タイトル:【低虐】 仔を産みたい
ファイル:仔を産みたい.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:13391 レス数:1
初投稿日時:2008/10/06-02:34:53修正日時:2008/10/06-02:34:53
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いつもの様に日課の散歩へ飼い実装であるミドリと出かける。
普段からこなしている日課なので特に苦労は無いが、ここ最近散歩に出るのが面倒になってきた。
理由を挙げるならミドリが原因だった。

いつもの道をいつもの速度で歩くミドリ。
そんなミドリの前に同じ飼い実装である親仔がすれ違った。
親仔を目で追うミドリを見て溜息が出てしまう。

「ご、ご主人様…」

「ダメだ」

ミドリが何かを言う前にきっぱりと否定する。
もう何回も同じ事をしているのでミドリが何を言いたいのかが解った。

「デー、まだ何も言ってないデス…」

「どうせ仔供が欲しいとか言うんだろ。ダメだ」

そう、最近ミドリは仔を欲しがるようになった。
ミドリを飼い始めたのはまだ仔実装の頃。
今ではすっかり成体として成長をした。
仔を欲しがってもおかしくはない。
だが、こちらにも都合という物がある。
実装石の飼育には金がかかる。
というのも、飼い実装のブームが来るとペット業界はこぞって実装石グッズを売り出した。
グッズは様々な種類が発売された。
そして、実装石という欲の塊がグッズをねだり飼い主に買わせる。
大抵の飼い主は盲目的な愛護派であり、実装石の我侭をすんなりと通した。
その為、販売側は値引きといった事は殆どしなかった。
販売側にとっては金ヅルだが、一般的な飼い主にはいい迷惑だった。
こういう背景もあって殆どの一般的な飼い主は代用品で済ますのが普通だった。
代表的なのが住居だった。
実装石を飼育するにあたり住居は重要なものだ。
住居が無いと実装石は飼い主の家を自分の家だと認識してしまう。
そうなってしまうと手遅れだ。
飼い主の家は自分の家、だから何をしてもいいという決断をする。
そうならない為にも住居を用意し、そこが自分の家だという認識をさせなくてはならない。
だが、実装石専用の住居はかなり値が張る。
そこで爬虫類用の水槽で済ませる飼い主が多いがそれでも費用は馬鹿にならない。
最終的にはダンボールで落ち着くだろう。
コストもほとんどかからない上に実装石の本能かダンボールでも落ち着くようであった。
他にもトイレだとか餌皿も代用品で済ませればそれなりに費用は浮くのであった。
だが、数が増えればそれだけ世話が大変になり餌代も増える。
食欲旺盛な実装石には大量の餌を必要とした。
だが、餌の量は飼い主の意思で変えられるので問題はない。
問題は重度の愛護派の場合だと餌として何でも与えてしまうことだ。
こうなると実装石は一気に糞蟲として覚醒する。
そうならない為にも厳しい躾を施すのであった。
飼い実装の多頭飼いはよほどの金持ちか賢い親実装がいる事が前提だった。


「前にも言ったろ。家じゃこれ以上数を増やせないって」

「デー」

ミドリは残念そうに先ほどの親仔の背中を見る。
手をつないで歩く姿は微笑ましかった。

「何度も言うようだけどな」

飼い主である男は釘を刺す為にきつい口調で言う。

「仔供産んだらどうなるか言ったよな?」

「デヒィ!!」

短い悲鳴を上げるミドリ。
以前仔が欲しいと言ったら飼い主の男から散々説教された上に親仔共々禿裸にして公園に捨てると言われたのだ。
ただ捨てられるだけでは無く禿裸にされる。
これが効いたのかミドリは仔を欲しいとは言わなくなった。
しかし、現物を見るとその決心は揺れるようである。
この為、飼い主は毎回の様に仔を産みたいという言葉を聞かされる破目になったのだ。

「デー…」

「家に帰るぞ」

トボトボと飼い主の後ろを歩くミドリだった。


数日後。
いつものように飼い主がミドリの様子を見に来た。
惰眠を貪っているミドリを起こす。
だが、その顔を見た飼い主の顔が険しくなった。

「ミドリ…お前…」

「デ?」

両目が見事なまでに緑一色に染まっていた。
妊娠したのだ。

「ミドリ…!」

飼い主はミドリの体を掴むと服を捲し上げる。
案の定パンツを着けていない。
ミドリを掴んだままケージ内を見回すと端の方に隠す様に丸まったパンツを見つけた。
このパンツは実装石用の避妊パンツだった。
飼い主が勝手に妊娠しないようにと買い与えたのだ。
しかし、それを脱いでいた為妊娠をしてしまったのだった。

