タイトル:楽しんでいただければ幸いかと。
ファイル:浅はかな元飼い実装家族の話・後編.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:22867 レス数:6
初投稿日時:2006/12/14-18:53:53修正日時:2006/12/14-18:53:53
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浅はかな元飼い実装家族の話・後編






目を覚ますと仔実装は見たことも無い場所にいた。

身動きが取れないぐらい狭くてベトベト気持ち悪いビンの中ではなく、
ママの言ってたような肌触りのいい暖かい布団の中で寝ている・・・?
これは夢なのか?

布団から這い出して自身の体や周りの様子を見渡す。

服はパンツ以外は履いていないが命の次に大切な髪の毛はちゃんと残っている。
それとワタチは布団と水の入った器と妙な形の器以外は入っていない箱の中に入れられている様だ。

ワタチはたしか・・・・ママに悪いニンゲンの家に託児されていっぱいいじめられていたはず・・・。
ブサイクで頭の悪い姉妹は酷い方法でみんな殺されて、
ママとワタチの二匹だけになって・・・・、
悪いニンゲンとは違うニンゲンにワタチは選ばれて・・・・飼い実装になったんだ。

そうするとここはどこ?
・・・・・・・そういえば・・・ワタチはずいぶんご飯を食べていない・・・食べさせてもらっていない・・・。
ワタチは飼い実装になったあとも悪いニンゲンに意地悪されてご飯を食べさせてもらえていない・・・。
ご飯を食べようとしてニンゲンの用意したご飯の所に乗ろうとしたら、
思いっきり叩かれて部屋の隅に飛ばされてご飯を食べさせてもらえなかった・・・。

アレはワタチが飼い実装になったお祝いのはずなのに何で!!
主役のワタチが一口も食べられないでニンゲンだけがみんな食べてしまうんだ!!!!

ニンゲンの不条理さに怒りがこみ上げてきて意味もなく暴れてしまう。

あのニンゲンはいつかワタチがりっぱな大人になったら復讐してやる。
優しそうな人間に飼われるチャンスを献上したことを差し置いても禿裸にしてやるぐらいでは済まさないぞ!!


・・・・・・大声を上げて騒いだお陰で、なんとか気分が収まってきた。
でも、お腹がすいたな・・・・。

「おや、仔実装起きていたのか?」

ワタチがひもじさにしんみりしているとニンゲンが声を掛けてきた。




俺は友人の荒木から仔実装を預かって一ヶ月飼うことになった。
とりあえずあてがった住処用の箱の中で項垂れているこの仔実装は、
奴さん曰く元S級飼い実装がひり出したという賢い仔実装らしい。

荒木という奴は人間に喧嘩(託児や威嚇等の敵対行動)を仕掛けた実装石に、
中世の異端審問官が裸足で逃げ出すほどの拷問を施してジワジワと嬲り殺すことが
この上ない喜びであると公言する少々危ない趣味の持ち主。

まあ、俺自身も人のことをとやかく言えるほど立派ではないのだがな・・・。


「仔実装、腹は空いていないか?」

「テェ・・・テッチュウ・・・。」

情けない声と盛大な腹の音を上げて、涙目で俺を見つめる仔実装。
荒木に飼育される実装石は例外なく断食を強要される。
こいつら親子が捕まったのが約一週間前という話だから、
コイツの感じている飢餓感は並大抵ではないだろう。

情けない腹の音を響かせてへたり込む仔実装を箱からつまみ出してテーブルの上に載せる。
そこに5分目ぐらいに乾燥餌を盛った仔実装用の餌皿を置いてやる。

「テ、テチュゥゥ♪」

へたり込んでいた仔実装がいきなり立ち上がって餌皿に向かって突進する。
だが、餌皿の前を手で塞いで仔実装を止める俺。

「仔実装、行儀良く頂きますが出来ない仔にはご飯はやらない。
 そこに座って、手を合わせて、いただきますとお辞儀をしたらこのご飯をお前に食わせてやろう。」

「テェェ!!!テッチュウ!!テチュテチュアア!!!」

「聞き分けの無い悪い子だとお前たち家族を苛めて楽しんでいた悪い人間がお前のことを攫いに来るぞ?」
 立派な飼い実装になって幸せに生きたいなら、俺の言うことを良く聞いていい仔になるんだ。」

「テェ!!!・・・・テッチュゥ・・・・。」

自分たち家族を苛めた悪い人間(荒木のこと)を仄めかしてやると随分と大人しくなる。
よほど奴さんのことが恐ろしいらしいな・・・・。

「さあ、仔実装。
 目の前のご飯が食いたければ俺の言った通りにしろ。」

すると仔実装は正座で座り、手を合わせてテチテチ言いながらお辞儀をした。
へえ、たったの一回でこれが出来る仔実装も珍しいな。

大抵の奴は2〜3回デコピンをぶち込まないと自分の立場を理解できない物だが、
コイツは自分が置かれている立場を漠然とながらでも理解しているのだろう・・・。
荒木の壮絶な虐待のお陰でずいぶんと聞き分けが良くなっている様子。

「よろしい、では召し上がれ。」

「チュゥゥゥーーーン♪」

嬌声を上げて餌皿に踊りかかる仔実装。
味が無い餌を極上の美味のように貪る様はなんとも微笑ましい。
これぐらい慎ましければ実装石規制法が施行されずに済んだかも知れないのにねぇ。


粗末な餌が腹塞ぎになり、多少の余裕が出てきた仔実装は更なる餌を要求してくる。

「駄目だ。
 お前のご飯はそれだけだぞ。」

「テッチュゥ!!テチュテチュァ!!チュゥゥゥーーー!!!」

餌皿を叩いてもっと寄越せとでもいっている様だ。
基本的に俺は実装石と会話によるコミュニケーションをする気はないのでリンガルは使わない。
犬猫と同じように身振りや表情で何を考えているのかを推測するだけにしている。
その方が余計なことで腹も立たないし、
リンガルを使わずに表情と態度を見極めた方が何を思っているのか分かりやすいため(少なくても俺はそう思う)。

まあ・・・実装石の言葉が分かった処で大したことをいっているわけもなく、
分を弁えない横柄な要求とエスプリの聞いていないテンプレの罵声しか吐かないのだから、
リンガルを買うだけ金の無駄だ。

「本当に悪い子だ。
 しかない・・・・悪い人間を呼んでお前を引き取ってもらおう。
 アイツはお前のことを殿堂入りの残虐な方法で嬲り殺したいと言ってたからなぁ・・・。」

携帯を取り出して電話を掛けるフリをすると、仔実装は土下座で詫びを入れ始める。
賢いということは面倒が無くていい。

「じゃあ、ご飯は終いだ。
 夜も遅いし、俺も明日は仕事がある。
 就寝時間だ、サッサと寝ろ。」

仔実装を住処として宛がった小型の段ボール箱(袋入りの即席ラーメンの梱包されているサイズ)
に入れて蓋を閉める。
テチテチ不満げな声が聞こえてきたが上から厚手の布を掛けて無視し、風呂に入って明日に備えた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
いつまでたっても明るくならない。
ニンゲンがワタチのことをお家に入れてから随分たったはずなのに・・・。

悪いニンゲンの処で苛められていた時みたいに立たされっぱなしということがないから
横になって暖かい布団でゆっくり眠ることが出来るのはいいことだが・・・・。
お腹が空いてくると眠るどころではない・・・・。

お腹が空いた・・・・。
昨日みたいにおいしいご飯が食べたい・・・。
あんなにおいしいご飯は生まれて初めてだ。
能無しのママの所為で悪いニンゲンに捕まってからは何も食べていなかったからことさらに美味しかった。

悪いニンゲンときたら、能無しのママやブサイクな姉妹だけでなくカワイイワタチにまでご飯を食わせなかった。
お腹が空いて眠れなくて、立ちっぱなしで体中が痛くなって、最後には頭も痛くなって気持ち悪くて死にそうだった。
でも、どうしてワタチは死ななかったのか?
ママがいってた話だとワタチの様な育ち盛りの子供が3日以上ご飯を食べなかったら死んでしまうと言ってたのに・・・。
ワタチはともかく、他の仔達もニンゲンに殺されるまで生きていた・・・。

ママの言うことは嘘ばっかりだったのか?
・・・・・そうなのかもしれない。
ニンゲンはカワイイワタチを見ても飼おうとしなかったし、可愛がってもくれなかった。
可愛さを崇拝されるはずなのに、ニンゲンはワタチたち家族をバカにしたみたいな目で見ていた。
ニンゲンはワタチたちのことを無償で愛してくれると言ってたのに、笑いながら姉妹を酷い方法で殺した。

ママは酷い嘘吐きだ。
子供を世話するのはママの義務のはずなのに、
それをサボる為にニンゲンにその役目を押し付けようとしてこのザマ。

ママが酷い目にあって死ぬのは当たり前だがカワイイワタチまでとばっちり受けるのは堪らない。
でもワタチはカワイイから神様が助けてくれた。
良いニンゲンにカワイイワタチを悪いニンゲンの所から助け出させて飼い実装にしてくれた。

これからはきっと素敵な生活が過ごせるはずだ。
美味しいご飯をいっぱい食べて、綺麗なお洋服をきておしゃれをしたり、
カワイイワタチを満足させてくれる楽しいことがワタチを待っているはず。

早くニンゲンがこないかな・・・。
ニンゲンが顔を見せたら、いっぱいワタチのかわいい仕草を見せて愛してもらおう。





仔実装が家に来てから2週間が過ぎる。

よたよたと走って(生まれたてのヒヨコの半分以下の速度)俺の投げたウレタンボールを
必死で追いかける仔実装を眺めながら俺はビールを啜る。
俺が構う時以外は真っ暗な箱の中に閉じ込めておき、
孤独で不安な状況下に置き続けることによって仔実装は俺に対して非常に従順になっていた。

