ガシャーーーーン!! とある家の窓ガラスを割り中へ侵入する実装親子。 目的はもちろん食べ物のゲットである。 もし人間に見つかっても飼って貰うため媚びればいい事、親実装はそう考えていた。 「デププ、侵入成功デスゥ」 「ママー!早く美味しいもの食べたいテチュ!」 「コンペイトウはどこテチュ?」 「ウンチ漏れそうテチュ!」 「蛆ちゃん、もうすぐご飯レチュよ」 「レフー♪」 親子はまず台所へ向かい冷蔵庫を開ける。 まずは腹ごしらえだ。 「美味しいデスーン♪意外といいものがあるデスゥ」 「ホントテチュ!美味しいテチュ!」 「さては可愛いワタチ達の為にご馳走を用意しておいたテチュね!」 「なかなか気の利くニンゲンテチュ!褒めてやるテチュ!」 「美味しいレフーン♪」 「蛆ちゃん!もう少しゆっくり食べるレチュ!」 腹も満たしたところで親子は家中を我が物顔で歩き出す。 まるでこの家はワタシ達のものだと言わんばかりだ。 しかしニンゲンの姿は見えない。 「出かけてるデス?まあいいデス!この家は気に入ったデス!特別に住んでやってもいいデス!」 「ぶっちゃげニンゲンなんて要らないテチュ!この家はワタチ達のものテチュ!」 「その通りテチュ!」 「帰ってきたとしても奴隷として扱ってやってもいいテチュ!」 「この家はワタチ達のものになったレフ?」 「そうみたいレチュ、これで同族に襲われる心配もないレチュ!安心して暮らせるレチュー♪」 幸せ回路全開の親子、だがこれから親子に待ち受けるは幸せではなく極限の恐怖である。 「そろそろ寝るデス」 遊びつかれた親子はソファーをベッド代わりにして寝ることにした。 「これフカフカテチュ!」 「気持ちいいテチュ!」 「あ、ウンチ漏れちゃったテチュ」 「レフー♪」 「蛆ちゃん、お休みレチュ」 その夜… 「レェ…」 親指実装は寝苦しさに目を覚ました。 「何か空気が重いような気がするレチュ…」 辺りを見回す。 ママ、そして姉達が幸せそうな顔で寝ている。 そして蛆実装。 特に異常は見られない。 「…喉渇いたレチュ…」 親指実装は暗闇の中、台所へ向かい水を飲む。 「…やっぱり何かおかしいレチュ…何なんレチュ?この空気は…」 怖くなり、駆け足で家族の元へ戻る親指実装。 だがその背後では何者かの気配が常に付きまとう。 振り返ってもそこには誰も居ない。 「誰レチュ!?一体誰レチュ!?脅かすのはやめるレチュ!」 その声に答えるものは居ない。 「もしかしてニンゲンさんレチュ!?勝手に入ってきたから怒ってるレチュ!?そうなら謝るレチュ!だから姿を見せて欲しいレチュ!」 反応無し。 「怖いレチュ!怖いレチューーー!!!」 何者かの気配に怯えながらも何とか家族の元へ戻ってこれた親指実装。 横になり寝ようとするがこんな精神状態では寝られるはずもない。 誰か話相手を探すためとりあえず蛆実装を起す親指。 「蛆ちゃん!蛆ちゃん!起きるレチュ!起き…!?」 蛆実装の顔を見て親指は戦慄した。 先ほど見たときは幸せそうな顔をしていた蛆の表情、だが今は恐怖に歪んだ状態のまま固まっていた。 そう、蛆実装は死んでいたのだ。 「蛆ちゃん!蛆ちゃあああああああん!!!!」 ガシィ! 「レ!?」 蛆の死に悲しむ暇もなく親指は何者かによって掴まれた! 「レ…チュ…?」 親指はゆっくりと振り向く、そこで見たものは… 「レッピャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」 「テェ?」 仔実装は冷たい空気にさらされ目を覚ます。 周りは暗くほとんど先が見えない。 そこで仔実装は親から渡されていた実装石用のペンライトを付けた。 「テェ!?ここは何処テチュ!?」 仔実装が居たのはソファーの上ではなく木の板に包まれた殺風景なところであった。 そう、ここは屋根裏だ。 「ママーーー!何処テチューーーー!!みんなーーーー!!」 仔実装は家族を呼ぶ、しかし反応無し。 「テェェェェン!テェェェェェェン!」 ついには泣き出す仔実装、そこへ… 「テッチャアアアアアア!!!」 「テェ!?これは妹の声テチュ!何処テチュ!?」 ペンライトの明かりで屋根裏を慎重に歩き妹を探す姉。 声がした方に進んでみたが泣き声はあれっきり聞こえない。 「テェ!聞こえたら返事をするテチュ!お願いだから一人にしちゃ嫌テ…」 仔実装は何かにつまづいて転んだ。 「テェ…一体何なんテチュ?…テェ!?」 「…ェェェ」 仔実装がつまづいたもの、それはもう一匹の妹であった、そして何故か禿裸になっている。 「どうしたテチュ!?誰にやられたテチュ!?おい!返事をするテチュ!」 「…逃げ…る…テ…チュ…ここ…は…危険…テ…」 パキン それだけ言い残すと妹は死んだ。 「何が起こったテチュ!?これは何なんテチュ!?夢テチュか!?そうなら早く覚めろテチュゥゥゥゥゥ!!!」 「ヂブォォォォォォォォォォ!!!」 