タイトル:【虐観察】 愛護派V.S虐待派   【おうちを壊されたら.....後篇】
ファイル:実装親子.....10.txt
作者:kobeUS 総投稿数:45 総ダウンロード数:1436 レス数:3
初投稿日時:2019/01/07-09:36:08修正日時:2019/01/08-18:39:53
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        愛護派V.S虐待派          おうちを壊されたら冬が越せないデスゥ〜後篇

 売り物のみかんを喰いやがった、糞蟲一家を始末してから2週間が経った。
 正月用品のしめ縄等、地元のホームセンターに納品した時点で、俺を含めた市内の農家の仕事は、殆ど終わった。
 俺の今年最後の予定は、年末の家の大掃除と黒髪城の糞蟲を始末するだけだ。

 俺は虐待派の友人5人に連絡を取り、黒髪城の桝形跡に住む糞蟲共が、助けを求める同族(売り物のみかんを喰った子糞と連帯責任を取らされ始末されたその親姉妹)
 に救いの手も差し伸べず、薄ら笑いを浮かべながら見捨てた奴らに、鉄槌を下すと話をした。
 友人達は、全員俺の意見に賛同した。

 が......。問題は、愛護派の連中だ。
 毎朝、城内に住む糞蟲共に餌をばら撒きに来ている愛護派連中が、邪魔になると言う事だ。
 以前、小学生が仔糞を虐めた程度で、PTA,市の教育委員会を捲き込んで大騒ぎになった事がある。
 糞蟲親子を始末した時は、偶々、愛護派は一人も居なかった事が幸いだったが。
 *愛護派連中がいても、糞蟲の虐待を止めに入ったりはせず、大騒ぎするだけで此方には手出しをして来たりはしないが、只、只、騒がしいし鬱陶しい。

 だが運は俺達に味方した。3年後の2021年黒髪市制100周年記念として、『キャッスル博覧会』の開催が決まった。
 太平洋戦争で燃失した国宝だった黒髪城の天守閣と本丸御殿、重要文化財に指定されていた本丸と二の丸にあった櫓群と城門、石垣等を安土桃山時代から現存する設計図を元に、昔の様に忠実に完全復元(建物は木造建築)をする。
 そしてそこがメイン会場になるとともに、本丸を取り囲む様に造られている二の丸には、沢山のパビリオンが建築され国の補助金も降りる事も決まった。
 *取敢えず博覧会には、天守閣と本丸御殿のみを公開する予定だ。
 
 現地調査が2019年1月に始まり4月には工事が着工する事にもなった。
 更に前座イベントとして、三の丸跡にある、コンサート会場の立て直し工事も行い、有名アーティストを呼ぶ事も決定した。
 市を挙げての一大プロジェクトに市内の金持ち共は、当然寄付金者名簿の上段に名前を残したいと思った。
 更に戦前、自分達の心のシンボルだった、黒髪城の復元の為に市に、挙っていかなる協力もすると事申し出た。
 他都道府県から沢山の来客が来る事も予想され、当然城内に住む糞蟲共は邪魔な訳で排除(駆除)の対象となった。
 だが、愛護派連中は、寄付の見返りに「黒髪城の実装ちゃんの為に、安全な施設を作ってそこに避難させろ!」と下らない嘆願書を市に提出したものだから......。
「糞蟲ごときに何故、大金を叩いて施設を作らなければならないのか!」とか「自分の生まれ育った市に恩返しする為に寄付するのが本筋!愛護派は市に恩返しの寄付では無いのか!」
「愛護派は市民の為に寄付するのでは無く、糞蟲共の為に寄付するのか!考え違いもはなはだしい!」
「折角の博覧会に注文を付けるなら愛護派は、寄付するな!それから我々(反実装派)が金を寄付して整備される城には、市民であっても今後は一切近づくな!」と集中砲火を浴びせた。
 そんな事を言われても、やっぱり見栄もある愛護派は、寄付して「黒髪城復元プロジェクト高額寄付者名簿」に名前を連ねたい。
 そうなれば......。
「黒髪城周辺に限っては実装排除もやむなし!」で折れざるを得なかった。
 更に市は、愛護派に追い打ちを掛ける様にこんな条例を出した。
 1.市の関係者や博覧会に協力しようとする一般市民(*注)が、黒髪城内の実装石を駆除する事に関して、実装石の保護を考えて居る者は、今後一切口出しはしてはいけない。
(*注=虐待派も含む)
 2.城内の実装石を保護したり連れ出したり、餌をやったりして実装石(死体も含む)に関して一切関わってはいけない。
 3. 城周辺に屯している実装石も駆除の対象とするので(なるので)実装石が優位になる様な働きかけは一切してはいけない。
 4.この条例に逸脱した行為を行えば、市の条例違反として「禁固、罰金、書類送検」の処罰を受ける。