実装石は一匹で居ることが耐えられない生き物。
愚かな同族や残忍な人間を嫌う非常に賢い実装石であっても一匹で生きることは不可能だ。
実装石はウサギ以上に寂しさに耐性が無いので、一週間ほど単独で居ると発狂してしまうらしい。

その習性を利用して躾を行う。
この部屋、いやこの世界で仔実装を構ってくれるのは俺だけ・・・だから仔実装は俺の関心を引こうと色々やる。
可愛らしく媚びたり(かなり無様な物だが)、お歌を歌ったり(はっきり言って騒音)、
ダンス(クネクネしてるだけ)をしたりする。

こういう行動をし始めたら、調教を開始する頃合だ。
不要な行動(上記の実装石らしい行動)をしたら、軽く叩いて否定する。
始めは怒り狂うが何度か同じことを繰り返してから箱に放り込んで無視をしてやれば、
この行動は人間が嫌っているということを足りないお頭でも理解するようになる。

仔実装の媚びのストックが底を付くまでコレを繰り返して仔実装の根拠の無い自身を砕いてやることが肝要。
だいたい1〜2日で仔実装は媚びる術を全て失ってオロオロし始める。

そうしたらオロオロするばかりの仔実装に栄養剤を一本丸ごと注射して、
狭くて身動きの出来ない箱(ビンでも可)に放り込んで三日ほど無視する。

そうすると仔実装は狂った様にここから出せと騒ぎ立てる。
ここは厚手の布でも掛けて押入れの奥にでも突っ込んでおけば問題ない。

光が断絶され身動きの出来ない狭い空間に閉じ込められた仔実装は、
この世界で唯一の接点である飼い主に許しを請い助けを求めて啼き続ける。
それだけが自分自身を救い、楽園に至る道で有ることを理解できた者だけが飼育される資格を得ることが出来る。
ここで発狂するもの、自身の愚かさを払拭できなかったものは処分する。
生かしておいても意味が無いからな。

どんなに奇麗事を言っても、人間とペットの関係は主従関係にしかすぎない。
そのことを理解できない連中はどちらも不幸になるだけの話。
殊更に実装石は上下関係を明確にしておかないと碌なことにならないから、
ここでカワイソウなんて抜かして中途半端に許してしまうと後々後悔することになる。

暗闇の中で孤独を味わい物分りが良くなった仔実装を箱から開放して、躾を開始する。
ここから先は犬と同じような躾け方で構わない。
だが、アメ1にたいしてムチ9の割合で接しないとすぐさま実装石らしさを発揮するからここの処が肝要。

この方法は調教師の行う躾に較べれば非常にぬるいが効果は意外と高い。
何しろ、一般人でも余り良心を傷つけずに自身の飼い実装と良好な関係を築くことが出来るのだから
中々慈悲に溢れた方法であると俺は思う。

少なくても成体になって発情するまでは刷り込みによる躾が実装石を支配して聞き分けの良い仔で居続けることができる。
(成体になると根拠の無い自信と性欲が強くなるので殆どの個体が暗示を破ってしまう。
 そうすると典型的な糞蟲に変化するか、飼い主の愛情を独占する為に色気仕掛けや酷い時は夜這いを仕掛けてくる。)

こうなってしまったらもう手の打ち様が無いので、さっさと生ゴミを始末して新しい仔実装を調達することをお勧めする。


「仔実装、飯を喰うか?」

「テッチュウ♪」

元気良く右手を突き上げて鳴く仔実装を居間において餌の準備をする。
仔実装に与えている餌は飼い実装御用達の高純度成長阻害剤混入実装フードなるもの。
これを餌皿の5分目まで盛ってから、自分の食事を用意する。
俺の方もどんぶり飯にレトルトのカレーをかけたものとサラダぐらいだが・・・。

床に餌皿を置いて仔実装に正座で待つように命じる。
仔実装を待たせている間に自分の食事をテーブルの上に揃えて置く。
・・・・・・開きっぱなしのA型の口からタラタラ粘度の高い涎が仔実装の前掛けに滴り落ちている。
全てを揃えて俺が座椅子に座るとようやく仔実装の餌の時間になる。
餌皿を置いてから5分ほど経っているが仔実装は盗み食いをしていない。

「仔実装、いただきますをしろ。」

俺の合図と共に仔実装は手を合わせてテチテチ鳴きながらお辞儀をして餌皿に踊りかかった。
喰う時は相変わらず行儀が悪いが、来た当初から較べれば格段の進歩があったと言えよう。
この仔実装の賢さはいままで飼ったモノの中で5〜6番目ぐらいの賢さだ。


下品に餌を食い漁る仔実装の体はここに来た当初からまったく成長していない。
この餌は満腹感をもたらすが栄養価は生きてゆくのに必要最低限のものしか取れない代物。
混入された成長阻害剤が発育を促すホルモンを完全に止めてしまうので任意の大きさのまま実装石を飼うことが出来る。
実装石は仔実装の内だけがカワイイので、良識のある飼い主(一般人)の殆どがこの餌を食わせていたはず。
そのため、これを開発した虐待師は一山当てたという話だ。

人間がペットを飼うのは、癒しやら可愛らしさを求める為。
確かに仔実装は人間のペットになる条件を一応満たしていた・・・・。
だが、それもテチと言ってる子供の内だけのこと。
成体になれば餌代もかさむし、我侭もエスカレートするし、見た目が不気味になる(贔屓目に見てブサイクか?)。

そして一番の問題は年中発情して子供を出産することだ。
実装石は三週間ほどの妊娠で平均7〜12匹の子供を産み落とす。
その上、人間に飼育されている安全で餌が豊富な環境なので・・・多いものは年10回ほど出産を行う。

実装石は条件さえ揃えば何でも子供を産む為の精子代わりしてしまうため、
ネズミ算どころでないスピードで数を増やしてしまう。
一部の飼い実装は去勢処置を行って販売されていたのだが、
倫理だの生命の尊厳だのと小うるさいお馬鹿さんが騒いだ為に去勢が法律で義務化出来なかったのが災いして
一時は実装ハザードと呼ばれるぐらいの惨憺たる状況が展開した物だ・・・・。

飼いきれない仔実装は賢い仔を除き、一纏めに箱に詰めて野に捨てられた。
捨てられた仔実装は共食いやゴミ漁りを繰り返して餌を得ながら立派な野良実装になった。
(多分、この頃からではないのかなぁ・・・・野良実装が飼い実装に対する病的な憎悪を持つようになったのは。)
その後は・・・・・貴兄らも知る通りのこと。
公園を占拠して分別なく子供をひり出し、
我が物顔で街を徘徊してゴミ漁りや住居商店等に侵入して強盗を働き、
生物兵器並みの糞便で環境を汚染した。

図に乗りすぎた所為で実装石は根絶される破目になった。
この際、実装石飼育ブームを推進し実装石愛護法なる悪法を制定しようとしていたイカレた愛護派連中も、
社会的に・・・・一部はこの世から抹殺されたのはいうまでもない。
実装石規制法が施行されてから5年、ようやく増えすぎていた実装石も昭和初期の総数まで数を減らしてきた。
(最盛期は1兆匹とも言われる実装石が全国の都市部に蔓延していたと言われている。)

先見の明がある良識派の飼い主達はこれらの悪循環を起こさない為と、
自身の所有物が無様にならないようにする為に高純度成長阻害剤混入実装フードを与えて飼育した。
多くの仔実装は早く大人になって、人間に我侭を言いながら自分の子どもを育てることを夢見て、
死ぬまで・・・いや飼い主に飽きられるまで成長出来ないことと節度を持った行動を対価に仮初の楽園での生活を満喫し、
何も残せぬまま死んでいった。

物を知らない愚か者やイカレた溺愛派、虐待目的の飼育行っている人間の下にいた飼い仔実装だけが
晴れて成体になることが出来たというのは何だか笑える話だ。



成長阻害剤混入実装フードを喰い終って腹を撫ぜる仔実装は幸せそうに見えなくも無い。
コイツは純粋な野良実装の仔ではないから多少は精神に余裕があるのだろう。

普通の野良の仔実装ではこの程度の量では満足せず、腹が裂けるまで餌を食わせろと要求して来るもの。
餌だけでなく全てを限界まで要求してくる。
物の価値などまるで理解していない・・・見たことも聞いたことも無いくせに特上を要求する浅はかさ。
(それ以前に特上がどう言う事なのかも知らないことを付け加えておく)
それが野良実装・・・世間一般の実装石のイメージだ。

だから不浄で不細工で身の程を知らない愚かな生き物と貶されて、
ゴキブリやネズミ以上に嫌われて執拗に駆除される。


仔実装は満足そうに床に大の字に寝ると、5秒もしないうちに居眠りを始める。
本当に能天気な奴だ。
お前が安穏と生活しているこの時にも、お前のママは厳しい罰を受けて悶絶しているというのに・・・・。

眠る仔実装の顔にクロロフォルムで湿らせたガーゼを乗せて、さらに深い眠りに誘う。
そして・・・完全に昏睡した仔実装を専用のまな板の上に載せて細工を施す。
右足に深い切れ目を円を描くように4箇所付け、
その中につり用の重りを1つずつ入れてマスキングテープで傷口を塞ぐ。
これで俺が寝る前にテープを剥がせば傷は完全に塞がっている。

