タイトル:【観察】 ある地方都市の野良実装とカラス.
ファイル:ある地方都市の野良実装とカラス.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:5236 レス数:1
初投稿日時:2006/11/27-00:54:47修正日時:2006/11/27-00:54:47
←戻る↓レスへ飛ぶ

ここはとある地方都市。
農業と漁業、そして牧畜を主な産業とする、総人口約200万のとある県。
その県庁所在地にあたるありふれた地方都市である。

その都市の一角に公園があった。
住宅地に囲まれた、周囲が2km四方と規模の大きな森林公園である。

そこに300頭ほどの、野良実装石が住んでいた。

これは、公園の規模としては驚くほど数が少ない。
それには理由があった。

3年前、県内の人口密集地近辺のゴミ捨て場すべてが
大きく頑丈なボックス型に変えられると同時に、
段ボールなどの資材ごみも含め、ゴミ捨て場以外への投棄に対する
罰則が強化され、監視員が巡回するようになったのである。

その後、寒さがきびしくなるにつれ、県内の野良実装石は
数を減らしていった。

生き延びることができたのは
偽石情報に動物的なサバイバル知識がある、
体力知能とも充実した個体だけであった。

結果として、冬を越えた個体は全実装の2%にも満たなかった。

さらに、追い討ちとも言える処置がこの公園には行われた。

公園内のトイレのドアが自動で閉まるものに変えられたのである。
さらに、開ける際には地上1m付近にあるノブを回して
ロックを解除する必要があり、万一内部に侵入できたとしても、
トイレ内部にはドアの開閉とともに液体コロリが
スプレー散布されるようになっていた。

食糧と寝床の供給および、出産場所を押さえられた実装石は、
ほぼ一定の数に落ち着いたあと、増大することは無くなかった。

そしてこの公園では、仔食い、同族食いはまったくと言っていいほど
行われなくなった。

これは山実装にも言えることである。

山ではあらゆる雑食・肉食の野生動物が実装石を常に餌食にしようとし、
さらには気候風土が平地より厳しいため、
団結する必要があるためだが、一方、ここには野獣はおらず、気候も穏やかだ。

ではなぜか?共通しているのは生息密度である。

ある研究者は、密度が上がることにより、実装石の性質が不安定、
凶暴、偏執的に変わる。つまりは、糞蟲化していくという報告を述べている。

他の生物の例でも、過密になればトノサマバッタは体が変わる。
色が緑からメラニンを含んだ茶色になって殻が硬くなる。
丸みのある体から角ばった形へ変わり、羽が伸びて攻撃的になり、
ついに集団で略奪飛行を始める。

ラットの例では喧嘩がたえなくなり、弱い個体はいじめ食われ、
仔は生まれる端から母親に食われていくと、
まさに、いわゆる大都市の公園に住む野良実装と同じ現象が起きる。


かと言って、ここでは山実装のように、
りっぱなコミュニティを作るところまでは行かなかった。

近年なって人間により作られたペット実装の成れの果てである
野良実装と、古代より自然の中で暮らしてきた山実装では、
いかに環境が野生下に近くなったとしても、やはりまだ、
蓄積された偽石情報に違いがあったのである。

大抵の山実装の群れは、人間の原始部族的な村となんら変わりが無い。
群れを統率するリーダーがおり、各自が作業を分担し、
食料を集め、道具を作り、知識を次世代へと継承していく。

一方、一般的な野良実装石は親と仔だけの2代間の小さな群れを作る。
狐や猫などの多くの中型哺乳類と同じく、親は仔が成体になるまで面倒を見る。
そして、成長した仔は自ら親元を離れ、あるいは親に追い出され、
新たな場所で、また2代間の小さな群れを作るのだ。


数が少なくなるにつれ、宅地、民家への侵入や、
悪臭、鳴き声による騒音などの発生はなくなった。
多くの人間は実装石を土鳩や野良猫と同じポジションとして認識し、
気にも留めなくなった。

虐待・虐殺はその意義を失い、反社会行為と認識され、消えていった。

同じくして、愛護派も、数が少なくなり、分散して隠れるように暮らす
実装石をわざわざ探して餌を与えるような事もなくなった。

人間と実装石の住み分け的な共存が成功したのである。


今は4月、つらく厳しい冬があけ、春がやってきた。

ビニール袋を背負い、どんぐりを拾い集めている実装石がいる。
大人の人差し指の先ほどもある大きなどんぐり、植樹されたマテバシイの実だ。
山中であれば、リスや猪、熊やサルがこぞって食べつくしてしまうだろうが、
ここいら辺では特にこれを狙う動物は無く、
晩秋に落ちたどんぐりは腐ることなく実装石の主食となっていた。

彼女は昨年秋に生まれて冬の初めに成人した個体である。
12月終わりに、雑木林の中で、かつて木が生えていた跡であろう
斜面に開いた穴を見つけ、その中で落ち葉に包まって冬眠し、
2週間ほど前に目覚めたのであった。