 こんな条例を出したが愛護派からは、市にクレームは一切来なかった。
 やはり実装愛護とは言っても、結局は自分達の名声や名誉が一番なんだな、この連中達は!
 だが、これで大きな顔をして愛護派の目の前で糞蟲共を始末出来る訳だ。

 黒髪城の糞蟲共は時間を掛けてゆっくり痛めつけてやる。但し桝形跡の糞蟲共は、すぐにでも巣をぶっ壊して寒さで苦しめて殺してやる。
 俺は、市の発行している黒髪城の縄張り図を持って、城に中心に位置する天守台の上に登って双眼鏡で城内を見渡した。
 城は、南北に縦長で東西は狭い縄張りになっている。
 俺の居る北側には天守台、南には、戦災を唯一逃れた重要文化財の裏門が、石段の上に残っている。
 西は桝形跡の石垣があり、糞蟲共の段ボール箱が沢山並べてある。
 ここを最初の攻撃ターゲットとして......。
 東には、月見櫓跡の石垣を取り囲む様に、川の水を引き込む形で通称中濠川と呼ばれている濠が残っている。
 この月見櫓跡にある石垣に沿って段ボール箱の巣が沢山見える。
 南北は、風雨が凌げる場所も無い様だし、糞蟲の巣も殆どなさそうだ。
「俺達が、攻撃して楽しめる所は、この2箇所位か!後は、市の職員の仕事か!」

 俺達の最初の攻撃ターゲット、桝形跡に住む糞蟲共は、俺を見てどんな反応をするのだろう。
「あっ!ニンゲンさんデス!食べ物欲しいデス!」
「アマアマ頂戴テチ!」
「ニンゲンさん!大好きテチ!」
『俺の事をもう忘れたのか?それとも単なるバカ共の集まりか?本当に困ったちゃんだぜ!
 あれだけ派手に暴れ廻って同族を痛めつけ、インパクトを与えたはずなのに!もう俺の顔を忘れてやがる。
 これだけ油断してくれれば、虐待の仕甲斐も有ると言うもんだぜ!』そう思った。
 もっと油断させる為に、餌を欲しがる奴にチョコレートをやると、群がって奪い合った。
 これで次に来た時は、又、餌をくれると出てくるだろう、その隙に巣をぶっ壊してやる。

