タイトル:【食】 マイちゃんの愛護日誌 ~実装料理を食べに行こう~
ファイル:愛護日誌6.txt
作者:みぃ 総投稿数:41 総ダウンロード数:1420 レス数:18
初投稿日時:2016/08/08-18:24:51修正日時:2023/02/02-21:03:00
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 こんにちは、桐野マイです。
 皆さんは実装料理って食べたことありますか?

 愛護派同志の皆さんなら「あのかわいい実装ちゃんを食べるなんて信じられないザマス!」なんて思うかもしれません。
 でもね、実装ちゃんは美味しいんですよ。
 豚肉のようでエビにも例えられる、なんとも言えない歯ごたえと旨味。
『鍋派』なんていう実装ちゃん食専門の派閥もあるくらいです。

 愛護派だって美味しいものは美味しいです。
 ひよこはかわいいと思うけど鶏肉は食べるって人は少なくないでしょう?

 もちろん食べるのは食用に厳選されて、それ専門に育てられ、適切に調理された仔に限ります。
 間違ってもその辺にいる野良実装ちゃんを食べちゃダメですよ。

 なお、今回のお話は愛護色の極めて薄いカオス回なので、お嫌いな方はこのままバックしてください。
 毎度のことですが、作品を通じて特定の文化や趣向を批判する意図は一切ありません。



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   1

 ある平日の朝、その日は久しぶりにクラスメイトのエイちゃんと一緒に登校していました。
 とりとめのない会話をしながら歩いていると、目の前を近所の幼稚園の団体さんが横切ります。
 遠足でしょうか。きちんと列を作り、隣の子と手を繋いでわいわい騒いでいます。

「かわいいなあ……」

 それを微笑ましく眺めながら呟くと、隣のエイちゃんがスマホを取り出してどこかに電話をかけはじめました。

「も、もしもし、警察ですか? いまわたしの隣で凶悪な人物が園児を狙ってます! 子どもたちが危ないので早く来て下さい!」
「ちょっと、なに通報してんの!?」
「だってマイちゃん、いつもかわいいって言いながら殺すじゃない!」
「人間はころさないよ!? ころすのは実装ちゃんだけだよ!」

 大声で反論すると、園児たちの不審そうな目が私たちにに集まりました。
 とりあえず慌ててエイちゃんからスマホを振り上げ、警察の人に今のは冗談ですと伝えようとしますが。

『ぼん、ぼん、ぼーん。八時、十、四分です』

「なーんちゃって」
「この……」

 騙されました。友人Aのくせにとんでもないアマです。
 とりあえず周囲の人が本当に通報しようとしたので全力ダッシュでその場を離れます。

「なんで朝から、こんな、走らなきゃ……」
「あはは。スリルがあって面白かったね」

 涼しい顔でそんなことを言うエイちゃんです。
 真面目にぶっころしてやりましょうか。
 砕いて実装ちゃんの餌にするか。

「ゴメンね? 謝るから恐ろしいこと考えるのやめてね?」

 もちろん冗談ですが。
 というか、以前から思ってましたが、この子って人の心を読んでるような気がするんですが。

「あれ、言ってなかったっけ? わたしの固有能力は『親友読心(クロスリーディング)』。マイちゃんの心の声が聞こえるの」

 なにそれこわい。ストーカーまったなしじゃないですか。というかなんで私限定なの?
 友人だと思ってた子との付き合いを改めて考える私ですが……

 うわっ!

「ん、どうしたの?」
「いや、ちょっと……」
「ハッキリ考えて。ちゃんと地の文として描写してくれないとわからないよ」
「メタんな。じゃなくて、こっちはヤバいからあっちの道から帰ろう」
「どうして? 遠回りだよ」
「なんでもいいから、っていうか早く——」
「あらあ、マイちゃんじゃない」

 ぎくり。
 やばい、見つかった。

 ぎぎぎ、とロボットのように振り向いた私は、すぐそばに笑顔の女性が立っているのを見つけます。
 とあるお嬢様私立高校の制服。
 やや色の薄い髪は染めているわけでない天然の亜麻色。
 とびきりの美人ですが、最近のいわゆる量産型アイドルタイプではありません。
 本物の深窓の令嬢の風格があります。

「こ……こんにちは、那磨さん」
「偶然だけどちょうど良かった。放課後にマイちゃんに会いに行こうと思ってたんだ」
「それは一体どんなご用件で……?」

 彼女の名前は那磨さん。
 以前に実装ちゃん関連のイベントでお知り合いになった人で、実装ちゃんに対する愛情は私にも引けを取らない方です。
 が。
 まあ、ちょっと趣味が合わないと言いますか……

「あのね、『なべは屋』の半額チケットが手に入ったから一緒に行かないかと思って」
「なんと!?」

 なべは屋。
 南関東で唯一の実装ちゃん専門料理店です。
 数年前の実装ちゃんブームは過ぎ去り、関連ショップは次々と閉店。
 とくに実装ちゃん料理のお店は度重なる愛護団体からのクレームもあり、そのほとんどが店を閉めてしまいました。

 そんな中で未だに営業を続けているなべは屋は、鍋派でなくとも関東の実装ちゃん好きなら知らぬ者のない有名店舗です。
 供給が少ない分、お値段もかなり高めですが。
 うちから遠いこともあって一度も言ったことがないのです……
 これは……凄まじい誘惑です。

「ぐ、ぐぬぬぬ……」
「でね、半額チケットは3枚あるんだけど……あなたマイちゃんのお友達?
 よかったら一緒にどうかなあ。今週末の予定なんだけど」

 那磨さんは私が悩んでる間にエイちゃんを誘っています。
 エイちゃんは少し困ったように答えました。

「ごめんなさい。わたしはちょっと用事があるので」
「あら、そうなんですか」
「というか実装石料理とかキモすぎて死んでも食べたくないです」
「あら、そうなんですか」
「なので、よかったらうちの妹を連れていってあげてくれませんか?」

 エイちゃんの妹と言えば数ヶ月前に虐殺派に目覚めたB子ちゃんです。
 まだ小学校低学年ながら仕留めた実装ちゃんの数は3桁に達したと、この前会ったとき嬉しそうに語っていました。

「じゃあ決まりですね。週末を楽しみにしてますよ」
「あれ、決まっちゃったの? 私に選択の余地は?」
「マイちゃんが一緒に来てくれると本当に助かるわあ」

 かわいらしく両手を合わせて喜ぶ那磨さん。
 彼女は私に2枚のチケットを押しつけると、嬉しそうに小走りに去って行きました。

「綺麗なのに強引な人だったね」
「うん……」
「実装石が好きって事は、やっぱりあの人も見かけによらず頭がおかしいのかな?」
「うん……って、それ遠回しに私のことディスってる?」
「やだなあ。遠回しなつもりなんてないって」

 やっぱりこのアマは近いうちに消しておいた方が良いかもしれません。
 それにしても……那磨さんかあ。

 はあ。
 まあいいや、こうなったら割り切って楽しんじゃいましょう!