「だいぶ集まったデス。あの仔たちのためにも栄養をつけるデス」

春は出産の季節であり、この実装石も昨夜出産をしていた。
初産ではあったが、かつて母親の出産を手伝った経験を生かし、
ねぐらの中で、拾い集めたスチロールトレーに、
ペットボトルに貯めておいた雨水を注いで産湯代わりにし、
無事、7匹の仔実装を生んだのだった。

妊娠のきっかけは大気に満ちる杉の花粉だった。
花粉交じりの雨に打たれたことでこの実装石は仔供を授かったのだった。

ねぐらに帰ると、7匹の仔実装がテチュテチュと母親を出迎え、乳をねだった。

母実装は服を捲り上げ、1匹1匹順番に乳を与えていった。
乳房にむしゃぶりつく仔供たち。
数分後、満腹になった仔供たちは、枯葉のベッドに包まりながら、
すやすやと眠りに落ちていった。

仔らに慈愛に満ちた表情を向けながら、どんぐりを石にはさんで砕き、
欠片をかじる母親。

世に名高い虐待派でさえ、本能的に心暖まるであろう風景が
そこにあった。

(もう少し暖かくなれば、食べられる草がいっぱい出るはずデス。
柔らかい草をいっぱい食べれば、もっとおっぱいが出るデス。
たくさん仔供を育てられるデス)

母親より教えられた『春』の知識を思い出す母実装。

仔供への愛情や、袋やトレーなどの道具を使うこと、
何より母の言った事を記憶していることから、その知能の高さが伺える。

しかし、賢い実装石は母の言った「おそろしいもの」に関する事も
思い出していた。

実際、仔供のころ、自分も危ない目に何度かあったし、
姉妹たちもその多くが大人になる前に命を落とした。

『春はバサバサに気をつけるデス』

—バサバサ—大きな鳥、もしくはその羽音をさす実装言葉である。

母はそう言った。

「でも、今日はバサバサは聞こえもし無かったデス」

賢いが経験の足りない母親は、変化する未来と言うものを
いまいち実感できないでいた。
食べ物はたくさん手に入り、自分や仔供たちは
いつまでも幸な今日という日が、ずっと続くのだと思っているのだ。

しかし、彼女はまもなく母親の言葉を身にしみて実感することになる。


10日後、一家は午後の暖かな日差しの中、団欒のときを過ごしていた。
仔実装たちも歯が生え、普通の餌を食べるようになっていた。
生態系ピラミッドで下層に位置する実装石の成長は非常に早い。
ハツカネズミ並みだ。
成長が止まるのは通常生後2〜4ヶ月後だが、
約2週間〜1ヶ月弱で体は小さいが繁殖は可能になる。

落ちているどんぐりは、実装石たちに食べられ、
少なくなってきてはいたが、そのかわりに
野草がいきおいよく芽を出してきており、食べるものには困らなかった。

大木を背にした母親を中心に、仔実装が集まり、昼寝をしている。
見張り役である母親も、眠気を誘う春の日差しに時々頭がカクンと落ちる。

その中、1匹の仔実装が目を覚ました。

(良く寝たテチュ。遊びに行くテチュ)

この仔実装は人間換算で5〜6歳程度。もっとも好奇心が強くなり、
遊びたがる年齢だ。

「テッチュッチュー♪」(出発しんこーテチュ)
お気に入りの小枝を振り回し、仔実装はミミズが走る速度で
駆け出していった。
優しいママと暖かい陽気、いい匂いのする綺麗な花が咲き乱れた
この季節。仔実装には世界すべてが光り輝いて見えていた。

(あの茂みを探検テチュ)

手近な茂みに入ろうとする仔実装の視界に、何かが映った。
それは、とても目を引いた。

落ち葉の上に、きらきらした丸いものが落ちている。

ラムネに入っているビー玉だ。誰かがビンを壊して出したのだろう。
それ自体は珍しいことではない。

しかし、これは落ち葉の上にある。
つまりは、土に埋もれていたわけでもなく、
だれかが最近置いたばかりであるということだ。
親実装なら人間の影や不自然なところを感じただろうが、
仔実装は目を好奇心で輝かせまっしぐらに拾いに行った。

両手で抱えるそのビー玉はずしりと重く、そして陽光を反射して
光を周囲に振りまいていた。
「テッテチャァ・・・テチャーッテッテチュー♪」
(これはすごいテチュ。宝物テチュ。きっとお日様の仔供テチュ)
興奮して顔を紅潮させ、ぴとぴと跳ねる仔実装。
(みんなに見せるテチュ。喜ぶテチュ)

ビー玉を抱えて戻ろうとするが、

「ッテ?テチュテテテレー?」(おかしいテチュ。前に進めないテチュ)

なにか、首の後ろに違和感があるような気がする。
仔実装がそう思ったとき、襟首を強く引っ張られ、
仔実装の体は宙に浮いていた。

「ッテ?テキャアアアアア!!!?」


仔実装の魂消る悲鳴に、うたた寝をしていた母親が飛び起きた。
「デンデデンデッス!!」(この声はッ!長女イーの声デスッ!!)

