『 ぐぁ……なんだよコレ…。 』 風呂上りに髪をタオルで拭きながら、テーブル上のコンビニ袋を開けて呻き声。 「 テェ……テェ… 」 ビニール袋の中に睡眠中の仔実装が1匹。 同じ中には楽しみにしてたエクレアが無残に食い散らかされていた。 最近は徹夜続きで疲れてたせいか、託児に気付かなかったのだろう。 風呂に入って、さっぱりして……その結果がコレだ。 「 も、もう……食べられないテチュ… 」 仔実装が寝返りを打ちつつ、気持ち良さげに寝言を呟いた。 て、てめえ……! ( デスデス… ) …ん? ブチ切れる寸前で声に気付いた。 ふと耳を澄ますと、部屋の扉の向こうで何かの声が聞こえる。 俺はそっと扉の前に近づくと、聞き耳を立てた。 ( ここがあのニンゲンさんのお家デスゥ ) 扉の向こうにいるのは成体の実装石。 そういえば託児した親実装も、託児先の奴の家にやってくると聞いた事がある。 ( ここに妹チャンがいるテチュ? ) しかも親実装だけじゃない。 他にも声が聞こえる、何匹かの仔実装も一緒のようだ。 ( そうデス……オマエ達は、これからここで飼われるデスゥ ) オイオイ……誰が、ンなことを決めた ( ワタチ、あのニンゲンさんを幸せにするテチュ ) …ハァ? ( 負けずにニンゲンさんを笑わせるテチ! ) 笑わせんじゃねーよ。 ( ニンゲンさんの所で、たくさん仔供を産んで幸せになるテチィ〜♪ ) しかも増殖するつもりか。 風呂上りで折角気持ちよくなってたのに、一瞬でブルーだ。 ( そろそろワタシは行くデス……オマエ達、これから元気に暮らすデス ) ちょっと待てや。 テメーは一度でも家主の俺の意向を考えたことが有るのか? ( 分かったテチュー ) ( ママもたまには遊びに来るテチ! ) ( テチテチ〜! ) 更に残った仔実装3匹はこれからの生活に何の疑問も無いときた。 親の方は遠慮してか、気を遣ってかどうかは分からんが立ち去ったようだ。 どんな文句をつけてやろうかと考えてたらタイミングを逃してしまった…不覚。 < コツ…コツ… > …? すると扉の下の方から小さな音が響く。 どうやら仔実装達が小石で叩いてノックしてるらしい。 扉を開けた瞬間、踏み潰そうとも考えたが、それでは怒りが収まらない。 しかし数秒後、俺はあることに閃くと営業用のスマイルを作って扉を静かに開けた。 『 はいは〜い……おや、小さなお客さん達だね。何か用かな? 』 「 というわけで、これからお世話になるテチュ! 」 なぁにが、" というわけ "なんだ、コラ。 テメーは初対面の人間様に向かって何を言ってるのか分かってんのか。 俺もムカつく客相手にスマイルを鍛えてきたが、その笑顔が見事に引きつってきた。 第一声からこの温厚な俺の堪忍袋が切れそうだ。 『 ……あぁ〜、さっき預かった仔の姉妹だね? 』 俺は芝居がかった仕草で、腕をポンっと叩いて納得したように見せた。 「 お腹が空いたテチィ 」 「 早くお風呂に入りたいテチー 」 だから、テメーらは初対面の人間様に……と、そこで怒りを飲み込んだ。 『 そ、そうだね。じゃあ、早速中に……ちょっと失礼するよ。 』 「 テェ…? 」 俺は仔実装3匹を持ち上げ、掌に置いて扉を閉めた。 突然高い視線になり、興味深く部屋を見渡し……そして言いやがった。 「 狭い部屋テチ 」 「 あんまり綺麗じゃないテチィ… 」 「 話が違うテチュ…… 」 今、何が何でもコイツ等を掌から落として死なせてはいけないと思った。 そんなにあっさりと終わらせては俺の精神衛生上、非常に悪い。 『 そうだ、さっきの仔と一緒にみんなで、お風呂にしないか? 』 「 テェ? 」 『 食事の前には身体を綺麗にしないとね〜。 』 「 それもそうテチ 」 「 ニンゲンサン、ワタチ達がお風呂の間、食事の用意をするテチュ 」 「 あわあわテチ〜♪ 」 好き勝手にほざきやがる。 俺はもう1匹の仔実装を起こすと全部風呂場に入れ、脱いだ服を集めた。 「 その服は綺麗に洗濯をお願いするテチュ♪ 」 『 あぁ、分かってるさ。 』 そのまま洗濯機の横にあるゴミ箱へ。 「 暖かくて気持ち良いテチ〜♪ 」 風呂桶に張ってやった仔実装用風呂場でテチテチと4匹は騒いでやがる。 