タイトル:【虐】 バッドエンド編です これもまた終わり
ファイル:実装☆シスターズ! 3 デッドエンド編.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:4207 レス数:4
初投稿日時:2006/07/20-11:40:56修正日時:2006/07/20-11:40:56
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ミドリ達の飼い主が俺の携帯をわざわざ家まで届けてくれた。
お礼にケーキを出したら喜んでいた。
娘さん達が家出したという事なので、お婆ちゃんの家にいるのではないか?
と言ったらきっとそうでしょうと言っていた。

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3日ぶりに地下室に入る。
窓も無く、ろくな換気装置もない地下室は蒸し風呂状態だった。
普段は物置として使うからいいようなものだ。

俺が地下室に入った時、仔実装たちは、
壁際にいた。
こちらには気付いていない。
こっそり様子をうかがう。

テーブルの上には、なんか変なニオイを出し始めちゃってる蛆のミントちゃんがいる。
ガイル。ソニッブー。

下半身が麻痺したミィが、這いずりながらコンクリの壁に身を付けている。
少しでも涼を求めているのだ。
足首にあたる部分がおかしな方向に曲がっている。
椅子から降りようとした時に折れたのか。
開きっぱなしになった口は、荒い息をついていた。

その横では、ミドリが這いつくばって何かを舐めていた。
自分の尿だ。
2匹とも裸だから涼しいとは思っていたが、
案外そうでもなかったらしい。
ミドリの大きなリボンを付けた右耳は赤黒く変色している。
膿んだのだ。

何かの拍子にリボンが揺れるたび、
耳の傷口も刺激されるようで、
そのたびに四つんばいの体勢のまま、顔を真っ赤にして歯を食いしばっていた。

時折、ミィが寝転がって、腫れ上がった禿頭を見せたまま
「テチィィィィイィィィイィーーーーーーー!!!!!」
と壊れたスピーカーのように叫ぶ。
助けを…いや、俺を呼んでいるのだ。


なにしてるテチ。
かわいいワタチがこんなに苦しんでいるテチ。
とっとと水とゴハンとオヤツを持ってくるテチ。
ビョウインにつれてくテチ。
チュウシャはがまんしてやるテチ。
ニンゲンなら実装石にやさしくするのがとうぜんテチ。

そんなことを言っている。
姉がそれを聞き、
「テズゥゥゥゥゥ!!!(あのニンゲンに聞かれたらワタシたちは死んじゃうの!)」
と、苛立ちに満ちた声で注意する。
そして、自分で言った「死んじゃう」に反応し、
大げさに泣き始める。

なんだ2匹とも元気じゃん。


「しばらく見なかったけど元気?」
俺の登場だぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!

その瞬間、暑く、糞尿と垢が存分に蒸された匂いの充満した部屋で、
2匹の仔実装が凍った。

「テチ!」
真っ先に答えたのは妹のミィちゃん。
頭をなでなでしてやると、
必死な様子で笑い顔を作ろうとした。

が、俺がなでているのは後頭部。
傷口がまだ塞がっていない。
実装石は傷の治りが異常に早いと聞くが、
再生不可能といわれる髪は法則に当てはまらない。

爪を立ててうりうりしてやると、
作り笑いが吹き飛び、気が狂ったような悲鳴を上げた。

「お前らの行為には誠意が必要だと言っただろう」
動かなくなっていた、ミィの両膝を思いっきり踏みつける。
肉の中で血管が破裂し、骨の砕ける音がはっきりと聞こえた。

とたんにミィの絶叫は更に高鳴り
「デギャァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

と、文字になるとダサさ極まりない奇声で泣き叫んだ。
カワイコぶっていた仔実装も、メッキがはがれた。
動かなくっても痛みはあるんだ。
これは勉強になった。
すまんすまん。

白目を剥いて、仔実装は気絶した。


妹の悶絶☆エクスタシィ!に対しての姉のリアクションは……
目をつむり、耳を押さえて、小さく縮まる事だけだった。
しかしそれでも右耳の痛みに耐え切れず、
左耳しか押さえていない。
空いた右手を顔の前に持ってきていた。