何も知らないで暢気に寝ている仔実装を箱の布団の中に寝かしてやって今日は終いにする。



3週間目。

仔実装は難儀そうによたよたと歩き回っている。
床に敷かれたカーぺットの凸凹に足を取られて数歩も移動しない内に地面に顔面から倒れこんでいる。

「ははっ♪鈍臭いな仔実装。」

「テェッ!!テチュチュァア!!」

バカにされたことに憤慨して地団太を踏む仔実装に、
お気に入りのウレタンボールを見せるとすぐさま態度が豹変する。

「そら、取りにいけ。」

「チュゥゥゥゥーーーン♪」

テンションの高い犬の様に踵を返して(ここで派手に転がる)部屋の隅に転がっていったボールを一心不乱に追う仔実装。
頭が悪いって事は幸せなことだ・・・・。

7〜8回ほど地面と熱いキスをして、ようやくボールに辿り着く。
たった2メートルほどの距離を移動しただけなのに息を切らし、転がって悶える仔実装。
右足や頭に埋め込んだ重りが唯でさえ不安定な仔実装の重心をぶらしてマトモな歩行を許さない。
仔実装は訳が分からずに苦しんだ・・・。

この前まではなんでもなかったのに・・・・どうしてこんなに転ぶの?
右のあんよがなんだかとても重いし、頭も右に垂れて仕方が無い・・・・。
折角ご主人様がワタチのことを構ってくれているのに・・・こんなことでは・・ママみたいに捨てらててしまう・・。
ワタチのカワイイ仕草をいっぱいご主人様に見せて、いっぱい褒めてもらうんだ。
そうすればワタチもご主人様も幸せ♪

「ほら、仔実装。
 そんな所で寝てないでボールを持って来いよ。」

「テ、テッチュウ♪」

仔実装は元気良く立ち上がり、お気に入りのボールを持って俺の方に走り出す。
荷物が増えた分、転ぶ回数が倍化した仔実装。
ボールが明後日のほうに転がる度に難儀そうにボールを追いかけてさらに何度も転ぶ。
いくら柔らかなカーペットの上でも余り頑丈でない仔実装が30回以上も転べば唯では済まない。

「・・・・・そろそろ止めるか?」

「テ、テチュア!!テチュテチュテチュチュチュア!!!」

粗末な顔を真っ赤に腫らした仔実装は俺の慈悲を否定し、最後までボールを運び通すことを選んだ様子。
・・・・・・まあ、苦難を選ぶのも自由だから好きにするがいい。

しばらくして・・・・俺が手持ちの缶ビールを空ける頃になると、
転び過ぎで頭に血が上りすぎた仔実装は勝手に自分の手から落ちるボールに蹴りを入れて文句を付け始めた。
ドスの利いた叫び声を上げてボールを蹴り飛ばす仔実装。
本性丸出しの痴態を晒して無言のボールに悪罵を履きかけている。

「見苦しいなぁ・・・仔実装、俺はお前にいつもどうあれと言ってるかな?」

「テチャァァァ!!!!テチュテチュアアァ!!!テチィーーーーー!!!!!!」

「悪い子は悪い人間のオモチャにされて過酷に死ぬって言わなかったな?」

弱めのデコピンを怒り狂う仔実装の額にぶち込んで黙らせる。
痛みと共に多少の理性が戻ってきた仔実装は慌てて土下座をして俺に詫びを入れ始める。

「悪いと思うなら初めからしなければいいだろうに。
 ワザワザ構ってやってるのに何を切れているのかな?
 ・・・・・・・仔実装、悪い子はどうなるんだったか憶えているかな?」

「テチャァァァァッーーーーー!!!!!
 テチュウテチュテチュゥ!!チュチュアアアァァッーーーー!!!!」

土下座で何度も何度も地面に頭をたたきつける仔実装。
悪い人間(荒木のこと)の所に送り返されるのは絶対嫌の様で、
野良出身の仔実装とは思えないぐらいの誠意の篭った土下座をしている。

「・・・・・まあ、悪い人間の所に送り返すのはやめてやる。」

「テテェ♪テチュァアアァ♪」

「だが、落とし前として今日の餌は無しだ。」

「テゲェ!!テチュテチィ!!ジュジュアア!!?」

「何か不満でも?・・・・お前は姉妹と同じ目に余程遭いたいみたいだな。
 ならば仕方ない、お前を悪い人間の所に送り返そう。」

「チュウウウウウウウウゥゥゥウウウゥッ!!!!テチュアアアアアァァ!!!」

血涙をブアァッと流して泣き出す仔実装。
どうかそれだけは許してくださいとでも言ってるように首をブンブン横に振って後ずさる。

「じゃあ、好きな方を選ばせてやる。
 一日餌抜きと悪い人間の所に送還されること、どっちがいい?
 前者を選ぶならサッサと住処に戻れ、後者ならそこで駄々でもこねていろ。」

仔実装は俺の言葉が終わらないうちに住処に向かって走り出す。
慌てて走るから歩く時よりも転ぶ回数が増え、仔実装の顔は打撲で紫色になり始めた。
・・・・・5分経過でようやく住処に辿り着く仔実装。

「まあ、良かろう。
 餌抜きで今回の不始末は免除してやる。
 どんな事があっても声を出すなよ。
 もしも約束を破って声を出したら・・・・分かっているな?」

「テェ・・・テチュゥ・・。」

「宜しい、また明日までお別れだ。
 精々反省していい仔になるよう心がけなさい。」

血涙を流してすすり泣く仔実装を住処に放り込んで蓋を閉め、上から厚手の布を被せて部屋の隅において置く。
・・・・仔実装の無様さから込み上げてくる笑いを押さえながら、俺は夜食の買出しに出かける。



・・・・どうちて・・・このところワタチの体がおかしい・・・。
昔ならあのぐらいの速さで走っても転ぶことは殆ど無かったのに、
ご主人様の処で飼われる事になってからなんだが体が重くなってきた・・・。
左のあんよは軽々と上がるのに、右のあんよは上げるのがとても億劫だ。
それと・・・頭も何もしてなくても右に垂れてしまい、マトモに座っていることも出来ない。

何が悪いんだろう?
ご主人様の言いつけをちゃんと守って、
いい仔になる様に努力している健気なワタチがどうしてこんな目に遭うんだ?

明日ご主人様に外に出してもらったら、体の調子がおかしいことを伝えよう。
そうしたら・・・何もかもが解決するはず。


次の日、仔実装は住処の箱から出されると俺に向かってしきりに何かを伝えようとしてきた。
右足と頭の右側をしきりに指差して、調子がおかしいから何とかしろとでも言っている様だ。

「何だ、新しい遊びか仔実装?
 何が楽しいのか知らんがこれから風呂の時間だ。
 いい仔なら大人しくしていろ。」

「テッテェ!!テチュテチュアア!!チュチュチュウ!!」

「お前は昨日の反省をまったくしていなかったのか?
 ・・・・・・どうやらお前は期待外れの悪い子だったようだな。
 まだ6時前だから宅配はやっているか・・・・。
 よし、今から愛しの悪い人間の所に里帰りさせてやろう。」

「ジュジュアアアァ!!!テジュゥ!!ジジジュゥ!!」

俺の手の中で暴れ出す仔実装。
あそこに送り返されれば待っている物は惨たらしい死だけだから、
泣き叫んで嫌がるコイツの心境も分からんではないが・・・・それとこれは話が別だ。
俺の家で過ごす際に定めたルールを破ったコイツは然るべき罰を受けるのは必定。

「さて、仔実装。
 これから奴さんの家にお前を送り返すんだが、何かすることはあるか?
 お前の足りない頭にそれが刻み込まれていたら今すぐ実行することを薦めるよ。
 そうしたら・・・・もしかしたら俺は愚かなお前の所業を許してやれるかもしれない・・・。
 どうだ?」

「テテェ!!テジュアア!!」

首を猛烈に縦に振る仔実装。
とりあえずユニットバスの洗面台に連れてきて流し場に離してやる。

「で、何かすることはあるのか?」

「テチュテチュテチュアア!!!テッチーテチュアア!!チュチュチュアアッテチュアアッ!!!」

流し場で血涙を流しながら土下座をして俺に詫びを入れる仔実装。
頭を流し場に何度も叩き付けて許しを請う様はなんとも可笑しい。

「言葉だけでは何ともなぁ・・・。
 昨日もそれで騙されたから、態度で示してもらわないと良く分からない。」

仔実装はビクッと跳ねて固まる。
俺の顔を恐る恐る覗き込んでまたビクッと跳ねる。
俺が本気で許さないと思っていることを悟ったようで、粗末な顔を真っ青に染めて脂汗を流し始める。

「どうしたの?
 何もしないのなら里帰りの準備を始めよう。」

「テェ!!!テチュァ!!」

おもむろに立ち上がると仔実装は自らの前髪を両手で掴む。
そして、躊躇なくそれを引き抜いた。

「ジャアアアアアアアアアアアアァァッーーーーーーー!!!!」

実装石にとって命の次に大事とされる髪の毛(しかも前髪)を引き抜いた仔実装は、
自ら毟った粗末な髪束を俺に差し出して何かを呟く。
まあ、良かろう。
面白かったし、仔実装も一応反省したみたいだからこの件は不問にしてやろう。

「お前が反省していることは良く分かったから今回だけは里帰りを勘弁してやろう。
 今後、同じことを繰り返すような不始末を繰り返したら未来は無いと思え。」

「テチュゥ・・・・。」

「じゃあ、お前の洗浄を始めようか。」

前髪を失い項垂れる仔実装にヌル目のお湯を掛けて洗浄を始める。
大好きな風呂が始まると仔実装の顔に生気が漲ってきて、笑い顔もみられるようになった。
・・・・・現金な奴だ。






