タイトル:【虐】 双葉動物園
ファイル:双葉動物園.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4053 レス数:2
初投稿日時:2009/04/03-02:20:40修正日時:2009/04/03-02:20:40
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双葉市の外れ、正確には敷地の半分は外に出ているのだが、
ともかく『双葉動物園』と名乗っている動物園があった。
パンダもゴリラもいないパっとしないラインナップ。
その中で目玉になっているのは、二匹の象だった。それを中堅所の、
動物触れ合いコーナーや乗馬体験が支える、地元民リピーターが多い動物園。



その中では、昨年まで実装石も見世物にされていた。
歌ったり、踊ることを要求されているのではない。
求められるのは、山実装的姿や、田舎の川原に住んでいるようなのどかな実装石の姿。
近頃は双葉市にも自然が減っており、親たちには子供に自然の生き物の生活を見せる良い機会となる。
暢気なジジババには、質素な暮らしを思い出させるものがあり、そこそこ人気がある。


園実装達は芸をしないとはいえ、調教がなされないわけでは決してない。
人前での流血沙汰はご法度だし、投糞して威嚇などされたら大事だ。
野生のナマモノ感が減るので媚ポーズも敬遠される。
客は100円でニンジンを買って実装達に与えることができるが、
それも自分達から要求してはいけない。許されるのは人間の目の前でじゃれあう演技程度である。


実装石たちのスペースは地下から地上へ吹き抜けになっており、地上からは猿山のような眺めで、
地下からはアクリル板を通して実装石の暮らしを横から眺めることができる。
人工的なものは極力排除されているので、実装石たちは岩に掘られた横穴や、枝を組んで作った
プーさんとおおあらしで吹き飛ばされたイーヨのお宅のような住まいで質素に暮らしている。


躾はされていても喧嘩は時折起こっていたのだが、
所詮は実装石、目の前に快楽が現れれば怒りなど煙のように消え去る。
飼育員が切り分けたリンゴでも放り込めば自然にばらけて食事に夢中になるということだ。



気ままに見える彼女達の暮らしの中で恐怖は二つある。

一つは健康診断だ。半年に一回のこの日になるとすべての実装石が集められて、
よちよちと普段見ることのない区画に向かう。そこでは一日お服とさよならして
過酷な検査を受けなければならない。注射に腸内洗浄、水に沈められて肺活量を調べさせられたり…。
この細かい検査には理由があった。以前、実装石が突如爆発して、客に糞が降りかかった事件があったのだ。
虐待派がドドンパでも投げ込んだのかと思われたが、糞づまりになった蛆がガスで破裂したのが実際だった。

親実装は、飼育員に蛆の病気を見られることを嫌い、洞穴の奥深くに隠して育てていたのだ。
不具な蛆実装である上に、病気持ち。処分されてしまうと疑ったのである。
事実、過去には今一つ動きの悪い実装石は家族丸ごと処分されている時期もあった。
しかし、園実装全体の生活にどうしても不自然さが見られるようになったので止めていたのだ。
古株の親実装はこのことを知っていたので、蛆を守るために頑張っていたのだ。
結果的には、それが蛆を死なせることになってしまったわけだが…。

蛆の糞詰まりなど、指が五本ある人間が上手くプニプニしてやれば、あっというまに解消する。
ぷしゅーっと良い音を立てて(臭いが)、蛆ちゃんの笑顔はすぐに取り戻せるのだ。
実装石の不器用な手で腹をイタズラにこねると、むしろ腸内ガスを増やしてしまうだけなのだ。


加えて、日常見慣れない動物の側にいるために実装石が未知の病にかかっている可能性もある。
爆発しないまでも、大量の糞を漏らして死なれたらイメージダウンは必須だ。
かくして実装石の隠れ病を防ぐために健康診断が始まった。




健康診断は間が長いのでまだいい。もう一つの苦難は週に一回ある、実装ふれあい広場の開催だ。
その日の朝、実装石たちは六時に起こされて、糞抜きされて冷たい風呂に入り、消毒液を浴び、
綺麗な実装服を着込んで、ちびっこ広場にある実装ぞーんの柵に入っていく。
疲労困憊な体をコンペイトウで誤魔化されてニヤニヤしているところに、子供達がやってくる。


公園の実装石たちは凄まじく不潔なために、通常の場合子供達は触ることを許されていない。
奇妙な生き物と遊ぶことができるふれあい広場はとても楽しい空間だった。

「待てー」
「かわいいねー」
「キモいって!」

子供達は気ままに実装石をこねまわしたり、抱えてごろごろ転がったりして遊んでいる。
シャチにジャレつかれる人間の如き苦痛にじっと耐え忍び、コンペイトウの甘みを思い出して懸命に笑う。