「妹が苦しんでいるのに、助けないのか」
失望しながら尋ねる。
ミドリはただ首を横に振るだけだ。

「『いい仔』には程遠いなぁー」
右耳の大きな黄色の…かつては黄色だった布を根元から持つ。
「テテテテェッ!!?」
固く閉じていた短い腕を解き、俺の手を持つ仔実装。
震えながら首を横に振ろうとするが、
首を動かすと耳の傷口も刺激されてしまうので、動けない。
俺が動かす。

力任せに安全ピンを引っ張ると、
ミドリの耳は取れなかった。
結構しっかり付いてるものですよ。

「デェェェーーーー!!!!!!!!」
しかし、小指の先ほどの穴が耳に開いた。

ためしに俺の小指を入れてぐりぐりすると、
また新しい血が噴出すとともに、
「デァァァァァーーーーーーーーーーー!!!」
とミドリは叫んだ。

小指の先よりちょこっと穴は小さかったみたい。

「妹が困ってたら助けようね!」
ついでに、ぶよぶよした腕をへし折った。
悲痛な叫びが狭い地下に反射する。


久々のパンチの聞いた挨拶に、姉妹はもう瀕死だった。
これ以上やれば偽石がストレスで砕けてしまう。

そう思った俺は、すぐに1階へと戻った。

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「食事の時間だよーぅ」

食料と水を急いで持ってくる。
ゼェゼェと間隔の短い息をつく裸の2匹の上に、
2リットルのペットボトルから水をかけてやると、
どうにか元気を取り戻したようだ。

皿にとり分けた食料も置いたが、手をつけない。
ちょっと焦がしちゃったから?

2匹ともしばらく、口を開けたまま俺の方を見上げていたが、
お水はもう無いと分かると、
それだけで絶望したような表情になる。

実装石は一度でもその欲求が満たされれば、
常にその欲求不満が解消されていないと気がすまない
ワガママ糞蟲ちゃんなのだ。


傷穴が広がった事で、どんな動きをしても
安全ピンとリボンが傷口を引っかくようになったミドリが、
折られた右手の痛みとの二重奏に
かすかに叫びながら床にこぼれた水を舐める。

それを見て、足がペシャンコになってしまった妹が
弱弱しく声を上げる。
答えるかのように、姉はすすった水を妹に口づけで渡す。

「テスゥ…」
「テチィ…」

見返りも何も期待しない無償の愛。


あれ?なんだかこいつらいい仔になってるじゃん。
やっべー まさかこういう展開になるとはなぁ。


「えーと、皆さんに嬉しいお知らせがありまーす」
「「………」」
「ありまーす」
「テス」
「テチィ」
「えっとですね、先ほど、君たちのママンが僕の家に来たんですね」
「テェ!?」
「テッチー!!テッテチー!!!」
「それでですね、君たちを帰して欲しいと。ミントの事は残念だけど、
 ミドリとミィが元気でよかった、早く帰ってきて、と」
「「テッテレッテッテー!!」」

傷が痛いのも忘れ、はしゃぐ仔実装姉妹。
偽涙と血と苦痛で醜く濁った目に、
本物の光が宿る。


「このメシ全部食ったらママが迎えに来るからさ、食べろよ」
床に置いていた2つの皿を、膝を付いて差し出す。

「テッチィ!!テッチッチィー!!」
動く両腕を、寝そべったまま振り回し、
ミィが興奮で叫んでいた。

ミドリは俺の方を見て、
妹のはしゃぎぶりがニンゲンさんにイヤな思いをさせないかしら?
という怯えた視線をちらちらと送りながらも
感激の涙を流していた。

ママにまた可愛がってもらえるテチ。
おフロにみんなで入るテス。

素っ裸の禿仔実装たちが、しばし勝手な妄想に耽っていた。


1階に戻る階段の途中で、俺は地下室に向けて言った。
「はよ食わんかい」
「テ…テスゥ!」
大きな声が返ってくる。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


麦茶を補給し(地下室は本当に蒸し暑いのだ)、地下に戻った。
2匹の前の皿は綺麗に無くなっていた。
「美味かった?」
「テチテチ!」
「テッスン!!」
首をぶんぶん縦に振る姉妹。

