タイトル:【虐】 続々々々・実装小話 (ニンゲンママ・後篇)他1作
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作者:kobeUS 総投稿数:45 総ダウンロード数:1228 レス数:7
初投稿日時:2019/04/16-11:06:51修正日時:2019/04/17-13:09:21
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 続々々々 実装小話 その6  実装センターの仔実装(ニンゲンママ・後篇)



「此処でお別れです!」そう言って、殺人未遂の仔実装を引きっとった俺は、実装をセンター内に連れ入った。
「ニンゲンママァ〜!どうしてテチィ〜!こんな場所に置いて行かないテチィ〜!
 どうしてテチ!どうしてワタチが、こんな臭いニオイのする所に入れられないといけないテチ!どうして!どうして!殺されないといけないテチィ〜!死ぬのは嫌テチィ〜!」
 と大騒ぎをしてゲージの中で暴れる仔実装に対して、「五月蠅い!静かにしろ!」そう言って思い切りゲージを蹴飛ばすと仔実装は、ビックリして急に大人しくなった。

「お前が、ニンゲンの赤ん坊を殺そうとした仔実装か?このセンターに放り込まれた奴で、赤ん坊とはいえニンゲンを殺そうとした奴は、お前が初めてだ。 
 言って置くが、躾済とはいえそんな凶悪な実装は、直ぐに殺す!だが、今日は、処分する実装が多くてよ。お前は明日に始末するからな。」

「し......始末って......始末って!明日始末って!ど......どういう事テチ!」
「頭の悪い奴だなぁ〜、明日、殺すって事だよ。お前、あの夫人に可愛がられていたんだってなぁ〜。
 成長抑制剤迄飲ませて貰っていたって?今の成長抑制剤には、偽石を強力にコーティングする薬が入っていてよ。
 どんな恐ろしい物を見ても≪パキン!≫しねぇ〜んだよ。お前のやろうとした事の罪深さを思い知らせる為に、特別に殺処分の現場を見せてやるよ。」

 そう言って俺は、処分される実装が入れられた焼却炉のカラーモニターの前に仔実装を連れて行った。
「じゃあ!処分開始だ。スイッチを押してくれ!」
「了解!」
 職員は、手慣れた手つきでスイッチを押した。
 ≪シュー≫と二酸化炭素が注入されると、焼却炉内にいる実装達が、≪バタバタ≫暴れ出した。
「国の決まりでよぉ〜。何故か政令指定都市にある実装処分場は、こうやって薬物によって仮死状態にしてから実装を燃やせと決まりがあるんだよ。
 何故そんな事をするのか、俺達は、知らねぇ〜けどな。そのまま焼き殺しゃあ面白いのによ。」

 モニターには、苦しみながら悶える実装、口から吐しゃ物を出す実装、暴れ回る実装が写し出された。
「地獄絵図だろ。ニンゲンさんに逆らった奴、デカくなり過ぎた奴、野良実装等が優先的に殺されるのだよ。」
 炉内の実装が、全員倒れてしまい痙攣しだした。
 続いて「換気」と書かれたスイッチを押すと......。炉内の二酸化炭素が一気に抜かれ「焼却」スイッチを押すと......。バーナーから火が出て来た。
 仮死状態だから、完全に死んでいない。体に火が着くとそれでも実装達は、転げ廻って苦しむ。
 モニターを切って......「明日お前もこうなる。自分のやった罪の重さを考えるんだな。」

 仔実装は。真っ青な顔になって......。
「嫌テチ!死にたくないテチ!どうしてワタチは、死なないといけないテチ?本当は、あの糞ニンゲン達が悪いテチ!可愛いワタチを無視したテチ!
 今迄、『私の娘よ』と言っていたのが、彼奴が産まれたら、手の平を返した様に無視を仕出したテチ!何度も遊んで!お話をして!と言っても『後でね』ばっかりテチ!ワタチが可哀想テチ!」
 と俺にまくしたてる様に言って来た。
「バカか!お前は、仔実装なんて所詮、ニンゲンの道具だよ。ニンゲンの赤ん坊が、産まれる迄のつなぎの様な物だよ。子供が産まれないから、寂しさを紛らわす為の道具でしかない、産まれたら『ハイ!それまでよ』だ。
 しかし、あの夫人は、子供が産まれて半年も生かして置いてくれたと言う事は、赤ん坊に手が掛からなくなったら、お前を姉ちゃんとして遊び相手になって貰おうとしていたと思うぜ。」
「そ......そんな事無いテチ!本当に無いテチ!ワタチは邪魔者扱いテチ!」