寄り添っていた仔供たちは、頭を地面に打ち付けた。
夢の中から急な痛みに目覚めさせられ、テエ〜ンテエ〜ンと泣き出した。

しかし母親は、備わっていた母性本能によるものなのか、
毅然とあわてることなく、泣く仔供たちをかき集め、抱きしめた。
すぐに仔供たちは泣きやみ、テチュ〜ンテチュ〜ンと甘えた声をあげた。

(お前たちはここで騒がずじっとしているデス。
ワタシはいなくなったイチを探してくるデス。
ニー。2番目のオマエが妹たちを守るんデスよ!)

いつにない真剣な母の様仔に、後を任された
次女をはじめ、仔実装たちはこぞってうなずいた。

そして、遠ざかる母の後姿に尋常ならざる雰囲気を感じ、
不安な表情を浮かべながらも、皆で寄り集まり息を殺し、
大人しく母親の帰りを待つことにした。

だが、その仔実装をたちを、彼女たちには思いもよらない高みより
見つめる無数の瞳があった。


母親は姿の見えない仔供の無事を祈りつつ、秒速20cmで走っていく。

イー。一番初めに生まれた仔。体が大きく勇敢で、
私がミミズを採って帰ったとき、
怖がる他の仔を尻目に、くねるミミズの尻尾に弾き飛ばされても
一番初めにミミズに噛み付いていった頼もしい仔。

でも、もう少し慎重に行動することを教えるべきだったかもしれない。

(無事でいてほしいデス)

まだ、声が聞こえる。自分に助けてと叫んでいる。まだ生きている。
ついに母親の視界に仔実装が映った。

「デェッス!!!」(クロバサ!!!)

仔実装はハシブトガラスに襟首を咥えられ宙吊りになっていた。
食べられてはいないということに安堵するまもなく、
母性本能の命じるままに駆け出していた。

「デデデデデアーッス!!」(仔供を返すデスー!!)

ハシブトガラスはぴょんぴょんと跳ねて母実装から距離をとり、
立ち止まる。
デデデデデと追いかける母実装。
再びカラスは距離をとり、立ち止まる。それが数回繰り返される。

(ハアハアハア・・・おかしいデスゥ。なぜ飛んで逃げないデスゥ?)

母実装は怒りのあまり、このカラスの行動を疑問に思うことも
できなかったが、体に疲労がたまるにつれ、
ようやくおかしいことに気づいた。

そのとき、高い木の上で、「クアッ!クアッ!カー!」と
他のカラスが変わった鳴きかたをした。

それを聞くと、仔を咥えたカラスは翼を広げて母親の頭を超え、
残りの仔を置いてきた大木のほうへと飛んでいった。

母実装は背筋にぞくりとしたものを感じた。嫌な予感がする。

全速力でカラスを追いかけ始める母親。

ガクガクとする足を必死に動かし、滝のように汗を流す母親。
喉の奥に血の味がし、めまいを感じても、それでも
仔供のところへと全速力で駆けていった。


話は変わるが、動物は体の大きさに由来する心臓の鼓動の早さによって
体感時間が変わってくるという。
例えば同じ一分でも、ゾウならば一呼吸の時間であり、
ネズミならば1回の食事に相当する時間となる。
実際に感じる時間の流れは違ってくるのだ。

そして、実装石も例外ではない。

(ニー姉チャン!ママがかえって来ないテチュ。遊ぶテチュ!)
(う〜ん・・・この木の周りから離れなければ、きっと大丈夫テチュ)
(お花摘むテチュ〜)
(あ!ちょうちょテチュ!待つテチュ〜♪)
(追いかけっこするテチュ〜)
(捕まらないテチュよ〜♪)

母親が行ってしまった後、仔実装たちは数十秒はじっとしていたが、
すぐに退屈と好奇心に負けてしまい、次女でさえも、
本人は言いつけを守っているつもりであったが、
好き勝手に動き始めていた。

暖かな日差しの下。仔実装たちが戯れる姿は
特に実装石に悪い感情を持っていない人間ならば、ほほえましく感じ、
庇護欲をかきたてられる光景であったろう。

それが、人間であったならば。

1匹の仔実装が気づいた。
(あれ?急に曇ったテチュ?)

陽光をさえぎったのは黒い翼。舞い降りた死の使いは、
瞬く間に遊びまわる幼仔たちを嘴にかけていった。
「テキャキャテ〜!?」(なんテチュ〜!?)
「テッテテテテ!!キャテ〜!!」(怖いテチュ怖いテチュ!ママ〜!!)
「テキャキャテ〜!!テッキャキ〜!!」(クロバサテチュ!!クロバサが襲ってきたテチュ!!)
「キャキャテッキャキ!テキャテチ〜!?」(妹を守るテチ!!・・・テチュァ〜!!助けテチ〜!?)
「キャテチ!!テッテ!!キャテ〜!!」(おまえだけでも逃げるテチ〜!!)
「テッテチ〜!!キャテチュ〜〜!!」(おねえチャ〜ン!!)

