タイトル:【馬虐】 レッフン・デッドコースター
ファイル:【馬虐】レッフン・デッドコースター.txt
作者:ジグソウ石 総投稿数:41 総ダウンロード数:1973 レス数:2
初投稿日時:2016/03/29-00:45:58修正日時:2016/03/29-00:45:58
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  ※実装石の台詞は全てリンガルを通して翻訳済みとしてお読みください。

西暦2050年。

科学がそれほど劇的に発展したわけでもなく、かといって核戦争で人類が滅亡したりもしなかった、そんな中途半端な未来。
相も変わらず人類は実装石を可愛がったり虐待したり、つまり半世紀前とほとんど変わっていなかった。
だが、当然新しく生まれたものもある。

ここは都内のドーム球場。
大勢の観客がひしめく中、この日はある大会が開かれようとしていた。

「さあ! 今年もやってきました実装石虐待の祭典、『レッフン・デッドコースター』全日本選手権大会ですよ奥さん! 司会及び解説は私、峰・文太とぉ?」

「実況は私、古太刀・威血郎でお送りいたします。実装石を虐待したからといって、何がいけないんでしょうね?」

『レッフン・デッドコースター』
25年ほど前、ある虐待派の男が提唱した新たなる虐待方法が競技化されたものである。


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その虐待派の男は、果てしない実装石への虐待研究の末に、蛆実装への虐待を極めることに執心した。

そもそも蛆実装はかなり知能が低いのに加え、他者に生殺与奪権を握られている弱い存在であることを遺伝子レベルで認識しているのか
『幸せ回路』の働きが成体実装や仔実装に比べてかなり強く、家族や同属を殺すことによる精神的な虐待などは、むしろ虐待と認識できないほどである。
かといって、髪や服を奪うなどの行為や、肉体への直接的なダメージなどにはめっぽう弱く、蛆実装の偽石は成体実装や仔実装に比べてはるかに崩壊(パキン)しやすいときている。
それゆえに、一般的に蛆実装への虐待はとても難しいとされていた。
しかし、だからこそ男はそれを極めたいと思った。

本来ならばなるべく時間をかけて、じっくりと痛めつけたい。
だが、死にやすいことこの上ない蛆実装に対してそれは不可能である。
偽石を取り出し、コーティングしてダメージへの耐性を高めるという方法もあるが、それは精神的なダメージでは死ににくくなった親指以上の実装石に有効な方法であって
「どうしてこんなにイタイレフ? ウジチャンなにもワルイコトしてないレフ。カナシイレフ」という思考により、痛みそのものが精神的なダメージにも変換される蛆実装においては
そのような処置もあまり大した効果は得られない。

ならばどうするか。
男が考え出したのは、偽石が崩壊するまでのわずかな時間で、自分が考えうる最大限の苦痛を味わわせるという逆転の発想だった。


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男が広めた斬新な虐待方法は2つあった。
1つは、実装石に火傷のダメージを与えるのに『半田ごて』を用いるという方法である。

それまではライターなどで直接火をつけたり、タバコその他の火を押し当てるなどの行為が一般的であったが、男にはタバコを吸う習慣がなかったうえ
ライターなどで火そのものを直接当てる行為は、実装石の肉体や服が恐ろしく燃えやすいため、ダメージを与えたい部分以外にも燃え広がってしまい、手加減がしにくいという欠点があった。
また、室内でやるには火事の危険や煙の問題なども出てくる。

その点、半田ごてであれば、火とそう変わらない摂氏500度もの熱で実装石の肉体を焦がすことができるうえ、少々の煙が出るだけで済む。
実装服も焦げて穴が開くだけで炎上はしないので、火で燃やすのに等しいダメージを、狙った部分にピンポイントで与えられるという点において革新的な手法であった。

もう1つは、傷口に『液体絆創膏』を塗り込むという方法である。
これも、それまでは傷口に唐辛子やワサビなどの刺激物を塗り込むという方法はあったが、男は自身の経験から液体絆創膏を使うことを思いついた。