「ミドリ!お前!」

ここで重要なのはパンツを自分の意思で脱いだということだ。
しかもご丁寧に端に丸めて隠していた。
飼い主は掴んでいた手を放すと部屋の奥へと消えていく。
戻ってきたその手には赤インクが握られていた。

「デギャァァァ!」

飼い主はキャップ部のスポイトに赤インクを吸わせるとミドリの喉を掴んだ。

「デグィ!グベァ!」

奇妙な声を上げて飼い主の手を叩く。
そんな事はお構い無しに飼い主は赤インクをミドリの片目に落した。

「———!!!!!!!」

声にならない叫び声を上げるミドリ。
飼い主が手を放すと腹を必死にさすり始めた。

「デ!デ!デ!ダメデス!消えちゃダメデスー!」

両目がオッドアイに戻ったことにより体内で吸収され始める仔を感じ取ったのだろう。
何とか仔を救おうとするミドリだが、どうにかできるはずも無い。
やがて腹の仔が全て吸収されたのか血涙を盛大に流し始めた。
そんなミドリを飼い主はただ冷たい目で見下ろしていたのだった。

「酷いデス!何で仔を殺すんデス!?」

飼い主を睨んで抗議する。
だが、そんなミドリに飼い主は怒りに満ちた声で話し始めた。

「酷い?お前、俺との約束を忘れたのか」

飼い主との約束。
それは仔を生んだら公園に禿裸で捨てるという事。
しかい、飼い主にとっては重要なのはそれではない。

「それにな、お前は俺を裏切ったんだ」

「デ?」

とぼけた顔をするミドリ。
そんなミドリに話を続ける飼い主。

「お前、避妊パンツをわざと脱いだろ?」

「デデ!?」

自分のした事を言い当てられたミドリは驚いた。

「自然に起きた妊娠なら俺が許すとでも思ったのか?」

故意的な妊娠より自然に起きた妊娠なら飼い主も許してくれるかもしれない。
そう考えたミドリの行動は見事に裏目に出たのだった。

「ふざけるな」

手元にあった50cmのアクリル定規を取り出すとミドリの体に撃ちつける。
バチンという乾いた音が鳴り響いた。

「デギャァァ!」

「実装石の分際で俺を騙そうとしたな?」

バチン バチン バチン バチン

「デビィ!ギギャァ!」

ミドリは叩かれるたびに叫び声を上げる。
服が切れ、その切り口から見える皮膚が赤くはれ上がる。

「そこまでして仔が欲しいか?」

「そ、それは…」

睨みつける飼い主に怯えるミドリ。

「もうお前には失望したよ。約束どおり公園に捨ててやる」

ミドリはその言葉に絶望を感じた。

「デェェェ!ご主人様!許してくださいデス!!何でもするデス!!」

土下座をして必死に哀願するミドリに飼い主は溜息をついた。

「飼い主を裏切った上に命乞いか」

一呼吸置くと渾身の力を込めた一撃を見舞った。
しかも、横向きではなく縦に向きを変えて振りぬいた。

「ガァァァァァァァァ!!!」

顔面に定規の一撃を食らったミドリは後ろへと吹っ飛んでいった。

「いいだろう。最後のチャンスをやる。」

再び喉を掴むと赤インクを緑色の目に落した。
途端にミドリの腹が脈打ち始める。

「デェェ!?生まれるデス!!生まれてくるデスー!」

脈打つ腹を抱えて水場へと移動し始める。
水場に着き仰向けになると足を開いて出産体勢にはいった。
総排泄口から仔が出てくる。

「「「「テッテレー」」」」

計4匹の仔が生れ落ちるとすぐにミドリは粘膜を舐め取り始めた。

「デッスーン。可愛い仔デスー」

ペロペロと舌で粘膜を舐め取るミドリを飼い主はただ何の感情も無く見下ろしていた。
1匹目の仔の粘膜が完全に取れるとミドリは水場から仔を出して次の仔を手に取る。
飼い主はすかさず最初の仔を掠め取り、ダンボールの小箱に入れた。
次の仔が終わるとまた同じ様に小箱に入れる。
最後の仔が舐め終わった頃、ミドリは最初の仔を抱きしめようと探すが見当たらない。