仔実装の叫びに呼応するかのように暗闇の先で妹の断末魔の叫びが聞こえてきた。 「テェ!?」 ゴロン 「テ?」 何かが転がってくる、それをペンライトで確認すると妹の頭であった。 「テッチャアアアアアアア!!!」 もう絶叫を上げる事しか出来ない仔実装、もう何が何だか分からずパニックになっているようだ。 しかしそんな仔実装に追い討ちを掛ける恐怖が迫りつつあった! ズズ!ズズズズズズ!!! 「テ!?」 何かが這うような音がして、それがだんだん近づいてくる。 「テテテテテテテテ!!!」 腰が抜け逃げる事も出来ずただパンコンを繰り返すだけの仔実装。 そしてペンライトの明かりに映し出されたものを見て仔実装は今までで最高の絶叫を上げた! 「テチャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」 「デ?」 親実装は寝苦しさに目を覚ました。 「デェ!?」 体を動かそうとした親実装、しかしその体は金縛りにあったかのように全く動かなかった。 ただ目だけが動かせた。 「これは!?一体なんデス!?」 戸惑う親実装だが自分を見つめる視線に気づき目を横にずらす。 するとそこにはニンゲンの子供が立っていた、何故かパンツ一丁でじっと親実装を見つめている。 「お…お前は誰デス!?もしかしてこの家のガキデス!?ならどうして今まで姿を見せなかったデス!?」 問い詰める親実装だったが今度は自分の真上に気配を感じた。 それもおぞましい気配を。 ブバァ!ブリリリリリリリリリリリリーーーーーーー!! 姿を見ずともその圧倒的な恐怖に糞を漏らしまくる親実装。 だがその姿を見たいという好奇心は残っているようでゆっくりと視線を上に向ける。 するとそこには… 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 不気味な声のような音を発しながら女が親実装を至近距離から見つめていた。 「!!!!!!」 その圧倒的な恐怖に悲鳴すら上げられずに目を見開き女を見るしか出来ない親実装。 その間も糞はバッチリ反応しているようで絶えず漏らし続けている。 もはや意識を失う事すら許されないようだ。 親実装は恐怖でたまらず目を瞑った。 するとおぞましい気配が消え親実装の金縛りも解ける。 「デェ!動けるデスゥ!今のうちに逃げるデスゥ!」 子供を見捨てて逃げる親実装、割ったガラスの窓から外へ脱出する。 「何なんデス!?あの家は!もしかして虐待派の家デスゥ!?」 親実装は逃げた、必死に逃げた、逃げに逃げ今まで住んでいた公園へと辿り着く。 「デェ…何とか帰ってこれたデスゥ、そういえば子供を置いてきたデス、まあ子供なんてまた生めばいいだけデス」 草むらの中にある我が家であるダンボールハウスに到着すると親実装はようやく緊張の糸を解いた。 今日は酷い目にあって疲れた、もう何もかも忘れてゆっくり休もう、そう思いダンボールハウスに入ろうとしたその瞬間! 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 「デェェェェェェ!?」 あのとき聞いた女の声が何とダンボールハウスの中から聞こえてくる! 何で?大体ニンゲンがダンボールハウスに入れる訳がない!どうして!どうして!?親実装の頭の中はそんな言葉で埋め尽くされた。 そしてダンボールハウスの中から現れる黒い髪、そして親実装を睨む女のおぞましい顔がゆっくりと出てくる! 「デッギャアアアアアアアアア!!!」 親実装は慌てて後ろを向いて逃げ出そうとした、しかし女の手に掴まれゆっくりとダンボールハウスの中に引きずり込まれる! 「放せデスゥ!放せデスゥ!」 親実装の必死の抵抗も無駄だった、それでも親実装は諦めず最後の賭けに出る。 「デ…デッスーーーーン♪」 もはや親実装に残されたのは媚びる事だけだった、だが結局それも無駄だった。 「デギャ!デギャ!デッギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」 親実装がダンボールハウスに引きずり込まれると絶叫も止んで静寂が辺りを包む。 後に残されたダンボールハウスの中には何も残っていなかった。 女はもちろん、引きずり込まれたはずの親実装の姿は何処にも無かったのだ。 ただ主を失ったダンボールハウスがそこにあるだけである。
1 Re: Name:匿名石 2019/02/15-02:30:53 No:00005753[申告] |
呪われ死糞蟲 |
2 Re: Name:匿名石 2019/02/25-22:57:42 No:00005766[申告] |
幽霊ネタは整合性がないからつまらん。
死んだら同じ幽霊になるんだから、「よくもオレサマを殺しやがったな」と幽霊同士のバトル状態になって生者そっちのけで戦い続けるはず。 その程度も考えられない書き手に描かれた作品が可哀想だ。 |