タイトル:【虐悲】 少年の、或いは実装石の物語
ファイル:少年の、或いは実装石の物語.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:18048 レス数:6
初投稿日時:2008/04/27-20:36:50修正日時:2008/04/27-20:36:50
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「う——む。今日は流石に冷えるなぁ」

 誰かね。暖冬暖冬と騒いでいたばかは。滅茶苦茶寒いだろうが。
 目をしばしばさせながら階段を下っていくと、下で小学5年生の弟が声をかけてきた。

「兄貴、顔洗ったらでいいからこっち来てくれよ」
「ん? ああ……」

 顔を洗って弟の呼ぶ庭の見える(野原さん家を想像してくれ)居間へと向かう。

「どうしたんだ?」
「あれ」

 弟の指差す方向を見る。
 そこには犬用の短い鎖を首につけられ、小屋も無い吹きさらしの庭にただ放置されているだ
けのうちの成体実装石……飼い始めて二ヶ月ほどになる飼い実装のヨシノリがいた。命名して
やった時はデーデーとなんだか妙に嫌そうに鳴いて騒ぎ立てたが、結局家族の誰も反対しなか
ったのでヨシノリで定着してしまった。

 飼う切っ掛けを作ったのがこの迂闊な弟で、コンビニでプリキュア5のスティックポスター
を大人買いしてきた(小学生の癖に!)帰りにヨシノリによる託児被害を受けたのがそもそも
の係わりの始まりであった。後は説明するまでも無い例の手順でやってきたヨシノリを捕獲、
仔を皆殺しにして現在に至る。

「……ヨシノリがどうかしたのか?」
「すっげ、寒そうだけど。いいの、あれ。死ぬんじゃないの?」
「いーんじゃねえの? 第一、どうするんだよ。中に入れるのか?」
「いや、それはないな」

 ふと、外に掛けてある気温計を見ると……うん、マイナス7度かぁ。こりゃあ寒いだろうな。
雪降ったらあいつ死ぬかもな。まじで。

 ヨシノリは所々破れた実装服の破れた部分を押さえ込んで少しでも寒さを補おうとしている
が破れた箇所は一箇所や二箇所ではないため、別の場所を押さえれば今しがた押さえていた場
所が冷え始め、またそこを押さえ、また更に別の箇所が冷え始め——最終的にはストレスから
パニックを起こして「デギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」と近所迷惑な絶叫
をあげ始めた。

「プッ……」

 そのあまりに無様な姿に、まだしもヨシノリに同情的な弟がつい吹き出した。

「アッハッハッハッハッハ!! そりゃ駄目だろ、寒いに決まってるじゃん! アッハ、アッ
ハッハッハッハッハ!!」

 ツボに入ったのだろう。うーむ、小学生といえば箸が転んでも笑う年頃だからなぁ。って女
だけか、そういうの? まぁ、いいがヨ。

 そうこうしていると、ようやくド鈍いヨシノリが、窓越しに見られていると気付きこちらに
向き直り必死のアピールを始めた。

「デ! デェェ! デ! デェェ!」

 手を振り上げ、鎖で拘束されながらも軽く飛び跳ね、その後に自分の体を抱くジェスチャー
を加える。リンガルなど、家族の誰一人持っていないので何を言っているかはわかったもので
はないが、どうせ、中に入れてくれとか寒いとか言ってるんだろう。
 そこに母がやってくる。

「彰、光成。朝ごはん食べちゃってよ」

 そして、ジト目になって俺たちを見る。

「……あんた達、あの汚いの家の中に連れ込んだりしないでよね」

 待て、母上。そんな前科は俺たちには無いはずだ。

「すげえ寒そうだけど」

 そんな母に弟、光成が口を挟む。

「野生の生き物なんだから、このくらいの寒さは平気よ」
「冬場の側溝覗いた事無いのかな、ママン……」

 ぼそりと呟くが、母の耳には届かなかったようだ。

「さぁさ! もう実装石なんかどうでもいいから朝ごはん食べちゃって! あんた達が朝ごは
ん食べないと、あの実装石もご飯食べられないのよ」

 母は飼い始めて二ヶ月は経つのに、未だにヨシノリの名前を覚えていない。
 母のヨシノリを見る目は汚物を見るような目でも、動物を見るような目でもない。ただ、そ
こにある『物』を見るような目だ。餌は決して実装石用のものを与えたりせず、俺たちの食事
の残り物。焦げ付いた鍋に近寄るのも嫌なのか、鍋の内側に木の枝を突っ込んでヨシノリの前
に押しやって与える。

「はいはい……」
「はーい」

 一様に頷いて俺たちは居間から台所においてある食卓に向かった。父は既に食事を終えて出
社したらしく、そこに姿はなかった。やぁ、第二土曜だってのに大変だね……感謝感謝。