 黒髪城の糞蟲襲撃の日が来た。
 俺達は、事前に黒髪城の石垣に隠した、鉄パイプや棒切れを持って桝形跡の糞共の所に向かった。
 当然俺達は、糞蟲共の巣の場所から一番遠い所で立ち止まった。
 案の定、糞蟲共は俺達を見つけるなり......。
「ニンゲンさん!御飯を頂戴デス!」
「ワタシに暖かい毛布を贈呈する事を認めてやるデス!」
「ワタシを飼うデス!奴隷ニンゲンとして仕える事を許すデス!」
 等を言って次々糞蟲共が集まって来やがった。
 桝形跡に住む糞蟲が、粗、全員巣から離れた所に出揃うのを見極めると......。
「じゃあ!やるよ餌を!」
 そういうと糞共は、押し合いへしあい、我先に餌を貰おうと、入り乱れた。
「こいつ等、本当にウザいし見苦しいぜ!」そう呟きながらも、笑顔を見せて警戒を与えない様にした。
 一番最初に並んだ糞蟲にフードを付けた竹串を口に近づけて「あ~ん!」と言うとそいつは、嬉しそうに大口を開けやがった。
 俺は糞蟲の喉に向かって思い切り竹串を突き刺してやった。
 ≪グサッ!≫「グバ......」≪パキン!≫そいつは、喉と偽石を潰されて卒倒した。
 竹串を刺された糞蟲が偽石を潰され倒れるのを合図に「皆!さあ〜!やるぞぉ〜!」
「ひゃっは〜!」
「いやっほぉ~!」
 と大声を上げて、自分達の前に居る糞蟲共を「デバッ!」「デギャ!」「テチャァ〜!」蹴散らして一気に段ボールの巣に突進した。
 巣にはとろそうな仔糞共が数匹居たがお構いなしに、段ボール箱と一緒に蹴り飛ばした。
「デ!おうちを!ワタシのおうちを〜潰さないでぇ〜!」
「二......ニンゲン!一体何をするデスゥ〜!おうちを壊すなデスゥ〜!」
「ワタチのおうちを壊さないテチ!」巣の傍にいた仔糞が長靴に縋り付こうとしたが......。
「邪魔!」そう言って思い切り「テッチャァ〜!」≪パキン!≫遠くへけりとばした。
「デ!お前はこの前、同族の家を潰したニンゲン!」
 と俺の正体に気付く奴も居たが「今更思い出しても遅せぇ〜だろぅ〜!」そう言って巣をサッカーボールのリフティングの様に、蹴り上げて遊び出した。 
 糞蟲共の居る場所から巣までの距離は、直線で100m位だが、動きの遅い糞蟲が巣に辿り着くまでには、跡形も無い位に踏み潰され、叩き潰されて多くの落ち葉や藁、新聞紙が周辺に散乱した。
 糞蟲が、巣を取り返そうと接近して来ると、俺達は、巣を蹴り飛ばして逃げ回り、糞蟲の目の前で、潰されていく巣の最後を見届けさせてやった。

 桝形には40近い巣があったが、木刀や鉄パイプで徹底的に叩き壊した。
 殆どの巣が潰れてひしゃげてしまい、一から冬籠りの準備をしないといけない状態だ。
「もう!もう!冬籠りは無理デスゥ〜!寒さで死んでしまうデスゥ〜!」泣き出す奴
「もう生きてはいけないデス!せめて一撃!」と投糞攻撃してくる奴。
「もう1度おうちを作らなければならないデスゥ〜!」とこの期に及んで未だ冬籠りを考える奴と様々だ。

 今回の攻撃は、真冬に家を潰されて外に放り出された、あの糞蟲親子の気持ちを解らせる為だけの予定だった。
 だから、糞蟲共は殆ど殺さず生かしておいた。
 糞蟲の中でも生きる気力のある奴は、取りあえず段ボール箱だけを先に調達してくるだろう。
 段ボール箱を巡って奪い合いや殺し合いを見物するのも良いし、絶望して嘆き悲しむ奴を見るのも良いし。
「これで解っただろう!お前達が笑って見捨てた糞蟲親子の気持ちが!」そう言ってやった。
『だが、内心は、これで終わった訳じゃねぇ〜!こんな簡単に終わらねぇ〜なぁ〜!』と次の作戦に移った。
 只、この寒さだ!凍死する奴も出てくるだろう、それはそれで面白れぇ〜が!

 その日の夜、俺はこっそり糞蟲がどうなっているか見に行った。
 なんとかして生きたい奴、とにかく寒さを凌ごうとする一部の奴は、寄り集まって自分達の体温で体を温めあっていた。
 だが、力の無い奴、仔糞共は、その集まりには入れて貰えず......。地面に倒れていた。
 そして「お願いテチ〜ィ〜!寒い......いれ......て......テチィ......」
「さ寒......いデ......ス......ゥ......たすけ......て......」
「そこの輪......の中に......いれ......」≪パキン!≫
 助けて貰えないことに絶望して偽石を割る奴。
『死にたくない』必死になって手を差し出して助けを求める奴に......。
「五月蠅いデス!くたばり損ない!お前達の様なクズは、死んだ方が良いデス!早く死ねデス!」
「そうデス!そうデス!足手まといは、さっさとくたばるデス!此処は、エリートが来る所デス!」
「死んだら高貴なワタシ達のごはんにしてやるデス!ありがたく食われるデス!」
 何がエリートだ!やっぱり此処の糞蟲共は、性根が腐りきっているな!それに未だ気が付いていないな!自分達の置かれている立場を!
 俺は、自分が生き残りたいが為に、地面に倒れて助けを求める仲間に対して、まだ暴言を吐いている一部の糞蟲共に、心底腹が立った。
 今からでも、バケツに冷たい川の水を汲んで、ぶっ掛けてやりたい気分になった。

