タイトル:【虐】 家庭菜園に現れた緑の害獣
ファイル:赤いあまあま.txt
作者:フンババ 総投稿数:4 総ダウンロード数:1989 レス数:9
初投稿日時:2019/03/29-07:42:52修正日時:2019/03/29-07:42:52
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オッス!オラ農家あき!
田舎暮らし25歳独身(実家住まい)だ。
親の跡を継いで施設園芸でトマトを栽培してっぞ!!

はい、そんな俺なんだが、現在早朝の5時20分。
まだ外も薄暗いのに部屋に入ってきたかーちゃんに起こされたんですわ。なんなん?

「ちょっととしちゃん。起きて!」

「は〜マジなんなの?眠いんだが母上」

「いいからちょっと窓見て。庭の畑。あれ見てちょうだい。」

窓から庭の家庭菜園を見ると何やら小さい動物が数匹蠢いている。
たぬきかハクビシンかと思ったが...うん、あのブサイクかつ醜悪な生き物は実装石だね。
俺が来作の栽培で使用するか検討するため試験的に植えたトマト品種の周りでなんかやってる。
まあ大体何やってるかは見当つくね。
マジかよ...は〜めんどくせめんどくせ。

「嘘だろあいつら...俺が植えたトマト喰ってんじゃん多分あれ...」
「かーちゃん気づいたんなら早く殺してきてよ...玄関の傘立てに木刀入ってるでしょ。俺が昔修学旅行で買ってきたやつ」

「え〜やだよお母さん。ゴキブリとかならまだしも、私あんな不愉快で気持ち悪い生き物に関わりたくないわよ...」
「私朝ごはん作らないといけないから、としちゃん始末しといてね?じゃ!頼んだわよ」

そういってかーちゃんは俺の部屋を出て階段を降り、下の台所に行ってしまった。

は〜(クソデカため息)
ていうかほんとなんなんあいつら。俺の安眠を妨害した上に俺が2ヶ月半も丹精込めて世話してきたトマトにその不衛生な手で何してくれちゃってんの...?
俺が種を蒔いて苗の時代から丁寧に世話をしてきたトマトが...あんな不快生命体の餌になるとか...
どうせ「デププ...これは人間の貢物デスゥ。ゲボクが丹精込めて作ったんだからせっかくなので高貴なワタシが喰ってやらんこともないデスゥ」とか言ってんだろうな。
私、怒りで頭がフットーしちゃうよぉぉぉぉぉっ!!

はーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーキレそう。
キレそうーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!


自慢じゃないが俺は若干コミュ障入ってる人間だ。
大学時代のオタ友にもこう言われた。

「としあきに会社勤めは、無理にござるな」

自覚があった俺は大学を卒業して直ぐに実家で農業をすることにした。
確かに世間のイメージの通り、農業には若干ブラックな面もあるが、基本ハウスの中でiPh○neに入れたアニソンを聴きながら一日中一人で黙々と仕事をしてればいい農業は俺の性分にあっていた。
まあ地域の消防団の活動とか水利組合の会合とか諸々の飲み会は面倒くさいが、そんなに頻繁にするもんでもなし、耐えられない程ではない。

就農して5年目、親父から小さいハウスの管理を任された。
自分一人で栽培できるかどうか不安だったが、どうにかこうにかそれなりの形にはなってる。
まあ親父の栽培技術には遠く及ばないんだけどね。

天候や栽培管理にトマトは敏感に反応する。毎朝ハウスに入るたびに表情を変えるトマトに苦労をかけられっぱなしだ。
だが、こういうのも悪くない。
植物を育てる仕事、命を育む仕事っていいな。こういう仕事も悪くないもんだな。
育ちゆくトマトを眺めながら最近はそういうふうに考えたりもするようになった。

命って尊いんだなって...だから...
 



あいつらマジぶっ殺してやんよ!!

