オムニバス5連発# ●PART-06「家宅侵入」: やられた、とうとうやられてしまった! アパートの隣に野良実装が棲み着いている公園があるから、いつかはやられるんじゃないかなと警戒してたが、 とうとう俺も被害に遭ってしまった。 鍵を開けて部屋に入り込んだ瞬間、飛び込んできたのは、凄まじい悪臭と、荒らされまくった部屋の惨状。 冷蔵庫は開かれて中身がぶちまけられ、電話は受話器が外れてぶら下がり、ワードローブや本棚、押入れは、中身が 徹底的に掻き出されている。 あげくに、部屋のど真ん中に、堂々とのさばる「ウンコ」が一巻き!! 信じられネェ! 俺が何をしたって言うんだ!! とりあえず、このおぞましい臭いから解放されたくて、俺は窓を全開にした。 くっそぉ、せっかくの休みなのに、なんでこんな酷い目に遭わなきゃならないんだ! 俺は泣きながら、部屋の片付けを始めることにしたが、最初はやっぱ……ウンコからかなぁ。 新聞紙でウンコを包むと、俺は急いでトイレへ向かった。 END. ●PART-07「健康診断」: 「双葉とし子さん、お預かりしていたジョセフィーヌちゃんの健康診断、終わりました」 「あのぅ、うちの娘は、どんな調子でしょうか?」 「ご安心ください。 いたって健康体そのもので、具合も良いですよ」 「そうなんですか! あぁ、良かったぁ!!」 「まあ健康診断をしてると、変に不安になったりしますからね。 でもジョセフィーヌちゃんは、実装石にしては骨の強度もありますし、血圧も内臓も良好で、髪の毛も肌も本当に 綺麗ですから、まだまだ健康でいられますよ」 「ありがとうございます、本当にお世話になりました」 「はい、もしまた何かありましたら、いつでもご相談ください」 その日の夜、とし子は、ジョセフィーヌの両目が緑色になっていることに気づいた。 END. ●PART-08「人化実装」 俺の飼っていた実装石ジョセフィーヌが、ある晩、突然繭になってしまった。 家のリビングを丸々占領して、壁や天井に白い糸を張り巡らせて、宙に浮かんでいる。 何が起きたのか、俺には理解が及ばない。 だが俺は、ふとある事を思い出した。 確かあれは、一週間くらい前。 ジョセフィーヌが何か言いたげなので、実装リンガル越しに話を聞いてやったんだが—— 『ゴ主人様は、どうしてカノジョがいないデス?』 「うるせぇよ! しょうがねぇだろ、出会いがないんだから」 『仕事するとか、専門学校に通うとかすれば、出会いくらいあるんじゃないデス?』 「難しい言葉知ってるんだな、お前。 つうかな、出会いがあっても、ぶっちゃけ俺モテないから、彼女なんて無理なんだよ!」 『じゃあもう、カノジョは諦めてるんデス?』 「まぁな。 俺はこのまま、一生独身で行くと思う」 『そこに“一生童貞”も付け加えるデス♪』 「うるせぇ! 皮剥くぞしまいにゃ!!」 あれ以来、リンガル越しの会話はしなかったんだが、ジョセフィーヌの態度がなんかよそよそしかったんだよな。 あの会話と、態度と、この繭に、何か関連があるんだろうか……? とりあえず俺は、その繭が何なのかをネットで調べることにした。 調べてみると、ごく稀に、繭を作って人間と良く似た姿に変態する実装石がいるんだそうな。 愛情を注がれて育てられた実装石は、主人のために、人間になりたがるんだとか。 じゃあ、ジョセフィーヌはまさか、俺のために……? 確かに、俺はジョセフィーヌと仲いいし、結構大事にしてたからなぁ。 その夜の俺は、怖さと期待に打ち震えながら眠りについた。 繭から、どんな姿に変化したジョセフィーヌが出てくるのか…… いつしかまどろみを覚えた頃、遠くで、ドスンという音が聞こえた……ような……気が……グゥ 夜が明ける頃、俺は突然の激痛に襲われて、悲鳴を上げながら目覚めた。 ジョセフィーヌは、今俺の横で寝ている。 そして俺は、その分厚い胸に、そっと頬を埋めた。 END. ●PART-09「口直し」 俺の飼っていた実装石ジョセフィーヌが、ある晩、突然繭になってしまった。 家のリビングを丸々占領して、壁や天井に白い糸を張り巡らせて、宙に浮かんでいる。 何が起きたのか、俺には理解が及ばない。 だが俺は、ふとある事を思い出した。 確かあれは、一週間くらい前。 ジョセフィーヌが何か言いたげなので、実装リンガル越しに話を聞いてやったんだが—— 『ゴ主人様は、どうしてカノジョがいないデス?』 「ぶっちゃけ俺モテないから、彼女なんて無理だよ」 『じゃあもう、カノジョは諦めてるんデス?』 「俺はこのまま、一生独身で行くと思う」 『そこに“一生童貞”も付け加えるデス♪』 「うるせぇ! 髪毟るぞしまいにゃ!!」 あれ以来、リンガル越しの会話はしなかったんだが、ジョセフィーヌの態度がなんかよそよそしかったんだよな。 あの会話と、態度と、この繭に、何か関連があるんだろうか……? とりあえず俺は、その繭が何なのかをネットで調べることにした。 愛情を注がれて育てられた実装石は、主人のために、人間になりたがるんだとか。 じゃあ、ジョセフィーヌはまさか、俺のために、彼女の代わりになってくれるつもりなのか? 確かに、俺はジョセフィーヌと仲いいし、結構大事にしてたからなぁ。 その夜の俺は、怖さと期待に打ち震えながら眠りについた。 