1 「この仔をください」 わたしの入った水槽を指さしながら大きなニンゲンサンがそう言ってくれたとき、わたしのこころは花が咲いたようにぱあっと嬉しくなった。 ようやくニンゲンサンに飼ってもらえるんだ。 チョウキョウシのニンゲンサンから受ける厳しいシツケをわたしはがんばって耐えた。 一緒にいた仲間の中にはあまりの厳しさに死んでしまう仔もいたし、ニンゲンサンに逆らってころされた仔もいた。 ママの顔も知らない。姉妹とも生まれてすぐに離ればなれでどこに行ったかわからない。 でもわたしは精一杯頑張ってチョウキョウシの言うことを聞いた。 立派な『飼い実装』になるために。 ニンゲンサンに気に入ってもらえるよう、立派な仔になる。 ただそれだけを目標に精一杯努力した。 10にんいた仲間たちの中で、わたしだけが辛いチョウキョウに合格した。 あの辛いチョウキョウを乗り越えたことがわたしの『ぷらいど』。 無事にしょっぷに並んだわたしだたったけど、飼い主になるニンゲンサンはなかなか来てくれなかった。 しょっぷの中はご飯もあるし、ふかふかの布団もあってとても居心地がよかったけれど、いつでも丁寧な所作を心がけた。 わたしの本当の居場所はここじゃないってわかっていたから。 いつか現れるわたしを飼ってくれるニンゲンサンのためにあのチョウキョウを乗り越えたんだから。 そして、やっと飼い主さんがあらわれた。 わたしは思わず跳び跳ねたくなる気持ちを我慢してニンゲンサンに一礼して、持ち帰り用の箱の中に自分から入った。 飼い主のニンゲンサン……御主人様は、どんなひとだろう? これからわたしにどんな生活が待っているんだろう? いいひとだといいな。たのしいといいな。 ちょっとくらい辛くても頑張れるよ。だってわたしは厳しいチョウキョウを乗り越えた高級飼いジッソウなんだから。 わくわくしながら御主人様が箱を開けてくれる時を待つ。 ガタゴト揺れているのはショップに輸送されたときみたく「くるま」に乗っているんだと思う。 揺れが止まった。 箱が持ち上がった。 もうすぐだよ。もうすぐ、もうすぐ……! 箱がころりと横になって前の部分が開いた。 さあ、最初の挨拶は元気よくしよう! 「初めましてテチ、ご主人様!」 2 ……あれ? ご主人様の返事はなかった。 恐る恐る箱からでてきょろきょろと廻りを見回す。 いた。 ご主人様……わたしのいた水槽を指さして飼ってくれると言ってくれたニンゲンサンが、大きなイスにどっしりと座っていた。 「初めましてテチ、ご主人様!」 もういちど元気よく挨拶をする。 だけど、ご主人様はこっちを向いてくれない。 ご主人様が見ている方を向くと『てれび』がついていた。 手の中でボタンがついた黒いものをカチカチと弄ると、がめんの中のひとが動いたりピカピカ光ったりする。 「テ、テェ……ご主人様?」 恐る恐る座っているご主人様に近づく。 と、てれびの画面がぴかっと光ってバァンって大きな音が鳴った。 『ゲーム・オーバー』 「ちっ、またかよ!」 ご主人様はなんだか怒っているみたい。 手の中の黒いものを放り投げて大きく息を吐いた。 「あ、あの、ご主人様」 「あー?」 ようやくご主人様がこっちを見てくれた。 嬉しくなって改めて挨拶をする。 「初めましてご主人様、ワタシは——」 「あー、あー、さっき買った仔実装ね」 「はいテチ! ワタシは——」 「お前の部屋はあそこだから。んじゃ適当にやっといて」 そう言うとご主人様はまた黒いものを手に持って、てれびに向かってしまった。 あ、あれ? おかしいな。どうしてわたしを構ってくれないの? 飼いジッソウになったら、そのお家のルールに従わなくちゃ行けない。 だから最初にご主人様からいろんなことを聞かなきゃいけないって教わった。 もっと聞きたいことがいっぱいあるのに…… 「ご主人様、ご主人様!」 わたしはご主人様に近づいて話しかけた。 すると。 「うるせえな、今忙しいんだよ!」 びくっ! お、怒られちゃった…… 「テェ……ご、ごめんなさいテチ」 「あっちがお前の場所だって言っただろ! いいからそこでやるべき事をやってろよ!」 どうやら今はご主人様に話しかけちゃ行けないときみたい。 いきなり失敗しちゃってすごく悲しい。 気持ちが沈みそうになるけど、わたしはあたまを振って切り替えることにした。 ご主人様があっちに行けと行った方向に向かう。 そこにあったのは……段ボール? 「テ、テェ」 箱の形になった段ボール。 シツケの時に何度か見たことがある。 それは『のら』のジッソウが住むっていう簡素でみすぼらしいお家。 え、嘘……? まさか、これがわたしのお家なの……? 一応中に入ってみると、そこにはすごく薄い布きれが一枚。 