タイトル:【食虐】 山実装 秋仔のやな漁
ファイル:山実装秋仔のやな漁.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:6664 レス数:3
初投稿日時:2010/09/25-19:39:09修正日時:2010/09/25-19:39:09
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(先に1253、1284「季節の風物詩『山実装の友狩り』」を読むことをおすすめします)


秋仔の季節がやってきた。

友狩りで苦労して捕まえる山実装は脂も乗って最高だが、

秋仔の産まれたての淡白な味わいも乙なものだ。

山実装は春仔には愛情を持って育てるが、

秋仔は産まれてすぐに実装服を剥ぎ取って仔消し谷に捨ててしまう。

昔狩りで捕らえた長老実装石からリンガルで聞いた話だ。もちろん締める前に。

「秋仔はオヤマのカミサマからイタダいた客石デス。

有難くおフクをイタダいたらオヤマに返すのが掟デス」

が、そこで死んでしまうのではなく谷川に落ちて流れてくる。

溺れて仮死状態の秋仔を下流で一網打尽にしようというのが「秋仔のやな漁」というわけだ。

コロニーの仲間は少数精鋭を求める

逆に実装服は越冬の暖房に使うから多ければ多い程良い。

従って山実装は、春仔を少なく、秋仔を沢山産む。

一箇所のやな場で大漁を期待できるのだ。コロニーも1つ2つどころじゃないからね。


仔消し谷の下流にやなの仕掛けをつくる。川幅が狭目な岩と岩の間につくる。

これが一苦労。仔実装は浮いて流れてくる訳ではないので

毎年使う竹編みの片側は完全に水底へ沈めなければならない。石を落として沈める。

徐々に水深を上げていって水から顔を出したもう片側の竹編みを岩と岩の間に渡して固定。

これで秋仔ちゃん達のお迎え準備ができました。


早朝に見回りに往く。秋仔はだいたい夜捨てられることが多い。


やなを覗いてみたら早速竹編みの上にコロコロ転がっている肌色の物体が見えた。

皆仮死状態でぐったりしているが、何匹かはイゴイゴ動いてるのもいた。

水の冷たさであまり動けないのだろう。

そいつらを片っ端から掴まえて持ってきたバケツの中に放り込んだ。

15匹いる。シーズン初日にしてはまあまあの収穫だ。

作業小屋へ連れ帰る。

秋仔はすべて親から捨てられた捨て仔だ。その失望感もあってか捕らえてからも扱いやすい。

たまに元気なやつもいるが、まあ文字通りの糞蟲なのだろう。

そういうやつは優先して処理することにしている。

言い忘れたが、やな漁にはメリットがある。糞抜きの手間がいらないことだ。

糞は川に落とされたときに勝手に撒き散らしてくれるので、こちらではただ捌くだけでいい。

ついでに裸の状態でやってくるので服を取る手間もいらない。

欲深いコロニーでは髪も抜いて捨てるので禿裸になってるのも珍しくない。

というわけで前処理抜きに料理ができます。


まずヂャーヂャー暴れてる糞蟲からはじめます。

麺棒でばしばし殴りつける。痛めつけてから料理するのは実装料理の基本だ。

手足の2、3本骨折したぐらいで まあこれくらいでいいか。念のため腰骨も折っておくか。

まな板の上でスパッと腹を割いて偽石を取り出す。こいつは酒粕に埋めておく。

内臓は除かない。「ここがうまいんだよ」て人が結構いるんだよね。

腹は開いた状態にするためにつまようじで止める。

そうしておいて尻穴から口まで竹串を刺す。この期に及んでもヂーヂーうるさいが

それがここのウリでもあるんだなあ。イキのいい証拠って。

塩を満遍なく振っておきます。内蔵も忘れずに。

何匹か串刺しにしておいて、こいつらを囲炉裏端で炙る。

ちょっと遠目にしておいて表面だけを炙る感じで。

全体に焦げ目がついたところで下ろすが、内臓はちょっと念入りに炙っておく。

この時点で髪のある秋仔は全部焼けてしまう。


次は酢の物。秋仔を痛めつけておいてから腹を裂いて偽石を取り出すまでは一緒。

内臓は取り出して内部を軽くバーナーで炙る。髪があればその時に焼いておく。

取り出した内臓は消毒した瓶に入れる。

ここでブツ切りにして酢の入っている瓶に投入、これでよし。

