飩? ウドンなのか? 流石にそこまでは思いつかなかった。 元が「コジソウドン」と書かれてたわけだから、 「コジソ」「ウドン」と真ん中で切れば良かったのか。 そして「コジソ」に文字2つ、「ッ」と「ウ」を補って解読・・・俺には無理だ。 こいつらは蛆実装をこねて麺を作っていたようだ。 碗の中では伸ばされた蛆実装が溺死寸前だった。 俺はこれをどうしたらいいのだろう? 叩き返すには少々勿体無い気もする。 そんなことを考えていると、ズボンの裾が引っ張られる感触がした。 視線を落とすと、仔実装がアイスの空き袋を差し出している。 見ると、袋の中ほどまでぎっしりとコンペイトウが詰まっていた。 デザートかと思い受け取ろうとすると、成体実装に怒られてしまった。 お代のコンペイトウを入れろって事らしい。 自分と同じように注文し、さらにお代を払った人間がいるというのが驚きだった。 コンペイトウを求めているようだが、生憎今の俺はコロリしかもっていない。 そもそもお代など払う気などなく、変な物を出されたら殴ってやろうぐらいに思っていたのだが。 仔実装(蛆実装)ウドンは食えそうなものではなかったが、 熟練の実装伸ばしを見せてもらったから、ここは帳消しだろう。 俺は黙って立ち去る事にした。 しかし店の主がそれを許してはくれなかった。 「デッスゥ!!」 そう一声掛けると、蛆実装を取りに行った繁みの向こうから、 十数匹ほどの実装石たちがわらわらと現れた。 マラ実装や両目緑の妊婦実装、仔実装に後から随分遅れて「テフー」と蛆実装までが這い出てきた。 裏にはスタッフがこんなにいたのか。 俺は実装石たちに囲まれてしまった。 無銭飲食は許さないらしい。 どんなに数がいても所詮は実装石、負ける気はしないが、 この職人軍団、全滅させるには惜しいと思った。 俺は仕方なくアイスの袋にコロリを一粒だけ入れた。 犠牲者が1匹だけなら屋台の運営に支障は出ないだろう。 しかし・・・ 「デスゥ!!」 足りないと言われてしまった。 已む無くもう一粒追加すると、まあいいかというような態度で実装石達は引き上げていった。 袋の中身から察するに、十分な量が集まったのだろうか。 こっそり後をつけていくと、繁みの奥にはダンボール箱が4箱置かれていた。 ちょうど真ん中が広場のようになっていて、 それを取り囲むように少し大きめのダンボール箱が配置されていた。 実装石たちはその広場に集まっていた。 詳細はわからないが、見ると成体のほとんどが妊娠している事から、 店は麺作りの職人と蛆実装生産要員に分かれているようだ。 職人は最初の3匹だけなのだろうか。 やがて報酬の分配が始まった。 全員がきれいに一列に並び、麺職人から一粒ずつコンペイトウを配給していく。 途中マラに三粒配給したのは事を荒立てないためだろうか。 配給を終えると、その場の実装石全員が輪になって座った。 そして「デスデスーーーッ!!」という麺職人の音頭の後、 みな一斉にコンペイトウを口に放り込んだ。 ブリブリブリーーーーーーーッ!!!! 最初に糞を撒き散らしながら飛んでいったのは麺職人だった。 その後すぐ、数匹が大空に舞った。 地上を見ると血を流しながら痙攣している者、 口からムリムリッと糞を吐き出している者がいた。 おいおい、俺はコロリは入れたけど、ドドンパとゲロリは入れてないぞ・・・ 職人軍団は俺が手を下すまでも無く全滅だった。 アイスの袋にお代を入れた奴、みんな俺と同じだったのかもしれない。 たぶんみんな無銭飲食しようとして実装石たちに囲まれ、全滅よりはましかと・・・ 職人軍団、一生懸命技を磨き、ドドンパとコロリとゲロリを集めていたのか。 騒ぎが収まった頃、近付いていってみた。 足元には蛆実装の死体。 職人の真似をして指でコロコロ転がしてみる。 プチッとあっけなく潰れてしまった。 これを生きたまま伸ばすのは相当難しい。 我々は素晴らしい職人を失ってしまったのだ。 「テ・・・テス・・・・・・」 その時微かな声がした。 見ると仔実装が一匹だけ、死なずに生き残っていた。 ピクピクと震え、身動きが取れないようだが確かに生きている。 あのアイスの袋の中に、一粒だけシビレが入っていたようだ。 今は動けないが、しばらくすれば回復するだろう。 助手かもしれないと思ったが、仔実装は助手の2匹以外に裏にも数匹いたようで、 配給の時に混ざってしまっていたため、この生き残りが麺を作れるかどうかはわからなかった。 だが希望は残った。 俺はこの生き残りを連れ帰って一人前の職人に育ててやろうと思った。 助手じゃないなら一から育ててやるまでだ。 職人への道は遠く険しい。 いつの日か、お前の生んだ蛆で麺を作らせてやろう。 俺はこいつを残して死んでしまった親や姉妹に誓った。 今日作ってもらった蛆ウドンは、帰り道、その辺にいた野良にくれてやったら喜んで食っていた。 どんな味だったのだろう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 注釈. 及び後記. *1:アップローダーにあがっていた作品を追加しました。 *2:仮題をつけている場合もあります。その際は作者からの題名ご報告よろしくお願いします。 *3:改行や誤字脱字の修正を加えた作品もあります。勝手ながらご了承下さい。 *4:作品の記載もれやご報告などがありましたら保管庫の掲示板によろしくお願いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 戻る

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1 Re: Name:匿名石 2020/08/25-12:38:53 No:00006264[申告]
やはり実装コロニー崩壊落ちはいい
こういうのでいいんだよ
こういうので
2 Re: Name:匿名石 2020/08/29-17:09:01 No:00006265[申告]
相手が糞蟲でも無銭飲食はよくないな
そして、お代で群れは壊滅
それにしてもよく伸ばせた
3 Re: Name:匿名石 2021/07/28-03:05:18 No:00006394[申告]
生き残った仔実装もニンゲンに職人芸という名の蛆殺しを強要されているかと思えば悲惨なものだ
あの日死ねていればと日々思っていることだろう
4 Re: Name:匿名石 2021/08/02-23:36:00 No:00006395[申告]
!!!デス---------------------(●△○)-------------------ン!!!!
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