それと砂を盛った小さな箱があるだけ。 もしかして、ベットとトイレ? ショップの水槽の中どころか、シツケの時に仲間と一緒に入れられてた小さな部屋の方がこれよりもずーっとずーっと良いお家なくらい。 ごはんはない。お水を飲む給水口もない。 「ま、まさかテチ。そんなわけがないテチ」 きっとまだお部屋が用意されてないだけなんだ。 ご主人様、忙しいみたいだし。 ふと見ると、布と砂の箱以外に、重そうな黒い塊が段ボールの中にいくつも積んであった。 ちょっと気になるけど、何かわからないから触らないでおこう。 とにかくご主人様が忙しくなくなるまで勝手なことはしちゃダメだ。 幸いにもお腹もまだ空いてないしうんちも出そうにない。 しばらくここの中で待ってることにするよ。 ちく、たく、ちく、たく。 ご主人様の見てるテレビの音に混じって、とけいの音が聞こえてくる。 退屈だけど待つのは慣れているから大丈夫。 シツケの時もショップの水槽で暮らしていた時も、ずーっと待ってたから。 ご主人様とお話するのが待ち遠しい。 どんな風に遊んでもらえるかな。ちゃんとしたお家はどんなのかな。素敵なお名前をくれるかな。 わたしはワクワクしながら時間が過ぎるのを待った。 しばらくして、てれびの音がぷつっと消えた。 「テチッ!」 ご主人様のご用が終わったんだ。 そう思った直後、のっそりとご主人様が立ち上がってこっちに近づいてくる。 「テチテチ! ご主人様、ご用おつかれさまテ——」 「あ? お前、なにやってんの?」 労いの言葉をかけようとしたわたしに、冷たい声と視線が降ってくる。 わたしよりずーっと大きなご主人様が立ったまま見下ろしている。 「テ、テチ、ご主人様のご用が終わるのを待ってたテチ」 「いや、待ってたじゃねえよ。お前その間何をしてたんだよ」 「なにって、別に何もしてなかったテチ——」 「はあああぁぁぁあぁぁっ!?」 びくっ! 「何もしてないじゃねえよ。って何かお前、俺がゲームしてるあいだボーッと突っ立ってたのか?」 「は、はいテチ」 「馬鹿かオメエ!」 お、怒られてる? なんで、どうして? 「お前はうちの飼い実装になったんじゃねえのかよ。だったらしっかりと働けよ!」 「は、働く、テチ?」 「当然だろ! それが家のルールなんだよ!」 そ、そうだったんだ…… 「ごめんなさいテチ、知りませんでしたテチ。ちゃんと働きますテチ」 わたしはペコりと頭を下げた。 その後に当然聞くべき質問をする。 「それで、わたしはどんなお仕事をすれば良いテチ」 「はぁぁぁああぁぁぁっ!?」 ま、また怒ってる? なんで? 「お前、躾済みの高級実装なんだろ? そんなこともわかんねーの?」 「ご、ごめんなさいテチ」 「ちっ……いいよ、それじゃ教えてやるからちゃんと聞いておけよ」 「はいテチ」 「そこに分銅があるだろ?」 「フンドウ……?」 「そこの黒いやつだよ!」 「は、はいテチ!」 どうやら段ボールの端っこに積んであったモノのことらしい。 「そいつを今から運んでもらう。あそこのソファをぐるりとまわって、段差からテーブルの上に登って、反対側から降りてあっちの部屋の隅っこまでだ」 「た、大変そうテチ……」 「言っておくけどうちじゃ働かないやつに食わせる餌はねえからな。サボったら飯抜きだって覚えておけ」 ご飯抜きはもっと大変。 しっかり頑張らなきゃ。働くのがこのお家のルールだもん。 「わかりましたテチ。一生懸命働きますテチ」 「おう。わかんないことがあったらすぐに聞けよ」 「はいテチ!」 やっぱりご主人様は頼りになる。 うん、次はボーッとしないでちゃんと聞こう。 とりあえずわたしは段ボールの中のフンドウを持ち上げる。 う……けっこう重い。 というか、一度にぜんぶ運ぶのは無理だよ。ひとつずつ運ぼう。 あれ、でもこれ二種類あるね。 「あの、ご主人様?」 「あ?」 「これ、大きいのと小さいのがあるテチ。どっちとも運んで大丈夫テチ?」 「……はぁ〜あ!」 わたしが質問すると、ご主人様は呆れたように大きく息を吐いた。 「あのさ、お前は躾済み高級飼い実装なんだろ?」 「は、はいテチ」 「そんなこともいちいち聞かなきゃわかんないわけ? なあ?」 え、あ、あれ!? 聞いちゃダメなの? わかんないことがあったら聞けって言ったのに…… それともこれは良くないことなのかな? 「ご、ごめんなさいテチ」 「何でもかんでも人に聞いてないで、ちょっとは自分の頭で考えたら堂だ?」 「わかりましたテチ」 とりあえずわたしは小さい方を抱えて歩き始めた。 「テッチ、テッチ、テッチ」 重い……けど、なんとか運べるよ。 ええと、たしかソファの裏を通って…… ……通れない。 