「今日の朝飯は?」

 ジッと待ってりゃ出てくるのに光成は待ちきれないのか、単に習慣なのか、鍋に火を入れ始
めた母の背にそう問いかけた。

「ご飯と、サラダと、厚焼き玉子。それと……お味噌汁がいっぱい」

 微妙な取り合わせだった。

「……いっぱい?」
「うん、ほら」
「わぁ」

 母は火を入れ始めた鍋を持ち上げた。何かと思ったら味噌汁デスカ。その鍋の中身。
 母が手にしているのはカレーを煮込むのに使う底の深い鍋だ。そこをなみなみと味噌汁で満
たし、水?面にはシンプルにワカメだけがたゆたっていた。

「どしたのそれ」
「作りすぎちゃって」
「そりゃ、見ればわかるけどさ。なんでまた」

 母の言う事を要約すると「味噌入れすぎた」→「水足す」→「水多すぎた」をかなりの回数
繰り返したらしい。なんでそう、アニメみたいなミスをするかなこの母は。

「まぁまぁ、食べられるだけでいいから。でも、沢山食べてね」

 はいよーっと、二人して同じ返事をしながら俺たちは飯碗に盛られた白米に齧り付き、作っ
てからしばらく経つせいで少し冷えてしまった厚焼き玉子を味噌汁の中に落として温めつつ、
塩気もたしておく。これが美味いんだわ。いや、まじで。素朴だけどね?

 そうこうしている内に俺も弟も朝食をすっかり平らげ、腹鼓を打っていた。
 当然、あの山盛りの味噌汁はほぼ丸々残る。

「お腹一杯になった? お味噌汁、もういらない?」
「いや、流石に腹いっぱい。ていうか、そんなに味噌汁ばっか飲めないよ」
「じゃあ、残りはあの実装石の餌ねぇ。今晩はちゃんこ鍋だからつけ合わせで出すわけにもい
かないし……」
「ふーむ。まぁ、しゃあないんじゃないかな……米とかはないの?」
「みんな売れちゃったわよ。まぁ、あんまり残ってなかったんだけどね」

 そう言うと、母はシンクの下に無造作に転がしてあった底の焦げた鍋に大鍋の中の味噌汁を
ほぼ残らず注ぎ込んだ。場所が場所だけに短時間で結構な量の埃が積もるのだが、母は気にせ
ず、焦げ鍋になみなみと味噌汁を注ぎ、残りをおたまで掬って俺たちの飯碗に注いだ。

「いや、もういいってー」
「んー。食べちゃって〜。捨てるのは勿体無いし……」

 見れば焦げ鍋には縁ギリギリ……持って歩ける限界くらいの所まで味噌汁が注がれている。
 しゃあねえなあ。

「じゃ、ちょっとこれあの実装石にやってくるわね」
「「ほーい」」


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 デッスン……デッスン……寒いデッスン……。

「デェェェェェェ……デェェ……デェェェェェェェェ……」

 小刻みに——どころではない。人間であれば相当に厚着し、懐中にカイロなども含ませて、
それでもなお長時間外にいたいとは思わないような気温である。ようやく、日なども照っては
きていたが、ヨシノリにとってそれはモスクワの陽だまりのようなものでしかなく、ヨシノリ
は最早抵抗をやめ、可能な限り身を丸めてただ寒さに打ち震えていた。

 始めは『飼い実装』の証と喜んだ首輪が今やヨシノリの枷になっていた。

 実装石の身長から見ても酷く短い、30cmほどの鎖はすぐ傍の庭木の枯れたものの洞を通
して一周させてあり、鎖自身の遊びも酷く少ない。幸せ回路を稼動させる事もなく、ヨシノリ
は厳しかったが自由だった公園を懐かしんでいた。いや、帰りたくてたまらなくなっていた。

 そもそもの託児の原因がゴミ捨て基準の大幅改正による煽りの食糧難であり、産めよ育てよ
でぽんころぽんころ産み落としてきた仔の餌まで確保できなくなったがためであったが、今は
その仔たちもご主人様たちに殺されてしまった。

 もう軽い身だ。公園に帰りたい、髪も、お洋服も無事だしこの首輪を何とか持ち帰れれば飼
い実装として崇められるかもしれない。

 そんな妄想とも空想ともつかない夢の映像を眺めながら、ヨシノリは今日もほとんど身じろ
ぎ一つ取れない息のつまる安穏に身を委ねていた。

「デ?」

 不意に玄関の戸の開く音がした。ガラガラ、と聞こえて後にはヨタヨタと歩いてくる人間の
足音が続く。そして、更に何か食べ物の匂いがした。

「デッス〜ン♪ デー! デー! デー!」
(デッスーン♪ ママさん! ママさん! ワタシ、お腹ぺっこぺこデスゥ♪)

 よだれをボトボトと落としながら、ヨシノリはやってくるゴシュジンサマのママに向かって
媚びを売り、待ちきれないとばかりに飛び跳ねる。その度に首が鎖で締め付けられて息がつま
ったが、構わずヨシノリは何度も飛び跳ねた。

 ゴシュジンサマのママはそんなヨシノリの動きを一切見ようともせず、近くにまで寄ると、
餌用の鍋を地面に置いて、後は箒の柄で鍋の内側を押してヨシノリの目前にまで押しやった。

「デヒャア! デェェ! デェェ!!」
(デェェ! こぼれてるデス勿体無いデス!)