息を切らし、フラフラになりながら駆け込んできた親実装を
出迎えたのは仔実装をくわえたハシブトガラスの群れだった。

「デッギャギュグボギュエヴェェアー!!!」
(仔供たちを返すデスゥゥゥ!!!)

衝撃と怒りで脱糞し、限界に達した疲労により勢いよく
胃の中身を吐き戻しながらも、吠える母実装。

「デギュヴァ!コヴュビャ!ギュバッ!」
(返すデズゥッ!!返すデズゥッ!!返すデズゥッ!!!)
気管に入った吐瀉物にむせ、赤と緑の涙を流し、
地団太を踏み、歯をむき出して、木の上のカラスを怒りで
叩き落とさんとばかりにあばれまわる母実装。

それはたとえ残忍この上ない虐殺派であっても、同情と憐憫を
寄せるにちがいない姿であった。

しかし、カラスたちはそんな母の姿をまったく意に介さず、
あるものはそのまま飛び去り、あるものは母の眼前で捕らえた獲物の
下処理に取り掛かった。

(飛ぶなデズゥ!!置いてけデズゥ!!
デギャァァ!!!仔供に何するんデスゥ!?止めろデズァァ!!)

爪で押さえつけ、クチバシで髪をぶちぶちと引き抜き、
同様に服を引き裂いていく。
「テチャー!!チャーァーテ!キュアァー!!」
(止めテチュー!!大事な髪の毛とワタチの服をとらないテチュー!!)

このカラスは慣れた足裁きであっという間に仔実装を禿裸にすると
最後に腹を強く握りしめ、糞抜きをすると飛び去っていった。
「チャテー!!(ママー!!)」
母親の前に、枝から髪の毛と服の残骸がはらはらとこぼれ落ちた。

「デギュ・・・ア゛・ア゛・ア゛・・・」
(コドモノ・・・服・・・ダイジナ髪・・・)

震える手で服と髪をつかもうとする母親に違うものが飛び込んできた。
「デッ!!」

それはうつろな目をした仔実装の生首だった。

母の見上げる枝の上には、血にクチバシを濡らしたカラスがいた。
毛の生えた頭は邪魔だとばかりに噛みちぎったのだ。

そして足をクチバシで挟み、逆さにして血抜きをしながら、
器用に仔実装の服のすそに爪をかけ、一気にペロンと剥ぎとってしまう。

再び足で掴み直し、枝を蹴って飛んでいく。

震える視界で去っていくカラスを茫然と見送る母親。
次々と消えていくわが仔を、ただ見送ることしかできない無力さに
打ちのめされる。

「テチャッ!テッテキュア!テッチャーー!」
(ママー!!たすけテチュ!!死んじゃうテチュー!!)

木の上からの声にはっとなる母親。
まだ守るべき仔が残っているという事実が再び心に火をつける。
(待っているデスゥー!!!)

幾分の冷静さを取り戻した母親は足元に落ちている小石や、
枝をカラスめがけて投げ始めた。持っていた仔実装の生首も投げてしまう。

いいアイディアだった。投擲可能な肩関節を持つのは、
猿類と実装シリーズのみである。

ゆえに野生動物の多くは、概念にない攻撃として投擲を
非常に恐れる。

カラスも例外ではない。むしろ犬類を上回るという頭脳と観察眼を
もったカラスは、手に何かを持った人間が腕を振り上げた場合、
大抵すぐに逃げ出す。

そう、それが人間であったなら。

結局、カラスは何のアクションも起こさなかった。
母実装の攻撃はカラスに届くことなく、木の幹地上1m付近に
当たって再び地に落ちた。

聡きハシブトガラスは実装石の力量を見切っていたのである。

服と髪を取り去ったカラスは仔実装の腹を足で掴むと
ぐっと握り締め、糞抜きをする。
「テキャー!!」

そして、仔実装をくちばしで咥えると、近くの枝に
バシン!バシン!とぶつけ始めた。
「テヂャッ!テヂャッ!テヂャァーッ!」
皮膚が破れ、血が噴出した。ひときわ大きな悲鳴を上げる仔実装。

「デッ! デェェェ!?」(ナニスるデスゥー!!!?)