この液体絆創膏というものは、傷口に塗るものでありながら凄まじい刺激を伴う。
その刺激は、指先のささくれに塗っただけで、大人の男が手を硬直させて悶絶するほどのものだ。
そういうものだと知らず、何の覚悟もなくいきなり塗ったなら、間違いなく誰もが思わず呻き声を上げるだろう。
しかもその臭いはシンナーのような凄まじい溶剤臭であり、男自身も初めて使ったときは(これ、ただのボンドじゃないのか?)と思ったほどである。

その威力は、すでに多くの虐待派にも広まっていることからも分かるとおりの折り紙つきで、男が最初にその方法を試したとき、実験台となった蛆実装はあまりの激痛のため
液体を塗られて2秒と持たずに偽石を崩壊(パキン)させて絶命したほどだった。

この方法は『激痛を与える』という点においてはかなり有効ではあるが、それを行うためには事前に皮を剥ぐのが必須であり、最低でも四肢などを欠損させなければならない。
それはすなわち、前準備の段階でかなり痛めつけてしまうということであり、仔実装や成体実装にはともかく、元来死にやすい蛆実装に長時間痛みを与え続けるなど不可能な手法である。
しかし、男の考えた『短い間に最大限の痛みを与える』というコンセプトには、逆にこの方法がピタリと当てはまった。

まず、『幸せ回路』の働きを最大限に高めて偽石へのダメージを軽減するため、蛆が絶頂寸前になるまでプニプニしてやる。
そして蛆が意識を失いかけたまさにその瞬間、半田ごてを顔面に押し付けるのだ。
このとき、半田ごての先端ではなく太い部分を使うことで、肌に当たる面積を最大にすることと、顔に対して縦ではなく横に押し当てることで、両目を焦がしつつも口を塞がないのがポイントだ。
口の部分を空けておくことで、蛆が上げる悲鳴を遮ることなく楽しむためである。

次に、顔に半田ごてを置いた状態のまま蛆の頭を摘んで固定し、野菜の皮むき用のピーラーで間髪いれずに皮膚と手足を削ぎ落とす。
このとき、半田ごてが落ちて指を火傷しないように気をつけるのはもちろんだが(焼けた皮膚が半田ごてに張り付くため、それほど慎重になる必要もないが)
何より大切なのは、急ぎつつも力加減を間違えないということである。
弱すぎると服だけが剥けて皮膚が剥がれないし、強すぎて胸や腹の肉まで深く削いでしまうと、ダメージが大きすぎて液体絆創膏を塗る前にパキンしてしまう。

最初から服を脱がせておくのは駄目だ。
服を奪うという行為自体が精神的に大きなダメージを与えてしまうため、その後プニプニで機嫌をとったとしても、液体絆創膏を使うまで偽石が持たない。
あくまで服を着せたままの状態から、神経や痛点を剥き出しにする深さまで一息に皮を剥ぐのである。

そしてその状態になったら、すかさず液体絆創膏をズル剥けになった肌に塗り込むのだが、これも前もって液体絆創膏を絞り出しておいたりするのはご法度である。
時間を置いて液体絆創膏の表面が固まりつつあると薄皮が張り、その薄皮によって塗ったときに与える刺激が弱くなったり、張った薄皮が破れて刺激が伝わるまでにタイムラグが発生するからだ。

理想としては、皮を剥ぐときに2本の指でピーラーを持ち、空いた指のいずれかで液体絆創膏のチューブを手の中に握り込み、皮を剥き終わるタイミングに合わせて中身を絞り出して
もう1本空いている指に盛り、皮を剥き終わると同時に、ピーラーを持ったまま液体絆創膏を塗るのがいいだろう。
これなら最速で蛆に最大限の苦痛を味わわせることができる。
男はこの方法の確立によって、液体絆創膏を塗ってから蛆がパキン死するまでに3秒以上悲鳴を上げさせることに成功した。