ソファの後ろは邪魔な箱が置いてある。 登るのはどうがんばっても無理。 フンドウを乗っけるのも難しそう。 いちど戻ってどうやって通ったらいいか聞こうかな? でも、さっきも自分で考えろって怒られちゃったし…… 横の隙間から……無理。 勢い着けてジャンプすれば……無理。 ソファの下から潜れば……? 「あれ? お前、まだこんなところにいたの?」 「テッ!?」 気付けばご主人様が後ろに立っていた。 「なにやってんだよ。まさかサボってんのか? あ?」 「ち、違いますテチ。ここをどうやって越えようか考えテ……」 「はあああぁぁぁぁぁぁああっ!?」 またあの呆れたような怒っているような声で叱られる。 「いや、考えてるって何もしてねえじゃん。そうやってる間ずっと時間を無駄にしてたんじゃねえの?」 「テ……そういうわけじゃ……でも、ご主人様に聞いたらまた怒られるかもと思っテ……」 「あ? なにそれ、言い訳? 言い訳してんの? 俺が悪いの?」 「ち、違いますテチ。ご主人様は悪くないテチ」 「あのさあ! わかんねえことがあるなら自分から聞こうよ! ねえ! 野良じゃねえんだからさ!」 「……ごめんなさい、テチ」 「ちっ、無能が……あーあ、ハズレを買っちまったかな……」 ご主人様は軽蔑した目でわたしを見て、またてれびに向かってしまう。 いやだ。嫌われたくない。もっと、もっとがんばらなきゃ…… ……あれ、ところでこれ、結局どうやって越えればいいの? 箱の越え方を聞いて怒られ、考えてると怒られ、呆れられながら教えてもらって。 テーブルの登り方を聞いて怒られて、考えてたら怒られて、呆れられながら教えてもらって。 今度は折り方を聞いて怒られて、考えてたら怒られて、呆れられながら教えてもらって。 向こうの部屋についたけどフンドウをどこに置いたら良いかがわからなくて。今度は最初から考えてたらすごく怒られて。 ようやく運び終わった時には、わたしはとっても辛くて悲しくなっていた。 「テェ……」 座り込んで思わず流れそうになる涙を拭う。 お仕事は大変だけど、これがこのお家のルールなんだ。 立派な飼いジッソウとしてがんばらなきゃいけないことなんだ…… うん、でもやり方はわかったから、次はもっと上手くやろう。 ご主人様から怒られないよう、明日からはきっと…… 「おい!」 「テッ!?」 フンドウを見ながら決意を改めていると、またご主人様の怒鳴り声が浴びせられた 「なにひとつ終えたくらいで休んでるんだよ! まだまだ仕事は残ってるんだぞ!」 「テッ!? ま、まだあるテチ? ワタシもうおなか空いて……」 「はぁぁあああぁぁぁぁあああっ!?」 またあの呆れた声と軽蔑した目。 いやだ、そんな風にわたしを見ないで…… 「まさかこれっぽっちの仕事で餌にありつけると思ってんの? お前、社会ナメてんの?」 「い、いえ、テチ」 「だったらさっさとやれよ!」 「わかりましたテチ!」 急いで来た道をテッチテッチと駆け戻る。 さっきの段ボールについたときにはぜえぜえと息が切れていたけど、休んでたらまた怒られるから急いで働かなきゃ。 えっと……フンドウは…… ……あれ、増えてるよ。 さっきより大きいのが5個もある。 これ、ぜんぶ運ばなきゃダメなのかな…… 聞いたらまた怒られそうな気がする。だからワタシは黙って運ぶ。 「テッチ、テッチ、テッチ」 ふと、あることに気付いたよ。 ソファの向こう側じゃなくて、こっち側から行けば早いんじゃない? だってほら、こっちからだとさっきの部屋が見えるよ。 大変なテーブルの上に上がる必要もなさそう。 やった、近道をみつけた! 「テッチ、テッチ、テッチ」 新しい発見に嬉しくなって足取りが軽くなる。 これならすぐに置き場に着くよ。 あとちょっとで向こうの部屋につく、その時。 「おいコラァ! なにやってんだオメエ!」 びくっ! ご主人様に怒鳴られた! なんで、どうして!? 「なにやってんだって聞いてんだよ!」 「ふ、フンドウを運んでますテチ。なにかワタシ、間違えましたかテチ?」 「ソファの向こうから運べって教えただろうが! なんでこっちを通ってんだよ!」 「こ、こっちの方が近いと思っテチ……」 「はぁぁぁああああっ!?」 まただ。 嫌だ嫌だ。 そんな声を出さないで。 「あのな、仕事にはルールってもんがあるんだよ。教えてないことを勝手にやるんじゃねえよ」 「テ……」 「勝手に考えて失敗して、廻りに迷惑かけたらお前、責任とれんの?」 「……ごめんなさい、テチ」 「なあ、楽することばかり考えてんじゃねえよ」 「そんなつもりはなかったテチ……」 「チッ……いいからさっさと向こうに回れ」 「わかりました、テチ……」 心なしか重さを増したような気がするフンドウを抱えながら、わたしはソファの裏側に回る。 