空気の抜けたゴムボールに、崩れたゴム手袋がくっついたモノ。
それが今の仔実装の外見であった。全身の骨は砕かれていた。

そしてカラスは仔実装だったものをひょいとトス上げして咥え直し、
上を向いて一気に、ごっごっごっと飲み込んでいく。
最後に、満足げに目を瞬かせるとカァカァと飛んで行ってしまった。

がっくりと崩れ落ちる母親。ほんの少しまでに存在していた、
団欒は跡形もなくなってしまった。


ゴミの規制以後、餌に困ったのは実装石だけではない。
ハシブトガラスもそうであった。
飛行という移動手段を持つため、公園周辺の家庭ゴミが
手に入らなくとも、規制の緩い郊外にある食品工場や、家畜処理場、
魚市場などに移動することで、実装石ほどはひどい個体減少は
なかったが、それでも、餌をめぐってのカラス同士での
争いが激しくなっていった。

そしてカラスたちは地面を動く小さな2足の生き物に目を向けた。
実装石である。
実装石は鈍重で脆弱な生き物であり、カラスたちはその身体能力は
何ら脅威にならないと判断したが、始めから襲うことはせず、
死体をつつく程度で、生きているものを殺すことは無かった。

カラスは慎重であった。頭のみに毛があり、服を着て2足で歩く、
これは地上の悪魔「人間」と同じ特徴であったからだ。

人間は個々では大したことは無くとも、仲間意識が非常に強く、
個々の被害を全体で復讐する生き物であり、そうなった場合は、
絶対の天敵になってしまうことはよく理解していた。

このデスデス鳴く生き物ははたして人間か否か?
もし人間および、その類族であれば、手を出すことは群れの消滅という
報いになって返ってくる。

数カ月に及ぶ観察の結果、カラスたちは結論づけた。
こいつらは人間とはまったく違う生き物だと。
鷹とモズのようなもので、姿は似ているが
まったく劣る生き物であり、何ら脅威にはならないと。

しかし、カラスたちはむやみやたらな攻撃を行うことはしなかった。
厳しい冬を除いては、ほとんど仔実装しか襲わなかったのである。

これにはまた、臆病ともいえるカラスの慎重さの一端が見て取れる。
万が一にも、成体に反撃を受けた場合は翼を傷つけれる恐れがある。
仔実装ならば、そんな心配はまったく無用であり、
それに何より仔は鈍く、捕まえやすかった。

そして今は春。実装石の繁殖期であり、毎週2000匹以上の仔が生まれる。
カラスもまた、繁殖期を迎えており、産卵で疲れた母ガラスや
生まれたばかりのヒナにとって、仔実装は非常に適した食糧であった。

仔実装のみを効率よく捕獲するため、カラスたちは
ある狩法をあみだした。

まず、特定の仔連れに目標を絞り、
複数のカラスが1チームとなって、ガラスだまや、メッキの安ピカもの、
空き缶、プラスチックのおもちゃ、そのほかきれいな花や、
色鮮やかな木の実などを、適度にばらまき、
親から離れた仔実装が興味を示すのを待つ。

1匹がそれに近づいたらすばやく捕らえて、鳴き叫ぶに任せる。

他のカラスたちはそれを合図として飛び上がり、
実装石の巣の上に向かい、親実装が離れるのを
旋回しつつ待つ。

しかし、チームの中で最も経験を積んだ1羽は木の梢などの
見晴らしのよい場所に移り、見張り役として待機する。

そして、母実装の動向のみならず、全周を警戒し、
人間その他、狩りの邪魔になりそうなものを警戒する。

仔実装を捕まえたカラスは、実装石が追いつけないぎりぎりの
距離を保ちながら逃げ、親を巣から引き離す。

母親が十分に離れたのを、母親の声の大きさから確認すると、
その間に他のカラスたちは残りの仔実装を一網打尽にする。

仮に、運良く段ボールやスチロール箱等に隠れていても無駄である。
カラスの強烈なクチバシは石膏ボードをも楽々と破壊する。
仔実装を引っ張り出すのに何の支障もない。

仔実装があらかた捕まったころ、見張り役は合図を送る。
それを聞いた『最初に仔実装を捕まえたカラス』が、親を引き連れ戻ってくる

親を連れてくるのは、隠れている仔実装が親が姿を見せると
飛び出してくることが多いからである。

ここで狩りは解散となる。カラスたちは巣に餌を運ぶなり、
その場で仔実装を食べたりと好き勝手に行動する。

見張り役は餌をとれないが、後で成功した仲間から餌の分配が
あるため、問題は生じない。

カラス全員が飢えている場合、見張り役無しで狩りをすることも多い。
また、群れでやってきても、仔実装を捕まえたカラスが一羽ずつ
群れから抜けていく場合もある。

無論、はじめからこうだったわけではない。
実装石が出始めたころは、単に親に一撃をくわえてひるませ、その隙に
仔実装を強奪する場合が多かった。

しかし、もとよりカラスは遊び好きであり、
生ゴミを撒いて鼠をおびき寄せて捕まえるほどに知能が高く、
さらに、実装石という栄養満点のえさが確保された今では
生活に余裕ができ、こういった仲間との連携や、
餌の種類、仕掛ける位置が重要になる、
ゲーム性の高い狩りをより好んだのである。


(ドウシテデスゥ・・・ドウシテこんなことになってしまったンデスゥ?・・・)