「デ?どこ行ったデス?」

住居でもあるダンボール内を見回すが仔は最後の仔だけしかいなかった。

「チュワー!!」

仔の叫び声がした方へ顔を向けると飼い主の手が最後の仔を掴んで持ち上げていた。

「デェェェェェ!?」

「ママァー!助けてテチー」

ミドリは飼い主の手に捕まろうとするが手は遥か上方へと上がっていった。

「何をするデスー!?仔を返してデスー!!」

「黙れ」

定規が脳天に振り下ろされた。

「デギャァァ!!」

縦に振り下ろされた為、ミドリの脳天に一文字の溝が出来上がった。

「さて、お前は仔が欲しいとか言ってたな」

「デ、デェー…」

飼い主が箱を横から叩くと箱から仔の声が聞こえてきた。

「テチャァァァー」

「ママ!どこテチ!?」

「テェェェェン!」

「怖いテチー」

「仔の声デスー!!ご主人様返してデスー!!」

必死にジャンプして箱を取り戻そうとするが少しも届いていない。
そんなミドリを見て飼い主は張り手を食らわせる。

「デボォォォ!」

「お前の都合などどうでもいい」

飼い主は箱に視線を移すと仔実装に話しかける。

「おい、金平糖をやろうか」

「テェ!?金平糖テチ!?」

「さっさと寄越すテチ!」

「アマアマ寄越すテチー!!」

「テヒィン…テヒィン…」

1匹を除いて3匹は金平糖という言葉に敏感に反応した。
残りの1匹は金平糖よりも今の状況をどうするかで頭が一杯のようだった。

「4匹中当たりが1匹か…」

その1匹を摘み上げると細工を施す。
細工といっても後ろ髪の付け根に髪と近い色の輪ゴムを取り付けるだけだった。
リボンやタグをつけてもいいが賢い親実装の場合、気がつかれて外されるかもしれない。
また同じ作業をするのも面倒なのでこの方法を取り入れた。