 だが......。

「我慢!我慢!楽しみは後にとって置いた方が良い!その時が来たら地獄を見せてやるからな!」


 次は、月見櫓跡の石垣周辺に住む糞蟲共か!
 此奴等、俺達の桝形の糞蟲襲撃をどう思っているのだろう。
 桝形の糞蟲の巣をぶっ壊した次の日、月見櫓跡に行って見ると、糞蟲共は警戒するそぶりも見せずに日向ぼっこをして寝ていたり、仔糞共は「テチ!「テチ!」鬼ごっこをしたりして遊んでいた。
 3匹の糞蟲が井戸端会議の様な事をしていたので、リンガルをONにして聞いてみると......。
「昨日、桝形の同族が、ニンゲンの攻撃を受けて全部のおうちが壊されたみたいデスよ!」
「あそこの同族は、自分勝手な我侭者が多いから、ニンゲンの標的にされたデス!」
「ワタシ達は、協調性があり思いやりのある実装と言う事が、周囲に知れ渡っているから誰も標的にしないデス!」
「ワタシ達は、大丈夫デスよねぇ〜!」とほざいていた。
『何、寝言を言ってやがる!協調性や思いやりがあっても君達は、地獄を見る事になるのだよ!』
 此奴等は、桝形に住んでいた奴等と違って家は壊れていないのに住む事が出来ない様にしてやる。
 今回も糞蟲共を出来るだけ直接殺さない様にする方法で虐待する。

 友人達が今回は面白そうな道具を改良して見せてくれた。しかも2台もある。
「としあき!今回はこれでやるぞ!」
「OK!」
 それは、田植えの時にたんぼに水を入れる時に使うポンプを改良して、ホースの出口にノズルを付けて水を噴射出来る装置だ。
 計画決行の日、まだ暗い内に、俺達はこっそり月見櫓跡の手前に集まった。
 街灯の下にある電源にコンセントを挿して待っていると、朝飯を取る為に親糞蟲が家を後にした。
 ゴミ捨て場は、城の北の端、濠を越えて外に出たところにある。
 一番遠い月見櫓跡の石垣からは、此奴等の足で5分以上は掛かるだろう。
 ゴミ捨て場に向かった糞蟲共が、石垣の陰に隠れて見えなくなってから、ポンプのスイッチを入れた。
 冷たい水が一気に≪ドバ—!≫段ボールハウスに掛かった。
「テッチャァァァァァ〜!冷たぁ〜ぃぃぃぃぃ!」
 藁や落ち葉、新聞紙、中には毛布すら持っている者も居る、体温で暖かくなっている巣の中に、真冬の早朝に薄っすら氷が張った、飛び上がる程冷たい、川の水をぶっ掛けられたのだ。
 ただで済む訳がない。
「つ......冷たぁぁぁぁぁぁ〜ぃ」≪パキン!≫
「テ......」≪パキン!≫
「テッチャァァァァァァァ〜!」≪パキン!≫
 巣の中に居る仔糞共は、次々に偽石を割って死んでいった。
 甲高い仔糞の悲鳴を聞いた親糞は、慌てて巣に戻って来た。
 だが、動きの遅い親糞の前で、冷たい水を掛けられて、≪ぶるぶる≫震える仔糞や偽石が≪パキン!≫して死んで逝く仔糞共。
 更に、巣の中の断熱効果のある、木の葉や藁、新聞紙、備蓄された食糧が水浸しになって流失した。
「や.......やめてぇ〜!ワタシのおうちを!おうちを!水浸しにしないでぇ〜!」
「水浸しにされたらおうちに住めないデスゥ〜!」
「ごはんがぁ〜!ごはんが流れて行くデスゥ〜!冬籠りが出来ないデスゥ〜!」
「デッスゥ〜!この糞ガキ!飯を食わしてやった恩を忘れて呑気に寝やがってぇ〜!留守番も出来ないデスかぁ〜!」
「けっ!このエリアの糞蟲共も結局は自分の子供より、てめえが住む巣の事が一番じゃねぇ〜か!
 糞蟲なんかどいつも此奴も考えている事は、同じだな!何が協調性のある思いやりのある実装だ!」