カラスが去った後、母実装はひざまづいて、血涙を流していた。
走馬灯のように浮かび上がる、仔供たちとの思い出。
不安でいっぱいだった初めての出産。
「テッテレー♪」と歓声を上げる仔供たち。
沸きあがる喜びと満足感のなか、必死で粘膜を舐め取ったあの夜。

初めてのお散歩。日に日に大きくなっていく仔供たち。
輝いていた日々はもうかえって来ない。


結局、母親が仔実装のときに遭遇した危険は、
そんなに大したものではなかったのである。
間近をカラスに追いかけられるような危険であったなら、
仔実装に逃れることはほぼ不可能。
母親は成体になれず死んでいただろう。

実体験が無いため、教えられた知識だけでは
カラスの襲撃への満足な備えができなかった。
幸運な仔実装時代であったがゆえに、仔供の命を失ってしまったのである。


(・・・・ママ—!助けテチー!!・・・・)

ガバ!と顔を上げる母親。
(聞こえたデスゥ)

助けを呼ぶ仔実装の声。しかし、それは空耳だったかもしれない。
(待っているデスゥー!!!)

母性本能の命じるままに、母実装は駆け出して行った。
その母実装を、隣の木から1羽のカラスがそっと見送っていた。

(確か、コッチから聞こえたデス・・・)

母親がやってきたのは、暮らしている林の奥のほうだった。
木が密集して生え、夕暮れ前だというのに鬱蒼と暗い。

母親は知らないことだが、実際ここいらはカラスの繁殖地であった。
偶然か、それとも実力か?
母親はさらわれた仔実装がいる正しい場所に来ていた。

「・・・・テチーィ・・テチーィ・・」(・・・ママー助けテチー・・怖いテチー)
「・・・テチチーィ・・チーィヤァ・・」(・・・オネエチャーン・・ママー・・)

母親の耳に聞きなれた仔実装の、かすかな鳴き声が聞こえた。
それは上から聞こえた。

見上げる母親の目に映ったのは、残酷な現実だった。

(こ・・・これは何・・・デス?)

母親は目に見えるものが受け入れられなかった。

杉の木の枝にぶら下がる、無数の仔実装たち。
彼女の仔供以外の仔実装も居る。

カラスには、餌をあちこちに隠し、保存する習性がある。

無論、カラスは最初から生きたまま保存しようとは考えていなかった。
死んだはずの相手を再び土の下より掘り出した時、
それはもぞもぞと動いたのである。

実装石の高い生命力に、カラスたちが気づいてしまった。
そして、餌を保存する場所は、土の下でなくてもかまわない。
猫や犬などに横取りされない場所、他の生き物には取り出しにくく、
カラスにとってとりやすい場所であればよい。

木の枝が、生きたまま仔実装を保存するのに最も適した場所だと
カラスが考えるのにそう時間はかからなかった。

そして実装石にとっては不幸なことに、仔実装の髪は枝にかけるのに都合よく、
木の枝やコケ、動物の毛などを複雑に組み合わせた巣を作るカラスにとって、
枝に髪を結びつけることなど造作も無いことだったのである。
こうして、仔実装たちは生きたまま、保存食にされていたのだった。

髪の毛を木の枝にからませ、風が吹くたびにゆらゆらと揺れながら、
かすかに哀れな鳴き声をあげる、奇妙な果実。

なかには、腐ってしまい、周囲を蝿が飛び交っているものや
半ばミイラと化した仔実装も居る。


(酷いデス!・・・惨すぎるデスッ!!!
ワタシたちが何をしたというデス!!クロバサに何をしたというデス!!??
ナンデ、こんな・・・こんな、非道いことを・・・・するんデスゥゥゥゥ!!!???)

怒りで震える親実装。しかし、聡明な彼女には、
仔らを救う方法がない事も理解していた。
血の涙を流し、母親は無念の思いをこめて、仔らを見上げ続けた。

そこへカラスが飛んできた。枝に止まって仔実装を引き上げていく。
一旦は保存しようとしたのだろうが、急に必要になったようだ。
「デデェ〜〜ッス!!」(止めろデスゥ!!)

デスデスとわめきながら、母親は無駄と知りつつも足元の小枝や石を
投げつける。

しかしカラスはまったく平然と仔実装を枝の上に押さえつけ、
ぶちぶちと髪の毛を引きちぎっていった。

「テチャー!!!テテテー!!!」(ママー!助けテチー!)

そのとき、仔実装をむしるカラスに
他のカラスが横取りしようと襲いかかった。

他のものが食べようとしている餌が旨そうに見えたのか、
単に性格の悪いカラスなのかは不明だが、
その一瞬、幸運の女神は実装石に微笑んだ。

争うカラスたちが仔実装をとりおとしたのだ。
その光景を、母実装の目はコマ送りのように、しっかりと捉えていた。

仔を思う心が限界を超えた力を引き出したのか、
母実装の足は力強く大地を踏みしめ、高々と手を伸ばし、
仔実装を受け止めるべく、体を宙に躍らせた。

ズザザ!
腹を大地がこする。ひざもすりむいた。

しかし、母親の手には、仔実装がしっかりと収まっていた。
「テ・・・テ・・テチュ〜ン?」(マ・・ママ・・・テチ?)
「デス!!デスデッスン!!」(そうデス!ママデス!!)