俺は壁にかけてあった趣味兼実装石駆除用エアガン(M4-Sシステム:東京○イ)を手に取りバイポッドを展開した。
銃身上部のピカティニーレールに取り付けられたEOtechのホロサイト(レプリカ)の後ろのブースターをかませ、照準器の倍率を3倍に合わせる。

そして銃身左側面のピカティニーレールに取り付けられた指向性実装リンガル(有効範囲40〜50m、Bluetoothイヤホン対応)のイヤホンジャックに有線イヤホンを差し込んだ。
余談だがこの指向性リンガル、緑の害獣をサーチアンドデストロイするのによく使われるが、観察派にも人気の一品だ。

糞蟲ども、どうせロクでもないこと喋ってるんだろうな。

スコープを覗き込み、糞蟲どもを索敵する。
距離...約10〜11m。
親蟲が一匹...仔蟲どもが2...いや3匹か...
どいつもこいつも不快なバカ面で俺が育てたトマトに齧りついている。アタシもうまじムリ。

レティクルの中心を親蟲の脳天に合わせる。

ステンバーイ...ステンバーイ...


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「テチュウゥゥゥーーーーーーーーーーーン♪ ママこれとってもおいしいテチュゥ!!」

「次女。大声出してごはんを食べては駄目デスゥ。ニンゲンが起きてくるかもしれないデスゥ」

「赤くてアマアマテチュウッ!!こんなごはんを見つけられるママは天才テチュゥ!」

「三女、きっとお前たちもワタシに似て、かしこく美しい実装石に育つデス」
「いいデスか?馬鹿でノロマなニンゲンたちは朝明るくなってから動き始めるデスゥ」
「だからお前たちが大きくなって一人でごはんを集めるときは、明るくなってからごはん集めを始めるのは絶対駄目デスゥ」
「次女、三女、おまえたちは今日早く起きるとき、嫌そうだったデス?」
「けどがんばってママと一緒に早起きしたらおいしいごはんが食べられたデスゥ。それに今の時間は馬鹿な同族にもあわないデスゥ」
「これが早起きは三文の得というやつデス。ワタシはママのママにこれを教わったデスゥ」

「テチュゥ!ママすっごいかしこいテチャァ! ママのママもすごいテチャァ!」

三女が声をあげる。

「デスゥ。お前たちもいつか大きくなったらママのもとを離れて一人立ちするデスゥ」
「その時はママの教えをお前たちの仔たちにも伝えてほしいデスゥ。」

「テチュゥ!わかったテチュゥ!ワタチたちも早く大きくなって仔を産んでかぞくをいっぱい増やすテチュゥ!」
「ワタチもママと離れるのはさびしいけどがんばるテチュゥ!」

うんうんと頷き次女と三女の頭をなでてやる母蟲。
そこに長女が母親に話しかける。

「ママ、ママ」

「どうしたデス?長女?」

「このごはんとってもおいしいテチュゥ。 もってかえって親指ちゃんとうじちゃんにも早く食べさせてあげたいテチュゥ...」

仔の優しさに思わず涙腺が緩みそうになる母実装。

「お前はとっても優しい仔デスー。お前のそういうところはママは大好きデス。けど実装石が生きていくというのはとっても厳しくて苦しいことデス」
「確かにワタシはニンゲンよりかしこいデス。お前たちもすぐにそうなるデス。」
「でも、力ではニンゲンにはかなわないデス。そこを勘違いした実装石は長生きはできないデース」
「いざというときは家族をみんな見捨ててでも一匹で生き延びるという残酷さも実装石には必要デス。」

「テヒャア...ママはワタチたちを見捨てるテチュゥ...?」

「...そうデスゥ...悲しいことデスゥ...」

「テェェ...」

「けど約束してほしいデスゥ...いざというときはお前たちもママを見捨てて逃げるデス」
「たとえ一匹でも生き延びて...どこか安全なところで仔を産んで、誰かがワタシのママの教えを伝えるデスゥ」
「それがママの望みデスゥ...」

長女は涙をためて母の教えを聞いている。

「わかったテチュ...ママ...ワタチがんばって立派な大人になるテチュゥ...」

母実装は長女の頭を撫でてやる。

「わかってくれたらいいデスゥ...さて、長女...そろそろ引き上げ時デス。帰る準備を始めるデス」
「親指ちゃんとうじちゃんのおみやげはワタシが持っていくデスゥ」
「次女、聞こえたデスゥ?おうちに持って帰ってゆっくり食べたらいいデス。それで最後の一口にするデス」