これが『蛆実装に肉体的なものとしては最大の苦痛を味わわせて殺す方法』として、いつの間にか多くの虐待派に広まったのだが
いかんせん速さと正確な動き、総じて手先の器用さが要求される方法である。
多くの虐待派は何度も何度もこれに挑戦し、そのうち手際の速さや、蛆が死ぬまでに何秒間悲鳴を上げ続けたかなどを競うようになった。
これが『レッフン・デッドコースター』という競技の始まりである。
ちなみに名前の語源は、『蛆実装がパキン死するまでに怒涛のようなラッシュで苦痛を味わわせる』というコンセプトと、前半のプニプニによる『上げ』からの『落とし』が
まるで『死のジェットコースター』のようだ、ということにある。

そして時は流れて現在———


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「さて、会場も暖まってきたところで、選手たちの入場です!」

「地方予選を勝ち抜いた総勢10名による決勝戦。今回は名のある虐待師たちも数多く参加しております。いやー、楽しみですね峰さん」

「ゼッケン1番から10番までの選手が順番に試技を行い、その記録をランキング方式で競いますが、今回はどれほどの記録が出るのかも楽しみです」

「それでは競技……………始めいっ!」

「さあ、まずはゼッケン1番の選手がプニプニを始めたぞー。これはあまり速くても蛆ちゃんを死なせてしまうし、遅いと記録が落ちてしまう。さらに力加減も重要という、いきなり難しい工程だー!」

「レヒャッ! レヒャヒャッ! レッフゥゥン♪ サイコウレフ! くるしゅうないレフ! もっとプニプニせいレフ!」

「あぁーっと、用意された蛆ちゃんの中には糞蟲も混ざっているようです。ウザい! これはくっそウザい!」

「あああぁぁぁぁぁ!!!!!」

—— ブチュウッ! ——

「レブビュア!」

「あーっと! ゼッケン1番の火矢葉・照独(ひやは・てるひと)選手、思わず糞蟲を潰してしまったぁー! 気持ちは分かる! 気持ちは分かるが失格だぁーっ!」

「この競技の基本的なルールとして、液体絆創膏を塗るという、最後の工程まで辿り着く前に蛆ちゃんを死なせてしまった選手は失格となりますので、ああいう糞蟲が相手でも上げ落としと割り切って
 キレずに、冷静に、精密機械のように工程をこなしていくことが重要になりますね」

「蛆ちゃんの段階で糞蟲というのは、本来珍しいんですけどねえ。ショップなら選別、野生でも生まれてすぐに間引きされてしまいますから。そんなのが競技に紛れ込んでいるとは
 火矢葉選手には気の毒ですが、これは不運としか言いようがない!」
 
「お、次の選手が早くも試技に入るようですよ」

「おぉーっと? 次の選手は凄い勢いで蛆ちゃんをプニプニしているぞー?」

「ほぉぉぉぉぉ………おぉぁたたたたたたたたたたたたたたたたた……………………………………………………!」

「レレレレレレレレレレレレレレレレレレ……………………………………………………」

「おおーっと! ゼッケン2番、人読んで『肉体派虐殺師』こと丹波・論七選手、指先をプルプルと震えさせて、これは速いプニプニだぁ! というか、ちょっと速すぎないかー?」