気を取り直してがんばろう。 こっちは大変だけど、やり方は教わったからもうご主人様に迷惑かけないはず。 地道にやっていけばいつかは終わるんだから。 ……あれ? さっきと箱の形が変わってる。 さっき上れたところは……無理みたい。 どうしよう。どうすれば…… 「おいおい、オマエ、またサボってんのか……? いい加減にしろよ……?」 「テッ! ち、違うんテチ! 登り方がわからなくて……」 「はぁぁあああああっ!? テメエ、さっき教えただろうが! なに聞いてやがったんだよこの糞蟲が!」 「テ……」 糞蟲って言わないで。 わたしはシツケを乗り越えた高級飼いジッソウなんだから。 そんな風に呼ばれたら傷つくよ…… 窓の外の景色が真っ暗になってからも、わたしはフンドウを運んでなんどもあっちとこっちを往復した。 シツケの時でもこんなに疲れたことはない。お腹も空いたし、もうわたしはフラフラだった。 途中からご主人様はほとんどわたしの方を見なくなったけど、休んでたらすぐに気がついて怒られる。 怒られるのが嫌だから疲れてもがんばった。カチカチになった足を必死に前に動かしてがんばった。 でも、ようやく最後のひとつを運び終わったよ。 「テヘェッ、テヘェッ……」 座り込んで息を整える。 もう一歩も動けないよ。 と、ちょうどわたしのところにご主人様がやってきた。 「あ? やっと終わったのかよ」 わたしが積み上げたフンドウをしげしげと眺めている。 疲れすぎてて声を出せないけど、実はかなり誇らしい気持ちだった。 ご主人様、わたしがんばったよ。 初めてだったけどここまでやれたんだよ。 褒めて、くれるかな? 「クッソ雑な仕事だなぁオイ。高級躾済みっていってもこの程度かよ」 「テ……」 わくわくしながら待っいたわたしにかけられたのはそんな冷たい言葉だった。 「最初から期待してなかったけどよ。ここまでダメだと頭痛くなってくるぜ」 わたし、怒られてるの……? がんばったのに、わたしのお仕事はダメでしたか……? 「あーもういいや。お前、もういいよ。もう今日はこれ以上やっても無駄だから」 ご主人様がわたしを掴み上げる。 急に高い所に持ち上げられてビックリしたけど、ご主人様のお手々はとても温かかくて少し嬉しかった。 ご主人様。初めてわたしに触れてくれた。 大きな手のひらにほっぺたを擦りつけようとした瞬間、乱暴に放り出された。 「ほら」 「テッ!?」 い、いたいよ…… 落とされたのはあまり高い場所からじゃなかったけど、顔を打ったからヒリヒリする…… えっと、ここは? あ、さっきの段ボールのお部屋だ…… 「ここがお前の部屋だから」 「テェ……」 はっきりと言われてとてもガッカリする。 せっかく飼いになれたのに、こんなに寂しいお部屋なんて。 ううん、ご主人様がせっかくくれたお家だもん。 高級な飼いジッソウのわたしは文句を言っちゃいけない。 トイレもあるし、ふとんもある。贅沢を言うのは悪い仔だって教わったから。 ……ぐぅ そういえば、お腹減ったよ。 ご主人様、ごはんくれないのかな。 お願いしてもいいかな。 でも、また怒られるかも知れないし…… 「ほらよ」 「テッ?」 迷っているわたしの前に白い塊が放り投げられた。 これ、ニンゲンサンが食べる『パン』っていうごはんだ! 「ご、ご主人様、これいただいていいんテチ?」 恐る恐る質問してみる。 けれどすでにご主人様はわたしから離れててれびの方へ行ってしまっていた。 どうしよう。 食べていいかな。怒られるかな。 聞いて大丈夫かな。また自分で考えろって言われないかな。 ぎりぎり。 なんだかお腹の奥の方がムカムカしてる。 お腹が減っているから……かなあ。 いいよね。ご主人様、ほらよって言ってわたしに投げてくれたんだもん。 「いただきます、テチ」 手を合わせて、ちゃんと挨拶をしてからパンをいただく。 もふもふ…… 「テェッ!?」 な、なにこれ!? すごい、おいしい! シツケの時に食べたのより、ショップでテンインサンがくれたのより、ずっとおいしい! 食べた端が身体の中に染み渡っていくみたい。 こんなおいしいごはんをくれるなんて、ご主人様はやっぱりいいひとだったよ! 知らず知らずのうちに涙が流れる。 悲しいからじゃない、嬉しいから流れるとうめいな涙。 「ありがとうございますテチ。ご主人様……」 ごはんを食べ終わると、何もすることがない。 ご主人様はずっとてれびのほうを見てる。 遊んでもらいたいとも思ったけど、足も手もパンパンに疲れてるから難しそう。 どうしよう。今日は疲れたから、もう寝ちゃおうかな。 うん、そうしよう。 