 リンガルを聞いていた仲間達も「おい!としあき!此奴等生かして置かずに、このまま冷水掛けてぶっ殺そうぜ!」
「そうだな!一気に始末するか!」
 ホースの先端に付いているノズルを絞り、強力な水が出る様に調節して......。
 ≪ドバァ〜!≫
「デスゥ〜!冷たぁ〜ぃ!」
「デジャーァ!流されるデスゥ〜!川に.....川に.....」
「止めてぇ〜!川に落ちたら溺れて死ぬぅ〜!」
 仔蟲を見捨てやがった親蟲共を段ボールの巣もろとも、中濠川に流し込んだ。
 ≪どぼ〜ん!≫「溺れるぅ〜!」『ぶくぶくぶく』
 ≪どぼ〜ん!≫「デジャーァ!」『ぶくぶくぶく』
 ≪どぼ〜ん!≫「デッスウ〜!」『ぶくぶくぶく』
 ≪どぼ〜ん!≫「デバァ〜!」『ぶくぶくぶく』
 ≪ぽちゃん!≫「テッチャ〜ァ!」『ブクブク』
 次々に親糞共は、中濠川に落ちて苦しみながら溺れて死んで逝った。
 月見櫓跡に住む糞蟲共は、完全に全滅した。
「残るは桝形跡の糞蟲だけか!」

 陽が昇った頃、城の前をチャリンコで通ると多くの愛護派達が、中濠川で溺死して浮いている無数の糞蟲の死体を見て泣いていた。
「実装ちゃん!ご......ごめんなさい〜!こんな事になるなら保護施設を造ってあげれば良かったわぁ〜!」
「この仔実装ちゃん達は、私に懐いていたのよ!私がお城に来たら何処居ても絶対来てくれたわ!」
「可哀想に!可哀想に!誰がこんな惨い事を......。」
「未だ役所の関係者は、駆除に取り掛かって居ないはずですわ!虐待派の仕業ですわきっと!」
「本当に情けない!同じ人間なのに生き物を虐めるなんて!」
 死んだ実装でも、関わってはいけないと言う市の条例がある限り、花を手向ける事も出来ない。
 愛護派達は只只手を合わせて糞蟲共の冥福を祈っていた。
『ばかばかしい!愛護派共は、他にする事や考える事がないのかねぇ〜!』
 そう思いながら、俺は愛護派の横をにやにやしながら横切った。

 しかし、この状態なら愛護派連中は、警戒している。
 だが、条例が有る限り愛護派達は、段ボール箱や防寒具を糞蟲共に渡す事は出来ない。
 このまま、愛護派の目の前で凍死させる瞬間を見せるも良いし!生き残る糞蟲が居たなら叩き潰すも良いし!
 桝形の糞蟲を根絶やしにするのは、年明けだな!

 と言う事で、HAPPY NEW YEAR !

 元旦の0時、全員集合した。
「今年の初仕事は、糞蟲共の駆除からだ!桝形跡の糞蟲を皆殺しにするぞ!」
「親もガキも生きている奴は皆殺しにしようぜ!」
「おう!」
 俺達は、黒髪城址に向かって原チャリを走らせた。

 だが、城内の様子が、いつもと様子が違う。
 人の気配がしたので、石垣に隠れてこっそり見ていると、愛護派共が居る。
「あんな惨たらしい殺され方をした実装ちゃんを見たら居ても経ってもいられなかったの!」
「そうですよ!同じ人間なのにあんな事をする奴は畜生だ!」
「このエリアの実装ちゃんも、かなり数が減ったみたいだけど私が守ってあげるわ!」
「ですよねぇ〜!此処の実装ちゃんは、私達が守ってあげないとダメですよねぇ〜!」
「取り敢えず、実装ちゃん餌を取りに城外に出た所で、他の公園に案内して城から遠い所に避難させる段取りをしましょう!条例に引っ掛からないギリギリのところで!」
「そうですね!じゃあ!明日の午前中に私の家で緊急会議でもしましょう!おせちも出しますよ!」
「すみませんねぇ〜!じゃあ皆さん可哀想な実装ちゃんの為に双葉さんの家にお邪魔しましょう!」
「そうですね!」
「陽も暮れてこれだけ暗くなれば、人が居るかどうかも解らないし、見ているだけなら市の条例に違反していないですよねぇ〜!」