無事にこの日を乗り越えることができれば、ご褒美をもらえる。
閉演の後、ジューシーな猫缶を支給されて、九時まで明かりが灯り、その中で実装石たちは
踊ったり歌ったりして楽しく過ごす。
なんだかんだで野良に比べれば格段に良い暮らしといえるだろう。
時にはふれあう中で不幸な事故もあるが、これはまあ仕方ない。






「はあああ うぜえなあ…」

悪態を付きながら、夜の動物園を歩くこの男。
長時間に及んだ馬の出産にくたびれきっていた。
同僚も帰った中、最後の始末を終えてとぼとぼと歩いていると、「テチーテチー」と鳴き声が。
実装区画を上から覗き込むと、仔実装がこちらに向かって媚びていた。
閉演後に実装に密かにお菓子を与える飼育員がいた。男のことをその人と思ったのである。

「おいおい、あいつ媚びしてるじゃねーか…」

元々実装石が嫌いだった男は小石を拾って仔に投げつけた。
石は仔実装の側に落ちたものの、突然の恐怖に仔は盛大にパンコン。
親が駆け寄ってきて男に向かって喚き始める。

「テェェェン!!」
「デジャッ!!デスウッ!!」

「…」

男の頭の中で何かが切れて、地下に駆け下り、実装区画の扉を開ける。
そして、喚く親仔をモップでひっぱたいて引っ掴む。

「デフェエエ…デスウゥ…」
「テベェ…テェェン…」

階段を上がって、実装石たちが見たことのない場所を男はズカズカ歩いていく。


「デェェ!デブ鳥がこっち見てるデスウ!怖いデェェン!!!」
「ママー!お猿が沢山いるテチャー!!」

リンガルを持たない男の耳に単なる耳障りな叫び声を浴びせかけつつ、
目的地のある檻の前に着いた。そして、親仔を禿裸にして放り込んだ。

バシャーン!

「デェェン!ハゲハダカデスウ!!お水怖いデスウ!!」
「テェェン!奴隷にされるテチャ!お水冷たいテェェェン!!!」

親仔の投げ込まれた場所には浅く水が張られていた。
親は仔が溺れない様にすぐさま抱きかかえると、上に上がる道を探して
水の中を走り回った。その振動が水を伝わり、大型爬虫類が迫りつつあった。




「デジャッッッ!!!!!!!」

「テェッ!!?」

突然の衝撃に仔実装は目をつぶって親にしがみついた。目を開けると…
自分が水に浮かぶ親の上半身にしがみついていることに気が付いた。

「ママアアアアアアアアアァァァ!!!」

仔実装はパニック状態になり、死体をビート板にしてバタ足で突き進んだ。池の中心へ。
ここはワニの暮らすエリア。仔実装が中心にたどり着いた時、いくつもの水しぶきが上がり、
後には何も残らなかった…。





「…はあはあ…やっちまった…」

男は冷えてきた頭で後悔したが後の祭り。
翌日から動物園に姿を現さなくなり、その次の日に器物損壊で通報され、逮捕された。
リンガルによって園実装が証言して発覚したのだ。



職員に限らず虐待派の暴走も稀にあったが、何年も上手くやってきた園実装たち。
しかし、十二月に致命的な事件が起きた。
ここ数ヶ月赤字が続いていた動物園では、なにか新しい企画が求められていた。
園長には旭山動物園のペンギンパレードが非常にうらやましく思えていた。

「よし!これでいきましょう!!」

「園長それは…」

結局「その企画」は見切り発車でリハーサルもせずに行われることになった。
十二月の学生達の冬休みが始まった頃のある日。寒い朝に実装石たちはたたき起こされた。

「デプゥン…今日は何もない日のはずデスウ」
「寒いテチー 干草に戻るテチュー」

「ほら起きなさい! これに着替えてね!」

飼育員が実装石達に服を配る。白黒にくちばし、ペンギンのきぐるみである。
ペンギンの喉の部分から実装の寝ぼけた顔が出ている。
社長は非常にのりきだったが、実際に着込むとこれほど珍妙な姿もないのだが…。