   2

「今日はおまねきいただいてありがとうございます!」

 丁寧にぺこりと頭を下げて挨拶するエイちゃんの妹のB子ちゃん。
 こうしていると普通のかわいい小学生にしか見えませんね。

「同じ実装石好き仲間ですものね。仲良くしましょう」
「はい!」

 那磨さんとB子ちゃんは派閥としては相容れないはずなんですが、良識をわきまえた実装ちゃん好きは他人の趣向を否定したりしません。
 現に私も愛護派ですが、虐殺派のB子ちゃんとは普通に仲が良いです。

「楽しみですね、あねご!」
「あ、うん」

 何故か虐殺派から多大な尊敬を受けているのは不本意ではありますがね。

 というわけで、週末です。
 地元駅で待ち合わせした私たちは、そのまま電車に乗ってなべは屋のある8OJ市を目指します。
 KQ線から途中でYH線に乗りかえ終点まで。
 移動中は普通の女子高生&小学生らしく、あまり実装ちゃん関連の話はしません。
 というかお互いに派閥が違いすぎて共通の話題がないのですが。
 昨日のテレビは何を見たとか学校で最近何があったかとかを話します。

 電車に揺られることほぼ一時間。
 私たちは事件に巻き込まれることもなく無事に8OJ駅に辿り着きました。
 あえて語るとすれば町田駅で乗ってきて大音量で騒いでたチャラ男どもを始末して窓から捨てたことくらいでしょうか。

 さて。

「いたたた……」

 ずっと座りっぱなしだったのでかなり疲れました。
 YH線は一駅ずつ停まるのでよけいに長く感じます。
 随分と遠くまで来てしまいました。駅前は普通の地方都市って感じですね。
 さて、目的のお店はどこにあるのでしょうか……と考えながら周りを見回すと。
 

「あ、実装ちゃん!」

 壁際を一匹の成体実装ちゃんが歩いているのを見かけました。
 餌を探していたのか、片手にビニール袋を持っています。
 さすがに大手を振って歩いているわけではなく、人目を避けながらこっそり移動している風でしたが、こんな風に街中で野良実装ちゃんを見つけるなんてYH市ではまずありません。

 その姿に最初に気付いたのは私でしたが、最も早く行動したのはB子ちゃんでした。

「ヒャッハー!」

 彼女は頭に『塵—MINAGOROSHI—』と書かれたはちまきを素早く巻くと、鞄の中から『武器』を取りだして野良実装ちゃんに向かって駆け出します。

「デス?」

 自分めがけて走ってくるB子ちゃんの存在に気付いた野良実装ちゃんは、一瞬呆けた顔をしたものの、すぐに現状を理解して顔色を変えました。

「ぎゃ、ギャクタイハデス!?」

 即座に彼女は近くの茂みに向かって走り出します。
 逃亡ルートはあらかじめ決めていたのでしょうか、迷いがない動きです。
 しかし彼女は気付くのが遅すぎました。

 もしも狙われたのが普通の虐待派ならば助かったかもしれません。
 いえ、それ以前にこんな街中で虐待派が堂々と暴れるなどとは思わないでしょう。
 そんなネジの飛んだ人間よりはまだ仕事中の駆除業者に出くわす確率の方が高いかもしれません。

 ですが、B子ちゃんの狂気はそんな次元ではありませんでした。

「爆ぜろォ!」

 B子ちゃんは手にした武器——手榴弾を野良実装ちゃんに向けて投擲しました。

 だんちゃーく……いまっ。

 どっごぉぉぉぉぉぉん!

「デボワァァァァァァァァァッ!?」

 B子ちゃんが投げた手榴弾は野良実装ちゃんの身体を爆発四散させ、ついでに駅ビルの一部を盛大に吹き飛ばしました。
 当然、その轟音は駅前に響き渡ります。

「な、なんだ、テロか!?」
「実装石が爆発した! 生物爆弾だ!」
「近くに女の子がいるぞ、早く避難させろ!」

 ギャラリーたちが大騒ぎする中、私は急いでBをちゃんを後から抱きかかえて逃げ出しました。
 
「きゃあああ、こわあい!」

 被害者のフリをしながらその場を離れます。
 逃げながら腕の中に抱きかかえたB子ちゃんにお説教します。

「っていうかいきなりなにやってんの!? ふつう街中で手榴弾とか使う!?」
「てへ、ごめんなさい♪」
「ごめんなさいじゃないし!」

 このB子ちゃん、以前は普通の愛護派でした。
 むしろ愛誤派と言っていいほどで、飼っていた実装ちゃんを増長させてわるい仔にちゃうくらい甘い子だったんですがね。

 あるとき、飼い実装ちゃんのあまりのわるい仔っぷりに耐えきれず叩き潰してしまいまして。
 それで変な快感に目覚めたらしく、8歳という若さで虐殺派として覚醒したのです。

 しかも火薬を使うのを好み、実装ちゃんを木っ端微塵に粉砕するのが特に好きらしいです。
 あえて細かく分別するなら爆殺派とでもいいますか。とんだぴちがいです。

 いや、実装ちゃんが関わらなければ今も普通の小学生なんですがね……

「とにかく今後は爆発物禁止! やるにしても人気がないところでやって!」
「はーい」
「あらあら」

 私たちの少し後ろを那磨さんが困ったような顔で追いかけていました。



   3

 はぁはぁ……
 と、とりあえず、駅から数百メートルほど離れた国道まで対比することに成功しました……
 遠くでサイレンの音が聞こえますがとりあえずは大丈夫でしょう。

「マイおねえちゃん、ごめんね?」

 かわいらしく首をかしげて謝るB子ちゃんですが、騙されませんよ。
 さて、気を取り直して目的のお店を探しましょう。

「あ、実装ショップがありますよ?」

 那磨さんが目ざとくその店を見つけます。
 国道沿いに店を構えるのは確かに実装ショップです。
 私の行きつけのショップより二回りくらい大きいでしょうか。

「時間も余裕あるしちょっと寄っていきましょう」

 そう言って那磨さんはひとりでショップに入っていきます。

「こんな所まで来てわざわざショップですか?」

 B子ちゃんが当然の疑問を呟きます。
 確かにショップなら数は少ないとは言えYH市にもあります。
 ですが、彼女の行動には理由があるのです。

「那磨さんは近所のショップじゃ軒並み立ち入り禁止だからね」
「なんで?」
「一緒に行けばわかるよ」

 首をかしげるB子ちゃんの手を引き、私たちはショップの中に入っていきました。
 那磨さんはすでに中で物色を始めています。
 入り口近くでテチテチレチレチ騒いでる未調教の安物には目もくれず、奥の個別ガラスケージに入った高価な調教済み実装ちゃんを眺めてはうっとりした目になっています。

「こちら千分の一匹といわれる優良個体を、超一流の調教師が丹精込めて躾けたものでして」

 良客の来店だと思われたのでしょうか、那磨さんの隣では店員さんが必死にセールストークをしています。
 彼女のお嬢様然とした雰囲気がお金を持っているように見えるのかもしれません。

「それじゃ、この仔をください」

 那磨さんはそう言うと、7千円という値札のついた仔実装ちゃんのケージを指さしました。
 店員さんはほくほく顔でケージの反対側に周り、仔実装ちゃんを取り出します。
 さすが調教済みの賢い個体らしく、その仔実装ちゃんは両手を挙げて優しそうなお客さんに買われたことを喜んでいました。