仔実装が家に来てから一ヶ月が経った。
長いようで短い付き合いだったが今日でコイツとお別れになる。
気だるそうに足を引きずってウレタンボールを追う前髪の無い仔実装に俺は話しかける。

「仔実装、今日はお外に連れて行ってあげよう。」

「テェ?」

「お前さんも家の中ばっかりでは飽きてきただろうから、
 たまには外の空気でも吸ってみたらどうかと思ってな。
 どうするかい?」

「テチュゥ!♪テチテチィテチュゥー!!♪」

どうやら提案に賛成らしい。
ならば話が早い。
早速準備をして出かけるとしよう。

仔実装をユニットバスに連れて行き、糞抜きをする。
これからバイクで連れまわす際に粗相されたら堪らないからな。

低圧ドドンパを与えて、洋式便器の縁に立たせる。
少しすると・・・。

「テェ・・・・テチュゥ・・・テチュゥゥ・・・・テチュウ!」

モリッモリッと固形の緑色の糞を断続的にひり出す。
(高純度成長阻害剤混入実装フードは消化効率が良いのであまり糞便をしなくなるのも人気の秘密。)
糞をひり出して恍惚とした表情をしている仔実装を摘み上げ、
丸っこい腹を何度か適度な力で押して残った糞を絞り出させる。

「テ〜チュゥ!!」

腹をやわく揉んでも糞が出てこなくなったのを確認してから仔実装を洗浄し、
オムツを履かせ、いつもよりも少し豪華な服(リボンやフリルを接着剤で付けた普通の仔実装服)を着せて待たせておく。

「テッテチャ〜♪テッチ〜♪テッチュウゥ〜♪」

約一ヶ月ぶりぐらいになる外出に喜びを隠せない仔実装を尻目に俺も出かける準備をする。





日が落ちる前に荒木の家に到着する。

「さーて着いたぞ仔実装。
 ・・・・実はなぁ、お前にプレゼントがあるんだ。」

「テ、テチュゥ♪」

「プレゼントはまだ内緒だが・・・・きっと気に入るはずだゾ♪」

「チュゥゥゥーーーン♪」
 
バイクの上で喜びのダンスを始める仔実装。
連続する吉事に喜びか隠せない様だ。

「それに旨い食事も付いているだぞ。
 お前が見たことも無いような豪勢で美味な食事が見られるんだ。
 楽しみになってきただろう?」

仔実装の脳みその処理能力を遥かに上回る幸せに関する情報を吹き込んだ所為で
元々しまりの無い不細工な顔がさらに歪んで見える。
幸せ回路がひり出した妄想の世界に入り込んで悦に入ってるのは明白。
頭の中で幸せ回路がフル稼働している様で、目の輝き様が尋常ではない・・・・。

「じゃあこの目隠しをするぞ。」

「て、テェェ!!」

「楽しみは直前まで取っておいた方が良いだろう?
 きっとお前の大好きな物がてぐすね引いて待っているはずだ。」

そういって仔実装に目隠しをつける。
ずらしたり、外したり出来ないように食い込むぐらいの強さで三重に巻いて処置を終える。
これで良し。
では素晴らしき宴の席に向かおうではないか。

「逝くぞ仔実装。」

「チュゥゥゥゥゥーーーーン♪」




目隠しをされた仔実装はわくわくしながら俺の手の上に座っている。
ここに帰ってきてしまったら終わりだというのに暢気な奴だ。
荒木の部屋に入り、居間の方に向かう。

部屋の中は旨そうな料理の匂いが立ち込めていて、仔実装の妄想を助長する。

仔実装を指定された机の上に置き、荒木に声を掛ける。

「あいよ、今行くさ。」

・・・・・仔実装が固まる。
とても嫌な体験を思い出させる声が聞こえたから。

ママが、姉妹が、自分が酷い目に遭わされて居た時に聞いていた声が何で今聞こえたの?
ワタチはもうあの悪魔とは二度と会わないはずなのに?

「テ・・テテェ・・テチュテチュア?」

「何だい?仔実装。
 何か気になることでも有るのか?」

目隠しをされた仔実装は腕をパタパタ振って主人と呼んでいた男に触れようとした。
声のする方向に向かっておぼつかない足取りでフラフラと移動して縋ろう試みる。
・・・そして、大きな物に当たって立ち止まる。

ご主人さまのおててだ♪

仔実装はそれに縋りついた。
それは仔実装を包み込んで空中に持ち上げる。

「テッチー♪」

「残念だな、俺は中村じゃないぜ。」

「テ・・・・・テチ?」

「お久しぶりだな仔蟲ちゃん♪
 今日、この時を待ちわびていたよ。」

仔実装の目隠しが取り除かれて、一番最初に目に入った物は・・・・。
愛しのご主人様(中村)ではなく、仔実装家族を蹂躙した悪いニンゲン(荒木)だった。




「さて、仔蟲。
 一ヶ月ぶりの邂逅になるわけだが、俺に何か言うことはないかな?」

「テ・・・テェ・・・・テ・・・・。
 な、何で・・・・悪いニンゲン・・・ご主人様のお家に居るんテチ・・・。」

「お前バカだな、ここは俺の家だぞ。
 中村が飯を喰いに俺の家にやってきたんだよ。」

すっかりうろたえて頭が回らない仔蟲。
再開のデコピンを軽めにぶち込んで現状の把握の助けをしてやる。

「わ、ワタチはご主人様の飼い実装になったんテチィ!!
 ワタチを苛めたらご主人様がお前をぶちのめすテチ!!」

「虚勢を張るのも結構だが、余りふざけた口を利かないことをお勧めするよ。
 さもないと・・・・不細工な姉妹と同じ末路を辿ることになる。」

挨拶代わりに粗末な頭巾を毟ってゴミ箱に捨てる。
仔実装を机の上に投げ捨てると、俺は台所に獲物を取りに行く。

「ほら、お待たせ。
 じゃあ始めるかい?仔蟲。」

仔蟲用に焼き付けておいた熱々の中華なべを頭巾を剥いだ仔実装の頭に無造作に押し付ける。

「チャガガガガガガガガガガガガガガァァァァァァアァァ!!!!!!!!!!!!!!」

棒立ちでガクガク痙攣する仔蟲。
焼けた中華なべを押し付けられた頭は瞬時に炭化し、初めての激痛に仔蟲は悶絶する。
サービスして、そのままくるりと仔蟲の頭を熱々の中華なべで撫ぜてやる。

「ホビビビビビビビイビビィィィィィィッ!!!!!!!!!」

残されていた命の次に大切な後ろ髪がパァッと燃えて消し炭に変わり、随分可愛らしくなった仔蟲。

「さて、お前はまだ俺に詫びを入れて無いんだよ。
 俺の部屋に勝手に侵入して、あまつさえ廊下を卑しい糞で汚すという大罪を犯しておいて・・・唯で済むと思うな?」

「テ・・テェェ、お、お前だってワタチ達家族をいじめたテチ!!
 こんなにカワイイワタチをいじめるなんてお前は頭が・・・テギィ!!!」

「本当にお前らの行儀の良さは上辺だけのものだなぁ。
 中村の話じゃ、ずいぶんと聞き分けのいい仔のフリをする努力をしているようだと言ってたな。
 やはり、野良蟲ではこの程度なのかね?」

「テ・・テギィ・・・・うるさいテチ!!
 お前が調子に乗っているのも今のうちだけテチ!!
 ご主人様がもうすぐ助けに来てくれればお前なんかイチコロテチ!!!」

耳を摘まんでブラブラさせながら持ち上げて仔蟲に囁く。

「お前を助けてくれる奇特な奴はこの世界にいない。
 お前はここで死ぬんだ、妹たちと大差ないぐらい苦しみぬいてな。」

「ハギィィィィィィィィ!!!!!ご主人様ぁ!!ご主人様ぁ!!ご主人様ぁぁ!!
 カワイイワタチがピンチテチィ!!!早くたちゅけに来てェェ!!!!」

すると台所から中村が姿を現す。
・・・・・あの野郎、作りかけの料理を摘まんでいやがったな。

「仔実装、里帰りした感想はどうだ。
 ママや姉妹がいたぶり殺された思い出の地で最後の時を迎えるというのも中々乙なものだろ?
 そんなに嬉しがってしょうがない奴だ、俺の所で飼育していた時よりも満ち足りた顔をして・・・。」

仔実装は必死に鳴いて中村に救援を要請する。
だが、中村は実装リンガルを使わないのでどんなに助けを陳情しても一切届かない。

「中村はお前が何を言ってるのか分からないから無駄だよ。
 これから仔蟲ちゃんの処刑を始めるんだが、最後にもう一度だけ聞こうか?
 俺に何か言うことはないかな?」

「いやテチィ!!!いやテチィ!!!いやテチィ!!!いやテチィ!!!いやテチィ!!!
 いやテチィ!!!いやテチィ!!!いやテチィ!!!いやテチィ!!!いやテチィ!!!
 ご主人さまぁ!!これからもっともっといい仔になるからワタチをたちゅけてぇ!!!!! 
 ママみたいになるのは嫌テチ!!お姉ちゃんや妹たちみたいに死ぬのも嫌テチィ!!!!
 痛いのも、苦しいのも、暗いのも、一人ぼっちなのもみんないやテチ!!!」

「荒木、コイツ随分騒ぐなぁ。
 何言ってるの?」

「死にたくない、ご主人様助けてだってさ。
 慕われているねぇ中村。」

「こんな期待はずれの糞蟲に慕われたって嬉しくも無い。
 野良の仔実装が自身が幸せになる以外のことを考える知恵が無いという証明が積み重なっただけ。
 生みの親が特級飼い実装であっても、親からしてあのザマではどうにもならん話も道理。
 親子揃って不細工低脳というのはなんだが深い宿業を感じるよ。
 ・・・・・今回も徒労に過ぎなかったということだ。
 やれやれ、どこかに転がってないものかねぇ糞蟲じゃなくて情緒の溢れた仔実装が。」

仔蟲の動きが止まる。
中村の放った言葉の意味を理解してしまったのだろう。

ワタチが・・・糞蟲?
ワタチは・・・期待はずれの要らない仔?
ご主人様は・・・ワタチのことを必要としていないの?