うれし涙で母親の視界がぼやける。
(ボウヤが帰ってきたデッスン♪髪の毛はちぎられてしまったデスけど、
ゴハンをいっぱい食べればきっとまた生えてくるデッスン♪)

そのまま仔実装の頭をなでると、テチュ〜ンテチュ〜ンと
うれしげに鳴いて目を細める。
さらわれて間もないため、意識もしっかりしている。

なくなったはずのぬくもりが帰ってきた喜びが胸に溢れる。

(もっとナデナデして欲しいテチュ〜ン♪)

「デデッス、デッスゥ♪」(しょうの無い仔デスゥ♪)
幸福の絶頂にある母実装は、口ではそう言いつつも
仔の願いをこころよく聞きつける。それがどんな結果を出すかもわからずに。

ナデナデ♪ナデナデ♪
(気持ちいいテチュ〜ン♪ママ大好きテチュ〜ン♪・・・)

次の瞬間、母親の手の中から、仔実装が消え去った。
「テヂャー!!??」
上から聞こえる悲鳴を追って、見上げる母実装の目に映ったのは、
仔実装を奪い返したカラスたちであった。

「デデッ!!??」
一つのことに気をとられると、周囲が見えなくなる
実装石の性質が致命的となった。

経験の少ない若い母親である上、仔の全滅、そして
奇跡的救出という、大アクシデントがあったため、
その精神への衝撃と急な緩みを考えれば、
仕方がないことであったかもしれなかった。

「デギャーッス!!!」(返すデスゥ!!!)

仔を奪ったカラスに、もう一羽が襲いかかる。
互いに仔実装に爪を立て、クチバシに力を込めて引っ張り合う。
「テキャー!!テッテキャー!」(イタイテチー!!死んジャウテチー!!)

その悲鳴がぷちっという音を立てて途切れる。
仔実装は頭と胴体に分かれてちぎれた。

「デッギャァァァァ!!!!」(ボウヤァァァァァ!!!!)

カラスたちはそのまま飛び去り、後には顔面を血涙と鼻水で、
下半身を糞便でぐちゃぐちゃにした母親がデ———と音を立てながら
ほうけた顔で立ちつくしていた。

「テチャー!!!テチャーァァァ!!テテチャー!!!」(ママー!ワタチはココに居るテチー!助けテチー!)
残された1匹の仔供が叫ぶ声も、もはや今の母親には聞こえていなかった。


赤く染まる世界。長く伸びる黒い影。
日没の光の中、フラフラと進む実装石がいた。

あの母親である。

(ミンナ・・・皆・・・助けられナカったデス。カワイイ仔供たち・・・。
ママは悪いママデス。・・・アナタタチを守れなかったデスゥ・・・)

母実装は焦点のあってない目でぶつぶつと呟きながらさまよった。
ふと母親が見上げると、家族そろってひなたぼっこをしていた木の場所に
やってきていた。

ゴミ捨ての規制強化以降の、厳しい淘汰を乗り越えてきたその遺伝子は
偽石の崩壊を許さず、強い生存本能は巣穴付近まで
彼女を誘導していたのだった。

(テチー・・・・)
仔実装の声がする。ピクと母親の耳が動く。
しかし、目にかがやきは無くうつろなままだ。

(どうせ、気のせいデスゥ。皆ダメになった・・・死んだデス
・・・ホンとはいないンでスゥ・・・)

(・・・・ママ・・・)
また声が聞こえる。しかし母親は動かない。そのとき風が吹いた。
風は匂いを運んでくる。草の匂い、土の匂い、そして・・・

「デスデスデッ!」(仔供の匂いデスゥッ!)
あらゆる感覚器が人間並みに鈍い実装石であるが、臭覚においては
別である。特に、血をわけた同族の匂いには鋭敏だ。

匂いのしてきた方向、木の根元にかけ寄る母親。
すると、木の根元のウロの奥から落ち葉をかき分け、仔実装が出てきた。
一番小さい末の娘だった。
「テチテチーン」(ママー)

母実装は、歓喜した。急いで抱き上げようとする。そこへ・・・
「カァーカァー」鳴き叫びながらカラスが仔実装を奪い去らんと、
襲ってきた。

仔実装を探しに行った母実装を見送った一羽である。
ここにいた仔実装の数と、捕まった数が一致しないのを計算し、
姿を表すのを待ち構えていたのだ。

「デッガァァァァァァー!!!!」
母実装は仔実装の前に立ちはだかると、喉も砕けよと
吠え叫んだ。飛んでくるカラスに対し、小枝や石を手当たり次第に投げる。
怒りと憎しみゆえに、その力は通常に比べはるかに力強く、
そして、苛烈であった。