「うわ、本当に買っちゃいましたよ。お金持ちですねえ」
「B子ちゃん」
「はい?」

 私は後ずさり、入り口のドアを半開きにしたままB子ちゃんに言いました。

「よく見ておくと良いよ。あなたも相当イカレてるけど、上には上がいるってことがよくわかるから……」

 レジでの支払いが終わり、厚紙の中に綿を強いた簡易ケースに仔実装ちゃんを入れてもらいます。
 あまり狭い空間に閉じ込めておくのは良くないので、普通はすぐ持参のケージに移すべきなのですが、当然そんなものは持ってきていません。
 仔実装ちゃんのケースを受け取った那磨さんは、レジに背を向けるとそれを早速開けてしまいました。

「あ、あの、那磨さん。一応言っておくけど外に出てから……」
「うふふ。かわいいわあ」

 ダメです。那磨さんの視線は買ったばかりの高級躾済み仔実装ちゃんに注がれ、私の声など聞こえていません。
 諦めて私は退路を確保しつつ、少しの興味を引かれてリンガルを起動しました。

「ご主人様、初めましテチ! ワタシを買ってくれてありがとうございますテチ!」
「挨拶もキチンとできるのね。本当にかわいいわあ」

 那磨さんは仔実装ちゃんをケースから取り出すと、彼女を顔に近づけそっと顔に唇を当てました。

「ちゅっ」
「テチャ!」

 それは一見すると親愛の籠もった柔らかなキス。
 レジの店員さんは微笑ましそうにニコニコと那磨さんの姿を眺めています。
 仔実装ちゃんも同じように感じたのでしょう。嬉しそうにテチャテチャとはしゃいでいます。
 B子ちゃんだけは何かを感じ取ったのか、私の手を握る力がぎゅっと強くなります。

「ご主人様、嬉しいテチィ。よかったらワタシも……」

 仔実装ちゃんが前のめりになって那磨さんに顔を近づけようとしています。
 お返しのキスをしようとしているのでしょうか。
 しかし、那磨さんは彼女の望みを叶えてあげませんでした。

 片手で仔実装ちゃんを抱えたまま肩にかけたポーチを開けます。
 そこから黒い液体の詰まったビンを取り出しました。
 親指で器用に蓋を開けると、その中身を仔実装ちゃんにどぽどぽとかけてしまいます。

「テチャ!? ご主人様、何するテチ!?」

 優しいはずのご主人様の突然の行為に仔実装ちゃんは戸惑います。

「染みるテチ! ベタベタするテチ! からいテチ!」

 とにかく目元の液体だけでも拭おうとする仔実装ちゃん。
 なんとか視界を取り戻したらしい彼女は、また目の前に那磨さんの唇が迫っているのを目にします。

「ご主人様……♪」

 またキスをもらえると思ったのでしょうか。
 痛みも不快感も忘れてうっとりした声を出し、両手を前に差し出す仔実装ちゃん。
 そんな彼女の右手を那磨さんの唇が包みます。

「テ? ……テッチャァァァァァァァッ!?」

 ぶちっ、と。
 那磨さんの唇が離れたとき、仔実装ちゃんの右手は付け根からなくなっていました。
 くちゃくちゃ、と那磨さんが租借する音がお店の中に響きます。

「な、ななな、なにするテチ!? なんでワタシの手を食べちゃうテチ!?」
「ああ、おいしいわあ……♪」

 那磨さんはもう一度顔を近づけます。
 こんどは仔実装ちゃんも恐怖を感じたのか、必死に残った左手を振って抵抗しようとします。
 しかし那磨さんの唇はすでになくなった右手側から胴体を思いっきり噛みちぎりました。

「ヂュアァァァァァッ! 痛いテチャァァァァァァッ!」

 あまりの痛みと恐怖に仔実装ちゃんはケースの中でぶりぶりぶりとうんちを漏らしてしまいます。
 けれど那磨さんは気にすることなく、内臓がこぼれないよう傾けながらなおも仔実装ちゃんにかぶりつきます。

「ごめんなさいテチ! わるいことしたなら謝るテチ! ちゃんと言うこと聞くテチ! 許しテチ!
 ワタシからチュウをしようとしたのがわるかったテチ!? ゴメンナサイテチ! もう二度としないテチ!
 いい仔になるって約束するテチ! お役に立つよう頑張るテチ! お願いテチ! 許しテチ!
 ワタシは食べ物じゃないテチ! 許しテチ! ワタシを食べないでくださいテチィィィィィィィィッ!」
「あーん……がぶっ」
「ヂィィィィィィィィィィィィィィッ! ヂィィィィィィィィィィィッ!」
「がぶ、もしゃ、ぐちゃ、ごき、くっちゅくっちゅ……」

 ぱきん。

 仔実装ちゃんの偽石が割れる音が響きますが、那磨さんは気にすることなく仔実装ちゃんの身体を食べ続けます。
 服も、内臓も、頭も、身体も、下半身も。
 気付けば仔実装ちゃんがこの世に生きていた証は、ケースの中に漏らしたうんちを残して完全に消滅していました。

「ごちそうさまでした♪」

 満足そうにお腹をさすり、ケースを折りたたんで手を合わせる那磨さん。

「き……きゃあああああああああああっ!」

 あまりの事に呆気にとられていた店員さんが、絹を裂くような叫び声を上げました。
 私は即座にB子ちゃんの手を引いてショップから逃げ出しました。



   4

 さて、改めてご紹介しましょう。
 那磨色子(なま・しょくこ)さん。年齢は私よりひとつ上の高校二年生。
 亜麻色の髪の美少女で、実家はとんでもない大金持ち。
 市内でも知らない人のない超お嬢様学校に通っているガチのご令嬢です。

 実装ちゃん大好きであるのは私と一緒なんですが……
 彼女の趣向は大きい分類においては『鍋派』。
 つまり実装ちゃんを食べるのが大好きな人なんですが、その中でも特にぶっ飛んでる『生食派』なのです。

 普通、実装ちゃん料理といえば下味をつけた上で、必ず煮る焼く蒸すなどの加熱をします。
 もちろん食用は血抜き・内臓除去は必須。髪や服などは取っておきます。
 そうしないと強い臭みが残って食べられたものではないのです。
 まあ、一言で言えば実装ちゃんは生で食べるような食物ではないのです。
 牛肉好きな人だって牧場の牛さんにいきなりかぶりついたりしないでしょう?
 一般的に生で食べられるのはお肉の柔らかいうじちゃんくらいなのですが……

「ああ、おいしかったあ♪」

 全力ダッシュでショップから逃走し、満足そうに微笑む那磨お嬢様。
 この言葉と表情だけ見れば高級スイーツでもお召し上がりになった後に見えるでしょう。
 ぶっちゃけ味覚とか神経とか常識とかいろんなところが狂ってます。

「姉御、ヤバいっす。この方マジでぶっ飛んでるっす」

 駅前テロのB子ちゃんも怯えっぱなしです。
 那磨さんはといえば気にした様子もなく口臭スプレーと香水で死の香りを払拭していました。

 まあ、那磨さんがぴちがいなのは今に始まったことではないので、気を取り直して当初の目的地へ向かいましょう!