「これはあったかいデスウ 最近寒かったから助かるデス」
「蛆チャにも欲しいレフー…」

「蛆ちゃんと親指ちゃんは、ママの袋に入ってくださいねー」

「デスウ?」

親実装のコスチュームには腹部にカンガルーのような袋が付いているのだ。
蛆と親指は喜んでその中に入っていき、笑ったり寝息を立てたりし始めた。

「レフーン!ママといつでも一緒レフー」
「レチー…あったかぬくぬくおネムレチュウ…」

「じゃあ、みなさん一列に並んでくださいねー!
 これから動物園の中をお散歩してもらいます」

「デスウ?」
「楽しみテチー!」

「お客様に手を振られたりしたら、笑顔で返してくださいね
 くれぐれも媚びはしないようにお願いします
 粗相があったら調教しなおしなので、ほどほどに」

「「「分かりましたデスウ!!」」」







十時になり、お客が増えてくると、スピーカーに声が響く
『ペンギン実装ちゃんの行進がはじまりまーす!!』

某ねずみ国家の電気行進曲に酷似したBGMが響き渡る。
既に苦笑いを浮かべている大人たち。それでも子供はワクワクしているようだ。


「「「デッスッ デッスッ!!」」」
「「「テッチュッ テッチュッ!!」」」

「「レッフレッフレッフレッフ レッフレッフレー」」

「「レッチチー レッチュチュー」」

「「デッデ デッデ スゥ!」」

群がる客の間を縫うように実装石が行進していく。
音楽と歩調が合い、思わず歌っているが、園長にはどうやら好評の模様。
しかし、お客にも好評かどうかは分からない。どうやらボチボチ飽きた人が出始めているようだ。

行進は何とか順調に進んでいき、実装石たちは園の中心、動物の最も多いエリアに来ていた。
コスプレ実装の行進など、結局のところ面白いのは最初だけ。
一部の子供が面白半分についてくるだけで、周りの人はどんどん減っていった。
すると…



「…テ?テチャアアアアアア!!!!」

「ど、どうしたデ、デッシャアアッ!!!」

人ごみがばらけて実装石の視界が開かれたことで、
目前に巨大な象が現れた。目の前に沢山いる奇妙なナマモノに興味しんしんで、
檻まで近寄ってきて懸命に鼻を伸ばしている。

「デェェ!怪物デス!仔供が攫われるデスウ!」

「テッチャー!触手テチュー!!吸われるテチ、怖いテチャアアアッ!!!」

列を乱して走り回るビビり実装石。もちろんパンコンしているが、
きぐるみのおかげでモリモリウンコを垂れているわけではない。しかし、尻の部分がグジュグジュに
濡れて、膨らみ始めていた。
何とか平静を保っていた成体実装にも異変が。白い腹の部分が緑色に染まっている。

「デスウ?蛆チャ…蛆ちゃあああぁぁん!!」

蛆実装は巨大な獣を見てパキンしていた。親指も精神崩壊寸前でブリブリと糞を漏らして
泡を噴いて白目を剥いている。すると、親もショックでパンコン。白黒のペンギン達は、
白より緑色の方が多くなってくる。



「はーい 皆さん 落ち着いてくださいねー!大丈夫ですからねー!」

「デェエエジャアアァァ!!」
「デェェェン!!デェェン!!」

「ママアァ〜!怖いテチュ〜〜〜!!!」
「蛆tysんgしsぢjjさdfg、!!!」





パニックになった実装石は四方に走り出す。
お客達は糞に引いて道を空けるので、実装は好きな方向へと走っていった。

「あ〜ん!もう無理です園長!!!!」

女性スタッフもどうすることもできずに涙目状態。
遠くから様子を見ていた園長や、他のスタッフは顔を青くして実装を追い始めたが、
客も沢山いるのでむやみやたらに動くことができない。






「あ、ペンギン実装ちゃんいたよー!!」
「なんかくっさぁい!」

「こっちデスウ!!!」
「テチィ!!」

団体で来ていた幼稚園児の間をすり抜けて、
一組の親仔が植え込みを乗り越えて檻の中へと入っていく。
彼女達の目には木の多く生えた安全な隠れ場所に見えた。しかし…


「フゴフゴッ」

「テジャアアアアアアアッッ!!!」

「仔を返してデスウウウウウウゥゥ!!」


檻の主はマンドリル。木から飛び降りて仔を攫い、また上へ登っていってしまった。
親も登ろうとするのだが、指のない手で木を掴んでも、滑って木皮によって肌を削られるのみ。

「デ、デェェン、デェェェン!!!」

泣き叫ぶ親実装と、声に集まる幼稚園児の目の前で、仔実装はぬいぐるみを剥かれて解体された。

「デズウアアァァッッ!!!!」

ペンギン姿であらゆる体液をぶちまけて泣き暴れる親実装。
騒音を不快に思ったマンドリルに頭部を一撃で破壊され、仰向けに倒れた。
ペンギンの喉の部分から血の泡がゴボゴボと吹き出し、
収まりきらない糞が隙間からウジュウジュと漏れていた。