次女が嬌声をあげる。

「わかったテチュゥーーーー♪それにしてもこのごはん本当においしいテチューン!」
「ニンゲンはおバカだけど、かわいいワタチたちのためにおいしいごはんをつくれるのだけはほんとうにすごいテチュゥ!」
「ニンゲンは生まれついてのゲボク体質テチュゥ!」

そういって次女はトマトにかぶりつこうとした。

その瞬間



次女の下顎が消失した。


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「ターゲットダウン...」

親蟲から始末してやろうかと思ったが、ムカつく戯言を垂れ流す仔蟲から始末することにした。

「デアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?次女ぉぉぉぉぉぉぉッ!!?」

「ヘフェエエエエ!?フフュウウ!?フウウウウウッ!?」

皮一枚で繋がった下顎をブンブンと振り回し、パンコンしながら無様に畝間をゴロゴロと転げ回る次女蟲。
ざまぁ

長女と三女は凍りついている。
何が起きているのか理解できていないようだ。
まあわからないだろうねえ。

暴れる次女を取り押さえようとする母蟲

「次女ぉぉぉッ!! 何があったデスゥゥゥゥゥゥウッ!!? 落ち着くデスウウウウウウウウウウウッ!!」

暴れまわる次女蟲を捕まえる母蟲。

と、今度は唖然としてそれを眺めていた三女の右足が消失した。
意図せぬ出来事にバランスを崩して頭から派手に転倒する三女。

「チャアアアアアアアアアアアッ!!?!!?ママッ!!ママッ!!?ワタチのあんよがぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!!!!!」

「三女おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!??!??」

「イタイテチャァァァァァ!!おねちゃ!!すっごいあんよイタイテチャアァァァァァアアアッ!!」

三女は隣りにいた長女に助けを乞う。

「三女ちゃぁぁぁん!?おてて出すテチュゥ!!引っ張るテチュゥ!!」
「安全なところにかくれるテチュゥゥゥゥゥゥッ!!」

「おねちゃぁぁぁぁぁあああああッ!!」

長女に両手を引っ張られ三女が10cm弱程度移動した頃だろうか

三女の顔面の右半分が吹っ飛んだ。
長女は飛散した三女の血と脳漿をもろに顔に浴びる

「さ...三女ちゃん...?」

顔面の約35%を失った三女は虚ろな左目で長女を見据え、両手と左足をガクガクと痙攣させている。
弛緩した三女の総排泄孔からブリブリと糞が漏れパンツがこんもりと膨れ上がる。

長女はあまりの恐怖に腰が抜けたのかへたりこんで動かなくなった。

「ヘッドショット!!」
「三女よ、お前は最後に殺すといったな...あれは嘘だ」

何をとち狂ったのか、親蟲はパンツを脱ぎ捨て屈み込みその場に糞をぶりぶりとひり出し始めた。きんもーっ☆
右手で糞塊を掬いあちこちに投げ始める。
おいおい俺の畑とトマトを汚すんじゃねえよゴミ蟲が。

「ママッ!?」

「長女ッ!何が起きてるのかママもわからないデース!」
「多分猫がワタシたちを襲ってるデスァァァ!!おまえは早く逃げて隠れるデシャアアアアアア!!!」

「無理テチャアァァァァァアアアッッッ!!!怖くて立てないテチャァァァァ!!」

「デェェェェ!??!? 立つデス長女ぉぉぉぉぉ!!逃げないと殺されるデスァァァァァッッッ!!!」

「マ、ママァァァァアアアアアアアーーーーー!!!!!」

「デシャァァァァァァァァ!!!!!!クソ猫delしてやるデシァァァァァァ!!!!!!出てこいデシャアッ!!」
「ワタシのウンコを食らわせてやるデシャァァァァァァァァッッッ!!!!!」

親蟲がクソを掬い掲げたその時、突如その右手に小さく赤い花が3つ咲いた

ビスビスビスッ

右手肘付近が炸裂し、掲げもった糞がもろに親蟲の顔にかかる。
オウンゴール!!!

「デギャアアアアアアア!!!!????」

今度は左の足先端に赤い花が咲く。

ビスッ!

