タイトル:【虐食】 キッチン・テチャアズ
ファイル:テチャアズ.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4746 レス数:1
初投稿日時:2008/09/08-21:46:23修正日時:2008/09/08-21:46:23
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キッチン・テチャアズ

繁華街から少し離れた場所に、穴場的な料理屋があるという。
その店の名は『キッチン・テチャアズ』

ある日仕事でたまたま近くに来ていた私は、その店に足を運んでみることにした。
少し迷った末に、店の入り口を見つけることができた。
それというのも店が住宅街の中にあり、看板もちょこっと立ててあるだけなのだ。
看板には店名と、マスコットであろうか、グラスを持つ実装石が描かれている。
名前からも想像が付くように、この店では実装石の料理を出すのだ。

店は地下にあるので、階段を降りる。
正面の扉を開けると、おしゃれな音楽が聞こえてきた。
「…テチャテチャテッチュ デシャデシャデー…」
ほのかにバックを流れる実装石の声が耳をくすぐる。
味覚だけでなく、聴覚でも実装石を味わう趣向だろうか。

開けた調理場をよく見渡せる、カウンター席に着く。
メニューを選んでいてふと顔を上げると、
なにやら、コックが棚に並んだ瓶から一匹の蛆実装を取り出している。
周りの瓶の中を見ると、蛆実装が桜チップの上でレフレフ鳴いている。
この中で育てると、蛆実装がほのかな桜の芳香を漂わせるようになるのだという。
「プニフー…レピャッ!」
コックは、さっと熱湯に通して桜色になった蛆ちゃんを、ススッと切り分ける。
それが小皿に盛られて私に出された。サービスのつまみということだろう。
いただくとしようか。一切れ口に入れると、桜の香りが口中に広がり、シンプルな塩味がとてもおいしい。

つまみだけなのも寂しいので、とりあえずお酒、『サム・カクテル 1300円』を頼んでみた。
「レチャア レチャア」
コックは可愛い声をあげる親指実装を一匹つまみ上げると、スルスルと禿裸に剥いていく。
パンコンを見せつけられるのかと思ったが、
手早くビールサーバーのようなものを親指実装の口に突っ込み排泄孔にもホースを挿してしまった。
レバーを引くと、
「シャーッ」
という音が流れる。恐らく、糞抜きと体内洗浄を行っているのだろう。
ドドンパを使用すればブリブリと音が鳴り、食欲を無くさせる。
そんな糞抜きを、心地よい音に変える店の技だ。
「レチュゥゥン」
儚げな鳴き声は食欲を増大させる。
これからどう使うのかと興味深く見ていると、なんと親指実装は、
そのまま酒と共にカクテルシェーカーに放り込まれ、
「チュベチュベチュベチュベッ」
シェイクされてしまった。
コックはグラスにコーヒーフィルターのような紙を敷いて私の前に置いた。
この紙は実装石の髪から作られたフィルターで、実装石の味に変な影響を与えないのだという。
そこにシェーカーの中身を空けると、とろっとした親指の残骸がフィルターの上に残り、
グラスの中には、ルビーのように透き通った赤色に、エメラルドのような緑色がマーブル状に広がる、
すばらしいカクテルができあがっていた。
小さなグラスの一杯はさわやかな酸味と甘み、そしてわずかなえぐ味を感じさせるすばらしいもの。
食材の親指実装も、特別な飼育を受けたに違いない。野良なんかでは、血肉にゴミの匂いが染み渡っているからな。

さて、今日のメインとして頼んだ『実装ケバブ 1500円』と『コジ・ライス 1200円』の登場だ。
「デスァ!デシャアァァ!!」「テジャアァ!」
コックが連れて来たるは丸々と肥えた実装親仔。威嚇もして元気一杯だ。
裏で糞抜き済みなのだろう、糞を撒き散らすことはない。
と、なるとカクテルの時の糞抜きはパフォーマンスということか。