わたしはふとんの布を身体にかけて横になった。 「ご主人様、お休みなさいテチ……」 挨拶をして目を瞑る。 その直後。 「おいコラァ!」 「テェッ!?」 ご主人様の怒鳴り声にわたしは飛び起きた。 顔を上げると怒った顔でご主人様がこっちに近づいていた。 「なにやってんの? なあ、なにやってんのお前?」 「テ……あの、何もすることがなかったから、先におねむしようと思ってましたテチ」 「はぁあぁぁあああああぁぁあっ!?」 ダメなの!? 寝ちゃだめだったの!? 「お前さ、俺がまだ仕事してる途中だってわかってるよね?」 「テ……」 お、お仕事してたの? てれびみながらぴこぴこしてるの、お仕事だったの? 「は、はいテチ」 「飼い主の俺が働いてるのに、ペットのお前が先に寝るの? へー、そうなんだ。お前、俺より偉いんだ」 「そ、そそそ、そんなことはないテチ」 「だったら俺の仕事が終わるまで起きてるのが筋ってもんじゃねえか!? あ!?」 そういうものなの!? う、たしかに、言われてみればそうかも…… 「ごめんなさいテチ。ワタシの考えがよくなかったテチ」 「わかったら俺の仕事が終わるまで勝手に寝るなよ!」 わたしは立ち上がっててれびの方に戻ったご主人様を見る。 う……眠い…… 寝ちゃダメだと思っても、このままじゃまぶたが勝手に落ちてきちゃう。 「ご、ご主人様」 「あ?」 「ワタシ、何かすることはありませんかテチ。よければお手伝いしますテチ」 本音を言えば早く寝たい。 だからわたしが手伝ってご主人様のお仕事が早く終わるなら、そうしたいと思った。 だけどご主人様はそんなわたしにため息だけを返す。 「ねえよ、お前に手伝えることなんか」 「テチ……」 「暇なら自分の身体でも洗ってろ」 ご主人様は水の張った容器と小さめの布を持ってきてくれた。 おそうじ。そういえば汗もかいたし、お風呂も入ってないや。 わたしは小さい布を水で浸して一生懸命しぼると、服を脱いで自分の身体を自分で拭いた。 「テチュン!」 くしゃみが出た。 やっぱりお部屋で裸は寒い。 本当ならご主人様に洗って欲しかったな…… 身体を洗い終わってお服を着ても、まだご主人様はてれびの前にいる。 お仕事中だから、まだわたしも眠れない。 でもジッと待ってるだけだと眠くて仕方ない。 だから段ボールの中もいただいた布できれいに擦ってる。 「テェ、テェ……」 ねむいよ、ねむいよ…… 「うわっ、もうこんな時間じゃねえか!」 「テッ!?」 ご主人様が大声を出してビクッとする。 けどわたしを怒ってたんじゃないみたい。 「あーウゼエ。月曜なんてこなきゃいいのによ……」 ご主人様が立ち上がって、ご主人様用の大きなベッドに入った。 白いキカイを天井に向けるとお部屋の中が真っ暗になる。 お仕事……終わったのかな? わたしも寝ていいのかな。 「テェ……ご主人様、お休みなさいテチ」 挨拶しても返事はなかった。 お布団の布を被って横になると、すぐにわたしは眠ってしまった。 「おいコラァ!」 バン! 「テ、テェッ!?」 いきなりお部屋が揺れてビックリして飛び起きる。 あ、あれ? ここはどこ? ショップ……じゃない。 そうだ、わたし、ご主人様に飼ってもらったんだ。 窓の外が明るい。もう朝だ。 えっと、えっと、そうだ、昨日はご主人様のお家のルールでいっぱい働いた。 ご主人様のお仕事が終わる夜遅くまで一緒に起きて待ってて。 さっき寝たばっかりな気がするけど、もう朝なの? 疲れていたからか、夢も見なかった。 っていうか、ご主人様怒ってる!? なんで!? 「お前さ、俺のペットだよな?」 「は、はいテチ」 怒り顔で段ボールハウスの上から覗き込むご主人様。 わたしはこくこくと頷いた。 「だったら飼い主より先に起きて挨拶するのが社会の常識ってもんじゃねえのか? あ?」 「そ、そうなんテチ?」 「そうなんてちじゃねーよこの無能が! 調教師から何教わってきたんだ!?」 「ごめんなさいテチ、ごめんなさいテチ」 朝から怒られちゃった。 はやく、ここのルールになれなきゃダメだ。 立派な飼いジッソウになるためにいろいろ教わったけど、本当のご主人様のところじゃ通用しないことばっかりだ。 「チッ……いいよもう。とにかくメシ食っちまえ」 そう言ってご主人様はわたしにごはんを放り投げた。 これ、お魚のお肉だ! 「い、いただきますテチ。ごはんありがとうございますテチ」 両手を合わせて挨拶してからごはんをいただく。 おいしい、すごくおいしいよ! こんな美味しいごはんをくれるなんて、やっぱりご主人様はいいひとだ! 「昼の分はここに置いておくから勝手に食えよ」 さらにご主人様はおおきなパンを段ボールの中に置いた。 