「だから実装って生物は、自己中心的、自分勝手、相手の気持ちも考えない駄目な生き物って言われるんだ。
 自分の事を構って貰いたいから、赤ん坊を排除しようとしたって、そんなに上手く行く訳ねぇ〜だろ。
 結局、殺そうとしているのがばれて、捨てられるのが落ちなんだよ。ニンゲンの命とは、それだけ尊い物だぜ。
 黙って辛抱してニンゲンに従っていりゃあ〜、生かして貰えたのによぉ〜。だから仔実装はバカって言われるんだ。
 明日までゆっくり自分のした事を反省するがいい。そうすれば死を自ら受け入れられるぜ。」

「死なんか受け入れないテチ!受け入れてたまるかテチ!」
「好きにするが良いさ。受け入れなければ苦しいだけさ。」
 ゲージから出そうとしたら、隙を見て逃げ出そうとしやがった。
 ノロい足で逃げられる訳が無いのに......。
「本当に仔実装ってのは、救いようが無いぜ」

 俺は今夜、宿直だ。
 俺は、彼奴がどうしているか気になって監視カメラを向けると......。
 奴は立ったり座ったりと落ち着かない様子だ。朝になれば処刑されるから眠れないのも仕方無いとは思うが……。
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 処刑当日の朝になった。
 処刑される当日の実装の朝飯は、茶碗半分の白米と一口のステーキ、コンペイトウである。
 自分が今日処刑されると自覚の有る奴は、飯を見ると肩を落とし、何も食わない。
 バカな奴は「美味しそうデス!」と言って≪ガツガツ≫食う。中には御代りをする奴もいる。
 彼奴は、どうか?と見ていたら、一口コンペイトウを喰っただけで、下をじっと見ている。
「ほう〜、頭の悪い奴だと思ったが、以外にもこれから処刑されるのが、解っているんだな。」

 午前8時30分になった。
 今日1回目の殺処分の時間が来た。

 逃げ出そうとしたからこの仔実装は、ゲージに入ったまま、焼却炉に入れられた。
「これで最後だ。俺が扱った一番凶悪な実装さんよ。何か言い残す事はないか?」
「じゃあ!言わせて貰うテチ。ワタチは、あの家族は絶対に許さないテチ!祟ってやるテチ!悪魔として甦って末代まで祟ってやるテチ!」
「そうか。やっぱり凶悪な実装だぜ。言う事が違う。お前は相手を呪う事で、死を受け入れるというのだな。」
「そうテチ!吹っ切れたら死ぬのも怖く無くなったテチ!死ぬ前に1度コンペイトウが、どんな味か食べて見たかったテチ。」
「どんな味だった。」
「美味しかったテチ。この体でもう2度と口にする事の無いコンペイトウ、甘くて美味かったテチ。」
「それだけの覚悟が有れば、少しの間位、構って貰えない事位は、辛抱出来たんじゃねぇ〜のか。」
「今となっては、もう手遅れテチ。」
「1日でそれだけの悟りをよく開けたものだな。大したものだ。昨日と打って変わって別人。いや別石みたいだな。」
「言って置くテチが、ワタチは、ニンゲンさん、貴方は祟らないテチ。安心するテチ。」
「そうか、それじゃあな。」
 俺はそう言って焼却炉の覗き窓を閉めた。

 彼奴以外に沢山の実装が焼却炉に入れられているが、「死にたくないデス!」と大騒ぎだ。
 奴は、ゲージの中で体育座りをしてじっとしている。
 二酸化炭素を入れる為に「注入」スイッチが入れられた。
 炉内の実装は、≪バタバタ≫倒れて行った。
 多くの実装が奴のゲージ上に覆いかぶさる様に倒れ。奴の姿は見えなくなった。
 続いて、「換気」そして「焼却」スイッチが押された。
 炎が、炉内の実装達に燃え移った。
 俺は、奴の最後を看取る事無く、引き継ぎを終えて帰った。




