タイトル:【愛?考察?】 俺設定の愛護スクまたは虐待派を虐待するスク?
ファイル:俺設定の愛護スク.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2295 レス数:1
初投稿日時:2007/09/17-23:32:15修正日時:2007/09/17-23:32:15
←戻る↓レスへ飛ぶ

俺設定の愛護スク

いつの頃からかはなぜか誰も覚えていないのですが
その世界には実装石と呼ばれるフシギな生物?がいました
主に公園などの人里に野良の犬猫程度の数がいつもいます
成体ばかりで仔実装の姿は見当たりません
鳴かず食べず汚れず排泄もせず…
まるで人形のようにヒッソリと佇んでいます

時々数歩ばかり歩くこともあるようですが
移動の瞬間を目撃することは滅多にありません
ダンボールを置いておくといつの間にか入っています
横になるわけでもなくただじって座っているだけですが

たまにゴミステーションに集まっていることもあります
緩慢な動作で袋から生ゴミを取り出し口に運びますが
咀嚼して飲み込んでいるわけではなく
あくまで食べる行為を機械的に再現しているかのようです

そもそも彼女たちには口から奥へと続く穴がありません
総排泄孔も僅かに窪みらしき痕跡があるのみです
レントゲンやCTスキャン、解剖(分解?)しても
中身はウレタンだったり綿屑だったり藁や干し草だったり
なぜこんな「人形」が動けるのか?誰にも答えは出せませんでした
ある先生が言いました「これはカオス生物である」
「思考停止だ…」「逃げだな…」誰も口には出しませんでした

無表情・無感情に見えるためか たまに一部の人が虐待?します
蹴飛ばしても腕を引き千切っても一切無反応
何事もなかったかのように歩き始めるのです
そして破損した腕などはいつの間にか再生してたりします

ある物好きが一体を拉致し実験を試みました
腕を切り取り箱に密封し再生の過程を観察するつもりでした
切り取った腕の入った箱の蓋をガムテープで固定し机に置き
立ち尽くす実装にはすでに元通りの手が…
慌てて開けた箱は当然の如くカラッポでした
ならば切り取った腕を砕いて燃やし尽くしたならば…
腕が燃え尽き実装を見ると…腕は元通りに生えていました
一瞬実装の頭巾に渦巻き模様が見えたのは幻覚だったのでしょうか
男が最後に取った手段は頑丈な木箱の中でバラバラに解体し
鎖を巻き付けて押入れの奥に仕舞い込むというものでした
時々箱がコトリと鳴りますが耳を塞ぎます
次の日に公園でその実装の姿を目撃しても驚きませんでした
やっぱりアレはフシギセイブツなんだなと妙に納得したのです
帰宅後押入れからコトリ…コトリ…と音が聴こえてきました
次第に大きくガタガタガタと鳴り出した時男は絶叫していました

そんなフシギ生物であるところの実装も
焚き火に放り込んだらそのまま燃え尽きてしまいます
もし跡形も残らぬほど燃え尽きてしまっていたら…
きっと何処かにまた佇んでいるのかもしれませんね

そうそう ひとつだけ変わった行動を見せることがあります
実装の着ている服の中にタオルなどを丸めて突っ込むと
その場にストンと座り込み膨れたオナカを撫で始めるのです

公園のベンチなどで文庫本を読み耽りふと顔を上げると
いつの間にか公園中の個体が集まりジッと見上げていることがあります
これは「ワタシを飼ってお世話してください」と言うアピールです
こんな滅多に動かず何を考えているのか分からない人形を飼う
それには少々の手順が必要です

公園から一体の実装石を拾って来たらソファーや座椅子に座らせます
砂ぼこりなどが気になる場合は外ではたくなり拭くなり水洗いするなり
適当にキレイにしておきます この時点ではまだただの「物体」ですから
座らせたら開いたままの口にコンペイトウを一粒入れておきます
この時点までに「私は実装石であるアナタを飼いたい」と
言葉にして伝えておく必要があります
彼女たちは無表情ですが全てを聴き全てを観察しているのです

あとは飼い実装として蘇生するまで気長に見守っていてあげましょう

一日目 外見上の変化はありません
二日目 コンペイトウが消えています
三日目
生物として身体を作り変えるためナカワタを排出します
これはこの家の飼い実装として生まれ変わりたいと言う
実装の意思表示であると云われています
先に述べた「飼いたい」に対する「回答」なのです
これは同時に「ワタシが生き物になったら排泄をします」
「それでも飼ってくれますか?」と言う最後のの問い掛け
この時点でナカワタを戻さず捨ててしまった場合
動くこともままならず急速に朽ち果ててしまいます
丁寧に下着の中から排出物を取り出してあげて下さい
この行為を契約完了の証 すなわち「契約排泄」
「プロミスパンコン」と呼びます 感動的な場面ですね

