タイトル:【馬】 それゆけ!パンコンマン!!
ファイル:それゆけパンコンマン.txt
作者:賞金首 総投稿数:41 総ダウンロード数:1084 レス数:10
初投稿日時:2020/02/24-03:44:14修正日時:2020/02/24-19:55:39
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やあみんな、俺は虐待派としあきの蓋場敏明
気軽にとしあきって呼んでくれよな!

実装虐めてウン十年、虐待派としてはもはやプロといっても過言ではない

そんな俺様の暇を潰すべく、今日も意気揚々と公園にやってきたのだが
なんだか今日は様子がおかしい、これは何かが始まる素敵な予感…!?


ふたば愛護児童公園


ここは実装石と気軽に触れ合える公園としてスタートした
愛誤派の作った実装石の楽園!…の廃墟だ

実装石に限らず動物を気軽に餌付けしようもんならどうなるかわかりそうなもんに
そんな先の先のことはつゆと考えず作られた餌付場所
遊具は遊ぶ人もなく錆だらけ、使用禁止の札があちこちに貼られている

そんなものには用がないのでずんずんと奥へと進んでいく
あちこちの茂みから物陰から突き刺すような赤緑の視線を感じる

そんな俺様のお目当てはこちら…公園の最深部にある餌の自動販売機
こんな朽ちた公園の自販機なんてとうの昔に営業終了しているのだが
お目当てはそちらではなく、もちろん馬鹿糞蟲のほうだ

自動販売機がまだ営業していた時分には、自販機の前を馬鹿糞蟲が占領し
餌を全て自分に寄越すデス、ワタシに餌を貢ぐデスとわめき散らしたものだった
それでまあ当然ながらあっという間に愛誤派以外は寄り付かなくなったというわけ

しかし、味をしめ、過去の栄光を忘れられない馬鹿糞蟲がイゴイゴと蠢く魔界として
ここは近隣の虐待派の間では有名な隠れスポットなのだ
(同じく、愛誤派の間でも有名な餌付けスポットなので糞蟲が絶えない)

だが、今日に限ってここにも蛆ちゃん一匹すらも蟲がいない

そう、違和感の正体はこれだ
馬鹿糞蟲で溢れかえっているはずの公園に来たというのにも関わらず
今日はまだ一匹の実装石とも会っていないのだ
もちろん、視界の端に映ったり、茂みや物陰からこちらを伺うのは承知している

しかし、公園に入ってからただの一匹も俺の前に出てきていない!

おかしい…これだけの規模の公園ならば普通は
ワタシ飼えデスーとかスシステーキコンペイトウ寄越すデスーとか
わけのわからん馬鹿糞蟲の十や百はいてもおかしくないのに
ただの一匹も出てきやがらないとはどうかしている…

そこで早速ふところからコンペイトウを出して足元にポトリ
刹那、茂みから飛び出す緑の影!

俺は素早く足を一歩踏み出すと、緑の影に爪先を突き刺す
「デギャッ」
短い悲鳴を上げると緑の汚物が転がりでる

俺はさっそくリンガルを起動すると、その成体実装の襟首を掴んで尋問する
「やい糞蟲!なんで俺様を迎えに出てこない!いえ言わぬとこれだぞよ!」
さっと懐からバールのようなものを取り出す

糞蟲はブリブリと音を立ててパンコンするとがたがたと震える声で答えた
糞蟲いわく、凶暴なマラ実装に公園が支配されてしまったのでみんな怯えて暮らしているそうな

聞いて、としあきは激怒した「あきれた実装だ、生かして置けぬ!」

そう、これまで公園の野良実装どもときたら、
さんざん好き放題してきてご近所に迷惑をかけたにも関わらず
虐待派としあきや保健所ではなく、マラ実装に怯えて大人しくなっている…
これは名折れ、非常に不名誉なことである

としあきは蛇のような邪悪な目つきで野良実装を見やると
たちまち悪魔のような思想をめぐらす

「お前、そのマラ実装を退治したくないか?」
「デ?」
きょとんとした野良実装だったが
勘違いしたのか目をキラキラと輝かせる

「マラ実装がいなくなるなら歓迎デス!案内するデス!」
デスデスと鼻息荒くとしあきを案内する

としあきはバールを背負ったままで公園の奥へ向かった

たどり着いた先はひときわ大きなダンボール箱だった
普段ならこのまま燃やしてしまうか、爆竹を放り込んで蓋に重しを載せるのもいいのだが
今回はちょっと趣向を変えてみよう