  実装小話 その7   花飾り 


 春になれば、田畑には、レンゲが沢山咲き誇る。
 寒い冬から暖かい春になれば、実装達が活動を始める。
 ある実装の一家は、地面に穴を掘って冬眠した。
 冬眠前には、何も無かった目の前にあった田畑一面がレンゲ畑になっているのを見て驚く。
「テッチャァ〜!おうちの前がお花畑になっているテチィ〜!」
「ママが、花飾りの作り方教えてあげるデス!」
 親実装は、器用に花を組み合わせて王冠の様な輪っかの付いたレンゲの花飾りを作り長女の頭の上に置いた。
「ママァ〜!ワタチも作ってテチィ〜!」
「ワタチも!」
 自分の娘、5匹と蛆1匹が次々と花飾りを作ってと言って来たので、親実装は大忙しだ。
 5匹の仔実装分と蛆の分を作ったら、もう陽が西に傾きかけていた。
「ママは、晩御飯を探しに行ってくるデス。明日も色々お花で作ってあげるデス。」
 夜になっても仔実装達は、嬉しそうに王冠の形をした花飾りを枕元に置いて寝た。


 次の朝、朝ごはんを食べてから実装一家は、おうちの前のレンゲ畑に繰り出した。
 親実装は、一生懸命作り方を教えている。
 長女は、腕輪(ブレスレット)を作って貰って手に捲いた。
「嬉しいテチ。ママ大好きテチ!」
 仔実装も真剣に覚えようとしているから、難しいと思われた王冠が、殆ど完成し掛けていた。

 だが......。

「この糞蟲共ぉ〜!俺の畑で何をしているんだぁ〜!」
 クワを持った男が、実装目掛けて襲って来た。
 男はリンガルを使って居なかったので、何を言っているか実装達には、解らなかったが、身に危険が及ぶと思ったので地面の下にあるおうちに逃げ込んだ。
「何を言っているのか解らなかったデスが、怒っていたみたいデス!レンゲを摘むのは、暫く中止するデス!」
 仔実装達は、当分穴から出ては駄目と言う決まりを決めて、親実装は、餌を取りに出かけた。

「出ては駄目!」と親実装から言われていたが、禁止されたら、それを破りたくなる。
 長女は、王冠と腕輪を作って貰ったのを、妹達に自慢していた。
 自慢されたら自分達も欲しくなった妹達は、親実装が、餌を取りに行っている間に言いつけを破って畑に出てしまった。
「ニンゲンが居ないテチ。」そう言って畑に出た所......。
「テッ......テッチャァ〜!」「レフーゥ!」実装用の吊罠に引っ掛かり三女、四女、五女、六女蛆が捕まってしまった。

 次女は、助ける事も出来ずにその場でオロロしていたら......。
「引っかかりやがった!この糞蟲共目!田畑のあちこちに穴を開けたり、糞をしたりと、てめえらのお陰で作物が成長しねぇ〜んだよ!」
 そう言って、罠に捕まった3匹の仔実装と蛆を持っていた籠に放り込んで、蓋を閉めて川の中に沈めた。
「ブクブクブク!苦しいテチィ〜!」≪パキン!≫
「ママァ〜!助け……。」≪パキン!≫
「チボア〜!お口にお鼻に水が入って......」≪パキン!≫
「レフ!レフゥ〜!」≪パキン!≫
 3匹の仔実装と蛆は、溺れて死んでしまった。
「此奴は見せしめだ。」そう言って男は、4匹の死体を長い竹を地面に突き刺して、竹の上に紐を括って逆さ吊にした。
 暫くして親実装が、餌を取って帰って来たら、白目を剥いて逆さ吊にされた自分の娘を発見。
「デ......デッスゥ〜!子供達ぃ〜!」親実装は、大騒ぎして仔実装が吊るされている竹を倒そうとしたが......。
 実装の力では、竹は、びくともしない。

 家に帰って長女と次女に何があったか問い詰めると......。
 次女が「お姉チャが、腕輪を妹達に自慢したテチ!妹達は、腕輪を作る為におうちから出て行ったテチ!ワタチは、止めたテチけど、遅かったテチ!」
「ちょ......長女! ワタシが居ない時は、お前が家族を守らないといけないのに、一体何てザマデス!」
「妹ちゃんもあんな事言っているけど、ワタチが自慢したら、一番におうちから外に飛び出したテチ!妹ちゃんも悪いテチ!」
「お前達は、何故責任の擦り合いばかりするデス!どっちも悪いデス!」そう言って長女の腕輪を引き千切った。
「こんな物が有るから、こう言う事になるデス!」そう言うと長女は......。
「そうテチ!どうせワタチが、一番悪いテチ!」そう言っておうちを飛び出した。
「放って置くデス!外で頭を冷ますデス!」
 そんな事を言っていると.....。
「テッチャァー!」と言う悲鳴が聞こえた。
「ど……どうしたデス!一体何があったデス!」と親が外に出ようとした瞬間......。
「ママ駄目テチ!罠が仕掛けてあるテチ!」
「わ......罠デスゥ〜?」
「妹チャ達は、ニンゲンの仕掛けた罠に引っ掛かったテチ!もうお姉チャは、助からないテチィ〜!」
「デスゥ〜!こんな事になるなら、花飾り何か作るんじゃ無かったデスゥ〜。」
「ママァ〜!助けてテチ〜!」
「あの子を助けようと出て行ったら、みすみす罠に引っ掛かる様なものデス。朝まで待つデス。」
 2匹は、穴の中で眠れぬ夜を過ごした。