「う、うわあああああああああああ」
「せんせえええええええええええええええ」

園児のトラウマ決定。





「ママァー!こっちは駄目テチュウ!!」
「デシャアッ!巨大ハナ糞蟲デス!!!ウンコもでかいデスウ!!」

象の檻に入り込んだ実装石たちは、懸命に逃げ回ったものの、完全に象のおもちゃに成り果てた。
踏み潰されたものはまだいい。大半は鼻で吸われて、水桶に落とされた。

「デポポ!!ブクブク…!デボッ……!」

暴れた後に痙攣して静かに死んでいく実装たち。
水桶は緑に染まり、その中にペンギンが浮かんでいるかのようだ。





他の場所ではインコに啄ばまれるものや、蛇に巻かれて全身の骨を砕かれて飲まれるもの、
馬の後ろ足でスマッシュされてバラバラ死体を散らすものなど、大体が無残な姿になった。
問題は、客、特に多くの幼稚園児たちがその様子を見てしまったことだ。
園児達はペンギン実装に惹かれて面白がって付いていったのだが、その先々で
生餌を食うばかりか、もてあそんで虐殺する動物の姿を頭に焼き付けた。
最悪の情操教育になってしまい、幼稚園の先生の顔も真っ青だ。
モンスターペアレンツが憤怒するのは明白な未来。
ちなみに、先生には糞蟲虐待派が多いという。我侭な親達に重ね合わせるのだろうか。


かろうじて生き残ったのは豚小屋の積みわらに埋もれて震えていた五匹の実装石のみ。
豚の乳を吸おうとして押しつぶされた糞蟲も数匹いた。

「ワタシタチは何もしてないデスウ…どうしてこんな目に…」
「皆死んじゃったデス… お家が寂しくなるデスウ…」

お家に帰ったら、また家族を作らないと…。実装石たちはうなだれながらもそう考えていた。
確かに、その後にお家には帰ることができた。帰る途中、顔面蒼白の飼育員が多数いたが、
実装石達には気がまわるはずもない。しかし、これから自分達に起こることは関係ある話。






「あれだけイメージダウンになってはしかたなかろうて」

惨事の翌日、呆れ顔を隠すスタッフ達の前で園長は言った。
実装石たちの処分が決まったのである。彼女達は実際良くやっていた。
しかし、目の前のヒゲデブが立てた、実装の能力や程度を理解しない無茶な企画で全てが崩れてしまった。
客は減るだろう。マスコミの取材まで来てしまった。愛護派の反発もあるかも…。
スタッフはこれからのことを思うとゲンナリしていた。実装への哀れみもちょっとだけ感じた。



実装石たちには傷ついた心と体を癒すために、頑張ってくれたお礼も兼ねて楽園に送られると伝えられた。
各自荷物をまとめるよう伝えられ、泣きながら仔達の臭いの付いた品々を抱えて、動物園の出口に向かう。

「デッデロゲー デッデロデー」
「デスデスウ デッデスデー」


台車に乗せられて、暗い面持ちの飼育員の前を通り、正門前に停められた楽園行きのバスに向かう実装石たち。
陰鬱な歌を口ずさんでいる。仔への鎮魂歌か、自らの不運を呪う言葉か。
恐ろしい動物達は最早目に入っていない。



「…今までありがとうございましたデスウ…」

バスに乗り込むとき、実装石たちは飼育員に頭を下げてお礼を述べた。
彼女達にとっては厳しいこともあったが、基本的に優しく真面目に接してくれたニンゲンたちだった。
苦笑いで見送る飼育員にスタッフ、憮然とした面持ちでコーヒーをすする園長。
動物園が見えなくなるまで、実装石は懐かしの生まれ故郷に手を振り続けていた。


道中乗り込んでくる実に幸福そうな実装石たち。ワタシも楽園でまた幸福な家族を作ろう。
ある親実装は思い、仔の臭いの付いた頭巾を抱いて眠りに落ちた。
数十分後に到着するのは、大きな煙突のある楽園である…。





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sc1688.txt、【悲】双葉発楽園行きの設定をちょっと借りました。

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1 Re: Name:匿名石 2019/09/23-17:15:02 No:00006111[申告]
飼育員に楯突くところがたまらなかった
こういう実装の家族に徹底的に危害を加えたいね
2 Re: Name:匿名石 2024/01/18-01:44:36 No:00008622[申告]
実装も能力的にはペンギンみたいな人気者になれるポテンシャルはあるんだろうがな
どう足掻いてもそうはなれないのが実装の定め…
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