「おい、ミドリ」

「デ?」

「最後のチャンスをお前に与えるぞ」

そう言って箱から仔実装をマーキングした奴以外取り出してミドリの前に置く。

「ママァー!!」

仔達は母親を見つけて安心したのかミドリの元へと駆け寄った。

「お前達…!元気に生まれて良かったデス!」

マーキングされた仔実装は箱の外から聞こえてくる姉妹と母親の声だけ聞こえてきた。

「テェェェーン!ワタチもママに会いたいテチー!」

「大人しくしてろ」

箱の蓋を閉じると適当な所へ置く。
ダンボールの住居内で抱き合っている親仔を見下ろすと声をかけた。

「ミドリ、お前は仔を生むだけでなくまだここにいたいと言う」

「デ、デス…」

「だが、それはダメだ」

飼い主はそう言ってあるものを住居内に投げ入れた。
それは一本の竹串だった。

「これがラストチャンスだ」

親仔は投げ入れられた竹串に不安をつのらせた。

「仔を生かしたいなら捨てる。だがここにいたいのなら…」

ミドリは口の中の唾液を飲み込む。
仔達もただ親であるミドリの服を掴んでじっとしていた。

「仔を殺せ」

「デェェェェ!?」

飼い実装として生きたいなら我が子を殺せと言われたミドリはたまらず脱糞をしてしまう。

「さあ、決めろ」

飼い主の威圧的な視線がミドリを見つめる。

「で、できないデス…」

自分の服にしがみつく仔を見てミドリは躊躇してしまう。

「そうか、できないか」

飼い主は溜息を深くつく。

「やっぱり、お前も母親と同じか」

「デ?」

男が発した母親という単語を聞いたミドリは不思議そうな顔で飼い主を見た。

「ご、ご主人様?今なんて言ったデス?」

「お前も母親と同じだと言ったんだ」

ミドリは自分の母親について記憶が全く無い。
自我を持ったときには既に一人だった。
飼い主に母親に会いたいといってももういないと言われてきた。

「ママデス?何でママとワタシが同じなんデス!?」

目を見開き鼻息を荒くするミドリ。
飼い主はその重い口を開いた。

「どうせ捨てるからもういいだろう。教えてやるよ」

飼い主がポツリポツリと話し出した。

「お前の母親はな、今のお前と同じ事をしたんだよ」

仔が欲しいと騒ぎ出し、花粉で勝手に妊娠した事。
最後のチャンスとして仔を殺すか生かすかの選択肢を与えた事。
まさに今のミドリそのものだった。

「う、嘘デス…!」

「嘘じゃない」

そして、母親は仔を生かす事を選んだ。
結果、母親とその仔達は禿裸にされて公園に放された。

「ワ、ワタシは…」

「ああ、お前は他の姉妹より賢かったからな」

生まれてからすぐに箱に入れられ自分だけ隔離された。
そして母親はもういないと飼い主から告げられたのだ。

「そして、今まさにその時の再現ってわけだ」

「…!じゃあ、仔がもう1匹いるデス!?」

「ああ、いるぞ」

「か、返してデスー!」

仔を返せと迫ってくるミドリを見て飼い主は笑い出した。

「ハハハハ、そこまで母親と一緒か」

「デ!?」

「お前の母親も同じ事を言ってたぞ。仔を返してデスーってな」

「デデ!?」

もうミドリはわけがわからなかった。

「さてと、そろそろお別れだな」

ミドリの頭を掴もうと手を伸ばす。

「ま、まってデス!」

「何だ?この期に及んでまだ命乞いか?」

「ママは!ママはどうなったデス!?」

「ああ、お前の母親か」

伸ばした手を引っ込めると飼い主は薄ら笑いを浮かべながら話し出す。

「さあてね。禿裸にしたからな」

禿裸にする。
実装石にとって全てを失うのと等しかった。

「運が良くても一生奴隷。後は野良の胃袋行きだな」

「そ、そんな…」

「でもまあ、元飼い実装の肉は野良にはご馳走だからな」

ミドリの頭を飼い主の手が掴む。

「もう食われていないだろ」

「デギャァァァアァァァァァァァ!!」

ビリビリと音をたてて引き裂かれる服。
ブチブチと音をたてて引き抜かれる髪。
全てを失う瞬間と感触。
ミドリとその仔達はただ泣き叫ぶしか出来なかった。


数十分後。
しとしとと小雨が降り始めた公園入り口。
ダンボールを持った人間が立っていた。

「この辺でいいか」

公園に入ってすぐの垣根にダンボールを降ろす。

「達者でな」

「デェェェーン!!待ってくださいデスー!!」

「テェェェーン!!お服と髪が無くなったテチー!」

「嫌テチ!!奴隷にはなりたくないテチー!!」

飼い主が去っていくと草むらからゾロゾロと薄汚れた服を着た野良がやってきた。

「人間からの貢物デス!!」

「食うデス!食らうデス!!」

一斉にダンボールへと群がる野良実装達。
ダンボールを破壊し、中にいた親仔を掴んでは引き千切っていく。

「デギャァァァ!!」

「「「テギャァァァァァ!!」」」

後に残されたのは服の切れ端と血痕だけだった。


飼い主が部屋に戻ると1冊のファイルを取り出す。
パラパラとめくっていくと最後のファイルが閉じられているページに止まった。

"H.20 */** 〜"

冒頭には日付が振ってあり、その下には一枚の写真と細かいデータが記入されていた。
その写真は1匹の実装石。
名前はミドリと記されていた。
飼い主は日付の部分に今日の日付を書くとページをめくる。
そこには数々の実装石の写真が貼られていた。
餌を食べる姿、排泄行為をする姿、寝床で眠る姿。
まるで観察でもするかの様な写真が数枚貼られていた。
写真以外にも細かなデータが手書きで書かれている。
嘘をついた時の仕草、便意が近くなったときの仕草。
癖の一つ一つが細かく記されていた。

「26代目はこれで終了か」

ファイルを閉じると飼い主はあの仔実装を入れた箱へ向かう。
蓋を開けると仔実装が泣き続けていた。

「ママァ…どこテチィ?」

母親を探し続けて疲れたのか座り込んでしまっている。

「おい」

「テェ?」

声をかけられた仔実装は泣き顔で男に顔を向けた。

「ママはもういないぞ」

「テェ!?」

母親がいないと告げられた仔実装は目を見開いて驚く。

「ママ!?ママはどこテチ!?」

「…まったく、どの世代でも同じ事を言うんだな…」

男は呆れた顔をして、仔実装を見る。

「ママはいないが今日からここがお前の家だ」

「テェ?ワタチ飼われるテチ?」

「ああ、そうだよ」

男は笑顔で答える。

「我が家へようこそ、ミドリ」










H.20 */** 研究対象ミドリ(七代目)の観察開始

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1 Re: Name:匿名石 2019/03/10-11:20:06 No:00005792[申告]
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