「ウソつけよぉー 実はまずかったろ? 俺料理とか無理でさぁ」
笑いながら聞いてみる。
「テ…テチチ…」
「テス…」
恥ずかしそうにクスクス笑いながら、
顔を見合わせて微笑む裸のミドリとミィ。
3日間の絶食にもかかわらず、腹は垂れていた。

家に帰れると言う事は、飼い仔実装にはなによりの幸福だ。
ましてそれがママの待つ家とあれば。


まぁ、あの肉は不味いはずだ。
塩コショウしか振ってないし。

「ミドリ、ミィ…あなたがたはさっき、肉を食べました。
 そのことを良く考えて、これを見てください」

丸めたタオルケットを放り出す。
とっさの身動きが出来ないミィのお腹の上に、それはポテッと落ちた。
そのピンクのタオルの中から、コロリと何かが


「テギャァァァァァァ!!!!!!!??????」
タオルケットから転がり出たミントの首を見て、
ミドリが叫んだ。

「テ? テチ??…テチィイイイイイイイイイ!!!!!!!!」
左目の飛び出た蛆実装の首とまともに目を合わせ、
何なのか理解したミィも叫んだ。
同時に、痙攣を繰り返し、吐き始める。


「実はね、これは最終テストだったんだよ。
 君たち姉妹が本当に妹の事を愛していたのなら、
 あれが蛆ちゃんのお肉だって事は分かったはずだからね。」

寝ゲロを続ける妹に、優しく語りかけた。
姉実装はショックで目が虚ろになっている。


自然界では実装石同士の共食い、
しかも姉妹同士の殺し合いは当然の行為だが、
一度でも実装ショップで「躾」を受けた実装石にとっては
それはあまりにも禁忌なのだ。



「これもママが『あの仔たちなら分かってくれるはず』と言ったんだがねぇ…
 仕方ない、臨時の最終テストだ」
「テ…テェェェーーーン!! テェーーーーーーン!!!」
偽涙を流し始めたミドリを無視し、俺は続けた。

「『もしもの時は、これを渡せばミドリちゃんは分かってくれるはず』だってさ」

仔実装用の、護身ナイフを渡す。
猫や犬に襲われたときに使うものだ。
980円(税込)で、持ち手に実装石の柄が入っている。

「ちなみに『もしもの時は、一匹しか引き取りません』ってさ」
「テスッ」
ビクッとミドリが飛び上がる。
折れた右手が揺れ、脂汗を流しながら、歯の突き出た唇を振るわせた。

痛みとストレスで朦朧とした頭で、仔実装は必死に考える。


ワタチどうすればいいテス?
ママはきっと、ミントちゃんを食べちゃったワタチタチを怒るテス。
ううん、怒ってるテス。
どうしたら許してもらえるテス?
それに、飼ってもらえるのはイッピキだけって…
ワタチどうすればいいテス?
何言ってるテス!
決まってるテス!!


ミドリが妹をしっかりと見た。
仔実装の思考は常に単純で、直感的だ。
左手で危なっかしく実装ナイフを振り上げる。


その刃は、確実に ミドリの腹に突き刺さった。

「デゲボッ」
カタカタ震えるミドリ。
むき出しの総排泄口からは、うんちとおしっこがとめどなく漏れ、
内股を汚した。
傷口からは血が……そんなに垂れてなかった。

自分で自分を刺すはずが、結局は怖気づいてしまった。

「お前にはがっかりだ ミドリ」
「テス!! テェェェ!!」
もう一度ナイフを振り上げたミドリの左腕を掴み、
俺は両手でへし折った。


「テッキャァァァァァーーーーーーー!!!!!!!!」
鳴き叫びながら膝を付く仔実装。
大事にしている緑色の大きなリボンは、まだ綺麗なままだ。

調子に乗った自己犠牲気取りのせいで、
自分の痛みしか分からなくなった姉の横で
ミィは寝たまま嘔吐した肉が、のどに詰まって呼吸困難を起こしていた。

よほど妹を喰ったのだ。
ひょっとしたら姉の分まで喰ったのか。
俺は因果応報という言葉を思い出した。


ミィは絶望に見開いた目のまま、チアノーゼを起こしていた。
助ける気は無い。

ミドリはただただ、鳴き続けていた。
「ミドリ…お前が下らない悲劇のヒロイン気分の時、
 ミィはとっくにお前のために死んでいたんだよ。
 お前は『悪い仔』だ。
 だが…ミィとミントに免じて、ママの家に返してやろう」

ワタチそんな気分になってないテス!
違うテス!
違うテス!!!
いい仔になったテス!
違うテス!