 スマホでお店の名前を検索し、地図アプリを開きます。
 最初からこうすれば良かったですね。ここからなら十分に歩いて行ける距離です。

 道すがら、私はB子ちゃんに耳打ちします。

「B子ちゃん、さっきのアレを見た後でも大丈夫?」
「あ、はい。生じゃないなら問題ないです」

 那磨さんの生食を見た後でげんなりしていたらどうしようかと思っていましたが、さすが虐殺派のB子ちゃんです。
 小学生ながら割り切った考えのできる賢い子です。

 スマホを片手に持った那磨さんの後に続き、私たちは繁華街の裏路地へと入っていきます。
 さすがに実装ちゃん専門料理店は表通りにはないみたいですね。
 しかし日の高い季節だからいいものの、女の子だけで夜中に歩くにはちょっと抵抗がある感じの路地です。
 わるい人に襲われたらどうしましょう。刃傷沙汰とか勘弁して欲しいです。

「あ、ここよ、ここ」

 那磨さんが指さしたのは場末の居酒屋といった雰囲気の佇まいのお店でした。
 大きな○の中に『な』と書かれた暖簾が垂れ下がり、招き猫の代わりに前掛け姿の1/1成体実装ちゃんの人形が飾ってあります。
 ぶっちゃけ、未成年の女の子三人組にとってはかなり敷居が高い雰囲気です。
 しかし那磨さんは一切の躊躇なく扉を開けて中に入っていきました。

「ごめんください〜」
「へいらっしゃ……い?」

 奥から景気の良い職人さんの声が聞こえました。
 が、その声も私たちの姿を見るなり微妙にトーンダウンします。
 職人さんは訝しそうな目で那磨さんを睨み付けます。

「お嬢ちゃんたち。入る店を間違えてないか?」
「いいえ。実装料理専門店『なべは屋』さんで間違いないですよね?」
「ああ。間違いない。初級コースでいいか?」
「上級コースでお願いします」
「……いちおう聞いておくが、冷やかしじゃないだろうな? うちは愛護派お断りだぞ」
「えっ! それじゃ私ダメじゃないですか! 残念だけど出直しましょ——はうっ!?」
「はい、問題ないですわ」

 い、痛いよ那磨さん……なにも鳩尾に肘を叩き込まなくても……
 まあ嘘をつくのは心苦しいですが、せっかく来たのに追い出されても困ります。
 ここは涙をのんで虐待派のフリを貫きましょう。がおー、いじめちゃうぞー。



   5

 というわけで、奥のお座敷席に案内されました。
 しかし、ざっと周りを見回したところ、お客さんは背広姿のサラリーマンやいかにも肉体労働者って感じのおじさんばかりですね。
 ますます私たちは場違いな気がします。

「那磨のあねご、さっきの初級とか上級とかってなんですか?」

 いつの間にか那磨さんの扱いをランクアップさせたB子ちゃんが尋ねます。

「実装料理における区分よ。上級席は席料がかかる代わりに、初・中・上ぜんぶの料理が頼めるの」

 テーブルの上には簡易コンロとおしぼり、そして三つのメニュー票が置いてありました。
 那磨さんはそれをひとつずつ手にとって説明します。

「初級は実装石の形をしていない料理のこと」

 実装料理は食べてみたいけど、人の形をした生き物を食べるのは抵抗ある……そんな人のための料理ですね。
 メニューを見ると『仔実装肉のハンバーグ』『実装メンチ』『実装カルビ』『頭なしジソエビ』などとあります。

「却下ですね」
「そうね、却下ね」

 次は中級および上級のメニューを手に取ります。

「中級以上は基本的に実装ちゃんが原形を保っているもの。
 上級はテーブルに出された時点でまだ生きているもののことね」
 
 命が消える瞬間を楽しみたいなら上級、単純に味を求めるなら中級ですね。
 基本的に下ごしらえだけされた具材を自分で楽しむ上級に比べて、中級はお店の人によってキチンと調理された状態で出てくるので。

 中級のメニューを見ると『仔実装餃子』『仔実装いなり』『親指串焼き3本セット』『仔実装のひらき』『仔実装刺身姿造り』『仔実装一匹味噌汁』などがあります。
 個人的には仔実装ちゃん餃子はかなりおいしいのでオススメですね。
 お腹を切って内臓をとって骨を砕き、挽肉と野菜を混ぜた具を入れて油で焼いた逸品です。

「ご注文はおきまりになりましたデス?」

 リンガルの合成音声が聞こえて私たちは一斉に振り返ります。
 そこには割烹着姿の成体実装ちゃんがいて、注文用紙を抱えていました。
 胸の名札には『ありす』と書いてあります。

 メニューにはすべて番号がふってあり、どうやらこの注文用紙に番号を書いてありすちゃんに渡せば料理が出てくるシステムのようです。
 しかし、このありすちゃん……

「苦労してるんだねえ」
「デッ!?」

 私が呟くと、彼女はぎくりとしてこちらを見ました。
 どんな理由があって働いているかは知りませんが、同族を料理するお店で働くのはかなりのストレスでしょう。
 彼女の顔には日々の生活に疲れたサラリーマンのような悲しみの色が深く刻まれていたのを見逃しません。
 まあ、言っても仕方ないですけど。

 私たちは上級メニューを拡げました。
 上級にも『高級山仔実装ミディアムステーキ』などの一品料理もありますが、基本的にテーブルの上でトドメを刺すだけなので中級とそれほど代わりありません。
 高級ステーキ屋さんとかで最後の仕上げとしてお客さんの前でソースをかけるのと同じですね。

「オーソドックスにお鍋でいいかしら?」
『はーい』

 実装ちゃん食の専門が『鍋派』と呼ばれるように、お鍋は実装食の基本中の基本です。
 まずは元となる鍋の種類を選び、それと別に活きの良い(普通に動き回れるくらい元気な)食用親指ちゃんを注文します。

 鍋は『すき焼きべース』『湯豆腐ベース』『キムチ鍋ベース』『ちゃんこベース』などいくつか種類があります。
 ちょっとお値段は高いですが『山仔実装出汁鍋』などもあります。
 一番人気はキムチ鍋ベースと書いてありました。

「湯豆腐ベースで」
「異議なし」
「わたしもそれがいいです」

 次に食用親指ちゃんの種類を選びます。
 鍋に入れる親指ちゃんは下ごしらえだけ済ませた元気な仔が運ばれてきます。
 内臓除去は当然として、空いたお腹には『肉詰め』『香草詰め』『しょうゆ味付け』『塩味』などがあります。
 ちなみに一番人気はキムチ詰めらしいです。

 さらに別料金を追加すれば親指ちゃんの性格を『アゲ済み』『増長済み』『絶望済み』などに変えられ、微妙に味が違います。
 ちなみに一番人気は性格=キムチらしいです。


「肉詰め6匹、しょうゆ味付け3匹で。足りなかったら追加しましょう」
「性格はどうするデス?」
「普通で。あとは白いご飯と実装酒を一本お願いします」
 
 ちなみにお店が未調理で出せるのは親指かうじちゃん(ジソエビと言います)だけという決まりがあります。
 色目揃えで産ませられるのでコストが安く大量生産できるという理由もありますが、非加熱状態の仔実装ちゃんは鮮度面の問題や骨が固くて危ないなどリスクが高いそうです。
 こっそり出してるお店は摘発対象になるそうです。
 ちなみに、一部の高級山実装や食用飼育されたものを除けば中実装以上は基本的に食材として扱われません。