「デェェェェェェェェッ!!!???」

親蟲はバランスを崩し自分でひり出した糞塊に顔から突っ込む。

ビチャアッ!!

ハハッ ウケるーーーー ミ☆

さて、下に行きますかね...
俺はバイポッドを畳み、エアガンを担いで階段を降りていく。

「としちゃん、コーヒー入れたけど飲む?」

台所を通るとかーちゃんが声を掛けてきた。

「ああ、じゃあちょっとだけね」

2口、3口コーヒーを啜ると、俺は玄関に向かった。

畑につくと生き残った3匹が無様に地べたを這っていた。

「デェェェェェェェェェェェェェェ!!??」
「テェェェェェェェェェェェェェェ!!??」
「フュヘウウウウウウウウウウッッ!!??」

「ボンジュール!マダーム!そしてマドモアゼルたち!」
「いけませんな、こんな朝早くから淑女たちが拾い食いなどとは」
「無粋ながらわたくし、先程からお嬢様方のはしたない会話を聞いておりましたよ?」
「ウイ、特にあなた!いけませんよマドモアゼル次女どの?農家を下僕扱いなど。彼らも毎日精を込めて野菜作りに励んでおるのです」

「うーむ、マドモアゼル次女どの?実にいけませんな?本来なら禿裸にむいてリリースですが...」
「今回は特別に見逃してさしあげましょう。ふむ、どこなりへとも行きなさい!」
「それではマドモアゼル、また会う来世まで!アデュー!!」

バスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスッ!!

「ヒフェウウウウウウ!!ヒウッ!!!!ヘフェエエエエ!!!」

フルオート射撃をくらいあっという間に赤緑色のミンチになる次女。

「ふむ...見逃すとは言ったが撃たないとは言っていない...!」

「デスァァアァァアアアアア!!!次女おおおおおぉぉぉ...お前の仕業だったデスゥ...ニンゲンんんんん...よくもワタシのかわいい娘たちをぉ....」
「絶対に...絶対に許せないデスゥゥゥゥッ!!」

「許せねえのは俺の方なんだわ。お前らどういう了見で俺が大事に育てた野菜を勝手に食ってんだよ。あぁ!?」

「デシャァァァァァァァァアアアアッ!!そんなの知らないデスゥゥゥゥウウ!!」
「そんなに大事なら名前でも書いとけデスゥッ!!」
「おまえこそワタシのかわいい娘たちを返せデスゥッ!!」

イラッ☆

俺はホロサイトのレティクルを親蟲の左目に合わせ引き金を引いた。

ビチュッ!! ヘッドショットッ!!

「デガアアアアアアアアアッ!!」

失明した左目を押さえうずくまる親蟲。

「どうやら少しエキサイトしすぎてるようだな親蟲ちゃんよ?」
「まあお前がそういう態度なら、もういいわ。粛々と処分してるから覚悟しろよ」
「そこの家族思いの長女ちゃんから地獄に送ってやるからな」

俺は銃口を震えている長女蟲に向けた

「グッバイ☆長女ちゃん」

「テェェェェ!?ま、ママァァァァァ!!」

「!?やめるデスッ!! させないデスゥゥゥゥッッッ!!」

親蟲は長女に飛びかかり、向けられた銃口に背を向けるように長女を抱え込んだ。

バスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバスバス

ビスビスビスビスッビチュッビスッビスビスッバチュッビスビスビスッ!!

「デギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

BB弾が長女をかばう親蟲の背中を無慈悲に抉っていく。


「だ、団長ぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!!」
「なんでだよッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!団長ぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!!!!!!!!」
「仔蟲なんかのためにぃッッッ!!」


「ちょっと!としちゃん!!うるさいわよ!!何叫んでんの!?」
「今何時だと思ってんの!?近所迷惑でしょ!!」

はいはいどうもすみませんねー

「マ、ママァ...どうちてぇッ!?」

「デホッ!!ちょ...長女...お前は逃げるデスゥ...」
「お前は死んじゃ駄目デスゥッ!!」

吐血しながら長女を逃げるよう促す親蟲

「ママッ!ママッ!! いやテチュゥ!! ワタチを一人にしないでテチュゥ!!」

「さっき...デフッ...言ったはずデス...いざとなればみんなを見捨ててでも生き延びると...」
「今がその時デスゥ...大丈夫デスッ...お前は賢い仔デスゥ...」
「逃げるのは...恥ずかしいことじゃないデスゥ...ワタシと...死んだ次女と三女のためにもお前は...生き延びるデスゥ...」