勝手な事を何度も叫びながら、変な方向に曲がった両腕を揺らして
一番上の姉は泣きじゃくっていた。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ふいに、ドアからノックの音がした。
天井からノックの音はしない。
ミドリは泣き疲れ、グッタリしていたが、
腕と耳の痛みのおかげで意識はハッキリしているようだった。

「…いるの?・・・開けてもいい?」
母さんか。
「はいどうぞ」


……母の後ろに、見慣れない男が3人いた。
警察の制服を着ている。

「ウップッ」
いきなり右端の男が、床に戻しやがった。
なんだこいつら?

母は地下室の光景を見るなり、
大声を上げて気絶してしまった。
階段から落ちたら危ないぞ母さん。

「……警察のものです」
真ん中の年配の男が、真っ白な顔でそう言った。
見りゃ分かる。

左端のメガネはどこかに連絡を取っている。
右端の男はまだ吐いている。
「おたくのお母さんから通報を受けまして」
「ご苦労様です」
「任意同行にしてくれと言われましたが……現行犯で逮捕することになるのかな?」
「僕に聞かないで下さいよ」
「じゃあ、現行犯で逮捕しま」

「ミィイイイイイイイイイイイインンンンンンントォォォォォォォォ!!!!!!」

階段の上から、物凄い叫びが聞こえた。
あの愛護派だ。


「明都、明都、明都ぉ!!!!」
俺と話していた警官が突き飛ばされ、
左のメガネごと、どたどたと無様に倒れた。

「誰だこの人は!?」
「知りませんよ!」
現場はちょっと混乱した。


愛護派おばさんはいつぞやの上品さもどこへやら。
何度も元・蛆実装についていた首を抱き、
泣き叫ぶ。
こうなっては人間も実装石も変わらない。

と思っていると、今度は
「美希ちゃん…ねえミィちゃん返事して…返事してぇ!」
いきなり落ち着いたかと思うとまた金切り声だ。

ミィのウンチぷりぷりぷーと化した体を何度も揺さぶっている。
その目は答えない。
揺さぶるたびに四肢が揺れ、
むき出しの排泄口から糞が漏れる。
真皮の見える後頭部がご愛嬌。


思い出したように痙攣していた仔実装が、
緑と黄色のリボンがついた大きな頭を持ち上げ
熱にうなされた声でか細く呟く。
「テス…?(ママ…?)」
「碧ぃぃぃ!!!」
「デェェェェ!!!?」

思い切り抱きつかれ、両腕の折れた仔実装は絶叫し、
ガクガクと震えた。
変色した肘は膨れ上がっている。
「碧!? 碧ぃ!!」
あんたがやったんでしょ、と言おうとした瞬間、
右腕に熱い痛みが走った。

メガネが俺の手をねじりあげていた。


「テスゥ…(ママ、私はいい仔にしてたよ だから、許して、ママ)」
「碧ぃごめんねぇ ごめんねぇぇ……」
「テス、テスゥ、テスゥゥ〜〜!(ママァ〜〜!!)」

「あの」
腕を変な方向に捻じ曲げられたまま、俺が呟く。
「ミドリちゃんは確かに『いい仔』に躾ましたよ」


いきなり、おばさんが飛び掛ってきた。
涙で化粧がぐちゃぐちゃの、醜い顔。
「デェェェ!!!!デェェェェェッッッ!!!!!デェェズゥゥゥゥゥ!!!」
メガネが驚いた様子で、俺の手を放した。

「デヒィッ デェズゥッ!! デッデデスゥ!(ぶっ殺すデス!! よくもぉ! よくもぉぉぉ!!) 」
愛護派が、うつ伏せになった俺の体をぽふぽふと蹴った。
全然痛くない。
いや、愛護派か?