「ほぉぉぉぉぉう……おわったぁぁぁ!!!」

「レビュッ……!」

「あーっと丹波選手、やはり力の入れすぎだぁーっ! ゼッケン2番、丹波選手失格ゥー!」

「なぜだ! なぜ師匠を殺した!!!」

「あーっと丹波選手! 死んだ蛆ちゃんにさらに殴打を加えている! これはいけませんねえ。っていうかあの人、どうやって決勝まで勝ち上がったんでしょうね?」

「丹波選手、運営の人間と警備員に取り押さえられて退場です」

「おや? そうこうしているうちに次の選手はもう試技に入っているようですね。こ、これは凄い! 蛆ちゃんが頭を左右に振りながら悶えていますよ!」

「あれはゼッケン3番の手満出・活(てんまで・いかす)選手ですね。彼の指先は『至高の愛撫』と呼ばれているという話です」

「手元の資料を見ますと、彼は愛護派から虐待派に転身したという異色の経歴の持ち主のようですねえ。プニプニの上手さも頷けます」

「はははーっ! どうだ私の指先の味はーっ!?」

「ス、スゴイレフ! シンカンカクレフ! ウジチャンもうイっちゃいそうレッフウ〜ン♪」

「おおっと、手満出選手の指技の前に、すでに蛆ちゃんは絶頂寸前だぁーっ!」

「糞蟲の成体実装ならともかく、純粋無垢な蛆ちゃんに酷いことをするなんて、虐待派となった今でも本当は心が痛むけど……ごめんよ蛆ちゃん!」

—— ジュキュゥゥゥゥゥ……! ——

「レッ……レピャァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!」

「あーっと! 手満出選手が早くも半田ごてによる『焼き』の作業に入ったぁ!」

「よし、次は皮を剥ぎ取って……」

—— シュリッ ——

「あーっと、浅いぃーっ! 手満出選手、ピーラーでの『剥き』が浅すぎて、服しか剥ぎ取れていないぃー! これは元愛護派ゆえの甘さか? それとも虐待暦の浅さによるものかぁーっ?」

「いずれにせよこれは大きなタイムロスになりますねえ」

「くっ、し、しまった! 早くしないと……」

「レピィッ!」(パキン!)

「ああーっと、やはり遅すぎたぁー! ゼッケン3番、手満出選手も失格だぁーっ!」

「プニプニにおいては実に優れた選手だったんですけどねえ。プニプニにかかった時間から、蛆ちゃんが上げた悲鳴の長さを引いて算出された数値が記録になりますが
 プニプニにかかる時間は平均100秒から2分と言われていますので、もしも全工程を終えることができていたなら、凄い記録が出たかもしれないだけに残念です」

「おおっと、話している間に早くも次の選手はプニプニを終えたようですよ。ゼッケン4番の春山・雀(はるやま・ジャン)選手だぁ!」

「カカカカカーッ! 俺の手際を見せてやるぜ!」

—— ジュゥゥゥゥゥゥ……! —— 
—— ジョリッ ——(プスッ)
—— ベトリ ——

「おお! 早い! 早いぞ春山選手! 流れるような動きで液体絆創膏を塗るまでの全工程をこなしてのけたぁーっ!!!」

「レピャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ギピィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「長い長い! もの凄い長さの悲鳴だぞ!? これは大会新記録が出るのではないでしょうか?」

「レギェ……」(パキン!)

「いったぁーーーーーーーーーーっ!!! な、なんと6秒ジャスト! 春山選手、前人未到の悲鳴6秒を叩き出したぁーーーーーっ!!!!!」

「これは凄いですねえ。プニプニを最短で終えたとしても、悲鳴の時間を差し引いて今までに100秒を切った選手は世界中を探してもいません。ですがこれは……いったかもしれませんよ?」