 最後の一押しで強く鍋をヨシノリの前に押しやると、ゴシュジンサマのママはさっさとヨシ
ノリに背を向けて歩き出した。

「デー! デデーン!」
(ママさんありがとうデス! 美味しくいただくデス!)

 つい先刻まで解放を夢見てブルーになっていたとは思えない明るさであった。
 結局のところ、自由よりも食欲が満たされている事に喜びを感じてしまう辺り、やはり実装
石である。

「デ〜♪ デデッデー♪ デー♪」
(いただくデッスン♪ タイボウの朝ごはんデス〜♪)

 が、ふと自然に顔を下ろそうとして上手く行かない。

「デ?」

 それも当然。ヨシノリは約30cmほどの長さの鎖で拘束されている。そして、成体である
ヨシノリの身長は50余。鎖の遊びは僅かに20cmほどしかなかった。

 汁物ということで犬食いをしようとしたヨシノリは当然の引き算の結果、鍋の遥か上。味噌
汁のにおいをギリギリ嗅ぎ取れるラインで静止した。

「デ……デェェェ……」

 これまでヨシノリは汁物『のみ』の食事を経験したことがない。これまでは座り込み。股の
間に鍋を挟み、手で直接鍋の中身を掬って食べるという食事法を取ってきた。だが、味噌汁相
手にそんな食事の仕方が出切る筈もない。

 それでもヨシノリは座り込み、鍋の中に手を入れた。
 チャプン……と、水音をさせて味噌汁から手を出したヨシノリの手に残ったのは僅かなワカ
メの束だけであった。

「デ?」

 困り顔で、ヨシノリは鍋と自分の手を見比べた。

「デチャ、デチャ」

 とりあえず、手先についたワカメの束を舐め取るように口に入れる。
 あまり美味しくはなかった。

「デスッ」

 パシャン! 味噌汁の水面を勢い良くヨシノリの手先が滑りぬける。

「デー……」

 手には先ほどよりも遥かに少ないワカメが欠片で引っ付いただけであった。

「デー、デスー……デー……」
(デェェ、困ったデス。食べられないデス……)

 ぐるるるる、とお腹も鳴っている。食べられないとなると、今の今まで忘れていた寒気もぶ
り返してくる。
 
「デ……デウゥゥゥ……」

 こうなったら、とヨシノリは覚悟を決めた。鍋の側面には丸い取っ手が二つついている。

「デスッ!」
(持ち上げるしかないデス)

 指の無い手先をぐにぐにと動かしてウォーミングアップ。そして、可能な限り腰を落とし、
取っ手に指をかける。そして、持ち上げんと力を込める。

「デ……グ」
(こ、腰にクるデス……)

 一気に力を込め、持ち上げて——そのまま足を滑らせて全身で味噌汁を浴びた。


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「くそぅ、どう見ても武田鉄矢じゃねーか!」
「鼻のでかい、肌が緑の武田鉄矢だねえ」

 俺と光成、などと会話していた所。

『デッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!! デデェェ!!
デェェェッ!!! デッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』

 凄まじい悲鳴が聞こえて、世界最高のシングルRPG(宣伝)OBLIVIONのキャラメ
イクに必死になっていた俺と、それを退屈そうに見ていた光成を一挙に現実へと引き戻した。

「なんだァ?」

 ゲームをしている居間からは振り返るだけで庭が見れる。振り返った先では鎖が首に絡まり
仰向けに倒れる事すらできない格好で顔に鍋を被り、四肢を猛烈に暴れさせているヨシノリの
姿があった。

『デオオオオオオオオオオオオオオオッ!! デゲェァォォオ!!』

 首に絡まった鎖を外そうとする動きと、顔に被さったままの鍋を外そうとする動きを同時に
行っており、たまにその動作が逆転するので結局どちらも功を奏していない。

「ありゃぁ流石に放っといたら死ぬんじゃねえ?」
「ちょ、ちょっと俺行ってくる」

 慌てて庭先へ飛び出そうとする光成であったが、それよりも僅かに先。恐らく玄関から出て
きたんだろうが、肩を怒らせ、瞳にも怒気を込めた姿に俺は——。

「行くな光成」

 思わず、光成の肩を押さえて押し留めてしまった。
 視線の先では鍋を外され(鎖はそのまま)、怒りに震える母の姿に脅えきったヨシノリの姿
がある。母はヨシノリに何も言わなかった。
 ただ、手を振り上げて。

