タイトル:【虐観察】 実装石と宇宙開発
ファイル:実装石と宇宙開発.txt
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初投稿日時:2018/12/24-21:59:34修正日時:2018/12/24-21:59:34
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実装石と宇宙開発

1961年4月22日、ソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンは宇宙へ飛び立ち、人類は初めて宇宙に到達した。
ガガーリンの宇宙飛行の前、ソ連は宇宙船の生命維持の性能を試験する目的から、犬を宇宙に打ち上げ、
いわゆる動物実験を行っていた。また、アメリカも有人宇宙飛行の前、チンパンジーを使った実験を
行っていたし、フランスは猫を、中国は猿、犬、ウサギ、カタツムリを使ったという。

日本でも有人宇宙飛行は何度か話が上ったものの、実現には至っていない。しかし、過去には日本独自の
有人宇宙飛行を目指し、動物実験の基礎研究が行われていた。その候補となった動物こそ、実装石である。

ここでは、かつて双葉大学槐研究室で行われていた、実装石を宇宙飛行士の代替生物として用いる可能性について
探る種々の実験レポート、論文、そして双葉大学資料館に保管されていた映像から、実装石の動物実験について報告する。
槐研究室は有人宇宙飛行の事前試験となる動物実験として、以下4項目を国から受託し、適切な動物を
選定するとともに宇宙船に求められる仕様を明確化することを目的とした研究を行った。

①対象候補となる動物の絞り込み
②耐G試験
③温度試験
④知能試験

これらを順に報告する。

①対象となる動物の絞り込み
資料によれば、当初は犬又は猿を候補とする予定であった。これは他国での実績、候補動物の知能、猿の場合は人間に
体のつくりが似ているためであったとされる。ところが、実験メンバーの一人であった「」助教の提言により、
人間に体のつくりが似ており、何より膨大な繁殖力から安価に個体を調達できるという利点から、
実装石にスポットが当たった。

当時は動物実験に対しての風当たりが現在ほどではなく、「安価で調達できる=使い捨てしやすい」というのが
研究室にとっても大きな魅力となったようだ。こうして、実装石がその候補となった。


②耐G試験
宇宙に行く際、最初に壁になるのはG(加速度)である。ロケットの打ち上げ、大気圏再突入の際、加速度に
応じて地球にいるときの数倍の負荷が体にかかる。当時の宇宙ロケットでは4〜7Gほどの加速度がかかり、宇宙飛行士は
最大9G近い加速度に耐えられる必要があったという。これを実装石に当てはめた実験が行われた。具体的には、
巨大な天秤のような装置を用意し、一方に椅子に縛り付けた実装石を設置、もう一方におもりをつけて回転させる装置である。

実装石は知能、体力に個体差が大きいことは当時から知られていたため、より「確からしい」データを得るため、
1265匹の実装石が実験に供された。実験の結果、526匹は加速度による偽石の破壊で死に、412匹は加速度に
起因して血液が目に循環しなくなり、失明した後に偽石が破壊、死亡した。また、 312匹は加速度により糞が
体を突き破り死亡した。残り15匹は当初死因不明とされていたが、実装石の様子を見るために椅子に設置された
カメラから、恐怖により血涙を出し、赤い血が緑目に入ったことにより妊娠モードに突入、加速度と急な妊娠により
パニックを起こし憤死したと推測されている。

最終的に、実装石は平均2.3Gでパニックになり、5.6Gで死亡することが確認された。最も大きな加速度に耐えた
実装石でも7Gを超えると死んでしまった。ロケットにかかる加速度は4〜7Gであるため、これでは実装石は
宇宙に行く前に死んでしまう可能性が高い。そこで槐研究室は「加速度の観点から実装石が耐えられる
宇宙ロケットであれば、人間であっても十分に安全な宇宙飛行が可能である」と結論付けた。


③温度試験
宇宙飛行士は宇宙飛行した後、大気圏に再突入して地球に帰還する必要がある。実装石の場合は宇宙に到達した
時点で安楽死させるという計画もあったが、宇宙船の再突入時の性能を確認するために、実装石であっても
大気圏に再突入させ、地球に帰還させることが必要であるとの判断があった。当時はまだ宇宙船の設計は
詳細なものではなく、再突入時に宇宙船内部の温度がどの程度上昇するのか具体的なデータが無かった。

そこで、槐研究室では室温(20度)から120度まで10度刻みに温度を上げられる部屋を用意した。
人間の宇宙飛行士が乗ることを考えれば、これほどの高温環境で実験すること自体無意味であったが、
室温から高温まで幅広に実験データを取るという観点から、120度まで実験が行われた。この部屋は
槐研究室の学生からは「地獄風呂」の愛称で呼ばれ、幅2m、奥行き3m、高さ2mほどであった。上部及び壁面に
ヒーターが用意され、一度に30匹の実装石が入れられ、再突入に要する時間の2倍程度として30分間実験が行われた。

その結果、40度の場合30匹中14匹が、50度の場合30匹中20匹が、60度の場合30匹中26匹が死亡した。
70度になると全ての実装石が死亡した。特に、室温が80度を超えると、実装石の服や髪が自然発火することが
明らかになった。これは世界初の発見であった。これで330匹の実装石を使用したが、再現性の観点から
4回温度実験を行った。つまり合計で1320匹の実装石が地獄風呂に入ったことになる。
なお、温度試験を生き延びた(つまり20度〜40度程度の比較的「常識的な」温度試験に供された)実装石は
「使用済み」として他の実験への適用はできないと判断され、後日殺処分された。
結論として、実装石の耐温度性としては30度以下が目安とされた。