「俺達もそうだけど!彼奴等もよっぽど暇なんだなぁ〜!元日から糞蟲ごときの為に見張りとはよぉ〜!」
「おせち喰いながら緊急会議が出来るか!酒も入るだろうから酔っ払ってしまうのが落ちだぜ!」
「そうだな!徹夜で見張りしてりゃあ酒が入れば一発だな!」
「糞蟲駆除の大義名分が、こっちにはあるから、愛護派の連中邪魔も出来ずに、見ていなけりゃならないなんてこりゃ辛いだろうな!」
「そうかな!見ているだけで済みゃあ〜良いけど!目の前で惨劇が起こるんだ!絶対そんな事にはならないと思うぜ!」
「糞蟲ぶっ飛ばして、愛護派共が指を銜えて見ているはずがねぇ〜だろう!」
「絶対邪魔をしてくるぜ!」
「だが!日を延期したら、見張りがもっと増えるかもしれん!愛護派が居ようが糞蟲駆除は、今日行うぞ!」
「邪魔する奴をスマホで写真を取って、市の関係各所に送れば、後は警察の厄介になるだろう!」
「だが、愛護派と言っても相手は人間だ、暴力を振れば傷害罪で、こっちが警察の世話になる。何か線引きを考えよう!」

 そんな話をしていると......。
「皆さん!そろそろ帰りましょうか?」
「そうですね!寒くなってきたから幾ら虐待派でももう来ないでしょう!」
「明日も忙しくなりますけど宜しくお願いします。」
「それじゃあ〜!」

 バカ共が帰っていった。まだ午前1時だぜ!温室育ちの愛護派は、この寒さでリタイヤか!
 徹夜するんじゃ無かったのかよ!そんな甘ちょろい考え方で実装ちゃんを守れる訳がねぇ!

 事前に桝形跡にある糞蟲の巣の数と置き場所の特定をして来た。
 攻撃前は40あった巣が今は15しかない。
 更に寒さを防ぐ為に巣は1箇所に纏まって置いてある。

「じゃあ!やるか年明け最初の大掃除!」
 月見櫓跡の糞蟲を始末した時と同様に水を掛ける様にポンプを持って来た。
 今回は、ポンプは使わずに......。   
 此奴等「寒い!寒い!」と言っていたから暖めてやる事にする。
 全員、ライターを取り出し、持って来た新聞紙を奴等の巣に近づけ火を着けて、置いた。
「まだまだだ!皆リンガルを起動しろ!」

 暫くすると......。

「ママァ〜!何だか急に暖かくなってきたテチ!」
「そうデスね!ワタシ達は、日頃の行いが良いから神様が暖かくしてくれるデス!」
「デッス!でも何か焦げ臭い臭いがするデス!」
「少し暑くなってきたテ......。あっつい!熱いテチィ〜!」
「ああっ!おうちがぁ~!ワ......ワタシも燃えているデスゥゥゥゥゥゥゥ〜!」≪パキン!≫
「熱いテチィ〜体に火が......助け......」≪パキン!≫
「デア〜ァァァァァァァァ~!熱い!熱いぃぃぃぃぃ~!」≪パキン!≫
 段ボールの巣が密集しているから火の廻りか早い、
「ワタシのすべすべお肌がァァァァァ~!」≪パキン!≫
「ワタチのさらさらヘアーがぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!」≪パキン!≫
「レチ!レチィ〜助けてぇぇぇぇぇぇ〜!」≪ピシッ!≫
 中には、燃えずに脱出してくる奴もいる。
「お前は......お前はどうしてこんな酷い事をするデスか?」
「酷い事だと?てめえら傷付いた仲間が助けをも求めても自分達はエリート集団と言って見捨てただろ!
 俺が、糞蟲親子を始末した時も薄ら笑を浮かべて見捨てただろう!そんなてめえらに酷い事をすると言われたくはねぇ〜!」
「ワタシは、ワタシは、そんな事はしていない......ワタシは......!」≪パキン!≫
「何を言ってやがる!お前も同類だ!」