こ、こんなにくれるの? あっ、でも「ひるのぶん」って言ってた。 いま食べちゃダメなやつだよ。『待て』だ。 わたしがお魚のお肉を食べてる間に、ご主人様は「びしっ」としたカッコイイお服に着替えていた。 黒い鞄を持って何かを用意している。 「ご主人様、お出かけテチ?」 「仕事に行ってくる。お前もサボるんじゃねえぞ」 そう言ってご主人様はなにかをどっさりと持ってきた。 昨日一生懸命運んだ「フンドウ」を……いっぱい、たくさん、山ほど。 10個のかたまりが10個。それよりもっと。 え、まさか…… 「昨日と同じ仕事だ。もし俺が帰ってくるまでに終わってなかったら夜の飯は抜きだからな」 ぼとり。 わたしは思わず食べていたお魚のお肉を落とした。 こんなの、こんなの、ぜったい無理。 「ご、ご主人様。これは……」 「おっとヤベえ。んじゃ行ってくるわ」 慌ただしげにお家から出て行くご主人様。 わたしは文字通り山のように高く積まれた『お仕事』を見上げ、しばらく思考停止しながら震えていた。 今さら思い出したように昨日の疲れが身体に襲いかかってきていた。 「お、お腹が気持ち悪いテチ……」 キリキリと、身体の奥が締め付けられるような痛みがあった。 3 「う〜、出社出社」 今、駅からビジネス街に向かって全力疾走している僕は会社勤めのごく一般的な社畜。 しいて違うところをあげるとすれば通っているのが糞ブラック企業ってとこかナ…… 名前は双葉としあき。 そんなわけで昨日から憂さ晴らしに実装石を飼い始めたのだ。 ふと雑誌を見ていたら実装石虐待特集をやっていたのだ。 ウホッ! いいストレス解消…… まあ、と言っても俺は肉体的な虐待はしない。 動物をいたぶったところで日々の憂さが晴れるわけじゃないし。 人間並みに機微の聞く高級躾済み飼い実装ってやつを部下に見立てて弄ってやるのだ。 そこそこ高かったが、その甲斐あってあいつは随分と面白い反応をしてくれた。 希望を持ってやって来たのに無視されること。 まともに教えてもらわずに仕事を任されて右往左往すること。 聞けって言われたり聞くなって言われたりでどうすればいいかわからなくなってること。 それでも考えて必死にやった仕事に駄目出しされること。 いままでの経験を否定するように小馬鹿にされること。 何もすることがないのに付き合いで居残りさせられること。 上の立場から見ればこんなに面白いことなんだな! 「ま、せいぜい長く苦しんでくれればいいさ」 拷問したり、餓死させたりする気はない。 従順な状態を保ちつつひたすら無茶な仕事を与え続けてやる。 まともに飼うつもりはないから、ペット用の籠や餌も用意していない。 餌は自分が食った残り物で十分だ。あんなモノでも感謝して食ってるんだから笑えるぜ。 昨日の仕事ぶりから見て今日は絶対に無理そうな仕事量を与えてやった。 帰ったら散々駄目出しした上でまたクズみたいな餌を与えてやろう。 あー、今から楽しみだぜ! ……と、意気揚々と歩いていた俺だったが、会社に近づくにつれてその気分は暗く沈んでいった。 「はよ、ざいまーす……」 「コラァ、双葉ァ! テメェ昨日また発注ミスりやがったなァ!?」 今日もまた、低学歴糞上司の怒鳴り声から一日が始まる。 4 仔実装を飼い始めてから一ヶ月が経った。 今日も上司にボロクソに叱られ帰宅する。 長い残業を終え、会社から遅くに帰宅した俺を仔実装が出迎えた。 「お帰りなさいテチご主人様! 今日のわたしのお仕事の出来具合を見てくださいテチ」 「あ、ああ……」 誘われるように奥の部屋に行くと、今朝方わざと散乱させた本がびっちりと並んで本棚に収まっていた。 さらには床もピカピカに磨かれている。いつもの分銅は部屋の隅っこに綺麗に整頓してあった。 「どうでしょうかテチ! なにか良くないところがあればご指導いただきたいテチ!」 「お、おお。ダメだな。全然ダメだ」 疲れているせいで怒鳴る気力もない。 適当に成果を否定する俺だったが。 「ありがとうございますテチ。具体的にダメな箇所を指導いただけるとありがたいテチ!」 「そ、そんくらい、自分で考えろ!」 「わかりましたテチ! やはりご本はよく読まれる漫画本を低い位置にした方がよかったでしょうかテチ? 分銅は三段重ねにしてはいけないと昨日仰ってたから、今日は二段の列を横にしてみましたテチが……」 「あー、もういい! もういいっつってんだろ! 黙れヤマダ!」 俺が怒鳴りつけると仔実装のヤマダ(糞上司の苗字から取った)はぴしっと背筋を伸ばして聞く姿勢を整える。 ビビっている様子ではない。俺の次の言葉を聞き漏らすまいとしているのだ。 「十分だよ、良くできてる! さっさとメシにするぞ!」 