「振り返らずに....止まらず走るデス...おまえはひとりじゃないデスゥ...」
「止まるんじゃないデスゥ...止まらない限り...その先に続く未来にワタシたちがいるデスゥ....」

涙を両目にいっぱいにためた長女が頷く。もう足の震えは無い。

「わかったテチュゥ...ワタチ...ママたちのためにも逃げて生き延びるテチュゥッ!!」

もう言葉はいらない。親蟲は笑顔で長女を見る。

「どうでもいいけど逃げるんならはよ逃げろや、お前ら」

糞蟲どもの茶番を横目にLINEのチェックをしつつ俺は逃走を促してやった。

長女は母蟲に向け小さく頷き、親を背にして全力で脱兎のごとく走り出した(仔蟲主観)


ママッ!!ママッ!!
ワタチのやさしいママ!!

とってもさむい冬っていうのでもあったかかった大きいママ
おいしいごはんをとってきてくれるかしこいママ
うじちゃんのプニプニが一番上手なママ
すごくきびしいけどやさしいママ
ワタチの頭をなでてくれたママ

いざとなればワタチたちを見捨てて逃げると言ったのに、ワタチをかばってくれたママ

ママ!ママ!ママ!!ママァッ!!


長女蟲は溢れる思い出と血涙を拭いながらテチュテチュと逃走する。

「糞蟲ども感動的だな...お前ら...止まるんじゃねえぞ...!」

長女蟲が1.5mほど走ったところで俺はホロサイトのレティクルを長女の胴体に向け引き金を引いた

バスッ! ビッ!

長女が前のめりに転倒する

「!!?ッ!? 」
「チャアアアアアアアアアアア!? イタイテチュゥウゥゥゥゥゥウウゥゥッ!!」
「ワタチのッ!? おなかのなかみッッッ!!なかみいっぱい出てるテチュウゥゥゥゥゥゥッッッ!!!」
「マ、ママァァァァァッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ちょ、長女おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」


きーぼーうーのはなーーー♪
つーなーいーだーきずーながーーー♪
いまーぼくーらの むねのーなか にあるーからー♪
けーしーてーちるーことーはない いーきーるちーから♪


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20分後...俺の前には禿裸に剥かれた2匹の実装石がいた。

生意気な態度で威嚇していた親蟲は偽石を抜いた後、玄関に置いてあった木刀で10分ほど可愛がってやると素直になった。
可愛がると言っても頭を撫でてやったり高い高いをしてやるという意味ではないぞ。
痛めつけてやる、ということだ。
長女は死にかけていたが、内臓を適当に腹の中に詰め戻し(キモいのでゴム手袋着用)、冷蔵庫に入ってたポカリを腹腔に注ぎ、アロンアルファで傷口を塞いでやった。
どうやら意識がある程度にまで回復した模様。峠を超えたようだ。
長女の腹部は救急箱に入っていたサージカルテープでさらしみたいにぐるぐる巻きになっている。

「二、ニンゲンサマァ...ゴホッ...ごめん...なさいデスゥ...許して...デフ...ゴボォ!...くださいデスゥ」

血泡が喉に詰まってうまくしゃべれない親蟲。

「この後に及んでまさか許してもらえると思っているとはな。」
「ずいぶん都合のいい頭をしてるんだなおまえは。いいか?害獣は殺処分が原則だ」
「お前らが取りうる選択肢はな、楽に死ぬか、苦しんで死ぬか。もうその2択しか無いんだよ」

「ゲボッ...ワタシは...どうなってもいいデスゥ...けど...この仔だけは...見逃してくださいデスゥ」

「人間より賢いとか自称してたその足りないオツムで考えてみろ?」
「要求ってのはなぁ...?提供できる対価があって初めて成立するんだよ」
「1ジンバブエドルより価値の低いおまえらが俺に何を提供できるんだよ?」