「あねご、お酒を飲むんですか? ヤンキーですね」
「違う違う、私が飲むわけじゃないよ」
「っていうかさっきからティッシュを丸めてなにやってるんですか?」
「それも見てればわかるから」

 程なくしてお鍋が運ばれてきました。
 中には昆布だしの入ったお湯が溜まっています。
 人間の店員さんがコンロの上に置き、火をかけてくれました。
 それと別に大皿に乗った豆腐と白身魚。
 そして洗面器のような大型のボウルの中には……

「レチー、レチー」
「レチィ……」
「レェェェン、レェェェン」

 9匹の禿裸親指実装ちゃんがレチレチと騒いでいます! かわいい!
 うち3匹ほど色がやや黒っぽいのはしょうゆ味の仔でしょう。

「しっかり赤くなるまで茹でてからお召し上がり下さいね」

 店員さんはそう言って下がっていきました。

「さあてマイちゃん、よろしくね」
「任せて下さい。きっちり鍋将軍を務めて見せますよ!」
「あねご、それを言うなら『なべぶぎょう』じゃないですか?」

 B子ちゃんに微笑みかけてから私はリンガルをボウルの横に置きます。
 ちなみに基本的に実装料理店でリンガルを使うのはマナー違反とされています。
 なのでバレないように気をつけましょう。

「こんにちは」

 ボウルの中を覗き込みながら挨拶すると、9対の悲しげな視線が私に集まりました。

「ニンゲンサン、お願いレチ、ワタチタチを食べないで下さいテチ」
「ワタチ、まだ死にたくないレチ」
「ママに会いたいレチィ……レェェェン、レェェェン……」

 親指ちゃんたちは現状を正しく把握しているみたいです。
 これが性格=増長とかなら自分が食用だと知らされていなかったりして、それはそれで面白かったりするんですが。

 さて、それじゃ始めましょうか。

「ううっ、こんなかわいい親指ちゃんを食べるなんてできないよ……っ」
「……レ?」

 できるだけ悲しげな顔を作って演技をします。
 すると親指ちゃんたちの顔つきが変わりました。
 悲しみに染まった顔から、わずかな期待を宿した色へと。

「どうしよう、こっそり持って帰って飼っちゃおうかしらっ」
「レェッ!? レェェッ!?」

 隅っこで泣いている仔と諦めたように体育座りをしている仔を除いた七匹が私の顔を食い入るように見つめます。
 一番元気そうな仔が話しかけてきました。

「ニ、ニンゲンサン、それ、本当レチ!? 本当にワタチタチを飼ってくれるレチ!?」
「うん。あなたたちみたいなかわいい仔、やっぱり食べられないよっ」
「ワタチタチ、食べられちゃわなくても大丈夫なんレチ!?」

 自分たちが食用であることを知らされどれだけ絶望したのでしょう。
 まるで雨上がりの空から除く太陽の光のような希望が拡がります。

「もちろんだよ、ほら!」

 そして一匹をボウルからつまみ上げます。
 親指ちゃんは反射的にびくっとしましたが、彼女をティッシュを重ねて作った即席のクッションの上に下ろすと、落ち着いたのかホッと息をつきます。

「ほら、ふわふわのベッドだよ。飼い実装の証拠だよ」
「レェェ……!」

 同じように残りの8匹もテーブルの上に作ったティッシュクッションの上に移動させます。
 飼いという概念はあっても、それがどんなものか知らない彼女たちは簡単に信じてしまいます。

「カイレチ! ワタチ、カイジッソウになれたレチ!」
「嬉しいレチ! ワタチは自由レチィ!」

 さっきまで塞いでた2匹を含め、9匹の親指ちゃんはあっという間に元気になってしまいました。
 そこで取り出したりまするのはスーパーボールです。

「ほら、遊ぼ!」

 テーブルの上でスーパーボールを転がすと、親指ちゃんたちが一斉に集まって来ます。
 レチレチ騒ぎながらボールを叩いたり蹴ったりして遊ぶ親指ちゃんたち。
 私は全員がボールに触れられるよう上手く誘導します。

「さ、遊んだ後はおやつにしよう!」

 一分ほどボールを転がしたら、親指ちゃんたちにチョコレートを配ります。
 別に頼んだ実装酒に漬けておいたものです。

「レェッ、おいしいレチュ!」
「こんなアマアマなの始めた食べたレチ!」
「おいしいレチ、うれしいレチ」

 ある仔は涙を流しながら、ある仔はぴょんぴょんと全身で興奮を荒鷲ながら喜んでいます。
 彼女たちの心は十分に満たされたようですね。さあ、最後の仕上げです。
 一匹ずつティッシュクッションの上に戻しながら、私はこう言います。

「あなたの名前はずんちゃん」
「レッ!?」
「あなたはどこちゃん」
「レレッ!?」
「あなたはべろんちょちゃんね」
「レチー、レチーッ!」

 一匹ずつ即席で考えた名前を与えていきます。
 おそらく生まれて初めての娯楽と甘味を味わった食用親指ちゃん。
 さらに名前までもらえて、みな幸せそうな表情をしていました。

「嬉しいレチ、幸せレチィ」
「ニンゲンサンありがとレチ。ぜったいに良いカイジッソウになるレチ」
「ふわ〜ぁ……レチ……」

 彼女たちはチョコに染みこんだお酒のせいもあり、頬を赤らめながら眠りに落ちます。
 全員が眠ったところで、那磨さんがスマホのストップウォッチアプリを止めて言いました。

「2分53秒。さすがの即席愛護ね、マナちゃん」
「どうも」

 まあ実装ちゃんを愛するのは慣れたものです。

「で、これからどうするんですか?」

 私の愛護活動をつまらなそうに見ていたB子ちゃん。
 彼女もお腹が空いてるでしょうから、あまり待たせるわけにはいきませんね。

 私は幸せそうに眠っている親指ちゃんの一匹を手に取り、湯気を立てる鍋の上に持っていきました。
 親指ちゃんはわずかに身じろぎしたものの目を覚ますそぶりはありません。
 左手は両腕を押さえるようにキッチリ固定し、右手は頭を包むように持ちます。

 せぇの。

 きゅっ。ぼきっ。

「……チ!? ……!?」

 親指ちゃんの首を300度捻ります。
 首の骨が折れてほぼ致命傷。
 ですがまだ死んでません。
 半分濁った目でビクンビクンと痙攣する親指ちゃん。
 その身体をお湯の中に沈めます。
 この時、身体を上にして向いた顔を下にするのがコツです。
 同じようにもう一匹も首を折ってお鍋に投入。
 やがて「パキン」「パキン」と乾いた音が連続で響きました。
 身体が赤くなり、ほとんど動かなくなった所で親指ちゃんをお湯から引き上げます。