そして俺は洗面所から色々持ってくると、仔実装達に声をかけた。 『 それから君達、シャンプーするから1匹づつこっちに来てくれないか? 』 「 シャンプー…テチュ? 」 『 そうさ、君達の頭を綺麗にするんだ。 』 俺はチューブの中から泡を出すと、仔実装の一匹の頭の髪の毛に塗りつけていく。 「 あわあわテチー♪ 」 『 あぁ、そうだよ。これは一つ二千円もする上物さ。 』 シェービングクリームをどんどん泡立たせていく。 『 …うーん、君は少し髪の毛が伸びてるね。 』 「 そ、そうテチ? 」 『 少しカットしようか?大丈夫、可愛い君がもっと可愛くなるから♪ 』 < ゾリッ > 髪の毛をカットというより、生え際の根本からカット。 < ゾリッ……ゾリリッ… > 「 テッチィ〜♪ 」 泡で隠れてるので、髪の毛がごっそり切られてるのに気付かず仔実装は鼻歌。 『 よぉ〜し、次は君だよ。 』 「 ニンゲンサン、ワタチも綺麗にお願いテチュ♪ 」 初対面の俺をすっかり信用して、髪の毛を剃られていく仔実装達。 暫くすると、頭を泡立たせた4匹の仔実装が出来上がった。 『 さぁ、みんな綺麗にするよ〜? 』 そして4匹の頭の上から心地良い暖かさのシャワーを浴びせる。 「 気持ち良いテチュ… 」 「 ニンゲンサン、もう少し温度を上げて欲しいテチ 」 「 ワタチが綺麗になっていくテチィ… 」 < シャアアア…… > 泡がシャワーで流れ、仔実装達の身体から流れていく。 その泡が流れきった時、残されたのは—— 『 ……ぶっ。 』 思わず噴出してしまった。 「「「「 …? 」」」」 仔実装達は俺の顔を見て、頭に?を浮かべてやがる。 『 ……ぎゃ〜っはっはっは!! 』 俺はシャワーのお湯を止めず、仔実装達を指差して大笑いしてしまった。 身体中、ツルツルのピッカピカになった4匹。 特に頭はツルツルで、照明に照らされて光沢を放っている程。 なんせ前髪も後ろ髪も綺麗さっぱり剃ってやったからな。 『 ハゲだ!ハゲだ!ハゲだ! 』 そして俺は用意してあった手鏡を仔実装達の前にかざしてやった。 「 テェ…!? 」 「 な、なんてテチュ、これは…!! 」 「 ワタ、ワタチの髪の毛が〜! 」 仔実装の一匹は、泡とともに流される髪の毛を追って排水口へ。 しかし気付いた時には、殆ど髪の毛は残されていなかった。 「 ニンゲンサン、なぜこんなことをするテチュ!? 」 仔実装の中で姉になる奴が文句を言ってきた。 「 そうテチ、これじゃ表に出れないテチ〜! 」 「 ワタチの髪の毛〜! 」 テチテチと騒ぎ出す始末、だが俺にはそんなの知ったこっちゃない。 『 なんでだ?お前らはこれから俺の飼い犬として飼われるんだよ。 』 「「「「 テェ? 」」」」 『 良かったな、お前ら実装石が犬に昇格だなんて♪ 』 「 ワタチ達は実装石テチュ〜 」 『 …そっか。やっぱり実装石でないと駄目か? 』 「 当然テチュ! 」 『 なら、そのまま親へ返してやるよ。……ハゲのまんまでな。 』 仔実装達は鏡を見た。 そして自分達が大切な物を失ってしまったのを改めて知らされる。 『 さぁ、どうする?…飼い犬になるか、野良実装になるかだ? 』 『 ……ふぅ、今日も良い天気だぜ。 』 二週間後。俺は1時間ほど早く起きるようになっていた。 今は真夏、日中の日差しは強いが、この時間帯なら涼しく散歩も気持ち良い。 『 ほらほら、お前らしっかり歩けよ。 』 「 テェ…… 」 「 おひざが痛いテチュ… 」 俺の手から4本のリード線……その先には4匹の仔実装。 仔実装達は髪の毛が無く、服も無くて裸。 しかし、もう一つだけ違っていたのは……。 「 ニンゲンサン、ワタチ達も歩きたいテチュ 」 『 なんだ、歩いてるじゃないか。 』 「 違うテチュ、あんよを使って歩きたいテチュ〜 」 4匹の仔実装達は、全て四つん這いになっていた。 あれから俺はコイツらに二本の足で歩くことを許さなかった。 その代わりに四つん這いで歩くことを強要したのだ。 『 こらっ! 』 「 チャッ!! 」 言いつけを破って二本足になった仔実装のリード線を引っ張る。 『 誰が足を使って良いと言った!? 』 「 だって……おててとおひざが痛いテチィ… 」 『 うるせぇ、捨てられたいのか? 