黒い仔実装

ワタチだけ違うんテチ。
ワタチだけお服が真っ黒テチ。
生まれた時からずっと真っ黒なんテチ。
ママやお姉チャンや蛆チャンはキレイなお色でワタチだけ真っ黒テチ。

「テププ、、、みにくいテチ」
「オマエはワタチタチと違うテチ！」
「お姉ちゃんきたないレフ？」
「そうレチ！蛆ちゃんは触っちゃダメレチ」
「やーいやーいテチ！うんちでも食べるテチ！」

嫌テチ！！臭いの汚いの嫌テチ！！

「近寄るんじゃねえテチ！」

痛いテチ。叩かないでテチ。痛いテチ。

「お前達何をしてるんデスゥ！！」

ママテチ。ママァ・・・。

「イジメちゃダメデスゥ！！」
「だってコイツは黒いテチ！ワタチ達とは違うテチ！」

「この仔はアナタ達と同じママの仔デスゥ！同じ姉妹デスゥ！」

「姉妹テチ？でも似てないテチ！黒いテチィ！」

「黒いだけデスゥ　この仔もアナタ達と同じママのカワイイカワイイ仔デスゥ」

ママァ・・・ママはいつも優しいテチ。ワタチの味方テチ。

「だから仲良くするデスゥ　いうこと聞かない仔は今日のゴハンあげないデスゥ！」
「テエエエ！？ママ！ごめんなさいテチ！仲良くするテチ」

「いい仔デスゥ」

「今日のゴハンは何テチ？」

「からあげのお弁当デスゥ　いっぱいもらってきたデスゥ」

「やったーテチーーー！」

お姉ちゃん達がゴハンに飛びついていったテチ。

「おいでデスゥ・・」

ママはワタチを優しく抱きしめてくれたんテチ。

「いい仔いい仔デスゥ　アナタはカワイイ仔デスゥ ママの大事な大事な仔デスゥ」
「さあ泣くのはやめるデス　ママと一緒にお歌の練習をするデスゥ」
「デンデェェーーンゲロゲロデンゲロゲロ〜♪この仔かわいやデェゲロゲェ〜♪」

ママ大好きテチ。ワタチはママに撫でられて幸せテチ。

「アナタは可愛くて優秀な仔になるんデス。そしたらニンゲンが飼ってくれるデスゥ」
飼ってもらえるテチ？飼ってもらったらどうなるんテチ？

「楽園に行けるデス。」
「美味しいゴハンが食べられて可愛いお服が着れて撫で撫でしてもらえて」
「ふかふかのお布団で寝て、幸せな毎日デスゥ」

楽園テチ！

「そうデスゥ！だからいつもニッコリ可愛く笑うんデス！」

わかったテチ！ママとワタチは楽園に行くんテチ！！

「テチィ！！ママー！！なんかこのゴハン酸っぱいテチィ！！
「ゴハンがネバネバテチィ！！」

−ガタガタガタッ

おうちがすごく揺れてるテチ！！

「この辺ですか？実装石が湧いてるのは？」
「はい！そうです。」
「最近、うちの店の廃棄弁当食い散らかしたり・・・」
「糞したり鳴き声うるさいとかでクレームがでてまして・・・」

バリバリバリッ

「ほら、いましたよ。実装石。こりゃあ大家族だ。」

お、おうちが壊れるテチ！！！

テエ？ニンゲンさんがいるテチ？

「うわあ！僕、こうゆうの苦手なんですよ！あとはお任せしてもいいですか？」
「ええ、大丈夫です。終わったら連絡いたします。」
「それじゃあよろしくお願いします。」

お姉ちゃん達がニンゲンさんのところ近づいてくテチ。

「ニンゲンテチ」
「こんにちはテチ！ニンゲンサン！」
「テッチューン❤︎」
「なんかようテチ？」
「お腹空いたテチ。食べ物をよこすテチィ。」
「甘い甘い金平糖がいいテチ」
「ぷにぷにしてレフー」

プシュー！！

ニンゲンさんが何かお姉ちゃん達に振り撒いてるテチ？

「テギャアアアアアアアアアアアア」

パキーン！！パキーン！！パキーン！！

「新商品のコロリ濃度3倍！屠実装スプレーは効果絶大だな！」

「ぎゃ、虐待派デスゥ！！！」
「娘ちゃん達！！！みんな逃げるデスゥ！！」

ママはワタチを抱っこして走り出したテチ。
どこへ行くんテチ？

「レピャアアアアアアアアアアアア」

お姉ちゃんと蛆ちゃんの声が聞こえるテチ。なんか怖いテチ。

「大丈夫デスゥ！アナタはワタシが守ってあげるデスゥ！」

テエエンテエエン！！
ママ！！ママ！！怖いテチ！！

「アナタだけはママが守ってあげるデスゥ！！」

バスッ！！バスッ！！バスッ！！

何かママに当たったテチ。
ママは転んでワタチは投げ出されたテチ。

痛いテチ・・・。すごく痛いテチ。

「デギャアアアアア！！ワタシの足がっ！！ワタシの足がっ！！」

ママがゴロゴロ転がってるテチ。ママのアンヨが片っぽなくなってるテチ！！

「エアガンでも実装石相手ならこんぐらいの威力あるんだよなぁ」

ニンゲンさんテチ。
ママが痛そうテチ。ママー！！

「きちゃダメデスゥ！！逃げるんデスゥ！」

でもママ痛そうテチ。ママが心配テチ。ママおいてけないテチ。

ニンゲンさんがこっちにくるテチ。

「お願いデスゥ！この仔は助けて欲しいデスゥ！」

ママがニンゲンさんにお願いしてるテチ。

「この仔は賢い仔なんデスゥ！お歌も踊りも上手デスゥ！」
「この仔は優しい仔なんデスゥ！綺麗にゴハンを食べるデスゥ！」
「おトイレもちゃんとできるデスゥ！イジメもしないデスゥ！自慢の乙女デスゥ！」
「だからお願いデスゥ！この仔を助けてくださいデスゥ！！」

ママがすごく泣いてるテチ。
ワタチもお願いするテチ！ニンゲンさんママを助けてテチ！！

「へえ。黒い実装石か。珍しい。」
「今日は糞蟲ばっかだったからなあ。」
「実装フードの材料はもう十分だし・・・」
「優良個体作るのに種実装が欲しかったからな。丁度いい。」
「よし持って帰ろう。」

テェ？
ワタチはニンゲンさんのポケットの中に入ったテチ。

「ありがとうデスゥ！ありがとうデスゥ！」

もしかして楽園テチ？ニンゲンさん楽園に連れていってくれるんテチ？

「ふぅ、じゃあワタシも抱っこするデスゥ。足がなくなってしまったから歩けないデスゥ」
「まずはメシがいいデスゥ　足の手当はそのあとでいいデスゥ」
「デェ？」

ザシュッ！！
グチャ！
ザシュッ！！
グチャ！
ザシュッ！！
グチャ！

ニンゲンさんが何か振り回してるテチ。

ドサッ！

「まあバイオコロリ弾撃ち込んだからほっといてもいいんだけど。」
「介錯してやるのも優しさってもんだ。」

ママの声がしないテチ。ママどこテチ？
ママー！
ママー！！
ママー！！！

「汚ねえから綺麗に洗ってやらないとな。餌もたくさんあげて、しっかり調教してやろう。」
「じゃ、この辺の駆除を切り上げて帰ろう。」

ワタチはどこかに連れていかれるんテチ？
ほんとに楽園テチ？
ニンゲンさん楽園テチ？
ママ！楽園テチ！ママ！ママ！