タイトル:【他愛・実虐】 童話風?人間視点
ファイル:雪の日に.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4508 レス数:5
初投稿日時:2006/09/01-04:40:50修正日時:2006/09/01-04:40:50
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村から離れた山の麓の小屋に、一人の青年が住んでいました。
ある日の大雪の夜のことです。
青年は暖炉の前で椅子に座り本を読んでいました。
すると…

トントン
扉を叩く音がします。
青年がドアを開けるとそこには実装紅が立っていました。

「ニンゲン、外は寒いのダワ。中に入れて欲しいのダワ。」

青年は何も言わずに実装紅を家の中へ入れると、扉を閉めました。

「一応、お礼を言っておくのダワ。」

トントン
暫くするとまた、扉を叩く音がします。
青年がドアを開けると、そこには実装石が立っていました。

「ニンゲン、外は寒いデスゥ!サッサと中に入れるデスゥ!!」

青年は何も言わずに実装石を蹴り飛ばすと、扉を閉めました。

「何でワタシがこんな目にあうデスゥ?」



実装紅と青年が暖炉の前で紅茶を飲んでいると…

トントン…
扉をたたく音がします。
青年が扉を開けると、そこには実蒼石と実翠石がいました。

「ニンゲンさん、お願いです僕は良いから…この子だけでも家の中に入れてくれませんか?」
「こんなニンゲンに頼らなくても私は大丈夫ですぅ…。」
「だめだよ!このままじゃ凍えちゃうよ!」