』 「 テチィ……テェェン… 」 慣れない歩き方に涙を流す仔実装達……その心地良さがリード線から伝わってくる。 やはり仔実装達の散歩は止められない。 仔実装達の泣き声を率いながら、今日はいつもと違う散歩コースへとやってきた。 目的地は、あのコンビニだ。 『 よぉ〜し、お前ら休憩だぞ。 』 コンビニの駐車場近くのフェンスにリード線を巻きつけて4匹を固定。 ここはあの日、俺がコイツ等を託児された現場だ。 「 テチィ… 」 「 疲れたテチュ… 」 仔実装達は、その場で腰を降ろして休みを取り始めた……が。 < !! > 「「「「 チャァッ!! 」」」」 思いきりリード線を引っ張られ、息苦しさで顔を歪める。 『 どこにそんな格好で休む犬がいるんだ? 』 「 テ…テェ…… 」 『 犬なら犬らしく座れ! 』 4匹の仔実装達は、腰と同時に両手を地面につく格好になった。 「 オウチに帰りたいテチ… 」 「 つかれたテチュ、痛いテチュゥ… 」 休憩中だってのに、なんで泣いてるんだコイツら? そういうわけで、今朝ここまで来た理由は……お、来た来た! 「 な……なんデス、これは!!?? 」 < バサッ > 1匹の成体実装が、手に提げていたビニール袋を落とした。 ビニール袋から今朝の戦利品らしき生ゴミが覗いて見える。 「 な、なぜワタシの仔達が、こんなことに……ギャッ! 」 俺はソイツの首根っこを掴むと、持っていた5本目のリード線を巻きつけた。 その身体を引きずると、4匹から10メートル程離れた場所に縛り付ける。 「 ママ、助けてテチィ〜! 」 「 ママァ〜! 」 やれやれ、俺の言いつけを破って二本足で立って助けを呼んでやがる。 『 コラッ! 』 「「「「 チャッ! 」」」」 再びリード線に引っ張られて苦悶の表情を浮かべる禿裸達。 ったく、お前らには学習能力ってのが無いのかよ。 『 お前ら、犬なら犬らしくしろ…! 』 仔実装達は仕方なくお座りの格好に戻った。 「 ママ…… 」 「 テェー…… 」 4匹とも全て、親の方を見ながら涙を流して低い呻きの訴えを続ける。 「 ング〜!ムムム〜!! 」 親実装には猿轡を噛ましておいた。 これでコイツの下品な叫び声で、清々しい朝の町を汚さないで済む。 『 よし、折角だからここでメシにすんぞ。 』 俺は実装フードの袋を取り出し、仔実装達の前へ。 アスファルトで舗装された上に無造作に小山が4つ積まれる。 『 食え。 』 「 こ、こんな所で恥ずかしいテチュ… 」 『 食えって言ってんだろ…! 』 渋々と涙で頬を濡らしながら、仔実装達は前に屈みこみ…。 「 〜〜!!! 」 仔実装達は手を使うことを許されず、地面に落ちたフードを直接口で喰い始めた。 「 砂が混じって食べにくいテチィ… 」 「 じゃりじゃりするテチュ… 」 犬のようにフードを食べる禿裸仔実装4匹。 頬を伝った涙でフードが塩味に変わる。 離れた場所で、我が仔達の惨めな姿に暴れて無言で喚く親実装。 今のコイツ等は、手でフードを取って食べることはしない。 手で触れた途端、リード線で首を絞められるのを分かっているからだ。 なんかスカッとする光景だぜ。 『 おはよう! 』 『 あ、おはようございます! 』 通りがかった近所のおじさんに声をかけられ、挨拶を返した。 『 今日も暑くなりそうだね……おや、例の奴等じゃないか。 』 『 えぇ、ホントに物覚えの悪い奴等で…。 』 『 いやいや、かなり躾がされてきたようじゃないか…! 』 泣きながら砂混じりのフードを口にする仔実装を見て、爽やかな笑い声。 < クゥ〜ン? > 『 あぁ、ジョンじゃないか……お前もおはようだな。 』 おじさんに飼われている子犬のジョンだ。 人懐っこいジョンは、いつも俺に遊んでくれとせがんでくる。 『 よし、それじゃ今日もあいつらと遊んでやってくれ! 』 「「「「 テェ!? 」」」」 まだ食事中の仔実装達が顔を上げると、驚きの顔。 < ガウッ! > まだ半分近く残っていた実装フードの山4つ。 ジョンが突っ込んだために、そこら中へ散らばってしまった。 『 おいおい、お前ら責任持って食べておけよ。 』 追う子犬と逃げ惑う禿裸4匹。 しかしリード線で固定されてるから安心だ。 