「は、はい! ありがとうございますテチ!」 くそ、ちくしょう。 飼い始めた当初は仕事ぶりを褒めるつもりなんてこれっぽっちもなかったのに。 1ヶ月前と比べ、ヤマダの身体は少しだけ大きくなった。 と同時に服の上からでもわかるくらいしなやかな筋肉がついている。 こいつは俺の出す無茶ぶりに必死で応え、今じゃこっちの予想を上回る仕事ぶりを見せてくれやがる。 今じゃ駄目出しするのが難しくらいだ。 いや、本当なら駄目出しする理由なんていくらでも捏造できる。 しかしそれじゃストレス解消にはならない。こいつは何を言っても素直に受け取って改善しようとしやがる。 さっきと矛盾するような命令を与えてもとりあえず新しい命令に従い、それを咎めると素早く是正してくる。 くそ、なんでそんなに素直に言うことを聞けるんだよ…… ころころ言うことを変える上司なんて話を聞く価値もないクズ野郎だろうが…… 「美味しいテチ、美味しいテチ。今日も美味しいごはんをありがとうございますテチ」 カボチャの天ぷらを与えてやるとヤマダは喜んでかぶりついた。 飼い始めて三週間ほどしてから知ったことだが、どうやら人間の食い物は実装石にとってはかなりのごちそうらしい。 てっきりフードを与えるのが一番なのかと思っていた俺は、知らず知らずのうちにとんでもない労働のご褒美を与えていたようだ。 「なあ、ヤマダ」 「は、はいテチ!」 俺から仕事の要求以外で話しかけるのはかなり珍しい。 ヤマダは食事を中断して姿勢を正した。 調教師からは「食事中はそれに集中しろ」と厳しく教わってきたらしいが、俺が食事中だろうと俺の話はしっかり聞けと言ったら簡単に常識の上書きをしたようだ。 「お前、いま幸せか?」 何を聞いているんだろう、俺は。 相手はストレス解消のために飼ったペットだぞ。 「はい、とっても幸せテチ!」 ヤマダは一瞬も迷わずに元気よく応えた。 「厳しいけれど立派なご主人様と暮らせて、ワタシは本当に幸せテチ!」 …… 「最初は辛かったけど、ちゃんと命令を聞いてお仕事をがんばってたらこんなに身体も強くなれたテチ」 やめろ…… 「これもご主人様の言うことをしっかり聞いていたおかげテチ。本当に感謝してるテチ」 やめろ、やめろ…… 「ご主人様、ワタシを飼ってくれて本当にありがとうテチ。ワタシはご主人様の『ペット』になれて本当によかったテ——」 「やめろおおおおおっ!」 俺が怒鳴りつけるとヤマダは喋るのを止めて聞く姿勢を整えた。 流石に少しだけビックリしたようだが、従順に俺の顔を見上げて次の言葉を待つ。 そうかよ。それが答えなのかよ。 理不尽な命令を出す飼い主の……上司の……下で上手くやっていくためには…… 従順な家畜になるのが一番だって事かよ! 「ご、ご主人様? どうしまし——」 「俺はペットじゃねええええええええっ!」 気がつけば拳を振り上げ、ヤマダを殴り飛ばしていた。 「テべェッ!?」 鈍い感触がし、血を吐きながらヤマダが吹き飛んでいく。 何度か床を転がった後、倒れながら恐怖に引きつった顔でこちらを見ている。 「ご、ごごご、ご主人……様……?」 ヤマダに対して直接的な暴力を振るったのがこれが初めてだった。 筋肉がついたといっても所詮は実装石。一撃で頭が大きくへこみ、転がった最中に腕も折れたようだ。 よろよろしながらも立ち上がる仔実装ヤマダ。 俺はその姿から目を背けるように視線を逸らすと、さっさとベッドに入り込んで電気を消した。 5 なんで、殴られたんだろう? こんなの初めてだった。 わたしは知らないうちにそんなに悪いことをしてしまったんだろうか? 「テェ……痛いテチ……」 折れた腕をさすりながら毛布にくるまる。 これは前のが汚れてきたからご主人様が新しくくれた、とても温かい毛布。 ご主人様は厳しいひと。 だけどとっても立派なひと。 言うことを聞いてお仕事がんばったおかげでわたしの身体は前より強くなったし、いろいろと考えて行動することができるようになった。 ご主人様は正しい。 怒られたのはわたしが悪かったからに決まってる。 なにが悪かったのか一晩考えてみよう。 そして、次は絶対に失敗しないようにしよう。 大丈夫。嫌われちゃったわけじゃないはず。 ご主人様は怒ると怖いけど、本当はとても寂しがり屋なひとだって知ってるから。 お外で辛いことがあって悲しんでいる時も何回もあった。 わたしは慰めてあげることはできないけど、ご主人様が大変な分だけわたしも一緒に苦労しよう。 わたしにできることなんてほとんどない。 だけど、わたしはわたしができることを精一杯がんばる。 「ご主人様……ワタシもがんばるから、ご主人様もがんばってくださいテチ……」 翌朝。 結局、殴られた理由はさっぱりわからなかった。 