 アツアツのゆで実装ちゃん二匹をお皿の上に置くと、那磨さんとB子ちゃんから拍手をもらいました。

「さっすがマイちゃん、腐れ外道〜!」
「あねご、マジぱねぇです。見事すぎるアゲ落としです。とんでもない外道です」
「おい」

 おまえらにだけは言われたくないです。

 というかアゲ落としじゃないし!
 茹でてる時の親指ちゃんはお酒で意識がもうろうしててほとんど頭も働かないはずだし、自分に何が起こってるのかもわかっていないはずです。
 つまり親指ちゃんは幸せな状態のまま眠り、パキンしたはずです。
 アゲじゃなくてハピネスチャージです。
 前後不覚状態は命のロスタイムなのでカウントしません。

「さ、とにかく食べてみて」
「って言ってもどうやって食べるんですか?」
「こうやって、頭を掴んで身体だけ一口で……」

 説明しながら実際にやって見せます。
 実装料理の頭部は好き嫌いが分かれるので、具が詰まっている身体だけ食べるのが基本です。

 では、いただきます。

 ぷちっ。

 こりこり。

 うーん、美味しいです!
 噛みつぶすたびにうまみを閉じ込めたお肉がはじけ、お腹に摘めた香草に染みこんで口の中に拡がります。
 したたるような甘い命の味はまさに絶品!

 一般的に、食用実装ちゃんは虐待でストレスを与えるほど肉が締まって美味しくなるといわれています。
 それはある意味で事実なのですが、それとは真逆に「幸せを身体いっぱいに味わった実装ちゃん」は理屈で証明できない甘みを身体に宿すんですね。

 これらの真逆な特徴を両立させるため、あえて即死させずに臨死痙攣をさせました。
 この方法でもパキン直後なら問題なく引き締まったお肉を食べられます。
 私は愛護派なので虐待なんて酷いことはできませんからね。

 もちろん、これだけ美味しくなるのは素材が一級品だからでしょう。
 近所のショップで買えるような仔実装ちゃんの串焼きとは明らかに風実がちがいます。
 大量生産の親指ちゃんとはいえ、厳選された山実装の出産石から産まれた仔たちなのですから
 さすがなべは屋、来て良かったなあ。

「それじゃ、いただきます」

 B子ちゃんは私のやったとおりに頭を掴み、そのまま一口で胴部を噛みちぎります。

「あっ、おいしい!」
「でしょ?」

 どうやらB子ちゃんも気に入ってくれたようです。

「シメるの、わたしもやってみていいですか?」
「どうぞ」

 B子ちゃんは幸せそうに眠る親指ちゃん(しょうゆ味)を掴むと、私と同じように首に手をかけます。

 ぽきり、ぶちっ。

「ヂッ」
「あっ、頭とれちゃいました!」
「したらすぐにお湯に入れて。死んじゃった仔は放っておくとすぐ色が変わっちゃうから」

 身体だけお鍋の中に落とし、頭部はボウルに戻します。
 胴部はさっきと同じように赤く茹で上がりますが、ボウルの中の頭部はみるみるうちに紫色に変色していきます。
 すくい上げた胴部をB子ちゃんに取って上げます。

「ああ、即死させちゃうと全然ちがいますね。歯ごたえがありません」
「でしょ?」

 親指ちゃんを美味しく食べるのはこう見えて難しいんですよ。
 死んじゃってから茹でるよりかは、普通に生きたまま茹でた方がまだ美味しくなります。
 熱い熱いと苦しみ逃げようとするところを観察しながら食べるのが良いのだと虐待系鍋派は言いますが、もちろん私はそんな残酷なことはとてもじゃないけどできません。
 なので同じように何匹か連続で首を捻ってお湯に沈めます。
 茹ですぎでも味が変わってしまうので、あまりいっぺんには入れられませんね。

「……ヂ……!?」
「……!? ァァ……」

 お鍋の中で親指ちゃんたちが死の煉獄ダンスを踊っています。
 くふふ、なんてかわいいんでしょう。

「さて、それじゃ私もいただこうかしら」

 那磨さんがティッシュの上で寝ている親指ちゃんを手に取ります。
 彼女はそれを鍋に入れず、ごはんの上にのせるとそのまま生で頭から齧り付きました。

「ヂッ」
「くっちゃくっちゃにちゃにちゃ」
「うわあ……」

 さすが生食派。店員さんの注意丸無視です。
 良い子のみなさんは加熱前提のお肉を生で食べるのは止めましょう。
 食中毒になったらお店にも迷惑がかかりますからね。

「やっぱりマイちゃんが幸せにしてあげた仔は美味しいわあ」



   6

 最初の仔たちを食べ終わってしまったのでメニューを見ながら追加注文します。
 挽肉詰めと塩味を3匹ずつ注文し、下ごしらえのために即席愛護をしていた時のことです。

「おっ、若い女の子がいるぞ!」
「女の子が実装料理なんて珍しいな」

 通路側で酔っ払ったおじさんたちがニヤニヤしながらこっちを見ていました。
 親指ちゃんたちをボールで遊ばせていた私に話かけてきます。

「あー、ダメダメ。実装石ってのはいたぶると味に深みが増すんだよ」
「おじさんたちが見本を見せてやろうか? ぐへへ……」

 うっわあ……

 どうしましょう、変なのに絡まれちゃいました。
 このままではせっかくのお鍋が不味くなってしまいます。
 面倒ですが手早く排除しちゃおうと思い、ポケットに忍ばせたナイフに手をかけた瞬間です。

「むぐっ!?」
「レチッ!? レチーッ!?」

 急に口の中に何かが飛び込んで来ました!
 生きたままの親指ちゃんが私の口内でじたばたと暴れています!

「うえっ」
「お、どうした? やっぱり女の子に実装石虐待は刺激が強かったかぁ?」

 通路に背中を向けてえずく私に何を勘違いしたのかおじさんたちがニヤニヤと笑っています。
 同時に那磨さんがスマホを取り出して耳に当てました。

「あ、パパ? うんそう。先に入って注文しちゃってるよ。
 でね、いまなんか変な人たちに絡まれてるんだけど……怖いから早く来てくれないかな」
「お、おい。別に絡んでねえだろうが」
「もういいよ。面倒だし行こうぜ」

 大人を呼ばれると思ったのかおじさんたちは慌てて退却していきます。
 私は口の中の親指ちゃんを取り出し、そのまま鍋に放り込みました。

「レチャーッ!?」
「うええ、きもちわるかった……」
「だめよマイちゃん。すぐに暴力に訴えるのは」

 通話するフリをしていた那磨さんは、電源の切れたスマホを置いて私に注意しました。
 確かにいきなり斬りつけようとした私もわるいですが、生きた親指ちゃんをグルメ・デ・フォアグラするのはマジで止めて欲しいです。
 生食とか普通の女の子には無理ですから! かわいそうだし!