動きが止まった仔蟲に実装活性剤を注射して、仔蟲の踊る最後の舞台に連れてゆく。

「中村、それ持って来て。」

仔蟲の首に絞首刑用にあつらえた紐を掛けて窒息しない程度に締めておく。
その紐をテレビを置いてあるスチールラックの隙間に通して仔蟲を吊るし上げる。
無論、足が絶対届かない高さに吊るすのは常識。
全ての準備が終わった後、中村に持ってきてもらった直径3cm、長さ10cmほどの棒の上に立たせる。

「さて、仔蟲。
 これからお前を処刑しよう。」

「やややや、止めてテチィ・・・。
 いい仔になるテチ、お前の悪行も許すテチから・・・ワタチを殺さないでテチ・・。」

「どうやらお前は自分の仕出かしたことをまるで反省してないみたいだな。
 仕方ない・・・・これからお前のぶら下がってもがく様を楽しみながら夕餉を取るとしよう。」

俺は料理の仕上げをする為に台所に戻る。
居間には中村と仔蟲が残された。


仔蟲はテレビを何気なく眺めている中村を凝視してどうにか助けてもらおうと画策している。
だが、大声を出したりすればバランスを崩してしまう。
必死に助けを請う視線を中村に送り続けるが、当の中村は缶ビールを啜りながらそ知らぬ顔をしている。
仔蟲なぞこの部屋には存在していないという様に自然体の無視を続ける。

「お〜い中村、飯が出来たから取りにこい。」

「あいよ、待ちかねた。」

中村は助命の懇願し続ける仔蟲の前を通って台所に向かう。
仔蟲は思わず大声を上げて中村のことを非難しようとしたが、
自分の置かれた状況をとっさに思い出して言葉を飲み込んだ。

きっと・・・ワタチが必死に願い続ければご主人様は助けてくれるはず・・・。
ご主人様は悪いニンゲンに騙されているんだ。
ワタチが清く澄んだ目で見続けたらきっと悪いニンゲンの嘘に気が付いてワタチを助けてくれる。
だからそれまでは頑張らないと・・・。



コタツ机の上には怱々たる料理が並んでいる。

一品目、山蛆実装の田楽。
(若山実装に強制出産させた蛆ちゃんを手羽先みたいに串を打って軽く炙った物に味噌を塗る)

二品目、山仔実装の蕪蒸し。
(実装料理(虐待様式)の定番。
 偽石を抜いた山仔実装を解体して用途別に仕分ける。
 擦りばちですった山仔実装の肉と蓮根等を混ぜ合わせた物をくり貫いた蕪に詰め、
 まだ意識のある頭を蓋に見立てて乗せて蒸し上げる。)
 
三品目、若山実装の活け造り。
(半殺しにした蛆ちゃん達のママを三枚に卸して、ふぐ刺しみたいに薄く切って盛り付けたもの。
 山実装は人間に対する恐怖心が並大抵では無いから、養殖蟲みたいに拷問して丸一日逆さ吊りで熟成させる必要がない。
 15分ほど麺棒で乱打して逆さ吊りにしておけば深い味わいとフグみたいな歯ごたえの刺身を味わえる。)

四品目、山実装親子の煉獄焼き。
(今回のメイン料理。
 そろえるのが難しい天然の山実装親子(春に生んだ子を連れているものがベスト)を使って贅沢に仕上げた一品。
 泣き叫ぶ親実装の前で実装活性剤を打った仔実装に下ごしらえをして特製のタレに漬け込む。
 仔実装にタレが染み渡るまでの時間に
 親実装のモツを抜いて内面を軽く炙って再生しないようにしてから逆さ吊りにした後、
 麺棒で乱打して全身の骨格を破壊しながら肉の旨味を熟成させる。
 5時間ほどすると仔実装の全身が茶色に染まってタレが染み渡るので、
 香味野菜を炒めたものと生きたままの仔実装を親実装の腹に詰め込んで縫い合わせる。
 神経を断ち切られて身動きの出来ない親実装を塩釜に閉じ込めて、生きたまま1時間蒸し焼きにする。
 親の腹の中で蒸し上げられた仔実装は甘辛のタレと香味野菜の風味が効いていてプリプリとした食感が素晴らしく、
 親実装の肉もブランド牛程度では逆立ちしても敵わないぐらいの濃厚な旨味をもたらす。
 腹の中の仔実装は20分ぐらいで死んでしまうが、しぶとい親実装は喰う直前まで生きていることがある。)
 
五品目、普通の杏仁豆腐。
(スーパーで買ってきた杏仁豆腐。
 主菜の方に手間が掛かりすぎてデザートまで手が回りません。)

「さて、いただきます。」

「いただきます♪」

食事を始める俺たち。
テレビの横に立たされている仔蟲は鬼瓦みたいな顔をして中村を睨みつけている。
目を皿の様に見開き、鼻を盛んにヒクつかせ、口をモゴモゴ動かす仔蟲。
死の恐怖と旨そうな食事を喰いたいという欲求がせめぎあっているのだろう。

命綱の足場は仔蟲の挙動と共に不安定にカタカタと振るえ今にも倒れそう。
仔蟲の口からは粘度の高い涎が滴り落ちて体の前面をテカテカにコーティングしている。

「荒木、煉獄焼きを喰おう。」

「まあ、待てよ。
 物には順番と言う物があってなぁ・・・・。」

サッサと前菜を片付けた中村は主催の催促を始める。
食事に夢中な中村は一度たりとも仔蟲の方を向いてない。
やれやれ、とんだご主人様だ。

「では、お待ちかねの煉獄焼きを開封しようか。」

木槌で塩釜を割って、中の山実装親子を曝け出す。
塩釜が割れると同時に芳醇な香りが部屋中に立ち込める。

「おう、これだよこれ♪」

約束の物にありついた中村はご機嫌な様子。
仔蟲の方は怒りと悲しみと悔しさでそろそろ理性が吹っ飛ぶ寸前といった所だ。


仔蟲の顔には物凄い数の皺が刻まれていて既に子供の顔ではない。
脂汗と血涙と涎をタラタラ流して死の恐怖と戦っている仔蟲を頼みの綱の中村は居ないものとして無視する。

どうして・・・・どうして助けてくれないの?
カワイイワタチがピンチなのに・・・・どうして無視して助けてくれないの?
お前が手を伸ばしてワタチを抱きかかえれば全ては解決するのに!!
どうしてお前はワタチを助けてくれないんだ!!!

「ヂュゥ・・・テジュゥウウウゥゥゥゥ・・・・・。」

怒りを押し殺した声を何度も上げて中村の気を引こうと試みる仔蟲。
当の中村はわき目も振らずに煉獄焼きを頬ばっている。
楽しいことの最中に興味の無い物に気を回すことなんか出来ないもんなぁ・・・。

お前は・・・・どうしてぇ!!!
カワイイワタチを無視するんだァ!!!!
ワタチはお前のだいじな飼い実装なんだぞ!!!
無視するな!!
ご飯なんかよりもワタチのことを気に掛けろ!!!

「ヂィ・・・ヂィィィィィ・・・。」

唸り声を上げて、目玉が飛び出さんばかりに中村を凝視する仔蟲。
体の震えも尋常ではなくなり、そろそろ体勢を崩してもおかしくない状況になりつつある。
仔蟲を支える棒がトンットンッとテンポ良く左右に揺れながらスチールラックを叩いて
絞首刑のカウントダウンをしているみたいだ。

「ヂュ、ヂュアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

我慢が効かなくなった仔蟲が棒の上から飛び降りて中村に飛び掛ろうとした・・・・・。



「ハキュッ!!!!!」

奇妙な悲鳴と共に仔蟲は空中ブランコを始める。
荒い鼻息を立てながら首に食い込んだ紐をどうにかしようと空中でダンスをしている。
実装石の手ではどんなに足掻いても首に食い込んだ縄を外すことは不可能。
自重でどんどん紐が首に食い込んで、仔蟲の顔色はどす黒く変色し始める。
濃い色の血涙を垂れ流し、口を酸欠の金魚みたいにパクつかせて悶絶している仔蟲。
死にたくないの一念と実装活性剤のお陰で辛うじてこの世に踏みとどまっている。

「山実装は冬眠に入る寸前のものが最高だな。
 癖の無い甘みのある脂と歯ざわりのいい肉質が素晴らしい。」

「俺に感謝するといい。
 これを店で食ったら2万円コースだからな。」

軽く7人前ぶんぐらいある煉獄焼きが見る見る間に無くなってゆく。
今回使ったのが2〜3年生きた50センチ級の個体だから喰いではある。
コイツは運のいいことに釜の中で死ねたみたいだから生きたまま自分の体が食われてゆく光景を見学せずに済んだ。
腹の中に詰められた子供を喰われ、自分の体も刻まれて人間に食われる恐怖と絶望。
古今東西の料理の中でもかなり凶悪な部類に入る物だが、この料理の愛好家は沢山居る。
・・・人間の業の深さを物語る代物だな。