「どうやら記録が出たようです……で、出ました! 大会記録を大きく上回るどころか、世界記録となる99.89秒! 大記録だぁぁーーーーーっ!!!!!」

「カカカカーッ!」

「い、イカサマだぁーっ!」

「???」

「な、なんでしょう? 先ほど失格になった手満出選手が何かを叫んでいるようです!」

「イカサマだぁ! 皆騙されるな! 私は見たぞ……あいつが蛆ちゃんに何か針のようなものを刺すのを!」

「おおっと手満出選手、春山選手の試技に何か不正があったと主張しているようです」

「それを受けて審判がボディチェックを行っていますね。おや、春山選手の袖口から何か見つかったようですよ?」

「ああーっとぉ! あれは注射器? 注射器だぁーっ!」

「どうやら皮を剥いでから液体絆創膏を塗り込むまでの間に、あれで蛆ちゃんの体に何かを注入したようですね。液体の色から見て、恐らく実装活性剤だと思われます」

「おおっとぉ、つまりそれはドーピングということになりますねえ。反則! 反則です! 春山選手、反則により失格です!」

「チッ!」

「卑怯だぞー!」「引っ込め春山ァ!!!」

「会場からも大ブーイングです!」

「うるせえ! 虐待は勝負だ! どんな手を使おうが勝てばいいんだよぉっ!」

「春山選手、完全に開き直っておりますが、反則は反則です。今、審判に退場を命じられました」

「いやあ、大記録が樹立されたと思われただけに残念ですね。次の選手にはフェアプレーを期待したいところです」

「次の選手は……おおっと、これは大物だ! ゼッケン5番、人呼んで『実装専門放火魔』こと門矢・守(かどや・まもる)選手です!」

「彼は『放火による焼殺』という非合法スレスレな虐待を得意とすることから、別名『闇の虐待師』とも呼ばれていますからねえ。表舞台に出てくるのは非常に珍しいことですよ」

「その期待の門矢選手、プニプニを終えていよいよ『焼き』の工程に……ああーっ!!! な、なんと門矢選手、半田ごてを縦に置いて、蛆ちゃんの体の部分にまで当てたぁぁーっ!!!」

「ギュプゥゥゥ!!!!!」

「ああー、いけませんね。たぶん熱傷にこだわりを持つ彼は蛆ちゃんの前面全てを焼きたかったんだと思いますが、あれでは口が塞がれて大きな悲鳴が上がりません」

「それ自体は反則にはなりませんし、実際に計測されているのは悲鳴の長さではなく、液体絆創膏を塗ってから蛆ちゃんがパキン死するまでの時間ですので、記録を計ること自体は可能ですが……」

「悲鳴を楽しむという本来の趣旨に反するということで、3秒分+のペナルティが課せられます。それに体の部分にも当ててしまうと、半田ごてが邪魔になって
 皮を剥ぐことも手足を削ぎ落とすこともほぼ不可能になってしまうので、結局記録には繋がらないことに……あ! あれは!?」

「ああーっと! あれは剃刀! 美容院などで使われる本格的な片刃の剃刀です! た、確かに皮を剥ぐ道具に規定はありませんが……どう思われます峰さん?」

「早さと精密な力加減の両立が要求される『剥き』の工程においてはピーラーを使うのが一般的で、それ以外の道具を使おうとする選手はまずいません。
 ですが、あれならば半田ごてで体の前面ほぼ全てが塞がった状態でも、その両脇の手足を削ぎ落とすことはできますからね。よほど自分の技量に自身があるのか、それとも……」

「あーっとぉ!? 門矢選手、剃刀を手にしたものの動こうとしません! 何やらうっとりとした表情で蛆ちゃんを見つめたままだぁーっ!」

「ギプ……」(パキン!)

「駄目だぁーっ! 門矢選手、結局『剥き』の工程に入ることなく、そのまま失格ゥー!」

「はっ! し、しまったぁーっ!」

「うーん、彼はいつも実装石を『焼殺する』ことだけに情熱を傾けてきたようですから、恐らく蛆ちゃんを『焼く』のに夢中になりすぎてしまったのかもしれませんね」

「勝負に徹することも大事ですが、彼のように虐待に一家言ある虐待師というのは、いつ見ても清々しいものですねえ。先ほどの春山選手とは大違いです」

「残念な結果に終わってしまいましたが、このような場でもあくまで『熱傷で殺す』という自分のスタイルをブレさせない門矢選手に、会場内から暖かい拍手が送られています」

「さて、半数の選手が試技を終えたところで、ここで一旦休憩を挟みたいと思います。試合後半はCMの後すぐ! お見逃しなく!」


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「レピィィャ!!!」(パキン!)

「ギピャァァァァァァァァ!!!!!」(パキン!)

「レッピィィィィィィィ!!!!!」(パキン!)

「レ……レェェェェェェェェェェェァ!!!!!」(パキン!)