「ワタシの...命のゴボッ...石を...さしあげます...デスゥ...」

「.........ふーん.........」
「........................」
「まあ別にそんなゴミいらないけど、お前にそこまでの覚悟があるんなら俺にも考えがある」
「俺の要求をのめば2匹とも生きて放免してやろう。その要求ってのはな...」

「デ...?」

「馬鹿な人間より賢いとかほざいていたお前のそのご立派な脳みそを俺に見せてくれや。いいかな?」
「まあお前に断る選択肢はないよな?かわいい娘のためだもんな? うん。決定な」

俺は必要な道具を揃えるために納屋に向かう。

「テェェ...ママ...ワタチたちどうなるテチュゥ...?」

「お前は...何も心配することないデスゥ...きっとワタシが助けるデスゥ...」

納屋から必要な工具を持ってきた俺は親蟲に話しかける。

「よーし!今からお前の開頭手術を始めるからな?」
「まずは偽石が割れないようにこのポカリで栄養補給しようねえ?」

ペットボトルの飲み口を親蟲の喉の奥まで押し込む。
甘味を味あわせてやることはしない。とーぜんだろ?

「デッデッ....デッ...ッゲボッ!!...デボァッ!」

空になったペットボトルを捨てて、俺はディスクグラインダーのスイッチを入れた。

ギュィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!

「デ...デ...」

親蟲は額にものすごい脂汗をかいている。ろくでもない未来が待っていることを察したのだろう。

「それじゃあオペを開始するからね♪」

俺はディスクグラインダーの回転刃を親蟲の頭部こめかみ付近に当てた

ババババババッバババッバババッバババッバババババババ!

「デッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!」

「マ、ママァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!??」

親蟲と長女が同時に叫ぶ

回転刃をこめかみから水平方向にぐるっと一周させてやる。よーし。
俺は親蟲の頭部を持ち上げてみる

グイッ

ん?取れねーな...?どっかまだ頭蓋骨が切れてないところがあるのかな?
納屋からとってきたのこぎりで頭蓋骨の切り残しをゴリゴリと削ってやる。

「デベベベベベベベッベ」

自分の身の上に起こっていることへのショックで錯乱している親蟲。娘のためなんだからもう少し頑張れよな?
よーし、今度こそ取れるはずだ。

カポッ!!

親蟲の頭の皿が無事分離でき頭部上半分にピンク色の脳みそが露出する。
こいつらって、どいつもこいつも不快な低能のくせに脳みそだけはいっちょ前に詰まってるんだな。

「ママァァァァァッッッ!!死なないでテチュゥッッッッ!!!」

俺は手鏡で親蟲に自身の脳みそを見せてやる。

「どうでしょうか?奥様?今風のモードを取り入れてみましたわ、とっても先進的なヘアスタイルですわね?」

「デエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!??!?!?」

「とってもオシャレですわ奥様!すごくハイソ!!」

そう言いながら俺はつま先で親蟲をツンツンと突いてやる。

「デアアアッッ!?やめてくださいデスゥ!転んだらおみそがこぼれちゃうデスゥ!!」

「人様の食い物に手を出す不快な害獣には過ぎた脳みそだよなぁ?」
「中途半端な知恵で他の農家の方々に迷惑を掛けちゃ駄目だからこのピンク色の産廃は俺が処分しておくね?」

そう言うと俺は親蟲の両足を掴み、野球のバッティングの要領で親蟲をフルスイングしてやった。

ブンッ!
ブチィッ! スポーンッ!!