 まあ、気を取り直して食事を続けましょう。
 今回は一匹お鍋に入れちゃったため他の親指ちゃんにも恐怖が伝線しちゃいました。
 しかたないので那磨さんが食べる分を除いてこのまままとめてお鍋に入れちゃいましょうね。
 どばどばどば。

「熱いレチーッ! 助けてレチーッ!」
「このクソニンゲン、オマエさっき生きたまま茹でるのは可哀想だからできないとか言ってたレチ!?」
「生きたまま食われるよりマシレチ! 文句あるならこっちと代われレッチャァァァッ!」



   7

「ふう、お腹いっぱいです」 

 B子ちゃんが満足そうにお腹をさすります。
 結局、あの後も6匹ほど追加注文したので、私ももう満腹です。
 
「うーん、ちょっと物足りないかな……」

 那磨さんは一匹たりとも加熱せず生のまま一番多く食べていました。
 何のためにお鍋を注文したんでしょうか。

「デザートでも頼みますか?」

 私は初級メニューを拡げながら言いました。
 実装ちゃん料理専門店ですがもちろんそれ以外の簡単なデザートもあります。
 ちなみに一番人気はキムチパフェらしいです。

「ううん、そうじゃなくて……いいわ。ちょっと行ってきます」

 那磨さんが席を立ってお座敷席から出て行きます。

「ごめんB子ちゃん。ちょっと嫌な予感がするからデザートでも頼んで待ってて」
「わかりました」

 私が那磨さんを追いかけると、彼女は入り口近くのカウンター席から調理場の中を覗いていました。

「あのー、すみません」
「あん?」
「メニューにないんですが、どうしても欲しいものがあるんですが……」

 わお、嫌な予感が当たりました。
 真性の生食派である那磨さんにとって内臓のない調理済み実装ちゃんではやはり物足りないのでしょう。
 しかし、法律で内臓抜きしていない生実装ちゃんをお客さんに提供してはいけないと決まっています。
 いくら彼女が頼んでも未調理品を出してもらうのは無理でしょう。
 可哀想ですが店員さんに怒られて追い払われて終わりです。

「……一応聞くが、何が欲しいんだ?」

 店長、と名札に書かれた人が不機嫌そうに応対します。
 那磨さんは調理場の一角を指さして言いました。

「あれ、食べさせてもらえませんか」
「……デス?」

 わお。
 ええ、想像を遙かに超えていましたとも。舐めてました。
 なぜなら那磨さんが指さしたのは、先ほど注文を取りに来た割烹着姿の成体実装ありすちゃんだったからです。
 ありすちゃんはお客さんから渡された伝票を所定の位置にあるバインダーに挟もうとしていました。

「……お嬢ちゃん、気は確かか?」
「はい、至って正気ですよ」

 さすがに冗談だと思ったのでしょうが、店長さんは声に怒りを滲ませて言い返します。

「あのな、成体実装石は食い物じゃねえ。
 山実装でもない限り成体は肉が固くて食えたもんじゃねえんだ。
 ましてやありすは食用として育てられていねえ。
 いや、それ以前にありすは俺の大切な助手だ。
 たとえ札束で頬を叩かれようと売るわけにはいかねえな!」
「テンチョウサン……」

 ありすちゃんが両手を合わせてキラキラした目で店長さんを見上げています。
 店長さんは腕を組み、鼻を鳴らして大切な助手に信頼の笑みを向けました。
 ふたりの間には種族を超えた信頼があるようです。

 那磨さんはそんなふたりを無視してポケットから百万円の札束を取り出すと、それを思いきり振りかぶりました。

「えいっ」

 ぱしっ。

「売ったっ☆」



   8

「やめてデス食べないで下さいデスお願いデスワタシはデッギャァァァァァァァァッ!?」
「がぶっ……ぐちゃ。にっちゃ、にちゃ、ぐちゃにちゃ」

 うっわあ……

 ありすちゃんの片口にかぶりついた那磨さんは、そのまま首筋の肉を噛みちぎるとぐちゃぐちゃと咀嚼します。

「あーん」
「本当にやめてデス痛いデス助けてデスデギャァァァァァァァーッ!」
「がぶっ」

 こんどは右足を一気に靴ごと噛みちぎりました。
 ありすちゃんはブリブリとうんちを漏らし、お店の中に血と内臓とうんちの悪臭が充満します。

 那磨さんはまるで気にしません。
 今度はお腹を噛みちぎると、その中に顔をつっこんで血まみれになりながら内臓を咀嚼し始めました。
 緑色のいわゆる「糞袋」と呼ばれる胃と腸と子宮を兼ねた機関で、特に成体のそれは間違っても普通の人間が食べるモノではありません。
 というか顔を近づけたら私でも吐きます。

「くちゃくちゃ」
「テンチョウサン、助けてくださ……デ……ァ……」
「うへへ……金だ、金ェ……(ムッシャムシャ)」
「くちゃくちゃ」

 ありすちゃんの助けを求める声もお金に目が眩んだ店長さんには届きませんでした。

「おっげぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 カウンター席で食事をしていたお客さんのひとりがたまらず嘔吐しました。
 よく見れば彼は先ほど私に絡んで来たおじさんの片割れです。

「あーん」

 今度はほっぺたにかぶりつく那磨さんです。
 彼女が口を開くたびにありすちゃんの絶叫が轟き、その都度彼女の身体は食いちぎられて小さくなっていきます。

「ひでえよ、あれが人間のやることかよ……」
「俺は……俺は……何を食ってたんだ……? 実装石だって生き物じゃねえか……頑張って生きてるんじゃねえか……それを、それなのに……」

 自責の念に駆られるカウンター席のギャラリーたちの悔恨には理由があります。
 店長さんに売られた後、ありすちゃんが那磨さんに対して必死の説得をしたからです。
 彼女はリンガルを通してこの場にいる皆さんに自身の事情を説明しました。

 曰く。
 ありすちゃんはお店の素材である仔たちの遠いご先祖様にあたること。
 元々は山実装であり、業者に捕らわれた時点で自分も食われるさだめにあったこと
 運良く店長さんに気に入られ、助手として働くことを許されたこと。
 自分が頑張って働けば必ず仔たちと一緒に山に帰してもらえること。
 本当は辛い思いを隠しながら、必死にこれまで頑張ってお店のために努力していたこと。

 これらは当然ながらお客さんの前で語ることはタブーでしたが、店長さんに裏切られたありすちゃんは生き延びるため必死に事情を説明しました。
 それを聞いた他のお客さんたちは食べる手を止めてシーンとしてしまいます。

 ですが究極のぴちがいである那磨さんに泣き落としは通じませんでした。

「くっちゃくちゃ……」
「デゲェ……デホァッ……」

 どう見ても実装ちゃんの一部ではない割烹着ごと食べてます。

「美味しいわああああああ! 美味しすぎてふりかけが欲しいわああああああああ!」

 ありすちゃんの過去を聞いた上でこの反応です。
 すごいSだね。今日からおまえをSマンと呼ぶよ。

 それでも懸命に生きようとしていたありすちゃん。
 しかし身体が半分くらい食いちぎられたところで、ついにパキンと乾いた音が響きました。
 店内は実装ちゃんの悪臭とお客さんたちの吐瀉物の臭いで凄まじい惨状を呈しています。

「あねご」
「B子ちゃん、今はこっちに来ない方がいいよ……」
「わかってます。いちおう警察に連絡しておきました」
「ナイス」

 とりあえず、こうなっては那磨さんと一緒に帰るのはご遠慮したいです。
 まあいつものことだし、彼女はお金も持ってるので放って置いて構わないでしょう。
 私はB子ちゃんの手を引いてそそくさとお店を後にします。