かばんをごそごそと漁ると…あった、愛誤グッズの○ンパンマンの服だ
案内した野良実装にぽいと投げ渡す
「よく案内してくれた、褒美だ」
「デッ!?」

野良実装は目を輝かせて服を拾うと、
さっそくその悪趣味な赤黄色の服を醜悪な身体に纏う
それにしても実装の体型にア○ンパンマンの服は似合うなあ

野良実装はこちらをチラチラ見ながらいやらしい笑みを浮かべる
「デプププ…」

何か勘違いしているようだがそれはさておき
ダンボール箱に向き直るとしあき
「やい!出てこい糞蟲!!」
としあきは大きなダンボール箱を蹴飛ばした

「デッヂャー!!」
顔を梅干のように歪ませた大きなマラ実装が歪んだダンボール箱から飛び出してくる
人間相手に威嚇できるとはたいしたもんだ
変なところで感心してしまうとしあき
「ニンゲンが何しに来たデスウ!!ワタシと戦うなら相手になってやるデス!!」

しかしとしあき、マラ実装の膝が笑っていることに気づく
さすがにニンゲン、それも恐らく虐待派相手では分が悪いのは百も承知なのだろう
これだけの逸材を相手に簡単に殺しては面白くない

としあきは先ほどアン○ンマンの服を着せた野良実装を指差して言う
「いいや!お前の相手はパンコンマンだ!!」
「デデッ!?」
そんなはずじゃ!?と言いたげなマラ実装を無視してとしあきは続ける

「パンコンマン対おまえの一対一の正々堂々とした決闘だ!
勝てば公園は今まで通りお前のもの、負ければ死あるのみ!」

マラ実装は相手がとしあきではないとわかって少しほっとしたようだが
それでも警戒を解いたわけではない
「そいつが負けそうになったからってワタシに手を出すのはナシデスゥ?」

「ああ、これでも俺は虐待派としあきのはしくれ、実装石との約束は守る」
虐待派としあきが実装石との約束を守るかどうかはともかく
とりあえずとしあきはこのマラ実装との約束は守るつもりだった

いつの間にか公園中の野良実装たちがぐるり四方を十重二十重に囲んでいる
「さあ行けパンコンマン!勝て!さもなくば死ね!」
逃げ場を失った野良実装…もといパンコンマンは
やけくそになって両腕をグルグル振り回しながらマラ実装めがけポフポフと音をたてて駆けていく

しかし、そんなパンコンマンを尻目にマラ実装はパンツに腕を突っ込むと
糞を一掴み腕にとり、やおら投糞をした

「デピャッ!?」
投糞をまともに顔面に浴びたパンコンマン
当然、投糞ごときでどうにかなるようなウレタンボディではない、が

「デ・デ・デ・・・」
だが、糞を浴びた顔面を両手で押さえ、呻いてうずくまるパンコンマン

「どうした、パンコンマン…顔が汚れて力が出なくなったか?」
こんな時にも冗談は欠かさないとしあき
当然パンコンマンの心配なんか微塵もしていない
そもそも、実装石が投糞ごときで死ぬとも思えない

しかし…

「デ、デ、デ…デェアアアア!!」
両目が緑色に染まったことで蛆実装を妊娠!
腹がボコボコとうねりはじめる
「デァアー!助けてデスー!!」

「デェッピャッピャッピャッピャ!いい気味デスウ!!」
そう、マラ実装には全て計算尽くだったのだ
両目を緑に、赤に染められた実装石は無力
たとえバックに人間がついていようが関係ない
両目さえ染めてしまえば相手に勝ち目はない

実装石の勝負はそういうものなのだ、だからこその一発必殺の投糞なのである

勝負は付いた
誰しもがそう思ったが、としあきには秘策があった

「パンコンマン、新しい顔よ!」
言うが早いかとしあきはパンコンマンの頭をもいで
足元に居る別の実装石の新しい頭にすげ替える

そう、デタラメ生物であるところの実装石は
両目の色を元に戻してしまえば通常の状態に戻る

マラ実装が相手と知って、備えておいたのだ
もっとも、投糞で妊娠させられるのは想定外だったが…
つまるところ目の色さえ戻ればどうでもいいのだ

「デデッ!?」
あまりのことに周囲の野良実装たちはうろたえる、しかし…
「最後まで見届けろよ、じゃなきゃ俺は帰る」

はっと野良実装たちはマラ実装を見ると、こちらもすごい形相で野良実装たちを睨んでいる
それはそうだ、マラ実装怖さとは言え虐待派を公園に呼び込んでしまった以上
もはや彼女たちに逃げ場はないのだ

たとえこの場を逃れることができたにしてもその先に未来はない
野良実装たちはとしあきとマラ実装の眼光に怯えてその場に留まる

「待たせたな、続きをしようか」
としあきの提案に野良実装は肩を落とす
しかし当然これに猛抗議するものがいる、対戦相手のマラ実装だ
「約束が違うデスゥ!手を出さないって言ったデスウ!」
マラ実装の抗議の声だが、としあきは意にも介さない

「おおっと、約束はお前に手を出さないことだったはずだぜ
コイツに手を出さないとは一言も言ってない、なあ、パンコンマン?」

としあきに促されたパンコンマンはブリブリとパンコンしつつ逃げ場がどこにもないことを悟った
マラ実装に勝てねば自分が死ぬのだ

「デ、デデデ…デッスー!!」
「デギャアアア!!」

しかし、その辺の野良実装がマラ実装に勝てるわけがない
あっさり糞と血を撒き散らして死んでしまう

「勝ったデ…デ?」
マラ実装が息を整える暇もつかせず、としあきはその辺の野良実装をひっつかえて
頭をもぐとパンコンマンの頭を付け替えて栄養剤をぶっかける
ムクムクと回復するパンコンマン