 火だるまになった糞蟲共が、体に点いた火を消そうと次々に濠の中に飛び込んだが......。
「ブクブクブクゥ〜!溺れるぅ〜!」
「た......す......け!」≪ブクブクブク!≫

 段ボールな中から火の点いた糞蟲共が、次々と転がり出して来た。
 濠に飛び込む勇気の無い奴は、苦しみながら燃えて行き、逆に勇気を出して濠に飛び込んでも溺れてしまう。
「どちらにせよ君達は、死ぬ運命なのだよ!」
「デスゥ〜!クソ二ンゲン殺してやるデスゥ〜!」そう言って攻撃して来た奴もいる。
 だが「ママァ〜!行かないテチィ〜!見捨てないテチィ〜!」
 数十匹の火の着いた仔糞共に抱き疲れて......。
「止めるデスゥ〜!ワタシはお前達の親では無いデジャァァァァァ〜!」≪ボッ!≫火が燃え移ってしまった。
「熱い!熱い!」<パキン!≫
 仔糞が折角脱出したのに「ママをひとりぼっちにしないデスゥ〜!」炎に包まれた成体に捕まり.......。
「離してテチ!ワタチのママは死んだテチ!ワタチはママの分まで生きなければならないテチィ〜!」振り払おうにも振り払えず「テッチャァ〜!熱い!熱い!」≪パキン!≫偽石を割って燃えてしまった。
 そうかと思えばどさくさにまぎれて逃げ出し「ワタシの様に頭の良いエリートは、先々の事を考えて行動するデス!」上手く桝形から脱出したと思えたが......。
 <グチャ!≫「デボッ......」≪パキン!≫
 桝形を出た所で鉄パイプで頭を潰された。
「天網恢恢疎にして漏らさず!」

 15分もすれば糞蟲共の悲鳴も聞こえなくなった。
「もう良いだろう!」
 糞蟲共が全滅した頃を見計らってポンプで水を掛け、消火した。
 糞蟲の焼けた死体が散乱していたがそのままにして帰った。
 愛護派共が見たらどんな顔をするか見ものだ。
 あれだけ多く居た城内の糞蟲共が僅10日程で全滅した。
 愛護派共は自分達の無力さにさぞ打ちひしがれる事だろう。

 1月2日の朝。
 追加の年賀状を出す為にポストに向かっていたら、31日の深夜から元日午前1時迄
 此処で見張りをしていただろう愛護派共が、泣きながら城内から出て来た。
 泣いていると言う事は、糞蟲の死骸をさっき見た様だな。
 さては、元日の夜は見張りに来なかったな!
 大方、おせちを食いながら、酒を飲んで寝てしまったんだろうな!馬鹿めが!
 
「実装ちゃんが......実装ちゃんが......」
「誰があんな惨い事を......」
「可哀想に!可愛そうに!」
「あれは人間のする事じゃないですわ!」
「数を減らしても頑張っていた実装ちゃんを焼き殺すなんて!なんて酷い事を......絶対に許さん!」

「『絶対に許さん!』と言っても糞蟲は、所詮害虫であっても益虫ではないのだよ!これからこの城に渡りをしてくる奴が居ても必ず殺される。
 糞蟲駆除は、市の掲げた条例だからお前達が幾ら声を挙げようとも、それは無力だ。全てが金で解決出来ない事もあると言う事を思い知るがいい!」


 FIN

      

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1 Re: Name:匿名石 2019/01/15-14:02:02 No:00005719[申告]
焼きころされてますね。
2 Re: Name:匿名石 2019/01/16-21:46:57 No:00005724[申告]
守る守るというだけ言って結局は何も守れず
泣き言と非難だけを喚き散らす
愛誤派なんてそんなもん

実装ちゃんは無残に駆除だね!
3 Re: Name:匿名石 2019/01/20-21:45:31 No:00005725[申告]
愛誤派の目の前で殺されるというのも見たかったが
滅んだならそれでいいですね
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