・・・・・・仔蟲の方はといえば。
なすがままに吊るされていて、5分おきぐらいに死と蘇生を繰り返して悶えている。
普通の仔蟲ならものの5分も苦しめばあの世行きだが、コイツは違う。
注射された実装活性剤が死という安らぎを得ることを許さない。
死んで蘇生して、死んで蘇生して、死んで蘇生して、死んで蘇生して、それを何度も繰り返して悶える仔蟲。
血の巡っていない頭ではもう考えることすら出来ないだろう。
何故、自分がこんな目に遭わなければならないのか・・・・・ということすら。



・・・・・煉獄焼きを平らげてデザートを持って来る。
山実装親子は親の頭骨だけを残して綺麗さっぱり食い尽くされている。

「年に一度ぐらいはコイツが喰いたいねぇ。」

「ならばもっとキリキリ働いて銭を稼げ。
 そうすれば好きなだけ喰えるだろう?」

「これは厳しいことを仰る。」

他愛も無い話で盛り上がる俺たちの横で仔蟲は黄泉路への一歩を踏み出そうとしていた。
細かく震えるだけになり顔色が真っ黒に変色している。

「じゃあ、主賓もそろそろおもてなしをしないとな。」

仔蟲を絞首刑から開放して机の上に置く。

「へ・・・・・・・ヘフゥ・・・・・。」

弱々しく呼吸を始める仔蟲に砂糖水で薄めた実装活性剤をスポイトで少々啜らせて養生しておく。
その間に俺たちは杏仁豆腐を食い終えて、食事の後始末に移る。



2時間後、仔蟲はヨロヨロと立てるようになるまでに回復していた。
他の生物では考えられないことだがデタラメを売りにしている実装石ならさしたる問題ではない。

「テ・・・テチュゥ・・・テッチィィ・・・。」

弱々しく鳴いて俺たちの興味を引こうと試みているが当然無視しておく。
何も無いテーブルの上をヨタヨタとうろついて、地面に降りる方法を考えている様だ。

「そろそろじゃないのか?」

「そうだな、そろそろ終いにしようか。」

俺が仔蟲の眼前に立ち、仔蟲の額を押して後ろにひっくり返す。

「テッ、テッチュゥ!!」

「吠えるな仔蟲。
 で、お前はどうしてこんな目に遭わなければならなかったのか思い出したかい?」

「お、お前は悪魔テチィ!!
 ど、どうちてカワイイワタチを苛めるんテチ!!」

「あ〜あ、その調子じゃ駄目みたいだね。
 少なくてもお前のママは自分の仕出かした罪を認めて謝罪したもんだが、
 お前はそれすら出来ない低脳糞蟲だったということだな。
 では仕方ない死んで詫びを入れてもらおう。
 心配するな、向こうにはお前の家族が待っているんだから寂しくないだろ?」

「や、ヤメてぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーッ!!!!!
 ご、ご主人様ぁ!!!早くたちゅけテェェェ!!!!!」

中村はそ知らぬ顔で本を読んでるフリをしている。

「何やってるテチィ!! 
 早くカワイイワタチをこの悪魔からたちゅけ出してテチィ!!!!」

「じゃあ10秒やるから中村を振り向かせてみろ。
 中村がお前のことを許してやって欲しいと言ったらお前のことを許してやろう。
 さあ始めよう、10・・・・9・・・・。」

「テゲェェェェ!!!ご主人様ぁ!はやくこの悪魔はぶちのめすテチ!!」

「8・・・・7・・・・6・・・・。」

「は、はやく、はやくするテチ!!カワイイ飼い実装のワタチが殺されてもいいんテチか!!!」

「5・・・・4・・・・。」

「テギィィィイィィ!!!何で何でェ!!!!
 はやくはやくはやくたちゅけろテチィ!!!!!」

「3・・・・2・・・・1・・・・。」

「チュガガガガガガガァァァ!!!!!!!!!
 はやくたちゅけろテチィ!!!!!!」

「0、ざんねーん。
 じゃあこれからお前を殺そう。」

「テゲゲゲゲゲゲゲゲゲェ・・・・・。
 に・・・ニンゲン・・・さん、どうかカワイイワタチをゆるちてテチ♪
 なんでもするテチ、なんだったらカワイイワタチをかわせテベェ!!!!!!」

愚かな仔蟲に強めのデコビンを馳走する。

「取引にすらならない。
 ・・・・・・・仔蟲、お前はどうして生き延びたいのかな?
 理由を聞かせてくれたら処刑を考え直してやる。」

「て・・・テゲェ・・・・。
 ワタチは幸せになりたいんテチ・・・。
 ご主人様にいっぱい愛してもらって、いっぱい楽しいことをして、美味しいものを食べて、いっぱい寝るんテチ♪
 そして子供をいっぱい産んでみんなで楽しく生きていくんテチ。
 ワタチは幸せにならないといけないテチ、だからこれからはいい仔になって優しいご主人様を探す為にいきるんテチ♪」

どうしょうもないコメントを垂れ流した仔蟲の右耳を摘まんで吊るし上げる。

「左様で。
 仔蟲・・・・お前はどうしても生きたい?」

「い・・・生きたいテチィ!!!」

俺の不興を買わないように必死に痛みの絶叫を上げないようしながら仔蟲は頷く。
勢い良く頷くものだがら火傷で脆くなっていた右耳が裂けてきた。

「では俺の出す試練をクリアできたらお前を見逃してやろう。」

「試練テチィ・・・?」

摘まむ場所を左耳に変えて、仔蟲を試練の場に誘う。



ベランダに出て仔蟲を床に捨てる。

「て・・・テェ・・・扱いが雑テチィ・・・。
 ・・・・・・て、テェ!!!!」

仔蟲はベランダに有るものを見て仰天する。
そこには仔蟲の親が居た。
仔蟲をこの地獄に叩き込んだ元凶の親蟲が。

「久しぶりだろうママに会うのは。
 一ヶ月ぶりだっけ?」

「荒木・・・・また随分なことになってるな。」

中村が目を細めた親蟲の有様は・・・。
物干し台から下がるワイヤーに吊るされた巨大な褐色の蛆ちゃんの様相。
仔蟲を中村の家に預けた後、親蟲に待ち受けていた運命は過酷そのもの。
今までの虐待が前座であったと言い切れるぐらいの拷問を満喫する破目になった。

棍棒による乱打から始まり、針打ちや電気攻めや鋸攻めは優しいほうで、
即席で産ませた仔蟲を咬まずに丸呑みさせたあとに実装忌避剤の原液を飲ませたこともあった。
命令どおり実装忌避剤と仔蟲を吐かないように努力する親蟲の無様さと
出して出してと暴れながら腹の中で溶けて苦しむ子供の愉快な様は中々面白かった。

変り種といえば・・・生きたまま解体し、臓物を全て外に出したまま再生させて、
むき出しの臓物に自らの手で高温の油をかけることを強要したりもしたな。

一本分の実装活性剤をたったの2週間で使い尽くす拷問を延々と受け続けた親蟲の体は生きながら腐れ落ち、
何度もの強制復元処置の所為で首から下の大きさが来た当初の半分ほどの大きさになってしまった。
その後も罰を与え続けたが4週目に入ると流石に反応がなくなってきたので、
最低限の栄養を点滴で与えてつつ吊るして放置しておいた。

現在の親蟲の様子は中々乙な物だ。
胴体は頭とは不釣合いなぐらい小さく、ダルマというか手足のない蛆ちゃんの様に尻の先が尖った形状になっている。
余り破壊しすぎて再生機構がおかしくなって蛆ちゃんみたいな体にしか再生しなくなったため。
外皮はせんべいの様に固くなり、神経が断絶しているので身動きすることすら侭ならない。

体の中は右肺と心臓以外は何も残っていない為に逃げるという選択肢が存在しない有様。
かつては見られた目に宿る知性の光も度重なる苦悶と絶望の所為で失われている。

「仔蟲ちゃんはこれからママと戦ってもらいます。
 お前をママの口の中に放り込むから中で暴れてママを殺せればお前の勝利。
 逆にママがお前のことを食い殺した場合は・・・・ママが勝利して解放されるということだ。
 至極簡単なルールだろ?」

「あ・・・アレがママなんテチ・・・?
 あれじゃ・・・バケモノテチ。」

「自分の親をバケモノ呼ばわりするとはしょうも無い仔蟲ちゃんだな。
 お前が安楽な生活をしていたときに親蟲はお前の分の罰を受けていたんだぞ。
 それをお前は・・・・本当に糞蟲だな♪」

「ジィィィ!!!ワタチは糞蟲じゃないテチィ!!!」

「うるせえよ、仔蟲。
 どんなに違うと主張してもお前は生まれながらの糞蟲だ。
 人間に寄生して安楽な生活を送る為なら何を犠牲にしても許されると思うこと、
 呪われているとしか言いようの無い不細工な外見をカワイイと言い張ること、
 自身の利益だけを優先し他者をないがしろにすることを厭わないこと、
 これらの思考に基づいて行動するものを糞蟲と言わずになんと言うのかな?
 自分が美しく聡明な実装石とおっしゃるなら是非ともその答えを小生にお聞かせ願いたい。
 どうなんだよ?」

「て・・・テェェ・・・・・・・・。
 わ・・・わかんないテチ・・・、ワタチは子供だから難しいことはわかんないテチィ・・・・。
 ワタチがすぐれているのは当たり前じゃないんテチか・・・・?」