青年は何も言わずに、二匹を家の中へ入れるとそっと扉を閉めました。

「ありがとう…。」
「……ありがと…です。」

トントン…
暫くすると、再び扉をたたく音がします。
青年が扉を開けると、そこには仔実装を抱えた実装石がいました。

「ニンゲン!私とこの子を家の中に入れるデスゥ!」
「テチ…ワタチは全然大丈夫じゃないテチ…」
「デププ!このままじゃ凍えちゃうデスゥw」

青年は何も言わずに、仔実装を雪の中に埋めるとそっと扉を閉めました。

「デギャー!なんてことするデスゥ!今助けるデスゥ!」



青年と実蒼石と実翠石が鉢植えの手入れをしていると…

ガタガタッ
何かが窓にぶつかった音がしました。
青年が窓を見ると実装燈が震えていました。

「寒くて凍えちゃうルト…中に入れてほしいルト…。」

青年は何も言わずに、実装燈を家の中へ入れると窓を閉めました。

「ありがとう…ルト。」

ガタガタッ
何かが窓にぶつかった音がします。
青年が窓を見ると、半ばつぶれた親指実装と完全につぶれた蛆実装がいました。

「チェ……蛆ちゃんが……潰れちゃったレチィ……凍えちゃう……レチィ…。」

そこまで言って動かなくなったので、青年は何も言わずに暖炉の前に戻りました。



実装燈の歌を青年が聞いていると…

トントン
扉をたたく音がします。
青年がドアを開けるとそこには何も居ません…しかし…

「今のうちに潜入カシラー…!」

隠れていた実装金がこっそりと家の中へ入ってきましたが、
青年は何も言わずに扉を閉めました。

「一回目で成功カシラー。」

トントン
扉をたたく音がします。
青年が扉を開けるとそこには何もいません…しかし…

「今のうちに入り込むデス!」

隠れていた実装石がバタバタと家の中へ入ってきましたが、
青年は、何も言わずに、実装石を踏みつけ、摘み上げ、外に投げ捨てると扉を閉めました。

「デガァ!!何であんなノータリンが成功して賢いワタシが失敗するデスゥ!?」


青年が、実はばれていた事を知りしょんぼりしている実装金を眺めていると…

トントン
扉を叩く音がします。
青年が扉を開くと、実装雛が立っていました。

「ウニュー…お腹がすいたナノー。うにゅうじゃなくても良いから何か食べさせてほしいナノー。」

青年は何も言わずに実装雛を家の中へ入れると、扉を閉めました。

「ありがとうナノー。」

トントン
暫くすると再び扉を叩く音がします。
青年が扉を開くと、実装石が立っていました。

「腹が減ったデスゥ!この際金平糖じゃなくても我慢してやるデス!だから何か食わせるデスゥ!」

青年は何も言わずに雪の塊を実装石の口に放り込むと、扉を閉めました。

「ギャー!冷たいデスゥ!これはさっき散々食ったデスゥ!」


ジャムの塗られたパンを齧っている実装雛…青年が他の実装にも何か食べさせようとすると…

………
青年は外に何かの気配を感じました。
青年がドアを開けると、そこには薔薇実装と雪華実装が頭に雪を積もらせ立っていました。

「………」
「………」

青年は黙って頭の雪を払い落とすと、二匹を家の中へ入れ、扉を閉めました。

「「……オトウサマ……」」

………
青年は外に何かの気配を感じました。
青年がドアを開けると、そこには実装石と仔実装が頭に雪を積もらせ立っていました。

「………(寒いテチ…)」
「………(ガガガ…我慢するデス)」

青年は黙って実装石の親子を払い倒すと、扉を閉めました。

「こ…これでも駄目デスゥ!?」
「ママ…寒い…テチ…」
「デデェ!し…しっかりするデスゥ!!」


実装紅、実装燈、実翠石、実蒼石、実装雛、実装金は暖炉の前で眠っています。
薔薇実装と雪華実装は並んで座って暖炉の火をじっと見つめています。
青年もそろそろ眠ろうと思いました…けれど…


ガシャァン!
窓ガラスの割れた音がしました。
そして、窓ガラスのところには…

「最初からこうすればよかったデスゥ!」
「ママ頭いいテチ!」
「ポカポカテチー。」

実装石と二匹の仔実装が騒いでいた。

「デ?ちょうどよかったデスゥ!そこのニンゲン、とりあえず何か食わせるデス!」
「さっさとするテチ!ノロマ!」
「さもなくば…こうテチ!」
「こうデスゥ!」

実装石の投げた糞が真っ直ぐ青年に飛んで行きました。
けれど…

「マスターに手を出すな!」

実蒼石の鋏がそれをさえぎりました…。

「そのニンゲンには借りがあるのダワ…」

実装紅も実装石の前に立ちはだかります…

「…デ…デ?」
「テチィ…」
「青いのと赤いの居るテチィ…」
「デ…ニンゲン!ワタシ達がピンチデスゥ!早く助けろデスゥ。」

青年は何も答えません。

「何ぼさっとしているデス!さっさと…」
「「テチャァァァァァァ!!」」
「デッ!?」

二匹の仔実装はその体を水晶で貫かれていました。

「「……カワイソウ……」」

「デェェェェ!」

実装石は仔実装の亡骸には目もくれず一目散に逃げ出しました。

ズボッ!

「デズァッ!」
「かかったカシラー!」
「デ…どうなっているデスゥ?」

周りは雪。
上にだけ穴があいて空が見えています。

「落とし穴ナノー。」
「ただの穴なのに気づかずに落ちるなんて救えない奴です。」
「そこで反省するのがいいカシラー。」
「ふざけるなデスゥ!こんな所に放置されたら死んでしまうデスゥ!」
「しったこっちゃねぇです。」

実装雛と実装金と実翠石は急いで小屋に戻りました。


青年は割れた窓ガラスを修理し終えると、椅子に座って眠っている実装達に目を向けます。
夜行性の実装燈だけは青年の肩で歌っています。

「…ありがとうな…」

実装燈の歌を聴きながら青年はふと呟きます。
青年はもう一人ではありません…。


-fin-

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1 Re: Name:匿名石 2018/08/01-23:01:17 No:00005545[申告]
糞蟲も人にかかわらずに洞窟にでも逃げ込めばよかったのに
2 Re: Name:匿名石 2021/03/04-13:33:33 No:00006318[申告]
みんな幸せ。
でも実装石だけが不幸。
ああ素晴らしい。
3 Re: Name:匿名石 2024/02/21-08:06:19 No:00008756[申告]
これのカウンター版が悪趣味すぎて記憶に残ってるが流石に消えたんだろうか
青いの以外全部実装に食われて〜青いのも犯されて捨てられて〜みたいなやつ
4 Re: Name:匿名石 2024/02/21-09:58:41 No:00008758[申告]
実装シリーズで実装石だけどうして扱いが酷いのかとも思うが
実翠石がいるのなら実装石だけのけ者なのも無理はないかも
実翠石も結構興味深いが特徴的な鳴き方がよく分からない(実蒼石の「ボクゥ」とかみたいな)
平仮名の「ですぅ」でいいのかな
5 Re: Name:匿名石 2024/02/21-18:24:22 No:00008760[申告]
大体そんな感じ
単発だとあんまり活躍するスクがないんだよね実翠石
実装石の上位互換ってだけであんまり中身がある類のキャラじゃないから極論「いい子な実翠、それに比べて実装は…」みたいなセンテンスで完結してしまう
それはほぼほぼ青いので代替できる程度でしかなくて、だから持て余されていったんだと思う
現に今実翠出てくるスク書いてるけどそういういい子ちゃんで終わらせない役割を与えようとするとどう描けばいいのかまるでわからん
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