「実装ちゃんを食うなんてとんでもない! 残った仔たちを逃がしてやれよ!」
「お前らさっきまであんな美味そうに食ってただろうが!」

 お店の中は即席愛護派に目覚めたお客さんがカウンターの中に侵入し、食用実装ちゃんを外に逃がそうとして店員さんたちと戦争になっていました。

「それじゃ、先に帰ろっか」
「はい」
「実装ちゃん料理おいしかった?」
「おいしかったですけど、しばらくは食べたくないですね」

 同感ですね。やっぱり実装ちゃんは食べるよりも愛でるものですよ。
 愛護派の私は鍋派とは相容れませんね。
 まあ美味しかったですが。



 なお後日聞いた話ですが、今回の件でお店は激しいクレームの嵐を受けたそうです。
 なべは屋は閉店し、店長さんは夜逃げしたと聞きました。
 せっかく近所で唯一の実装ちゃん専門店だったのに、残念ですねえ。
 こんど実装ちゃん料理を食べたいと思ったら、双葉市まで行くしかないかなあ。

 あ、そうそう。
 命をいただいた後はちゃんと感謝をわすれないように。
 ごちそうさまでした!

                                      おわり



【今日の追伸】
  お食事中の方はこの作品の閲覧を避けて下さい。
                   ——桐野妹

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1 Re: Name:匿名石 2016/08/08-23:31:26 No:00002471[申告]
メインキャラがキチ○イしかいねえwww
とはいえ、俺は那磨さんとは仲良くできそうだわ
いや、実装石を口に入れるなんてノーセンキューなんだけど
仮に食用のを食うとしたら、生のままのやつを
その親の目の前まで顔を近づけて、ヒンドゥー教のカーリーみたいな形相で
くっちゃくっちゃと咀嚼してやりたいもん

どうでもいいが注意書きを入れる位置がおかしいwwww
2 Re: Name:匿名石 2016/08/08-23:36:16 No:00002472[申告]
つーかアレだ、前回も思ったが俺もYH市民だわ、沿線は違うっぽいが。
鍋派スクって少ない感を受けるが題材として面白い物だと思ってた。
しかしここまで過激な鍋派(生食派)が登場するとは度肝抜かれたわ、もう呆然としながら読んでた。
あ、俺の生肝とか不味いので食わないで下さい。


しかし弾着今とか大爆背負いしちまったわ、俺㍉オタw
3 Re: Name:匿名石 2016/08/11-15:54:30 No:00002473[申告]
キャラクターがちょっとなぁ…
4 Re: Name:匿名石 2016/09/14-16:50:09 No:00002530[申告]
8oj市ってまさか…俺の近所にこんな店があったなんて怖いw
5 Re: Name:匿名石 2016/10/02-00:54:38 No:00002554[申告]
くどいくらいのとある味の天丼で駄目だった…
捏造はいけませんよね
生食は捏造なき真実の味なのだ、なんて…
6 Re: Name:匿名石 2016/10/16-15:46:03 No:00002588[申告]
那磨さんいい…
サイコっぷりが楽しい

ただ、今回は料理屋の店主が馬鹿すぎるな
100万円程度で貴重な母体山実装兼生かして以来苦楽を共にして常連ウケも良かったマスコット店員をサイコ生食に売っ払い
それによる悪評でおそらく南関東でライバル店のない実装料理店を潰す
50倍、100倍ぐらいは貰ってようやく釣り合いがとれるもんを投げ捨てるんだから阿呆だぜ
虐待的に考えてもありすがいつかは山に解放されるなんて信じて子孫が食われる手伝いに励むのを内心嘲笑しながら舌鼓打ってた常連もいただろうに長期観察ネタ潰しちゃったし
本当に考えれば考えるほどだらしない店長だぜ
7 Re: Name:匿名石 2016/10/18-21:29:26 No:00002591[申告]
主人公最狂キチガイもいいけど
他のキチガイも全員引くような凶人狂器クレイジーサイコが他にいるというのもいいものだ
8 Re: Name:匿名石 2016/11/19-02:54:10 No:00002889[申告]
※6
実食産業の儲かり具合にもよるけど
こうやっていちいち負の要素を並べ立てられると確かに100万じゃきかないな
それでもたかが実装を躍り食いするためだけに気軽に100万出す那磨さんの財力こわい
9 Re: Name:匿名石 2016/12/17-15:53:43 No:00003184[申告]
那磨さんは封神演義の妲己の夜中のモツ躍り食いのイメージ
那磨さんは狂っている…!
10 Re: Name:匿名石 2016/12/21-18:58:56 No:00003325[申告]
※9のせいで3人娘のイメージが次女と三女の順番入れ替えた妲己三姉妹になっちまった
うんしょう三姉妹の方じゃないからいいか…
11 Re: Name:匿名石 2016/12/25-15:35:56 No:00003422[申告]
マイちゃんが1人だけ圧倒的格下のただの古琵琶と申したか
那磨さん、Bちゃんのぴちがい度と比べたらそうかも
12 Re: Name:匿名石 2016/12/26-01:27:19 No:00003427[申告]
マイちゃんと那磨さんの馴れ初めが見たい
那磨さんは出会いも何もなくただの生食邪神であるって設定でもいいけど

※6
>虐待的に考えてもありすがいつかは山に解放されるなんて信じて子孫が食われる手伝いに励むのを内心嘲笑しながら舌鼓打ってた常連もいただろうに
読み返してみると最後の命乞いまでは客には身の上を隠してたみたいだからそれはなさそう
いくら那磨さんが悪鬼羅刹とはいえ即席愛護になるような肝の据わってない客だらけだから隠されてても察してたってこともなさそう
その日その場の客にいなかっただけで他にはいたかもしれないけど

そこがどうであれ、100万は安すぎるし店長は軽率だなというのは同意

※9-11
これまでの話からの外見データでいっても
マイちゃんはショートボブ、那磨さんは亜麻色の髪の超絶美人、B子ちゃんはロリだからあの姉妹と似てるといえば似てるんだな

俺は那磨さんの那の字と3人(Aちゃん入れると4人)というのでジャンプで絶賛休載中のワー○ドト○ガーの那○隊も浮かぶ
13 Re: Name:匿名石 2016/12/26-08:18:33 No:00003431[申告]
このスク、面白いといえば面白いけど定期的に上がりすぎじゃね
まあ、中身はともかく美少女グルメだから話題にしたがる人の気持ちはわかるが
14 Re: Name:匿名石 2016/12/26-13:50:36 No:00003449[申告]
これは愛護スクなんだろうか
タイトルまでは読んだけど中身も他の感想も読んでないのバレバレすぎて雑な煽りだな
3点
15 Re: Name:匿名石 2017/01/04-18:48:02 No:00003512[申告]
おかしくないけどナマモノだし喋るというのが抜けてたな
16 Re: Name:匿名石 2017/02/16-23:26:37 No:00004306[申告]
やっぱり何度読んでも那磨さんは最高だな
狂ってる
17 Re: Name:匿名石 2018/06/03-19:40:43 No:00005302[申告]
那磨さん最高
18 Re: Name:匿名石 2023/12/19-18:58:05 No:00008545[申告]
店長金の亡者!!
あー醜い!! 大人は醜い!!
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