愉快なジョークを吐く仔蟲を吊るし上げて親蟲の口の中に突っ込む。
親蟲は口に突っ込まれた自分の子供を必死に飲み込もうと試みる。

「チャガガアアアアアアアアッーーーーー!!止めるテチィィィィィ!!!!!
 ママァ!!!ワタチテチィ!!!ママのかわいい娘のワタチテチィ!!!!」

親蟲は返事をすることなく仔蟲を飲み込もうと必死に口や喉を動かす。
既に生き延びたいという本能だけでこの世にへばりついている親蟲には仔蟲の嘆願は届かない。
生き延びる為に餌を喰い体力を溜めるという衝動に突き動かされた親蟲は自身の娘を丸呑みにしようと必死だ。

「止めるテチィ!!!このクソババァ!!!
 カワイイワタチを食べようとするなんてママ失格テチィ!!!」
 
白痴になるほどいたぶられた親蟲に仔蟲の言葉を理解することはかなりの無理難題だろう。
たとえ仔蟲の非難を理解できたとしても親蟲は仔蟲を食い殺すことを止めはしない。
コイツは自分だけ安楽な生活を再度送る為に子供を生贄にしてきた畜生蟲。
子供一匹食い殺すだけで自分が助かるならお安い御用と率先して子供を犠牲にするはず。

「ママに構ってもらえて嬉しそうだな仔実装。
 そのまま姉妹の待っている地獄に送ってもらうといい。
 じきにママもそっちにいくだろうから寂しくないだろ?
 向こうに逝ったら好きなだけ幸せな家族ごっこをやって幸せをかみ締めろよ。」

「たたたたたたたたた、たちゅけテェェェ!!!!! 
 ごちゅじん様ァァァ!!!!これからはもっといい仔になるテチィ!!!!
 だからここからたちゅけてぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

中村は無表情で仔蟲に宣告する。

「悪いが俺は実装語で喋られても何を言ってるのか分からないんだ。
 何か意見や陳情があるなら人間の言葉でお願いするよ。」

「テゲェ!!!!!!」

仔蟲は最後の命綱が切れたような顔をして親蟲に飲み込まれていった・・・・。

「荒木、仔実装が完全に喰われたぞ。」

「見れば分かるさ。
 何、これからが本番だ。
 仔蟲が本当に生きたいと思えばまだチャンスはある。
 死力を尽くせばボロボロの親蟲の腹を喰い破るぐらい造作も無い事。」

ビクビクと痙攣している親蟲を尻目に俺たちは一旦部屋に引き下がる。
窓を開けっぱなしにしておくには少々辛い季節だからな。




暗い!!生臭い!!狭い!!
嫌だ嫌だ!!こんな所で死ぬなんて嫌だ!!!
どうしてカワイイワタチがこんな処で死なないといけないんだ!!!
ワタチの高貴さを理解せずにふざけたことをぬかしたニンゲンの思い通りになってたまるか!!
ワタチはここを脱出して、あの糞ニンゲンどもを服従させて、
今度こそ優秀で従順な奴隷を手に入れて幸せになるんだ!!
だからこんな所からはやく脱出するんだ!!!
この糞ババアめ!!自分が助かりたいからってカワイイワタチを喰うなんて許せない!!
お前なんかワタチが幸せになるための踏み台にしかすぎないくせにどうして裏切るんだ!!!
畜生!!畜生!!畜生!!畜生!!畜生がァ!!!!

仔実装はありったけの力を振り絞って親蟲の腹の中で暴れる。
臓物のない親実装の体は少し厚い肉袋のような構造になっているから、
疲労困憊の仔実装でも死力を尽くせば破れないことは無い。
ただ、非力な手足で蹴ったり殴ったりしても破れないから知恵を使わなければ脱出は侭らないが・・・。

何で外に出られないんだ!!
優秀なワタチの攻撃なら不細工で卑しいババアの肉ぐらい簡単に破れるはずなのに・・・・。
畜生!!このままじゃババアに殺される・・・・。
何とかしないと・・・・何とか・・・・。

仔実装の足元は人間が戯れに入れた蛆ちゃん達の成れの果てが広がり、腐汁が溜まっていてかなり臭う。
親実装の腹の中に充満する死の臭いに咽ながら仔実装は思案する。

・・・・・そうだ。
噛み付けばいいんだ。
不細工で低脳な妹が歯向かってきたときにワタチは噛み付いて耳を食いちぎってやったことがあった。
歯向かってきた妹はワタチの偉大さを思い知り、
ゆるしてくださいと謝ってきたがワタチは許さずにいっぱい叩いて殺して食べたんだ。
心の広いワタチは残り物をワタチ程優秀ではないが賢い姉妹に与えてやったな・・・・。
その時一番大きなお姉ちゃんはワタチの行動に文句をつけていたが、
・・・アレはワタチの優秀さに嫉妬したみっともないことだった。
ともかく、ワタチの美しい歯だったらこんな卑しいババアの肉を引き裂くなんて簡単なこと!!!

仔実装は自分を囲う肉の壁に食いついて食いちぎり始める。
脱出ついでに腹も満たしておこうと言う魂胆で食いちぎった肉を方張りかみ締めるが・・・、

「ヘベェェェェ!!!!ま、まずゥ!!!!
 なんテチ!!臭くて嫌な味のお肉は!!!!」

仔実装は老廃物と実装忌避剤がしみ込んだ親実装の肉を吐き出して悪態をつく。
世の中そう都合よくは出来ていない物だ。

仔実装は口の中に広がる嫌な味にえずきながら親実装の腹の肉を喰い千切って脱出口の製作に再度取り掛かる。
はやく逃げ出さないと良くないことが起こりそうな気がするから・・・・。


「随分親実装が痙攣しているな。
 中で仔実装があばれているのかい?」

「唯一の脱出方法に行き当たったみたいだな。
 これで親蟲は完全に死ぬ。」

「で、いいのか?
 あんなクズを野に放って。」

「その辺は抜かりない。
 開放する前にまた楽しいゲームでもてなしてやるし、
 仮に俺から首尾よく逃げられたとしても親無しの上に禿裸の仔蟲が冬を越える事は不可能だ。
 凍死か餓死か、年末の一斉駆除で家族の所へ向かうのが奴の運命ということ。」

俺たちは茶を啜りながら屋外の実装石親子のスキンシップを見学する。
吊るされた親蟲は腹の肉を食いちぎる仔蟲の暴虐に悶絶して激しくのた打ち回っている。
他の感覚は壊れていても痛覚だけはしっかり残っているから大好きな苦痛を死ぬ直前まで堪能できる仕様。
特級飼い実装がしてはならない大罪を犯したこいつの末路としては程度がよろしいのではないかと。

血涙を流し無言で悶絶する親蟲の腹を食い破って罪深い仔蟲が再誕する。

「チャガアアアアアアアアァァァーーーーーーー!!!!!」

絶叫を上げ、親蟲の体から這い出して地面に落ちる仔蟲。

「ヘバェ!!!チェェェ・・・・・。」

思慮の足りない仔蟲は落下の衝撃で右腕がもげ、頭も陥没する重傷を負う。
いよいよ体力を使い尽くしたため、苦痛の絶叫すら上げられない仔蟲に
ぬるま湯をぶっ掛けて汚れをざっと落とし、薄めた実装活性剤を注射して部屋に上げておく。
主賓にはこれからもうひと働きしてもらわないといけないから、ここは休んで英気を養ってもらう。

「親蟲、聞こえてるかどうかは知らんがお前はもう死ぬぞ。
 仕出かした罪の重さをちゃんと理解できたのかは分からんがお前はもう終いだ。
 お前の自慢の仔蟲がお前のことを殺してまで生き延びたかったらしくてなぁ・・・。
 安静にしていればあと2日は生きられたのに仔蟲も酷いことをする。」

力なく震える親蟲は白濁しつつある両目から血涙を流している。
知能が消失した頭でも死ぬということぐらいは分かるらしい。
動けるなら力の限り抗って生を繋ごうとするのだろうが、コイツにはその自由すらない。
仔蟲がぶち抜いた腹の穴からは体液と一緒に親蟲の命が流れ出す。

「本当にお前はバカだよ。
 人間に関わらず自分の力だけで生きていこうとしていたらこんな惨めな結末は訪れなかっただろう。
 お前にはそれを実行できる知恵も力も有ったのだろう?
 身勝手な人間の歓心を買い、再度楽な生活をしようなんて夢見るからこんな目に遭うんだよ。
 お前の最大の過ちと不幸は現実を認めようとしなかった事だ。」

なんとなく親蟲の白濁した目が意思をもって俺を見返したような気がした。
親蟲が自分の過ちを反省しどんなに悔やんでも、もう取り返しは付かない。
この元飼い実装は何の痕跡も残せぬままこの世をリタイアする。

「今更何をいっても慰めにはなるまい。
 実装石は実装石としてしか生まれ変われないという話があるから、
 今度生まれ変わるときには今回の惨事を教訓にして慎ましく生きるといいさ。
 憶えていられたらの話だが・・・・。」

親蟲は真っ黒な血涙を流しながら静かにこの世を去った。
・・・・・さて、残るは生き残った一番浅ましい仔蟲の始末か・・・・。





晴天の夜空の下、俺と中村は仔蟲を連れて散歩と洒落込む。
仔蟲を近くの公園にリリースした後にコンビニへ買出しに向かう次第だ。
主賓の仔蟲には両腕にハトメをぶち込み、そこに紐を通して引き回す。
吊るしたり手に乗せて運ぶのは面倒だし手が汚れる。
それと母親の形見である右目も失くさない様に口に突っ込んで置く。