 次の朝、2匹が、巣穴から顔を出すと運悪く、畑に来た農夫の男と目が合ってしまった。
「このガキィ〜!」
「テッチャー」
「デスゥ〜!」
 2匹は、間一髪で穴の中に逃げた。
「逃げられると思ってやがるのか!そうは問屋が卸さねぇ〜!」
 男は、罠に捕まって息絶え絶えの長女の竹を抜くと......。
「糞蟲は、こうしてやる!」そう言って農道に叩き付けた。
「テバッ!」長女は、口から血を吐いて息絶えた。

 更に男は、「巣が地面にある事位解っているからよぉ〜!」
 巣穴にザルを入れて蓋をして実装親子が、穴から出られない様にして、ポンプを持ち出し用水路の水を実装の巣に流し込んだ。
「迂闊に手を突っ込んだらやばい事になるかも知れねぇ〜。ポンプで一網打尽にしてやるぜぇ〜。」
 凄い勢いで用水路の水が、巣穴に流れて行く。
 巣穴では、親子は、パニックになっていた。
 まさか、用水路の水を巣穴に引き込まれるなんて......。
 泳げない2匹は、段々巣穴の出口方向かって押し流される。

「ママ!外に出たら捕まってしまうテチ!」
「ママが、囮になるデス!その内にお前は巣穴から脱出するデス!」
「ママは、ママはどうなるテチ!」
「ママの事は良いデス!何とか逃げるデス!だからお前が先に逃げるデス!」
「わ......解ったテチ!」
 2匹は、打ち合わせ通り、巣穴から脱出しようとしたが......。
「で......出られないデス!何かが巣穴を塞いでいるデス!」
「お水が......お水が来たテ......苦しい......」≪ブクブクブク≫≪パキン!≫
「じ......次女......デバア〜!」≪パキン!≫
「偽石が割れたなあ。」
 ザルを取ると2匹の死体は、水で押し出されて外に出て来た。
 男は、死体を掴むと用水路に放り込んだ。
 死体は川下にどんどん流されていった。
「ザマ見やがれ!糞蟲!人の田畑で遊ぶからだ!」
 男はそう言ってその場を立ち去った。

 *ピクシブ漫画を参考にしました。
  
 *ニンゲンママ後篇は当初作る予定は無かったのですが、沢山のレスを戴いたので仔実装の幕引きを見て貰おうと作りました。
 
 FIN


















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1 Re: Name:匿名石 2019/04/16-11:10:41 No:00005881[申告]
今回はこの挿絵を参考にしました。
どんな罠か、分かりやすい挿絵を以前見た事があるので探してアップします。
しばらくお待ちを‼️
2 Re: Name:匿名石 2019/04/16-11:22:05 No:00005882[申告]
またしてもこんな愛らしい挿絵から惨劇への末路を書くとは・・・・

いいぞもっとやれ!
3 Re: Name:匿名石 2019/04/16-14:51:48 No:00005883[申告]
文章は静かなのにセリフがうるさい
「!」を多用しすぎだよ
でも面白いので応援させてもらう
4 Re: Name:匿名石 2019/04/16-21:47:05 No:00005885[申告]
続編ありがとうございます!
しんみりしたけどいいお話でした

後半はいつものノリで安心しました

次回作を楽しみにしてます
5 Re: Name:匿名石 2019/04/18-22:10:19 No:00005897[申告]
呪いねえ
少なくとも仔糞蟲がおとなしくしていれば普通のペット兼ベビーシッターくらいには扱ってやるつもりだった人間様を呪おうなんて呪いが返ってくる運命しかねえよ
身分差がありすぎると呪いは効かないもんだしな
6 Re: Name:匿名石 2019/04/18-23:09:58 No:00005900[申告]
悪魔にも嫌がられて相手にされないんじゃないのか
7 Re: Name:戒厳令の男 2019/04/20-23:37:58 No:00005912[申告]
GOOD
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