「 テチュァァ…!! 」 ジョンが一匹に噛り付き、アスファルト上へ放って、転がし遊ぶ。 仔実装達が簡単に潰れないように力の加減を知ってるとは凄い子犬だ。 「 こ、こっちに来るなテチュ〜! 」 「 痛いテチ!痛いテチィ!! 」 全身生傷だらけにされていく禿裸仔実装と無邪気に遊ぶジョン。 うむ、微笑ましい光景だ。 『 そういえば、またジョンの奴が困ったものなんですよ。 』 『 あれ…というと、またですか? 』 『 はい……すみませんがね〜。 』 『 良いですよ、全然構いませんから。 』 「 〜〜!!! 」 親実装の涙が溢れんばかりの両目が大きく見開かれた。 「 く、来るなテチ…! 」 < ハッハッ… > 一匹の仔実装に狙いをつけたジョンが息を荒くして、じわりじわりと近づく。 「 き……来ちゃダメテチィ…! 」 仔実装は傷だらけでロクに身体を動かすこともできない。 表情から怯えきっているのが分かる。 その視線の先は……。 『 ジョンもお盛んですな〜。 』 『 いやはや、お恥ずかしい…。 』 ジョンの後ろ足の間の股間には屹立したペニス。 「 テチィ〜〜〜!! 」 子犬に押さえつけられ、仔実装の総排泄口にジョンのペニスが挿入される。 < バウバウッ!バウバウッ!! > うつ伏せに押さえつけられた仔実装へ、ジョンがバックから腰を振る! 「 いやテチ!いやテチィ!!もうこんなのいやテチィィィ〜〜!!! 」 ジョンが腰を振るたびに、仔実装が悲鳴を上げる。 身体を押さえつけられ、性行為を強いられる仔実装の涙がアスファルトに落ちる。 最近発情したばかりのジョンに、おじさんが困っていた。 そんなジョンの性処理として仔実装達が役に立つとは思いもよらなかった。 意外なところで役に立つ奴等だな。 「 〜〜!〜〜!! 」 親実装は相変わらずジタバタともがいてやがる。 そんな非力でリード線が切れるわけ無いだろ…学習能力の無い奴だな。 『 おはよう〜。 』 『 あぁ、これはおはようございます! 』 今度は、別の近所のおばさんに挨拶をされた。 『 あら〜、またジョンがお盛んですねぇ。 』 『 いや、面目ない。 』 『 あのくらいの子犬なら、遊びたい盛りですよ! 』 コンビニの駐車場で再び爽やかな笑い声が響き渡る。 なるほど、朝早く起きて近所の人達とのコミュニケーション……良いな。 「 テ…!テェ…!!テチィィィ〜〜!!! 」 暫くすると、仔実装が身体を逸らして一際大きな悲鳴を上げる。 ジョンは身震いすると、全身の力みが取れたかのように穏やかになり…。 「 テェー……また……また、よごされたテチィ… 」 < ガルル…… > 散々弄ばれた後、仔実装はジョンから解放された。 乱暴に押さえつけられたために身体中は傷だらけで、片手が千切れかかっている。 総排泄口は大きすぎる性器を無理矢理入れられたために裂けて出血。 行為の後は、疲労のために身動きも取れない 僅かに息をして動く肩。 赤く染まった両目。 「 テ……チィ…… 」 力尽きた泣き声。 落ちた涙がアスファルトの染みに加わった。 < バウバウッ! > 「 チャアアア!! 」 しかしジョンの猛りは一度の行為ではおさまらない。 端で身を小さくしていた他の仔実装達に狙いを定めると、再び襲い掛かった! 『 ジョンは第二ラウンドですか〜。 』 『 いやいや、申し訳ない…。 』 おじさんは平謝りだ。 『 いえ、良いですよ。それにしてもアイツ等、ジョンの子を何匹産んだかなー。 』 引き続き始まるジョンの性処理と仔実装の悲鳴。 「 〜〜ッ! 〜〜ッ! 」 身動きの取れない親実装の目から零れる涙、そして声にならない呻き。 近寄ろうとするが、その度にリード線に引っ張られて転倒。 無様に転がり、涙を流すしかない親実装。 『 そういえば、あそこのお店、明日から特売ですよ。 』 『 え、そうなんですか? 』 『 えぇ、色々安くなってるのよ…。 』 近所の人達と他愛無い談笑混じりのコミュニケーション。 単なる早起きだが、そんな些細なことが、1日の始まりを豊かにしてくれると悟った。 「 テチャアアアア〜〜!! 」 そしてジョンに挿入された仔実装の清々しい悲鳴が朝の街並みに。 今日も新しい1日が始まった。 < 了 >