きっとご主人様は外で大変なことがあったんだ。 だったらその苦しさを分け与えてもらうものわたしの役目。 それはそれで気を取り直して、今日のわたしはいつも通りに振る舞おう。 もう腕はすっかり元通りになった。 いつものようにご主人様より早く起きて、段ボールハウスの前で立って待っている。 そしてご主人様がベッドから起き上がると同時に声をかける。 「おはようございますテチ、ご主人様!」 ご主人様がわたしを見下ろしている。 いつもはこの後、大きな声でわたしにどこが良くないかを教えてくれる。 でも、今日はちょっと違った。 「ヤマダ」 とても優しい声でわたしに話しかける。 こんな事は初めてだった。 「昨日は悪かったな。なんていうか、あの後よく考えてみたんだ」 「テ?」 「俺、仕事辞めることにしたよ」 お仕事をやめる? その意味はよくわからなかったけど、ご主人様のお顔はとても穏やかで、なんていうかさっぱりした感じがする。 「俺は会社のペットじゃない。自分の頭で考えて、自分でやるべき事を選べるんだ……そんなことに今さら気付いたよ」 たぶん、ご主人様をずっと苦しめていた辛いのがなくなったんだ。 だからこんなに嬉しそうなんだ。 「お前のおかげだ。ありがとう」 「テェェ……!」 わたしがご主人様になにをしてあげたのかはわからない。 ただ自分のお仕事を一生懸命やってただけだよ。 ……うん、うん! よかったんだ。それがよかったんだ! ご主人様の言うことを聞いて辛いのをがんばったのが、よかったんだ! だってわたしは、ご主人様のペットだから! ご主人様の温かい手がわたしの身体を抱き上げた。 わたしはちょっと迷ったけど、この時初めてご主人様のお手々に頬ずりした。 「ご主人様、大好きテチ……」 透明な涙が一粒、頬を流れた。 6 あー、すっきりした! まったく俺としたことがどうにかしてたぜ! そうだよな。嫌なら辞めちまえばいいんだ。 ペットの姿を見て自分を省みるなんて情けないが、ともかく気づけて良かったぜ。 家畜は何があろうとご主人様に逆らえないし立場も変わらない。 けど、社畜は上司に逆らえなくても自分の意志で脱することができるんだってな! 仕事を辞めると決めたら頭がスッキリしてきた。 さあ、貯金は一応あるが、このままニートになるつもりはない。 辞表を書いて、辞める前に求人を探して次の仕事を決めて……やることは山ほどある。 これからは別の意味で忙しくなるぞ〜 ストレス解消のための仔蟲に関わってる暇なんてないぜ! 「じゃあなヤマダ、いままでありがとさん!」 俺は景気づけに手の中の仔実装を思いきりアスファルトの地面へと叩きつけた。 「ヂッ」 赤緑の染みになった仔実装に背を向け、辞表の文面を考えるため部屋へと戻る。 書き上げたらこの勢いで上司に叩きつけてやるぞ! おわり
1 Re: Name:匿名石 2016/11/28-18:33:13 No:00002978[申告] |
仔が善良極まりないのに理不尽な気もするが
本質的な意味で人を幸せにしたヤマダはその辺の愛誤派に買われた蟲より正しく躾済みペットだったのだ |
2 Re: Name:匿名石 2016/11/28-22:20:36 No:00002980[申告] |
ペット実装よりも糞蟲な人間とか救いようがねえwww
良蟲にせよ糞蟲にせよ、実装石がいたぶられて不幸になるとスカっとするはずなのに 人間のほうがそれ以上に糞だとこんなにモヤっとするんだな |
3 Re: Name:匿名石 2017/07/29-06:21:15 No:00004805[申告] |
途中までモヤモヤしてたのに最後のオチでクスッときてしまったw
こう言うすっごい雑というか投げやりな殺され方良いですね^_^ もっともっと可愛らしい実装をもっともっと投げやりでぞんざいに殺して下さい!! |
4 Re: Name:匿名石 2023/03/18-18:55:43 No:00006945[申告] |
飼い主が死ねば良かったのに |
5 Re: Name:匿名石 2023/09/22-03:10:04 No:00007998[申告] |
オチが酷すぎて吹いた
ヤマダよ安らかに… |
6 Re: Name:匿名石 2023/09/22-08:13:45 No:00007999[申告] |
無茶振り乗り切ったの意外すぎた
イイハナシダナーと思ってたらラストェ… |
7 Re: Name:匿名石 2024/03/26-01:36:53 No:00008951[申告] |
これ好き
気づけば途中からヤマダ応援してた オチも実装モノらしくて良い 他のジャンルだと許されんだろこんなの |