「さーて後半戦、大変なことになってきましたよ峰さん! 記録ラッシュになるかと思われたこの大会、なんとドーピングで失格となった春山選手以外、ここまで全ての選手が『焼き』もしくは
 『剥き』の段階で蛆ちゃんをパキン死させてしまい。未だ誰も最終工程の『塗り』まで辿り着くことができないという大波乱!」

「この競技は蛆ちゃんが元々持っている資質にも左右されますからねえ。運営側で用意した蛆ちゃんの質が悪かったわけではないと思うんですが……いやー、さすがの私にもこの展開は読めませんでした」

「さて、いよいよ最後の選手です! ゼッケン10番、園辺野・茂武(そのべの・しげたけ)選手。全く無名の選手のようですが……」

「まあ実装石虐待などというものは、やる気になったらその日からすぐに出来ることですからねえ。新たな虐待師など、それこそ1日の新生児や死者の数と同じぐらい生まれていてもおかしくありません」

「万が一にも彼が成功しなかったら、優勝者が不在という前代未聞の結果となってしまいます」

「何とか成功させて欲しいものですねえ」

「おおっと! 園辺野選手、プニプニに入ったぞぉ!」

—— プニ、プニ、プニ、プニ、プニ、プニ、プニ、プニ…………… ——

「実に丁寧なプニプニですね。早すぎて蛆ちゃんを不快にさせることなく、遅すぎて快感の波を引かせることなく、リズミカルに。こういうスタンダードなプニプニが、実は一番効果的なんですよ」

「レフゥゥン……♪ キモチいいレフゥ………ウジチャンもう、もうダメレッフゥゥゥン♪♪♪♪♪」

—— プニ、プニ、プニ、ペト……ジュキュゥゥゥゥゥゥ……………!  ——

「????? ……レッピャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

「あーっと! 園辺野選手、素晴らしい『焼き』への移行だぁ!」

「プニプニのリズムを崩すことなく、蛆ちゃんが絶頂を迎えようとしたまさにその刹那、それと全く同じリズムで半田ごてを蛆ちゃんの顔に落としましたからねえ。蛆ちゃんは半田ごてが当たってからも
 丸1秒近くもの間、熱さに気づかなかったようですよ。これは次の工程に移るまでのタイムラグを補って余りある、非常に大きなアドバンテージになるでしょう」

—— ジョリ ———

「ああーっと! 園辺野選手、『剥き』の工程へ移行するのも早い! そして一度で両手足まで削ぎ取る絶妙の深さ! これも完璧だぁーっ!」

「レッピィィィ! オメメアツイレフ! オテテイタイレフ! アンヨイタイレフ! なんレフ? なんでレフゥゥゥ!?」

—— ベトリ ——

「……レ? レ……レッピィィィィィィィャァァァァァァァ!!!!!!!!!!」

「おーっと! これは凄い悲鳴だぞ!」

「ピーラーを首元から総排泄孔へ、皮を剥ぐ動きと同時に液体絆創膏を絞り出し、指先を体のほうへ戻したときにはすでに塗り終えていましたからね。しかも皮を剥いだ部分全てに行き渡る完璧な分量です」

「レピィィィィィィ!!!!!!!!!! レェェアァァーーーーーーーーーーーーーァァア!!!!!!!!!!!!!!!」(パキン!)

「あーっと! ついに蛆ちゃんがパキン死したぁぁーっ! これはかなり記録が伸びたようですよ!?」

「他の選手は全て失格になっていますから、本来なら落ち着いて全工程を終えるだけでも優勝はできるんですが、その『落ち着いて的確に行う』ということが、逆に良い記録に繋がったんでしょうねえ」

「今、計測結果が出たようです……………おおっと、これは素晴らしい! プニプニ時間107.42秒、そこから悲鳴時間4.08秒を差し引いて……103.34秒! 日本記録です!」

「なんと! まさか全く無名の選手が日本記録まで打ち立てるとは!」

「さて、さっそく優勝した園辺野選手にインタビューしてみましょう。園辺野選手、優勝おめでとうございます!」

「ありがとうございます! まさか初出場で、それも名のある虐待師の方々を差し置いて優勝できるなんて……夢のようです!」

「いやあ、こう言っては失礼なんですが、私たちも園辺野選手の優勝は全く読めませんでした。あの見事な手際と、蛆ちゃんの呼吸や限界を完全に読みきったかのようなタイミングの取り方……
 園辺野選手は虐待歴は長いんですか?」

