タイトル:俺が【哀】・・・
ファイル:火災.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4021 レス数:2
初投稿日時:2007/03/25-03:54:01修正日時:2007/03/25-03:54:01
←戻る↓レスへ飛ぶ








        火災






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「デギャァァァァァ 熱いデス!」

「テチャァ〜! ママァ 怖いテチィ〜!」

「こっちに来るデス!」

「ママ! なんとかするテチ!」

「ニンゲンさん助けてテチ!」

「大変テチ! 蛆ちゃん助けるテチ!」

「もう遅いデス! お前だけでもこっちに来るデス!」

「テチャ! 蛆ちゃんものすごく熱いテチ! 熱くてもてないテチ!」

「テ?! 蛆ちゃん煮えてるテチ!」

「お前たち! こっちはまだ大丈夫デス! こっちに来るデス!」

「ニンゲンさん助けてデス! もう我侭言わないから助けるデスゥ!」






 私のアパートが家事に遭った、明け方に起きた火事で、
入り組んだ路地の奥に建つ木造アパートの為消防車が入り込むことが出来ず、鎮火したのは昼近くの事だった。

 屋根や床が抜け落ち、炭化した骨組みだけを複雑な表情で見ている住人達、
幸い住人に死傷者は居なかったが、実装石はかなりの死傷数に及んだ、
これは大家が愛護派だった事、それゆえ多頭飼いを許された数少ないアパートだった事が災いした。

 必死の思いで助け出した二匹の仔実装を抱きかかえる老夫婦、大家宅は飼っていた二十数匹が全滅していた、
その足元であちこち焦げた実装石や両足を折った実装石が力なくデェェェと声を上げていた、
アパートの周り、丁度窓の下辺りでは潰れた実装石が折り重なっていた、
私は引越ししたばかりで何も飼って居なかったので、仕事に行く為のスーツだけを掴み飛び出しただけだが、
ハンドバッグに仔実装を入れて逃げ出した女性や、
必勝の文字の入ったハチマキで生体実装三匹を縛り左手に持ち、なぜか右手に長ねぎを持っている浪人生、
必勝ハチマキで縛られた実装石の顔色が三匹とも青い、下半身は紫色に変色していた、
親指実装だけを大きめの水槽で多頭飼いしている親指マニアな若夫婦は、二人で水槽を持ち出した様だ。

 近くにある町内会の集会所が避難場所として提供された、同時に食事も出されたが箸を付ける者は居なかった、
皆憔悴やこれからの不安に食事も喉を通らない様だったが、
実装達は出された実装フードと金平糖をきれいに食べ尽くしていた、
必勝ハチマキで縛られていた実装石は下半身が動かないようだった。

 現場では諦めの雰囲気の中、残された実装石の救出作業が始まっていた、
火勢は衰えないが勢いも強まらないという中途半端な消火活動の為、実装石は炭化しながらもなんとか原型を留めて居た。

 仔を守る様に抱きかかえ絶命している親実装、仔を楯にするような格好の親実装も居た、
出火原因は放火だった、一階に住む青年(数日前に夜逃げ)が交際していた女性が自分が放火したと家族に付き添われ警察に出頭していた、
一方的な別れを持ち出され、ついカッとなって放火したようだった、目的の青年が居ないと分かり自首してきたようだ。

 放火の方法は実装石だった、このアパートの入り口には実装用の潜り戸が作られて居て、実装石の出入りが自由だった事、
近所の野良実装が虐待派などに出会った時に、いつでも逃げ込める様に開けられて居た事等をふまえ、

1>近所の野良実装を金平糖でおびきよせる。(自供では4匹)
2>アパートの傍で背中と後ろ髪にライターオイルを掛ける。
3>火をつけて放す。

 後は実装石が燃えながら目標の家に逃げ込んで自動的に延焼してくれる、
実装石用の潜り戸の先は大家の飼って居る実装石の部屋に直結していた、燃えながら同族に助けを求め飛び火し、
新たな火種となって家の中に移動する、大家の飼って居る実装が全滅する頃には一階のあちこちで火の手が上がり、
玄関先は火の海だった、大家が窓から脱出した時に火災報知機が作動、そして住人は慌てて逃げ出した。

 その日の夜、近所の方や赤十字の方などから毛布や服(古着)等が配給されそして就寝する、

「テチャァ〜・・・・」

どこかで仔実装が力なく鳴いてる、

「これからどうしたら良いテチィ・・・」

リンガルを使った訳ではないが、私の耳にはそう聞こえた気がした、

「知らんテチィ・・・」

なぜか仔実装言葉で呟く自分が居た。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 煉獄の楽園作者です。

 上のスクの実装を猫、親指を熱帯魚に読み替えると、
今現在の私の境遇になります、
そうです、一昨日うちのアパートが放火されました、
理由もスクの通りです、
パソコンもなにもかも燃えてしまいました、
スーツだと思って持ち出した物は、

「高校卒業してもう着ないからあげる」

と言われた彼女のセーラー服でした、(夏服冬服フルセット)
思わず笑ってしまいました、笑いながら涙が出てきました、
心が折れそうでした、
今ネットカフェででこれを書いて居ます、
次の煉獄の楽園は暫く時間が空きそうです、 




■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため1145を入力してください
1 Re: Name:匿名石 2020/04/20-12:11:21 No:00006243[申告]
大変な目にあいましたね
その後はどうなりましたか?
2 Re: Name:匿名石 2020/05/08-11:18:53 No:00006244[申告]
スク作者って結構リアルで災難あってる人いるよね
実装に限らず
戻る