『何遊んでんのよ!』

 感情のままに打ち下ろした。
 バンッ! と派手な音がしてヨシノリは悲鳴も上げずに背後の枯木まで吹っ飛ばされ、尻餅
をついた。

『デ……デェェェ……デェェェェェェェェェ……!?』

 ブリブリブリブリィ……、窓越しでも判るほどの実装石特有の排便の音。飼われ始めてから
は殆どしたことのない、見事なパンコンであった。
 ヨシノリは痛む頬を押さえ、今尚、怒りの静まらない母をびくびくしながら見上げている。

『食べないんなら! いいわよ!』

 そして、母はヨシノリ専用の焦げ付いた鍋を持ち上げる。

『デ! デェェェェ!!! デェェェェェェェェ!!!』

 既に空になった鍋だというのに、ヨシノリは立ち上がって『持っていかないでくれ』といっ
た風の身振りを始めた。自分の所有物だという自覚でもあるのだろうか?

『デェェェェェェン!!! デェェェェン!! デェェェェェーーーン!!!』

 鎖を精一杯引っ張って、母の背を追うヨシノリ。母は、もう振り返る事無く歩き出し、わざ
わざヨシノリに見えるように鍋を塀から外に投げ捨てた(あぶねえなぁ)。
 母は家に戻っても何も言わなかったが、その日から、ヨシノリの許に我が家の残飯が届けら
れる事はなくなった。


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「デー……」

 この所、ヨシノリは動く事が少なくなった。ぼんやりと虚空を見つめているか、自分の餌入
れだった鍋が放り捨てられたあたりを座って眺めている事が多く、時折力なく立ち上がっても
すぐにまた尻餅をついてぼんやりしている。
 理由は敢えて言うまでもなく空腹からである。
 時折、すきっ腹が痛むのだろうか……腹を押さえてしばらくうずくまって……またどっかり
と地面に腰を下ろす。

 その姿に、最早生気は感じられない。
 ただ生きているだけ。そんな感じだった。

「生き物はな。最期まで面倒を見てやらなきゃイカンぞ」

 ヨシノリの強制絶食が始まって、四日ほどした頃だったろうか。我が家の家長である父が、
表情の読めない瓶底めがねに蛍光灯の明かりを反射させながら言ったものだ。

「特に害蟲はな」
「……まぁ」
「カミキリムシ、って知ってるか?」

 俺はどんな昆虫か想像できなくて、素直に首を横に振った。光成も同じく首を横に振って見
せた。

「木を齧る害虫なんだよ。強い顎を持ってて……馬鹿でかい蟻を想像すると近いかなぁ、白と
黒のまだらで、長い触角があってな……そりゃあ格好いい虫なんだが、害虫だからって言って
昔っから駆除駆除でとうとう、この辺りでも見なくなったなぁ」

 後で調べてみたが、父の語った事は正確ではなかった。一部は正しいが、一部には誤解があ
る。だが、大事なのはそこではなかったので、俺は後日にその誤りを正したりはしなかった。

「俺も好きでよく飼ったものだが、父さんの父さんにな。ちゃんと、最期まで面倒を見ろよ。
純一。とよぉく言われたもんさ。害虫だからな、離したら害があるし、離したが最後、どこで
害虫として駆除されてても不思議は無い。一度でも家族として迎え入れたなら、途中で嫌にな
っても最期まで面倒を見てやらなきゃ可哀想だろう?」

 そこまで聞いて、ようやくそれが母への遠まわしな説教である事がわかった。母はうなだれ
ていたが、その日も翌日も、結局ヨシノリに残飯が提供される事はなかった。
 父も何も言わなかったが、少し母への目線が冷たくなったように思う。しかし、父も必要以
上に強く出る気はないようで、ヨシノリの絶食日数は二週間目に入ろうとしていた。


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「デフッ……デホ……デフ……」

 三週間を過ぎる頃、ヨシノリは腹を抑えた格好のまま、ほとんど動かなくなっていた。時折
咳をするために身をよじるのが精一杯といった様子で、最早、餓死寸前なのだろう。かつては
無用なほどでっぷりとしていた体躯からはすっかり肉付きが落ち、骨に皮が張り付いていると
いう有様だ。泣く事ももう無い。

「段々くさくなってきたわね……」

 洗濯物をヨシノリの傍に干す母は、近寄るたびにヨシノリに侮蔑の言葉を吐きかける。ヨシ
ノリは少し前、家族に見えないようにこっそりと糞食をしていた。恥があったのか、それとも
嫌われるという打算があったのかはわからないが、その現場を見た母は、あまりのおぞましさ
に声も出なかったのか。絶好の洗濯日和だったにも関わらず、その日は洗濯物を部屋で乾かし
ていた。

 母の鼻には、もう糞をすることもなくなったヨシノリの糞の匂いがこびりついていると見え
ヨシノリが助けてほしそうに母を見上げても、心底汚いものでも見るような目でヨシノリを見
下ろすだけで、まともに相手をしようともしなかった。
 それでも、そんな扱いを受けても人間に頼ろうとするのが実装石だ。
 繰り返し、何度も何度も、その日にそのタイミングが来る限り、ヨシノリは母を見上げて救
いを求めるのだった。