頭蓋骨内部の根元付近から脳が遠心力で千切れ、親蟲のピンク色の脳みそが何処かあさっての方向に飛んでいった。

「ふっwww」

なんか知らんが吹いたw。

地面に置いてやった親蟲は完全に壊れていた。

「デデゥゥゥゥウ...☆%デヘゥゥ&ゥゥ...ヘベッ@*あうあうあーデゥ#$....」

「ま、ママァァァアアアアアアアアアアアアアアアア!?」 
「ニンゲンんんんんッ!!どうチてこんなひどいことができるテチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!?」
「おまえは悪魔テチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!」

「はー...害獣を生かして開放してやるだけでもありがたいと思えよ糞蟲が...」
「ま、お前にも悪い話ではないんだぞ?これからはご飯に困ることもないし寒さに震えることもない」

そう言って俺は長女を掴み、親蟲の頭蓋の中に入れてやった。

「テェェェェェッッッ!!?!?やめるテチュゥゥゥゥッッッ!!!出すテチュウゥゥッッッ!!」」

取り外した頭の皿を親蟲に再セットし、切断面に木工用ボンドを塗りたくる。
まあそのうちくっつくだろ。

闇に閉ざされた長女はパニックに陥っている。

「テチャアァァァァァアアアッッッ!!??」
「まっくらテチュゥゥゥゥゥゥッ!!!ここから出せテチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!」

納屋から持ってきたインパクトドライバーにホールソーを取り付けバリバリバリっと親蟲の側頭部に500円玉大の穴を開けてやる。

「おーい聞こえているかな長女ちゃん?」
「これからはずっとママのぬくもりを感じていられるね? お腹が空いたら再生してくるママの脳味噌を食べるんだよ?」
「好き嫌いは駄目だぞ♪再生するママの脳味噌に圧迫されて長女ちゃんが死んじゃうぞ♪」
「あ、うんちはこの穴からするのよ?自分のうんちで溺れて死にたくはないよね?」
「お腹がいっぱいの時は適当にママの脳味噌を千切ってこの穴から捨てるのよ?」
「喜べよ長女ちゃん?これで晴れて無罪放免だ。どうよ?俺って優しくね?」

親蟲の頭部に開けた穴が再生しないようにターボライターで穴を炙りながら長女に語りかける。

「テェェェェェェェッッッ!!?」
「いやテチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ!!?!?ママッ!ママッ!ママッ!?たちゅけてぇぇぇぇぇぇッ!!!」

「デデゥゥゥゥウ...☆%デヘゥゥ&ゥゥ...ヘベッ@*あうあうあーデゥ#$....」

ママからは応答なし。ま、後は親子でがんばれよ?
はー朝から下らないことして腹減ったわ...朝飯食いに行くか。

こいつらは仕事に行く途中軽トラの荷台にでも乗せて適当なとこにでも捨ててくるかな?
偽石はペットボトルに入れて砂糖水にでも漬けとくか。

「あー腹減った...今日は液肥タンクに肥料入れとかないとだな」
「明日は農薬散布か...つれぇわ...」

俺はかーちゃんが作った朝ごはんを食いに台所に向かった。



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1 Re: Name:匿名石 2019/03/29-18:08:51 No:00005826[申告]
おみそがこぼれるとかいうクソマヌケなセリフ、好き
2 Re: Name:匿名石 2019/03/29-21:35:35 No:00005829[申告]
脳みそスポーンのトコでおもいっきし吹いたw
3 Re: Name:匿名石 2019/03/29-22:49:19 No:00005830[申告]
>命って尊いんだなって...だから...
>あいつらマジぶっ殺してやんよ!!
命は尊いかもしれないが序列はある、ってことを忘れちゃいけないよね

あと展開的には読めてたんだけど
さすがにフリージアが流れ出したとこでは吹かざるをえなかったw
4 Re: Name:匿名石 2019/03/30-01:45:57 No:00005831[申告]
4年制の大学を卒業して5年経っているなら
27歳かそれ以上じゃね?
5 Re: Name:匿名石 2019/03/30-05:47:24 No:00005833[申告]
悪蟲が制裁されて爽快な物語★
6 Re: Name:匿名石 2019/03/30-20:11:21 No:00005836[申告]
小ネタも笑えるし非常に面白いです
7 Re: Name:匿名石 2023/07/06-01:31:22 No:00007447[申告]
後日談が読みたくなる
8 Re: Name:匿名石 2023/07/25-20:53:37 No:00007622[申告]
面白かったです
最後の処置のアイデアもすげえよ…
9 Re: Name:匿名石 2023/07/25-21:51:36 No:00007624[申告]
何か結構場面場面が想像できるし
エキセントリックなんだけど笑ってしまう
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