その勢いと気迫が功を奏した。カラスは怯え飛び去っていった。

しばらく肩で息をしていたが、仔実装を抱き上げ頬ずりする。

「デぇーン♪デぇン♪デぇン♪デッスゥゥ♪」(よく生きていてくれたデス♪)

「テッチューテチテッチー」(ニーおねえちゃんに、ここに押し込められて、
クロバサがいなくなって、ママが来るまで隠れるよう言われたテチ)

(あの仔が・・・そうデシタカ・・・)
仔供の中で、一番落ち着いていた次女。
彼女は自分を犠牲にして、末の娘を助けたのだ。

みれば根元のウロはかなり小さく、末娘でなければ、
隠れることはできなかっただろう。
次女の判断力はかなりのものだった。

(・・・オネエちゃんたちはどうチタテチ?)
一瞬木にぶら下がる1匹のことを思い出すが、

(皆、クロバサに殺されてしまったデス・・・・)
母親はそう答えた。

(・・・・!!!!)
絶句する末娘。そして、赤と緑の涙を流しテゥ〜ンテゥ〜ンと泣き始めた。

(他の仔たちは可哀想デシタが、アナタだけでも生き残ってよかったデス)
ぎゅっと仔実装を抱きしめると、母親は、とぼとぼと、しかし、さっきよりは
しっかりした足取りで巣穴へと帰っていった。


だが、この親子が今後、無事に巣立ちの日を迎えることができるかどうかはわからない。

梅雨の大雨や湿気、夏の猛暑、台風、寒波、
四季折々の気候変動はもちろんのこと、
日中はカラスや鳶が、夜になれば猫やネズミ、
さらにこれからの季節は蛇、フクロウなども実装石たちを餌食とする。

ダニや蚊により血を吸われて衰弱し、媒介された病原菌も生命を脅かすだろう。


しかし、実装石にとっては不幸なことかもしれないが、
この県の都市部においては、ゴミ捨ての規制以後、
一時期に比べ減ったとはいえ、いまだ数多く生存している
野良実装を基盤とした豊かな生態系が築かれつつあった。

大量に排出される糞には、鋭敏な嗅覚を備えたセンチコガネ、
ダイコクコガネなどのフンコロガシ類が郊外の牧場等より飛来し、
糞を幼虫の餌として土の下へと埋め込んだ。
牛馬が機械にその役目を取って代わられて以来、減少の一途をたどっていた
日本のフンコロガシ類だが、この県では回復しつつあった。

埋められた糞にはリンや窒素などが豊富に含まれ、土壌を豊かにし、
植物の育成を助けている。

生い茂る木々や草は昆虫を増やし、たわわに実をつけて、
小鳥などの小動物を養い、また、土地の保水力を高め、
あちこちで枯れていた井戸や湧き水が復活した。

そして、徐々にではあるが、山野へ避難していた、タヌキ、イタチ、
タカやキツネなどが、増えた小動物や実装石という餌を求めて
都市部へ戻りつつあった。

豊富な脂肪をもち、鋭い牙や爪もないうえに、動きも鈍く力も弱く、
消化しにくい厚い皮や毛もない実装石は、多産で通年繁殖可能なため
多くの捕食者を養うことができる。

仔から成体へと育つことができるのは、100匹中1〜3匹という
狭き門ではあるが、命を落とした実装石は無駄になることなく、
ほかの命へと受け継がれていった。

この県において、野良実装石という存在は、人間、都市も含めた
自然という大きな装置の中で、しかるべき場所に収まりつつあったのである。


-----------------------------------------------------------------------------------------

あとがきのようなもの

前作、「捨て実装とカラス」に次いで、2作目となります。

前作はイラストや造形物にしていただけて、絵師・造形師の方へは
非常に感謝しております。とてもうれしかったです。

数々のすばらしい作品から受けた感動を、幾分かでも
同好の皆様へ還元できればと思い、書いてみました。

カラスを実装石の敵役にしたのは、以前、カラスの狩りを見たことからです。

数羽のカラスが土鳩を襲っていたところ、横取りしようとした野良猫と奪いあいになり、
最終的には、野良猫を袋叩きにして追い払いました。
また、ピンポイントで目や延髄、肛門を狙って、子猫や年老いた猫を
しとめるのも見たことがあります。

もちろん、スク中の描写には多少ファンタジーが入っていますが、
もし、実装石が現実にいたとしても、カラスが放っておかないだろう、
最大の敵はカラスになるだろう。そういう考えを持つようになりました。

現在平行して数本のスクを進行中です。
できるだけ近いうちにアップしたいと思っています。

■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため9749を入力してください
1 Re: Name:匿名石 2019/03/05-23:39:17 No:00005777[申告]
生意気に冬眠なんかしやがって
全滅すればよかったのに
戻る