 夜になると、ヨシノリはほんの少しだけ泣いた。
 身を切る寒さもまた極限に達しようとしていた。

「おね……デ……ダボー……ル……デ……いいデ……ス……か、ら、暖かい……も、を……」

 舌はもつれ、最早手指もまともに動かなくなっている。母は、結局最後までヨシノリの訴え
を聞こうとさえしなかった。

 俺の話しを聞いている諸兄の中には、何故俺たちが助けてやらないのか? という極めて心
優しい方もいるだろう。だが、正直俺たち兄弟も、そして父も、実際のところは母を怖がって
いるのだ。

 母は隠れた暴君だ。
 普段は温厚で、優しいが、時々、まるで何かが解き放たれるように暴君と化す。母は最初か
らヨシノリの存在を嫌悪に近い感情で見ていた。そこに無理矢理、餌係という役目まで押し付
けた俺たちは、この母に口を挟む資格もない。
 ……光成には少し可哀想だが、恐らく俺たちはこのままヨシノリが衰弱死して、墓穴を掘ら
されるところまで何も出来ないだろう。

 光成は、この頃ヨシノリを見るのも辛いのか、庭を見ることもなくなって無理にゲームに没
入している。

 事件は、そんな日が続く中の一日に起こった。


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 ぐったりと、暗い視界の端々に視線を這わせていくだけの日々。時折、太陽と一緒にゴシュ
ジンサママを見るときだけ、この視界は明るくなるが、何故だかその瞬間の事はあまりにも悲
しくて何も思い出せない。

「デ……」

 腹を押さえて苦しむ力さえなくなって、ヨシノリはうつ伏せに倒れこんだ。もう二度と起き
上がれる事はないだろう。
 気を失えたらどんなにかいいだろうと、ここの所毎日ヨシノリは考えている。だが、考えら
れている間は気を失う事もない。

「……」

 苦しい。寒い。空腹感はもう感じなくなっていた。便が出ることもなくなり、腹部に溜まり
始めている。それが体内で発酵して、その悪臭で鼻が曲がりそうだった。

「……」

 視界の隅で何かがチョロチョロしている。

(きっと、蟻サンデスゥ……きっと、ワタシを食べに来てくれたんデスゥ……)

 ヨシノリは死の妄想ばかりしていた。限界に達した苦痛は死に安堵を求める。しかし、その
空虚な妄想にも現実は容赦なく入り込んでくる。

「チププププ……オバチャン、くっさーいテチィ」
「テチュチュチュチュ!! オネイチャ、カッコイーテチュー! ワタクチサマはオネイチャをタタエマクッテヤルテチューーー!!!!」
「当たり前テチィ。チプププ……」

 それは蟻などではなく、二匹の実装石だった。途端に我が仔の姿が思い出され、ヨシノリの
視界が一挙にクリアになる。

 桃色の実装服に身を包み、それぞれ赤と黄色のリボンを身に纏う二匹の実装石。赤リボンが
丁度、仔サイズで、黄リボンは親指としてもかなり小さい……人差し指サイズの本当に小柄な
実装石だった。
 その胸には前掛けの代わりに『殺してくださいw』と書かれた紙を貼り付けていた。
 見るからに糞蟲。そして、明らかに捨て実装。

「このオバチャン、野良のブンザイで首輪してやがるテチィ、生意気テチィ!」

 ガスッ! と、今の弱りきったヨシノリにしても何の痛痒も感じさせないしょぼくれたキッ
クを叩き込む姉仔実装。その反動で転んだが、起き上がり、『どうだテチィ! 痛かったたら
泣いてもいいんテチよー?』などと言っている。

「テチュチュチュチューーーン!! オネイチャ! オネイチャはイッタイドコマデツヨクナルテチューーー!!!」

 妹親指は、何も判っていないのか、何故か血涙を跳ね飛ばし、よだれをボタボタ落としなが
ら気味の悪い奇声を張り上げて大笑いしている。

「ワ、ワタチは無敵テチィ……最強テチィ……♪」

 転んだ姿を無様に見せまいと、姉仔もまた無意味な虚勢を張ってみせる。が。

「デ」

 のっそりと、小山のような——仔二匹にしてみれば——ヨシノリの体が起き上がると。

「テチュチュチュチュチュィャーーーーー!!!! ムムムムムムムテキのオネイチャアアアア!!! カワイイカワイイワタクチサマをオマモリヤガレテチューー!!」
「チチチチ……ワワワワ、ワタシのほうが可愛いから駄目テチ! お前がシネテチ! 生贄テ
チィィ!!」