「テ!テチャア!」
聞く所によるとこれは恐怖ではなく、料理のいい匂いに掻き立てられる空腹から出る声なのだそうだ。
それはともかく、コックはとにかく騒ぎ立てる仔実装の頭をわしづかみ、オムライスの上へ持っていく。
そして…偽石だ!食材から抜いておいた偽石を掴み、卵を割るように角に叩きつける。
「テギャッ」 パシャアッ
偽石にひびが入り、仔実装が口や目、鼻から血を噴く。すると…はっ!
オムレツに仔実装の体液で目口鼻の形が転写されているではないか!
仔の体は他の料理の具か、それともまかないにでもするのだろうか、しまわれた。
興奮の面持ちでスプーンを入れると、ジュワアッ 沸騰した汁が流れ出し、緑色のチキンライスが。
まるで仔実装を頭から食べていくような感覚だ。
がっつく私の前では親実装が怒りと悲しみの威嚇を繰り返している。
絶品の料理を食べながら、親の前で仔を丸齧りするかのような愉悦も味わえる。美味!

店員が私に親を調理してよいか尋ねる。そう、肝心の『実装ケバブ』がまだなのだ。
付け合せのサラダ(蛆に細く切ったきゅうりを刺してレタスを巻いたもの)と、
熱々のオムライスをゆっくりと食べながら、調理の様子を見物するとしよう。
「デシャデシャア…デゴオ!」
親実装を禿裸に剥き、ケツから口まで串刺しにし、オーブンの中心の穴に挿す。
半分に割った円筒状に親実装を囲んでいるオーブンは、ハロゲンヒーターのように真っ赤になっていて、
串ごと回転する実装を満遍なく照らし、焼いてゆく。
「デゲ オッホホ〜ン オホ…ホ〜ン デギャアッ!」

イタイイタイ。
私に再生不能な怪我がどんどん増えていく。私の実装生が取り返しの付かない方向に向かっている。
仔も食われてしまった。私は食われるために生きてきたんじゃない!嫌だ嫌だ!!

親実装のやりきれない怒りや、恐怖と哀しみが涙となって顔を伝う。
コックは涙をすかさず刷毛ですくいとり、体に塗りたくる。
次第に親実装は赤緑にテラテラと輝く美味しそうな肉塊になってしまった。
実装丸焼きと思えるが、この店ではケバブは、串刺しの肉を焼き、削いで食べるものを指しているようだ。
さあ、コックが出だしたるや巨大なナイフ。焼けた部分を表面からそぎ落とし、皿に盛っていく。
「デギャアス デギャッ」
幸か不幸かいまだに親実装はご存命で、身を削がれる苦しみにあえいでいる。
小心者の私は見つめられているようで心地が悪くなったので、偽石を砕いてもらった。
目は光を失い、噴き出した体液が肉にかかり、意外なソースとなった。
親実装の肉は内臓表面の苦い部分を除いて全て削ぐのだが、
体脂肪水分が抜け落ちて、なんとか私一人で食べられる量になっていた。

満腹になった所で、デザートだ。『ウジギョーチィ(哀蛆仔) 300円』。
食事をした人なら無料だというから嬉しいものだ。
出産石を強制出産させ、屑蛆を産ませ、洗浄、甘酸っぱいシロップをかけていただく。
ふう、脂っこかった口の中が爽やかになる。
最後に一杯『蛆ワイン800円』(ブドウと一緒に蛆を踏み込んで作る)を飲み、ごちそうさま。

代金を支払った帰り際、袋に入った『スモーク用 桜のチップ 600円』が売られているのに気が付いた。
これは参った。こんなものがあったら、我が家の飼い実装を食材として見てしまうではないか。
同じく置いてあった『スモーク蛆 500円』(服つき バナナのように剥いて齧る)と一緒に一袋買っていくか。
味はもちろん、商売上手な店であった。


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1 Re: Name:匿名石 2019/12/13-20:07:00 No:00006145[申告]
ケバブ実装の偽石を割ってしまうとは…もったいないことだ
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