喉は潰してないのでこいつらもヂャーチャー言ってます。


こんどは煮物。酢の物と処理は同じだが、ブツ切りの前に煮汁に投入。

チ゛ッ!デチーーッデチ゛ィィィッ!と元気に泣きながらオイシクされます。

15分ほど煮たところで火を止め床に置いて冷ます。これで煮汁がよく染みるのだ。


あとは仮死したままの秋仔が数匹。これは生で出すためこのまま店に持っていく。



店はやな場近くの川べりでシーズン中だけの営業だ。

これが食べたいばっかりに山奥のこの店に来てくれるお客さんも多い。

「今年の秋仔はどうだい?」

「今朝採れたてのがきてますよ、何から行きましょう」

「そうだな、やっぱり焼きからいこう。生中もね」

「あいよ」

今朝炙ったのを炭火の上の網に並べる。

「焼きは半生ですか」

「そうしてくれ」

糞蟲の秋仔ちゃんがまた雄叫びをあげる

「ギャァァァァァァ!テチャァァァァァ!」

「おお、こいつはイキがいいね。」

「今朝一番元気だったやつですよ、はいおまちどう」

お客は串を持つと足の方からかぶりついた。

「ヂィィィィィッ!テギャァァァァァッ!!」


秋仔ちゃんの泣き声とともに味わう、これがこの店のルールだ。


「いやあ今年も期待通りのうまさだ。じゃあフルコースで頼むよ 生中も追加」

「まいどありぃ」

フルコースとは今朝用意した酢の物と煮物、それから生の刺身だ。

刺身はその場で調理するが、先に手足をバラさない。

手足の先端から削ぎ落とすように身を取る。

包丁を入れると同時に秋仔の泣き声が店内に響く。

あくまで実装石に苦痛を与えながらの調理がうまさの秘訣だ。

お客は一通り秋仔の絶叫と食事を堪能したあとに俺に尋ねた。

「今年はアレ、あるの?」

「今日開けるとこですが、試してみますか」

アレとは秋仔の内臓の塩辛だ。去年作っておいてあったのを店の奥から引っ張りだした。

「まだ1年ものですからちょっと漬かりが浅いですよ」

「ちょっとコリコリした感じなのがいいんだよね」

そう、今朝瓶に貯めてた内臓は来年用だ、後で塩振らなきゃ。

「この臭いを嗅ぐと今年も秋仔喰った気になるねえ」

この塩辛、実装臭とわずかに感じる糞臭で結構すさまじい匂いなのだ。

実装料理が好きな人でも「これはちょっと」という人は多い。

このお客さんは通というべきか秋仔の内臓の塩辛が大好きだ。ペロリと食べてしまった。

「よし!じゃあ締めと行くか。木槌とスプーン出してくれ」

もうひとつすごいのがこれ。

フルコースで出てきた秋仔ちゃんの頭を木槌で割ってスプーンで脳みそを食べるのだ。

「ガン!」    「テッチャァァッァ!!」

「ガン!」    「ヂィィィィッ!!」

「ガン!」    「ギャァァァァァッ!!」


秋仔ちゃんの季節は始まったばかりだ。


(おわり)

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1 Re: Name:匿名石 2014/09/14-11:21:37 No:00001338[申告]
早朝に見回りに往く。秋仔はだいたい夜捨てられることが多い。


やなを覗いてみたら早速竹編みの上にコロコロ転がっている肌色の物体が見えた。

皆仮死状態でぐったりしているが、何匹かはイゴイゴ動いてるのもいた。

水の冷たさであまり動けないのだろう。

そいつらを片っ端から掴まえて持ってきたバケツの中に放り込んだ。

15匹いる。シーズン初日にしてはまあまあの収穫だ。

作業小屋へ連れ帰る。
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2 Re: Name:匿名石 2015/09/12-20:00:52 No:00001841[申告]
涼しい季節になると読みたくなるスクです
フルコース旨そう
3 Re: Name:匿名石 2019/12/29-01:27:56 No:00006154[申告]
なんとなく、なんとなくだけど、なんだか秋仔の内臓の塩辛は芋焼酎、それも癖の強いやつが合いそうな気がする
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