 大騒ぎである。
 ヨシノリは、本人は気付いていないものの、相当に威圧感のある容姿になっていたので、仔
姉妹はまるで化物でも見るかのような目でヨシノリを見やった。

「デ」

 ヨシノリは、怖がらせないようにそっと手を伸ばし、仔姉妹の胸についたあんまりな張り紙
を剥がそうとした。が、そののたくたとした動作は仔実装にすらヨシノリが何をしようとして
いるかを悟らせてしまった。

「テチィ!? ドレイクズニンゲンがくれたニンゲンをドレイ化するマホウのオフダを盗む気
テチィ!? クズみたいな野良ゴミ実装石のクセに図々しいテチィィィ!!!!」

 力量差を忘れて歯牙を剥いて吼えたける姉仔。

「テチュチュチュチュチュチュチュチュチュチューーーーン!!! ヤレヤレヤッチマエテチュー!!! ワタクチサマはオネイチャをオウエンダケシテヤルテチュー!!」

 またも奇声を上げ、顔からありとあらゆる体液を撒き散らし大笑いする妹親指。

「……違うデス」

 のたくたとした動作で、仔姉妹を追うヨシノリ。

「チィー? 何が違うテチィw? その腕は何テチィw? わかるテチ、わかるテチよ……オ
バチャンみたいな醜いバケモノ野良実装石じゃあニンゲンはドレイにできないから、ワタシに
嫉妬して……そして、大事なマホウのオフダを……ギろうとしたテチィィィ!!! クズの醜
いバケモン実装石がよりにもよってワタシのモノを盗もうとしたテチィィィ!!!!」

 最初は嘲笑していたのに、自分の言葉で腹が立ってきたのか、姉仔は急に息を荒げて離れた
場所から小石をヨシノリに向かって投げつけ始めた。

「テチュチュチュチュチュチュチュ!!! ミニクイバケモノー!!! オバチャンハワタクチサマのシル実装石のナカデモモットモミニクイブルイにハイルサイ
アクのナマゴミ実装テチューー! ウツクシイワタクチサマにシットシテモシカタナイコトカモシレナイテチュネェ、デモババァはババァラシク、ミノホド
をシレテチュ、ナ?」

 二匹に嘲笑されても、ヨシノリは動じなかった。投石も、ほんの小さな石ばかりでかすり傷
さえついていない。ヨシノリは鎖の小さな稼動範囲に負けないように必死になって仔姉妹を追
いかけた。痩せて首もほっそりしたヨシノリは、以前より少しだけ快適に動けるようになって
いたのだ。

「それをつけてちゃ……駄目……デス」

 仔を奪われた思い出がヨシノリにはある。その奪われる原因を作ったのが、短慮な自分であ
る事をヨシノリは今ならはっきりと自覚できた。
 そして、今度は死なせたくなかった。
 仔を目の前で失いたくはなかった。

「来んなテチィ!!! バケモノババァァ!!! キモいんテチ! キモすぎなんテチィィ!
ババァお前鏡も見れない身分テチィ!? キモすぎてキモすぎて、顔すらも見れないんテチか
ぁ? シッシッシ! 来るなテチ!」

 自分たちから寄ってきておいて酷い言い草である。

「チュチュチュ……ウツクシスギナワタクチサマをコロシタイヨウテチュネェ……ムリムリテチュウ……♪」

 そして、決してヨシノリが行けない場所に退避すると、大声で罵倒を続けた。

「チィーィ、お昼ご飯もまだなのにサイアクなもの見せられたテチ、今日はきっと何も喉を通
らないテチィ、ゴキブリを殺った後でも食事できるワタシが……チ、酷いザマテチ」
「テチュチュチュチュ! オネイチャ、ゴキブリサンにアヤマルテチュウ!! コンナクソババァとクラベルナンテゴキブリサンにシツレイッテモンテチュ♪」
「チププ……確かに、妹チャの言うとおりテチ。ゴキブリサン、ゴメンナサイテチィw お詫
びに今度腕を齧らせてあげるテチィ」

 本当に酷い仔姉妹だった。ヨシノリは、どっかりとその場に崩れ落ちた。元々立ち上がる力
も気力も無かった所で、この仕打ちである。

「……デ、ス……駄目……デス……その、紙は捨……なき……駄……デス……」

 それでも、ヨシノリは仔姉妹を救おうとしていた。
 桃色という目立つ色、そして明らかに飼い実装(だった)姿。仮に前掛けの紙を剥がしても
彼女らから死の運命を取り払う事は不可能だろう。それでも、それでも……ヨシノリは何とか
救ってやりたかったのだ。だが、もう、声も出ていない……。

「チププププ。やっぱり醜いブタはどんな姿になっても醜いテチィ」

 ヨシノリを笑う姉仔。次の瞬間……。

「テチッ!?」

 ふわりと体が宙を舞った。
 その衝撃に驚いたのか、姉仔はブリブリとパンコンしながら先ほどいた場所からほんの少し
離れた場所に尻から落下した。
 ブチュ……と、音を立てて、緑の軟便が草むらに飛び散る。