「いえ、実は私、実装石を食材に使った割烹料理店で働いてるんですよ。ジソエビを活きのいいままお客さんにお出しするために、パキン死させないようにプニプニしてから服を剥いだり髪を毟ったり
 パキン死するギリギリのラインを見極めて、生きたまま素揚げにしたりフライにしたりね。そんなことを毎日のようにやってるもんですから、自然と身についたんですよ」

「なんと! 新たな虐待師の正体は、誰よりも蛆実装の死を見切って生きてきた、実装料理の達人だったぁぁーっ!?」

「いえいえ、達人なんてとんでもない。料理長に比べればまだまだ駆け出しのペーペーですよ」

「いやあ驚きです。蛆実装を最も理解し、最も虐待のノウハウを知り尽くしていたのが、虐待に血道を上げてきた虐待派ではなく料理人だったとは! 何の世界でもプロというのは凄いものです」

「本当ですねえ。さて、今年も熱い戦いが繰り広げられた『レッフン・デッドコースター』全日本選手権大会、そろそろお別れの時間がやって参りました」

「これにて中継を終了させていただきます。来年もまたこの時期に、この場所でお会いしましょう! では、また!」


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『レッフン・デッドコースター』
25年ほど前、ある虐待派の男が提唱した新たなる虐待方法が競技化されたものである。

今回の大会で優勝したのが料理人であったことから、これ以降、実装料理人たちが次々にこの競技に参加するようになり、それまでの記録が大きく塗り替えられることとなるのだが
それはまた、別のお話—————



-END-







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あとがき
というか作品解説のようなもの



はい、今回はおバカ系の虐待スクを書いてみました。
始まりは、半田ごてと液体絆創膏という、自分が考えた新たな虐待方法を皆様にお伝えしたいというものでした。

それプラス、個人的に蛆実装への虐待&悲鳴が特に好きなので
(その後の姉実装の「う、蛆ちゃぁぁん!」という叫びと、さらにその仔実装を潰して親実装に「○女ぉぉ!」と叫ばせるという3段オチが最高なんですが)
それで上記の虐待方法を両方生かしつつ、その魅力を伝える方法は……と考えた結果、このような競技&展開を考え付いた次第です。

『早さが命の競技のくせに、工程ごとに実況&解説が長々と喋りすぎじゃね?』という疑問もあるかと思いますが、これは野球漫画とかによくある
『ピッチャーの手から球が離れてからキャッチャーミットに収まるまでの間に、お前らどんだけ長々とテレパシーで会話してんだよ時空』が発生していると思ってご了承下さい。

舞台が近未来になっているのは現在書いている長編と少しだけ絡めるためなんですが、選手に今までの短編の主人公たちが出てきているのはただのスターシステムというやつで
別に今までの作品が全て近未来の話というわけではありませんし、過去を舞台にした作品にもしれっと登場させるかもしれません。

ちなみにそれ以外のキャラクターたちの名前は、『ヒャッハー・消毒』『手マンでイカす』『某中華料理漫画から拝借』『燃やす(某仮面ラ○ダーの名前ネタより拝借)』『そのへんのモブ』など
ゼッケン4番以外は付けたい名前と同じ読みの漢字を適当に当てて読み替えただけです。

そしてオチをなかなか思いつかなかったんですが、大物ロダにあるFLASHゲームから着想を得て、少し雑になりましたがこのような感じでまとめさせていただきました。
これでも端折ったつもりなんですが、結局かなり長くなってしまったのは自分の悪癖ですスイマセン。

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1 Re: Name:匿名石 2016/04/01-19:50:54 No:00002108[申告]
あのゲーム良いですよね。毎日糞詰まりフライを揚げるのが日課。
それはさておきスク、すばらしかったです。
あの塗る絆創膏は凶悪。わかります。
あれをウジちゃんにと思うともうゾクゾクです。
ぜひオリンピック競技に。
2 Re: Name:匿名石 2018/06/02-16:12:07 No:00005295[申告]
某地下格闘場を彷彿とさせるノリには実に楽しませていただきました。
素晴らしいスクをありがとう。
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