「散歩するには絶好の夜だな仔蟲。
 今日の夜は気温が一気に落ちるらしいから暖かくして寝ろよ♪」

「やれやれ、心にも無いことを・・・。」

「・・・・・・!!!!!」

和やかに談笑しながら歩く俺たちの後ろを仔蟲が無言で滑走しながら付いてくる。
・・・・正確には引きずられて滑っているのだが。
始めのうちはなんとか走ろうと努力していたが、
何度も転んで体中を強打したり、アスファルトで柔肌を削られたりしているうちにグッタリして為すがままになっている。
折角生き残るチャンスを手にしたんだからもう少し頑張るべきだと思うがね。


仔蟲を引き回し始めてから約10分、目的地の公園に辿り着く。
この閑散とした薄暗い公園に仔蟲をリリースする。
コイツの家に帰してやればいいじゃないかって?
実装石のリリース場所の定番といえば公園でしょう。

「さて仔蟲、名残惜しいがここでお別れだ。
 お前をここで解放してやるから、俺たちがコンビニから戻ってくるまでに失せていれば今日の所は見逃してやる。
 俺たちが戻ってくるまで目の付く所に残っていたら・・・・・、
 そこの実装石専用回収箱に投棄してお前の取るに足らない一生を終わりにしてやる。
 ママを殺してまで生き延びようとしたんだから精々頑張って逃げることだな。」

紐を掴んで吊るし上げていた仔蟲に別れの言葉を掛け、
仔蟲を鎖分銅の様に回して、加減しながら上空に投げる。

「ッッ!!!!!!!!!!!!!!!」

仔蟲は3mほど飛び上がった後、地面に向かって落下する。

べチャッ!!

少し固めのトマトを壁に叩き付けたみたいな音がして、地面に赤緑の汚い花が咲いていた。

「テ・・・テェェ・・・・。」

赤緑の汚い花の真ん中の辺りに弱々しく震え啼くものがある。
仔蟲はまだ生きている様だ。
落下の衝撃で下半身が破砕して、それがクッションになって即死を免れた様子。
口に突っ込んであった形見のママの目玉は着地の衝撃で吐き出してなくしてしまったらしい。
弱々しくテチテチ啼いて何かに助けを求めるみたいに無事な両手を突き出して宙を掻いている。

「しぶとい仔蟲ちゃんだ。
 じゃあ、15分ぐらいで帰ってくるから早めに逃げるんだぞ。
 生き延びたいならな。」

「アバヨ、仔実装。」

俺と中村は震える仔蟲の前を通過して公園を後にした。




生き物の気配がしない静かな公園の中で瀕死の仔実装は悶える。

早く逃げなければ・・・・殺されてしまう。

迫り来る破滅の足音に仔実装は怯えながら、
力の入らないボロボロの体を酷使して人間の手の及ばない所に逃げようと試みる。

下半身は投げ捨てられた衝撃で失われ、血が止まり肉が盛り上がって再生を始めているが使い物にはならない。
頼みの綱の両腕も先端部にハトメを打たれているので少しでも力を入れれば激痛が走る。
人間達が去ってからもう五分以上は経っているのに、捨てられた地点から20センチも移動できていない。

一昔前なら・・・公園を住処にしている腹を空かせた野良実装どもが血の匂いを嗅ぎ付けて仔実装の元に現れるのだが、
自由に動き回れる実装石が人間の生活空間から根絶された現在ではその慈悲も望めない。
(公園は毎日清掃局の実蒼石が巡廻してくる危険地帯になっている為に定住が出来ないのだ。)
もし心優しい野良実装(飢餓に苛まれている)がこの場に現れれば・・・・喰われて死んで、楽になれる。

人間が手を下さなければ、実装活性剤を打たれた仔実装は瀕死の状況のまま朝まで生きることになるだろう。
母実装の味わった苦痛に較べれば屁みたいなものだが、その苦しみは想像を絶する。


どうして・・・いい子でカワイイワタチが・・・こんな酷い目にあわなければならないの・・・。
・・・いっぱい辛いことに耐えて・・・ニンゲンに気に入られて・・・幸せに・・・なれるはずだった・・・のに、
どうして・・・こんなことに・・・なってるの・・・・。
あの悪いニンゲン達は・・・戻ってくるまでに逃げられなかったら・・・酷い目に遭わせるって・・・言った。
早く逃げないと・・・・ママみたいにされてしまう・・・。
醜くグチャグチャにされて・・・いっぱい痛いことと苦しいことだけを味あわされて・・・・惨めに死んでいく・・・。
嫌だ!!!あんな目に遭うのはご免だ!!
だからここから早く逃げなければ・・・・。

ワタチの自慢のあんよが動かない・・・はやく逃げなければ地獄が待っているのに!!
あんよさえ無事ならばあんなニンゲンたちに捕まることはないのに、早く逃げないと!!!
頭がぼけっとして、体が冷えて固まって・・・上手く動けない。
どうして優れたワタチがこんなザマなんだ!!・・・・ニンゲンのせいだ!!

あの悪魔がワタチを苛めるからこんなことになっているんだ!!
あの糞ニンゲンは言いがかりを付けてワタチ達家族を苛め殺した!!
カワイイワタチを飼わせてやる栄誉を与えてやったのにこんな仕打ちをしてあの悪魔は!!!
あんな奴のことはいい!!早く逃げないと!!!

動いて!!動いて!!動いて!!動いて!!動いて!!
ワタチの体動いて!!

この苦境を乗り越えて、安全な所に辿り着けばきっと幸せになれる!!
だから動いて!!!

誰でもいい早くワタチをここから連れ出して!!!
ママ!!お姉ちゃん!!妹たち!!!誰でもいいから早くワタチを助けて!!!


寒さと苦痛と孤独に苛まれる仔実装は生き延びる為に殺した母実装と先に死んだ姉妹に助けを求める。
か細く哀れな声ですでにこの世に居ない家族を呼び、この苦境から助けて欲しいと懇願する。




木枯らしが吹く中、生き物の気配の無い公園に仔実装の擦れた鳴き声だけが木霊する。
だが、その声に応える者は存在しない。
冷たい地面の上を這いずり、仔実装は生き延びるための努力を続ける。
そろそろ約束の刻限がやって来る。

体液が失われすぎた仔実装はもはや寒さや痛みを感じる余裕は無くなっている。
頭が朦朧として自分が何のためにここに居て、何をしているのかすらも分からなくなっているが・・・・、
ただひたすらに地面を這いずる。
この行為だけが幸せに続く道であると信じて・・・・。




仔実装は何かにぶつかる。
顔を上げてぶつかった物を見ようとしたが、既に視力は失われていて何も見えない。
声を出そうにも、既に体力が尽きているので細々と息をするのが精一杯。
すると仔実装は浮遊感と共に地面を離れて、運ばれ始めた。

ママが・・・たすけにきてくれたの・・・?

自分の所業を忘れ、既にこの世に居ない母実装に縋ろうと手で辺りを探っても何も当たらない。
少しすると何かに引っ掛けられた。

ママ・・・だっこして・・・あたためて・・・。

精一杯の声を出して母実装だと思い込んだものに縋ろうと試みる仔実装に帰ってきた答えは・・・・。

「残念、お前の一生はここで終いだ。
 今度こそ本当のお別れになるな仔蟲ちゃん。
 じゃあね、バイバイ♪」

自分たちを破滅させた悪魔の別れの言葉の後、軽く額を押されて仔実装は奈落に落ちていった。


ゴミ箱大の実装石専用回収箱の中に落とされた仔実装はなすがままに同族の死体の山を転げ落ち、その中に埋もれる。
二度と動くことが無い大小様々な実装石たちに囲まれて死にかけの仔実装は啼いた。
極限状態のもたらす幸せな幻想を見ながら朽ち果てるか、死に損ないの同族に食われて死ぬのなか分からないが
仔実装の運命は閉じられた。

ママ・・・・・・、ママ・・・・・・・。

氷の様に冷たくなっている同族の躯に埋もれながら仔実装は自らが殺めた母親を呼び続けた。








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1 Re: Name:匿名石 2016/11/02-02:54:49 No:00002677[申告]
仔の虐待生活
うまそうな山実装料理
再生機能がぶっ壊れてもっとクリーチャーになった親
見所たくさんの良作だったなあ
昔読んで面白かったけど久しぶりに読んでも面白かった
2 Re: Name:匿名石 2018/11/25-01:54:29 No:00005677[申告]
名作だったわ
3 Re: Name:デ〇ゥ・ノートの〇者 2018/11/26-19:25:23 No:00005679[申告]
じっくりと丁寧に虐待している長編は読み応えがあっていいですよね。
私の作風とは正反対ですが、もちろん私もこのスクのファンだし、
実はかなりの影響を受けてもいます。

「端午の節句ス-MEN」のラストでリーダー格の実装石がパキンしたのは
このスクをビジョンとして見せて自分の未来だと思い込ませたから、
という裏設定があるのは内緒ですけどね。

(あ、そんなことより自分のスクを書かなくては…)
4 Re: Name:匿名石 2020/12/08-20:05:06 No:00006298[申告]
有無を言わせぬ徹底的な暴力描写に度肝を抜かれた
すごい
5 Re: Name:匿名石 2020/12/10-05:24:09 No:00006299[申告]
傑作としか言いようがないね。
小説家なれるよ
6 Re: Name:匿名石 2022/11/04-04:48:25 No:00006579[申告]
仔蟲でも糞蟲は糞蟲なのだな…
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