 姉妹を跳ね飛ばしたのは、強い突風だった。妹親指は声も出せずに随分向こうの草むらにま
で吹き飛ばされた。が、草がショックを吸収したのか死ななかったようだ。ヨタヨタと姉のほ
うに向かって歩き出している。

「チィ〜……」

 姉仔は風で吹っ飛んだなど恥ずかしいと感じた。そして、居るはずもない自分を跳ね飛ばした
『敵』を求めて、辺りを見回した。

 バサバサバサ……と、風にあおられ大きくめくれ上がっていた純白のシーツを見つけるなり
大声を上げた。

「妹チャーーーーン! あれテチィ!!! あの白いムカツクヒラヒラにワタシタチは吹っ飛
ばされたんテチィ!!!」
「テチュチューーー!!!??? ナンテコトテチュ、ユルシガタイテチュ!!」

 妹親指はどこまで本気なのか、相変わらず奇声を上げて姉仔に応じた。

「ヒラヒラしててなんかムカつくテチィ! ワタチのビチクソでも喰らえテチィ!」

 姉仔はすぐさま、パンコンしたパンツの中から生糞を取り出し、元の場所に戻ってきたシー
ツに向かって投糞を開始した。真下まできても、シーツが姉妹の身長にさえ届いていないのは
言うまでもないことだが、姉仔は妹親指によほどいい格好をしたいと見えて、何度となく投糞
を繰り返し、見る見る間にシーツの下部を不快な緑色に染めていった。

「チュワー!! オネイチャカッコイイテチュー!!!!! サスガワタクチサマのアネテチュウウウウウウウウウ!!!!」

 ヨシノリは気が気でない。

「デ……デ、ェ……デ、ェ、ェ……」

 かつて、飛んで行きそうになったシーツをつかまえてゴシュジンサママに死ぬほど蹴り飛ば
された経験もあるヨシノリだった。仔たちの運命を思いヨシノリはおろおろしながらも、止め
るための声さえろくに出せないでいた。

「チププ! やってやったテチィ! チピャピャピャ!!!」

 ——そして、三匹を影が覆う。

「テチュ? ドレイニンゲンテチュ」
「そのようテチ」
「……デェ……ゴシュ……ンサママ……」

 ——そして、そして、影が長い長いヒールを振り上げて——。

「これ……ハ……ひがう……ン……デ……ズゥゥッ……!」

 ヨシノリのわき腹を全力で踏み抜いた。

「ハ——デ……ガァァァァァァァ……!!!」
「なんて事……するのよォッ!!!!」

 ゴシュジンサママの目には小さな仔二匹は目に入らなかった。
 ガスッ! ガスッ! ガスッ! ガスッ! ガスッ! ガスッ! ガスッ! ガスッ! 

「デ……オ……デ……デ……デ……ボ……デ……」

 怒りに瞳を血走らせ、『犯人』を踏み続けるその姿は単なる狂人にしか見えなかった。

「チププ……あのババァ、勝手に庭に入ってたみたいテチ。駆除されてるテチ、ザマァないテ
チィ。チプププ」
「テチュチュチュチュチュ!!! ヤッパアノババァはミノホドシラズノクソ実装石ダッタテチュ!! アンナノガドウシュダナンテ……ワタクチサマ
ハズカシクッテダレニモイエナイテチュウ」

 そして、この状態を引き起こした二匹は——自分たちが不法侵入をしたくせに、偉そうに何
事かを言いながら、そそくさとその場を後にしたのだった。

 間も無く、パキン——という乾いた音がして、ヨシノリは本当に二度と動かなくなったので
あった。


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「……」
「……」

 俺と、光成はずっと無言だった。発狂寸前の恐ろしい顔で家に戻ってきた母の『捨ててきて
頂戴!! 庭に生ゴミが転がってるから!!』という叫びに逆らえず、死んだヨシノリを抱い
て、ずっとずっと河原を当て所もなく歩いている。

「結局、何もしてやれなかったね……」
「……ああ」
「……飼わなきゃ良かった」

 本当に、その通りだ。『可哀想だから。親くらい』で飼ってやってこのザマだ。何も言って
やれない。
 ちらりと視線を横に這わせると、光成は泣いていた。
 実装石を遊びで潰した事は沢山あると光成は言っていた。それでも、この死には納得がいか
ないようだった。

「何か、してやれば良かった」
「……せめて、見晴らしのいい場所に埋めてやろうぜ?」

 もう遅いよ。と、言いかけて俺は言い直した。イカンな……ちょっと荒れてる。

「こんなに軽いよ。どうしよう……」

 光成の言葉には取り止めが無い。色々言いたいことがあるんだろう。だが、それが何かわか
らないんだ。

「優しくダッコされて、きっと喜んでるよ……」

 それが答えになっていない事を自覚しながらも、俺は光成を慰める言葉ばかり探していた。

「ごめんな……ヨシ……」

 ヨシノリの肌はどんよりと黒く染まり、踏み抜かれて血だらけになった背中からは糞がボト
ボトとこぼれて、光成の服を汚している……ああ、帰ったら何て言って助けてやろう。