四日目 耳をすますと心音や呼吸音が聴こえるような気がします…
五日目
顔つきが生き物っぽくなります いつの間にか鼻の穴が…
この時期が実装のための新しい道具などを揃える目安です
首輪、食器、寝床にフードなどなど…
飼い方によって必要な物は適宜選択し揃えておきましょう

そして一週間…
帰宅したあなたは「飼い実装」のお出迎えを受けることになります
ヨロヨロとたどたどしい動きで両手を挙げて近寄ってくる実装石
飼い実装として生き物として生まれ変われた歓びか瞳には涙が…
廊下に点々と零れた糞もご愛嬌 まさに生き物の証なのですから
「デスー!!」万感の思いを込めて実装石が初めての鳴き声を発します
「ただいま…」と言ってあげましょう
今日はあなたに大切な家族が出来た特別な日…おめでとう


それからの実装とあなたの生活は決して平坦なものではないでしょう
粗相もします 新陳代謝で身体も汚れます 生きているのですから
自我も芽生えてくるので衝突、修羅場も潜り抜けねばなりません
トイレの躾け、やって良い事悪い事、根気良く教えてあげましょう
あなたの性格、養育方針、住居環境、経済状況によって
無個性だった実装石にも個体ごとの特徴が表れてきます
愛情深い穏やかな個体、卑屈な個体、肥満、所謂糞蟲、賢いかおバカか
野良の頃に近い感情の起伏に乏しい個体から凄腕の殺戮マシンまで…
どんな個性になるかは飼い主次第 あなたの望んだことを実装します

節度ある生活と大切にされた経験は愛情深く賢い親となることも可能です

飼い主が望めば花粉などによって受粉し妊娠します
(以降は一般的な実装石のお話と同じです)
俗に胎教の唄と呼ばれるものがありますが、
この世界にはリンガルなるものはまだ存在しておりません
開発の噂はありますから近い将来登場するかもしれません

初めて産まれた「仔実装」たち さらば穏やかな日常
親が成体として「誕生」するので買ってあげた服や寝具などは
生涯に渡って使い続けられます
それに対して仔はスクスクと日々成長します 
経済的に裕福でない限り服は基本のままで成長に任せましょう
キレイな服を着た親を見てオトナになったら着られるんだと
納得するような賢い仔に育てたいものですね
(以降は一般的な飼い実装のお話と同じです)

この親仔を捨てたらどうなってしまうのでしょうか?

あなたがダンボールに入れた親仔を公園に捨てたとします
理由はイロイロあるのでしょうがここでは割愛します

親は人間によって生き物として生まれ変わった存在です
感情も個性も人間によって実装されたものです
人間の側にいるから笑い泣きお手伝いをして
ゴハンをもらいオフロに入れてもらいました
その依存していた人間の庇護が遮断される
それは親実装の存在そのものの否定に他なりません

一週間で人形に戻り動けなくなった身体は朽ち果ててしまいます
でも仔は生きています 生き物として産まれた仔は生かさなければなりません
残された僅かな時間を使い親は仔のために奔走します
飼い主と何らかのアクシデントで離れただけなら捜しもするでしょう
捨てられた仔が仔だけで生き延びられる確率は他の犬猫と同じくらいなのです
親は道行く人に仔を飼ってほしいと掲げます 
託児などを試みることもあります 必死なのです
この時親仔共々拾われたとしても親は助かりません
たとえ捨てられたとしても飼い主は生涯ただ一人と思っているからです

一縷の望みを託して山に分け入る親仔の姿もあります
仔に運と才覚があれば山実装として生き延びられる確率も僅かながらあるからです

一週間後
親の寿命が訪れます 徐々に動かなくなる身体 薄れる意識
身の振り方を示してやれなかった仔が二匹…震える腕で頭を撫でています
もしリンガルがあれば
「ワタシはダメなママテス…ゴメンナサイデス…」と呟いているのかもしれません

いよいよ最後の瞬間が来ました
公園の木の根元に人形のように腰を下ろした親実装
「デスゥ…」
最後の小さな鳴き声は 残す仔への無念か 捨てた飼い主への思慕であったのか
完全に動きを止めた無表情な眼球から涙が一筋零れ落ちました

残された仔実装姉妹が何度も親を揺すります 腕がポロリと落ちました
もう親は二度と動かない 優しい言葉もイイコイイコもなくなった
仔は親の死を受け入れざるを得ません 
最後に親のヒザにギュッとしがみ付いいたけど冷たくゴツゴツとしていました

これからこの小さな仔実装姉妹がどんな生涯を送るのか 
それはまた別のお話となります  (終わり)


※思い付きを一気に書いてみました 読み辛かったらゴメンナサイ  DC

■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため8193を入力してください
1 Re: Name:匿名石 2020/01/28-21:46:39 No:00006180[申告]
初期型から今の形に変遷していく流れとしては結構好き
戻る