「デェアアアー!!」
そこにおそいかかるマラ実装…

戦いは終わらない
血と糞を撒き散らす死闘は終わらないかに思えた

またしてもパンコンマンは死んだ
マラ実装はひゅうひゅうと肩で息をしているものの、あまり大した怪我はしていない

余裕の表情で振り向くとしあき、しかし…

手頃な大きさの野良実装がいない!!
「し、しまった、調子に乗って遊んでいたせいで…!!」

血の気を失うとしあき
もう付近に成体実装がいないのだ!
慌てて足元の仔実装を一匹とって頭をもいでみるが
サイズが合わないのでパンコンマンの胴体にはくっつかない

少し小さいが中実装がいたので捕まえてみた
「ママが勝てなかったのにワタチが勝てるわけないテスー!」
「うるさぁーい、行けー!」
「テピャッ!!」

としあきは中実装の胴体をぶった切ってパンコンマンの首部分につなげてみたのだ!!
「動く…こいつ動くぞ!」
「う、動けるテス…」

首から中実装の胴体を生やしたグロテスクな成体実装…パンコンマンの恐るべき真の姿だ!
「行っけっぇぇぇ!!」
「行くテスー!!」













負けた








勝てるわけがないのだ、と言うかこれで勝てるなら
公園中の成体実装が底をつく前に勝っているはずだ

というかそもそもこれだけの数の野良実装がいるにも関わらず
やりたい放題やっているということはこのマラ実装、もともと相当な実力者だったはずだ



そう、俺の負け…俺は負けたのだ。負け犬だ
俺はもはや虐待派としあきではない…ただのとしあき…
…そのへんに転がっているいち蓋場敏明に過ぎない…

そう、善良な一市民に生まれ変わったのだ

善良な一市民には義務がある
そう、義務…

「もしもし…保健所ですか…公園でマラ実装が暴れてて…はい…
ええ…野良実装が襲われてて…はい…むごい有様に…」




後日、このとしあきが公園を汚損した罪で逮捕されるのはまた別のお話











久しぶりに見たら、kobeUSさんにフンババさんや…懐かしい名前、新しい名前
いろいろな方が作品を投稿していらして懐かしくなり、
ほぼ書き終わるところで放置されていたスクだったのでどうにか完成させて持ってきました
同じような状態のスクがいくつもあるのでもしかしたら投稿できるかもしれません

感想掲示板、感想がたくさんついていたりなんだか良いですね
むかしはあまりなかったような

体験入園も干し柿も満足いく終わり方でなく
干し柿のほうはエターなってしまってますし
体験入園は後日談も書きかけだったり

クレクレみたいで良くないですけど感想がつくと嬉しいものの
さすがに私の作品はもう感想がつかないことに少し寂しいと思ったりと言ったところでしょうか


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1 Re: Name:匿名石 2020/02/24-07:48:05 No:00006212[申告]
言わぬとこれだぞよで笑った
黒洞々たる闇
2 Re: Name:匿名石 2020/02/24-18:51:23 No:00006213[申告]
実装石って首をすげ替えても生き返るのか…
クソの役にも立たないゴミ知識がまた一つ増えてしまった
3 Re: Name:匿名石 2020/02/24-19:38:04 No:00006214[申告]
実装歴が浅い私に取ってはすべてのスクが楽しみでなりません。
続きでも新作でも、次スクを期待しております。
4 Re: Name:匿名石 2020/02/24-22:51:25 No:00006216[申告]
タイトルの時点で笑わせにくるのがズルいw
5 Re: Name:匿名石 2020/02/25-20:35:31 No:00006218[申告]
馬鹿スクって楽しいなぁ
6 Re: Name:匿名石 2020/02/27-01:54:55 No:00006221[申告]
干し柿の完結が読みたいです
7 Re: Name:匿名石 2020/02/27-21:13:52 No:00006222[申告]
これはひどい
そして、入園に後日談か
8 Re: Name:匿名石 2020/02/29-01:43:44 No:00006223[申告]
入園の後日談、やりたくても下手に手を出すと干し柿みたいに収拾つかなくなりそうで手を出せない
干し柿はもともと読切作品だったけれど後書きで書いたようにファイルが消えて残っていないので読切版をアップロードもできず詰んでる
9 Re: Name:匿名石 2020/03/01-15:25:40 No:00006227[申告]
オチに吹いたw
日本のお役所仕事らしい結末
10 Re: Name:匿名石 2020/03/10-23:08:24 No:00006229[申告]
豊かだった時代の栄光が忘れられない実装石……
この、人間以上に人間臭いのが実装石の醍醐味

干し柿はぜひ完結させてほしいです!
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