「ここ、いいんじゃないか?」

 そこは丁度、線路の真下になる場所だった。

「凄く五月蝿いよ、きっとヨシノリ……眠れないよ」
「でも、あんま人目につく場所は拙い。それに、ほら……」

 指を差す。指を差した先には、不勉強ゆえに何の花かはわからないが、背が高く茎の細い橙
色の花が雄々しく咲き乱れている。

「結構いい場所だよ」
「……」
「光成……?」
「……わかった」
「穴、掘るから。ヨシノリ……ダッコしててやれ。な?」
「うん……」

 俺は、小さな園芸用のシャベルで硬い土を掘り返し始めた。背中には、光成が何事かをヨシ
ノリに話しかけているのが聞こえてきていたが、俺は聞かないフリをして、穴を掘り続けた。
途中、二度電車が通って、二度目に通過した後は光成はヨシノリを抱いて俺の横に立っていた

「こんなもんだな」

 少し、大きいくらいだが、野犬や、ここまで歩いてきた野良実装などに掘り返されたくはな
い。

「首輪、外してやれよ。きっと、ずっと苦しかったと思う」
「うん」

 光成の震える手がヨシノリの首輪にかかる。
 片腕でカチャカチャと不器用にベルトを外して行く。——するりと、手がすべり、首輪はヨ
シノリの頭を潜って、そのまま抜けてしまった。
 ヨシノリの体も滑り落ちる。

「うぁ……」

 光成が短く悲鳴を上げた。
 ドシャ……、とヨシノリは頭から穴に落ちて、すっぽりと穴に収まった。

「うぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁ……」

 後には、ベルトが完全に閉まったままの首輪が——光成の手に残った。

「うあぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ……うぁ……うぁああああぁぁぁ!!!!」

 光成は、その場に崩れ落ち……号泣した。

「ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ご
めん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん! ごめん
なさい! ヨシノリ! ヨシノリ! ごめんなさい……ごめんなさい……っ!」

 土まみれになったヨシノリの躯を抱き上げて、光成は泣き続けた。結局、俺は何も……何の
役にも立たなかった。

「うぁぁあぁぁああぁぁぁあぁ!!! うわぁぁぁあああぁぁぁああ!!! うぁぁああああ
ぁぁああああああああ!!!」

 長い長い慟哭が、ずっとずっと、終わりさえ予感させずに……続いていた。


END

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お久しぶりです。しばらく、病気をしていて来れませんでした。
610 :虐待紳士様、ありがとうございます。
続きは今、書いているのですが何分途中で放り出す格好になってしまったので、改めてどんな
話しにするつもりだったか思い出しております。

もうしばらくお時間をくださいませ……。
では……また。


【過去作】

お掃除実装石ちゃん危機一髪! 
まぁこんな夜もある 
義眼実装たちよ

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1 Re: Name:匿名石 2019/02/13-22:46:47 No:00005745[申告]
こういうのもありだと思った
2 Re: Name:匿名石 2019/02/15-02:10:49 No:00005750[申告]
かわいそうな気もするけどそもそもは託児なんてした糞蟲と出来心で飼った兄弟が悪いよなあ…
心が狭いキチガイみたいに扱われてるけど母親の反応がいちいちまともで何とも言えない
3 Re: Name:匿名石 2019/02/16-08:12:47 No:00005756[申告]
家族が強引に飼いたくもない不潔生物を飼い始めたうえに世話まで押しつけられたらこうもなるな
不幸な行き違い半分だけど母親視点ではヨシノリは食べ物を粗末にしたり洗濯物を汚したり最初から最後まで糞蟲だったし
普段手伝いもしないくせに要所でだけ説教垂れて不幸を長引かせる親父や自分たちも生かすだけ生かして放置気味だったのに何か起こったときだけ母親をヒスババァ認定して蟲をかわいそがる兄と弟の方こそクソ野郎やんけ
大体始まりからして行き倒れや公園で虐殺された生き残りみたいな同情案件じゃなくて託児糞蟲なのに母親以外みんな頭おかしいだろ
4 Re: Name:匿名石 2021/12/21-16:24:04 No:00006454[申告]
突然発狂したように暴力的になる母親…まさか某民族の血をひいているのでは…
実装石をただただ嫌悪するのも所謂同族嫌悪…?
怖いね火の病気
5 Re: Name:匿名石 2021/12/24-10:54:48 No:00006456[申告]
いやあ、無責任にペット欲しがるガキや何もしないくせに扱いが揉めたときだけ高説吐く親父に対して実際の世話で苦労させられる母親って話の実装版でしょ
かわいそうなのは母親の方でガキや親父が屑だわ
6 Re: Name:匿名石 2023/06/15-02:42:00 No:00007295[申告]
なんだこりゃ
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