繭から、どんな姿に変化したジョセフィーヌが出てくるのか……グゥ 夜が明けた頃、俺はふと、人の気配を感じて目が覚めた。 目の前には、白い服を着た、髪の長い女性が立っている。 すらりと細身の体格、薄暗がりでもわかるほどの美形、そして何より、裾から伸びた白い脚がまばゆい。 思わず俺は、薄青の光にぼんやり照らされている彼女の姿に、ときめきを覚えてしまった。 俺は掛け布団をめくり、中に入るように合図する。 ジョセフィーヌに、いつもやっている仕草だった。 彼女はそっと俯き、静かに俺の布団に入り込んできた。 抱きしめた彼女の体は、ひんやりと冷たかった。 いつしか眠りに落ちていた俺は、布団がぐっしょり濡れていることに気付いた。 そういえば、繭から出てきたジョセフィーヌは、身体を洗わずにここに入ったんじゃないか? 慌てた俺は、いつの間にか姿を消していた彼女の姿を求めて、家の中を捜し回った。 リビングの中には、大きな実装繭が、ビクンビクンと蠢いていた。 END. ●PART-10「願いを叶えていいですか?」: ここはとある浜辺。 大好きなご主人様と一緒に散歩を楽しんでいた飼い実装のサンドマリボーちゃんは、潮の引いた跡に何かが光って いることに気付きました。 取り上げてみると、それは黄金色の「ランプ」でした。 お伽話に出てくるような、あの魔法のランプの形そのものです。 ご主人様は、それを磨けば魔神が出てきて、願い事を叶えてくれるかもしれないよ? と教えてくれました。 サンドマリボーちゃんは、エプロンの端で、一生懸命にランプを磨きました。 やがてランプの口から、白い煙のようなものが立ちこめ始めました。 『ハイハイサー!』 なんということでしょう。 本当に、ランプの中から魔神が現れてしまいました。 痛烈で強烈な魔神は、三つのお願いを叶えてくれると言いました。 呆然とするご主人様をよそに、サンドマリボーちゃんは、早速魔神に一つ目のお願いをしてみることにしました。 「ご主人様を、お金持ちにしてあげて欲しいデス!」 『パパラパー!』 次の瞬間、轟音を上げて、ご主人様の自宅が爆発炎上しました。 なるほど、これで火災保険とか色々入って来ますね。 絶叫するご主人様を横目に、サンドマリボーちゃんは、二つめのお願いを伝えます。 「ご主人様が泣いているデス! もう泣かないで済むようにしてあげて欲しいデス!」 『パパラパー!!』 魔神が呪文を唱えた瞬間、ご主人様が、突然コテンと倒れてしまいました。 息をしていません、心臓も止まっています。 つまり、ザキですね。 なるほど、これなら確かに、もう泣きようがないですね。 ご主人様が目の前で突然訃報ったことに、サンドマリボーちゃんは大慌てです。 完全にパニックに陥った彼女は、魔神に向かって、大きな声で最後のお願いを伝えました。 「酷いデス! あんまりデス!! 今までのこと全部、なかったことにして欲しいデス!」 『本当に、全部、なかったことにしていいのかい?』 「本当デス! もう全部、何もかも、元に戻してデスーっ!!」 『パパラパー!!!』 次の瞬間、地球は消滅してしまいました。 END. ————————————————————————————————————————————————————————————
1 Re: Name:匿名石 2015/05/30-21:46:45 No:00001762[申告] |
口直しになってねぇぇぇぇぇ!! |
2 Re: Name:匿名石 2015/06/04-06:30:31 No:00001768[申告] |
や
ホ |
3 Re: Name:匿名石 2015/06/18-11:05:58 No:00001787[申告] |
これの一本目と二本目の意味が良くわからない
野良実装がどうやって忍び込んだのかって問題? 健康診断のやり方が悪くて妊娠したってこと? |
4 Re: Name:匿名石 2015/06/19-09:11:05 No:00001788[申告] |
一本目は実は人間の家宅侵入だったというのが
オチになっているのだと思った。二本目はまだよくわからない |
5 Re: Name:匿名石 2015/06/19-10:34:22 No:00001789[申告] |
一本目は鍵と窓が閉まっているから家宅侵入犯はまだ中にいるんだと思う
トイレの中に隠れてるとみた 二本目は医者がジックスしたから妊娠したんだな |
6 Re: Name:匿名石 2015/06/20-08:49:11 No:00001792[申告] |
人間の泥棒が排泄物を残すパターンはあるっていうし
人間だろうな犯人は |
7 Re: Name:匿名石 2015/06/20-14:47:31 No:00001793[申告] |
1本目、むしろ侵入口が無いんじゃね? |
8 Re: Name:匿名石 2017/10/10-18:08:17 No:00004959[申告] |
こういう「意味がわかると怖いコピペ」みたいなSSはいいね。
PART-09のオチは「現れたのは人化実装とは関係のない女性の幽霊だった」ってことだろうか |
9 Re: Name:匿名石 2019/08/11-19:26:40 No:00006078[申告] |
繭の粘液を除去しなかったから、硬化して繭に戻ってしまったのでは? |