どう見ても実装石じゃないか。
自分さえよければいいと考え、
自分に被害が及べば、まるで全世界の罪を背負ったように
被害者面をする。
糞蟲そのもの。


母実装はしばらく俺を蹴り続けると、
「デェェ〜〜ッ デェェ〜〜〜ッ」
と、息を切らせて、その場に膝を付いた。

右手に蛆の首。
左脇からはミィが変な格好で「ママ」を見上げている。


俺はゆっくりと、しかし素早く、ママ実装の柔らかな首に
マイナスドライバーを突き刺した。

「デゲボッ!?」
驚愕の表情で固まる実装石。
足をバタバタさせるが、根元まで刺さったドライバーは抜けなかった。
「テェェェェェェーーー!?」
ミドリが叫ぶ。
ママを助けるテス!と、ふらふらと立ち上がったが、
すぐに倒れた。
股間からは、母親と同じドライバーで刺された穴から、
血が漏れていた。

「デヒッ デヒィッッ!!」
実装石が必死で喉に刺さった凶器を抜こうとするが、
首自体を貫いた鉄の棒はすんなりとは抜けず、
かえって傷口を広げるばかりだった。

何より、娘たちを手から離していないのだから、抜けるわけが無い。



蛆実装のように進んできたミドリが体を寄せ、
抜こうとするが、
歯の折られた仔実装の口ではできる事などたかが知れている。
それでも何度も何度も、仔実装は母親の喉元に顔を寄せる。

汗で糞のニオイがすさまじい。


「おうわぁぁぁぁぁぁ!!」
メガネが俺に体当たりをする。
押し倒された俺は、先ほどよりももっと腕をねじりあげられた。

そうしている間にも、
冷たいドライバーはひ弱な実装石の命を奪っていくのだ。

「デェズゥ…!! デェェ…(ミ゛ト゛リ゛ィ゛ィ゛ィ゛!!)」
「テスゥー!!(ママァー!!)」
仔実装はドライバーと口で何とか挟むと、
引き抜こうとしてブンブン首を振る。

大きなリボンが踊る。
母実装の首の反対側からは、血が延々と噴出した。
禿げたおでこを、ミドリは泣きながら母実装のお腹にすりつける。


実装石は、泣き笑いのような顔のまま、
娘を見て、かつて娘たちだったものを抱きしめ、
動きが緩やかになった。


薄暗く、蒸し暑い室内には
壊れた仔実装の叫びが延々と続いた。
もう声にもなっていない。
時折、喉から出た血の音が混じっていた。


年配らしき男が実装石の元に駆け寄り、
何かを通信機に叫んだ。

メガネの手が緩む。
俺はメガネ実装さんの股間に蹴りを見舞うと、
ポッケに入れたプラスドライバーで
マラ実装の偽石を


  

  …ふいに何もかもが鮮明になった。
  口の周りにゲロをつけた若い男が、こちらに何かを向けて震えている。
  頭の中がすぅっとする。
  メガネも何かを叫ぶ。
  年寄りは……見えない。
  母さんはどこだ。
  何も見えない。
  泣きじゃくる仔実装の声だけが、
  脳みそに響き渡る。
  
  「ミィドォリィはぁいぃこぉだぁ」
  自分の声が体に染みる。
  
  鳴き声がやむ。
  仔実装の目がこちらを観ているのが分かる。
  
  ふいに俺は全てを理解し、お辞儀をする。
  拍手は無かったので、
  俺はそのまま、床に崩れ落ちた。


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全ての仔実装が愛されますように。











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1 Re: Name:匿名石 2014/09/24-09:07:50 No:00001377[申告]
駄作
2 Re: Name:匿名石 2020/01/28-20:59:34 No:00006179[申告]
妄想で人間を実装石と思い込んじゃった系か
3 Re: Name:匿名石 2023/07/11-20:50:30 No:00007500[申告]
錯乱して飼い主と警官を実装石と思い込んだんじゃなく最初から実装石なんかいなかったエンドかな?
こっちの終わり方個人的には好きです
4 Re: Name:匿名石 2023/07/11-23:11:59 No:00007501[申告]
オチわかってから読み返すと母親視点では言葉話してるとか頑丈さとか伏線いっぱいあったんだな…おぞましい
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