④知能試験
動物を使った宇宙飛行の場合、宇宙船は自動操縦が基本である。動物自身が操縦する必要は皆無であるが、
ボタンを押して電波を発信、地上局でその電波を受信することで、生きた状態で宇宙飛行していることを
示すことができ、これは科学技術の政治的なアピールとして有効であるとされていた。そこで、
あるタイミングでボタンを押す、という極めて基本的な動作が実装石に可能か実験が行われた。

原理は簡単であり、ブザーが鳴ればボタンを押し、ボタンを押せば餌が出てくるというものであった。
ブザーが鳴っていないときにボタンを押したり、ボタンを押していないのに餌を取ろうとする等すれば、
体に取り付けられた電極から電流が流される仕組みになっていた。あらかじめ学生が実装石と一緒に
予行演習を行い動作を教えた上で、本番の実験が行われた。

実験の結果、1312匹の実装石のうち、上述の動作が完璧にできた個体は208匹であり、残りはブザー音に怯えたり、
餌を取ろうとするあまりボタンの存在を忘れたりし、結果的に電流を流されて死亡した。以上より、実装石を
宇宙飛行に用いる場合、宇宙船は完全自動操縦とすべきであり、いかなる操作も適さないと結論付けられた。


まとめ
(1) 実験の結果
槐研究室では3897匹の実装石を用いて、宇宙飛行士の代替生物としての可能性を探った。その結果、耐Gの観点から
人間が乗る以上に安全なロケットが必要であり、大気圏再突入時の宇宙船内の温度は30度未満にする必要があり、
知能の観点から実装石が操作することは不適切であり、完全自動操縦が必須とされた。
当然、これは宇宙船に要求される仕様としてはハードルが高いものであり、後述のとおり日本の宇宙開発計画に
影響を及ぼすことになる。


(2) 資料から明らかになった新事実
当時は実装リンガルは存在しなかったものの、双葉大学資料館に保管されていた映像から音声データを抽出し、
実装リンガルを適用した結果、当時の実装石たちの飼育ぶりも明らかになった。これは、実験の合間に実装石が
話している言葉を集約した結果得られたものである。

その結果、実装石は1m×1m×1m程度のケースに多頭飼され、餌が不足し満足に横になることもできず、極めて劣悪な
環境下にあったことが分かった。実装石が比較的死にやすい動物であることは同時から知られていたが、それは単に
外部からの衝撃に弱い「ひ弱」な動物であり、日常的なストレスに影響されやすい動物であるという知見はなかった。
双葉大学の資料から、当初は農学部敷地内に実装石の飼育スペースを確保する計画であったが、キャンパス改修に伴い
工学部のプレハブ小屋を急遽飼育スペースに充てたことが明らかになっており、実装石は相当窮屈なスペースで多大な
ストレスに晒されながら実験に使用されるのを待っていたと推測できる。

槐研究室は宇宙開発に関する専門家集団であり、実装石飼育は専門ではなかったこと、本委託事業で得た金額の大部分を
実験装置に投資しており、実装石を飼育する機器への投資を二の次にしたことも、劣悪な環境で実装石を飼育していた
原因であったと考えられる。このため、本実験はいわゆる「弱った実装石」を用いており、適切な環境下で飼育した
実装石であれば全く異なった実験結果が得られたと予想されている。

例えば、知能試験において「餌を取ろうとするあまりボタンの存在を忘れた」実装石の数は819匹にのぼる。
これは相当数の個体が飢餓状態にあったことの証拠であると現在は見られている。また、ブザー音に怯えた実装石が
多かった点については長い間謎とされていたが、実装石が飼育されていた当時、プレハブ小屋の隣で新しい工学部棟が
建設されており実装石は常に重機類の音に悩まされていたこと、一度プレハブ小屋を出た実装石が二度と戻って
こなかったことから、実装石の間では「仲間たちはあの大きな音のするところへ連れ去られているのだ」という認識を持ち、
比較的知能の高い個体はこれが危険を知らせるものであると認識していたことが音声記録から明らかになった。
ブザー音による怯えはこのような飼育環境が原因ではないかと推測される。


(3) 本研究の影響
本実験報告は委託元である科学技術庁(当時)に納入され、実装石の生態に詳しくない官僚たちに
「やはり宇宙飛行は困難である」という、恐らく対象動物を実装石にしなければ、あるいは実装石を適切な環境下で
飼育していれば異なった結果になったであろう「誤った印象」を抱かせ、日本の有人宇宙飛行の実現を遠のかせたと指摘されている。

一方で、このときの実装石の生態に関する報告は過去例を見ないほどの大規模な動物実験であり、後の実装石の飼育器具、
駆除器具の開発に大いに役立った。特に実装石が電流を流すことで死んだという知能試験の結果は駆除装置メーカーにとっては
盲点であり、電極付きの実装石駆除用サスマタが開発される切っ掛けにもなった。ただし、知能試験は「弱った実装石」を使った
ものであったため、初期に発売されたサスマタを街中にいる野良実装に適用すると、実装石が怪我をするだけでなかなか死なない結果となり、
開発元は何度も商品の改修を行う羽目になった。また、このときのなかなか死なない様子を見て、実装石を痛めつけることに喜びを見出す、
いわゆる虐待派が大量に生み出される切っ掛けになったと主張する者もいる。


(4) 関係者のその後
この研究の後、槐教授は「4000匹近い実装石を殺したが、大した結論は得られなかった。動物実験以外の方法を探るべきだ」として
動物実験に頼らない宇宙開発を目指し、様々なセンサーを開発、宇宙開発のみならず産業界に大きく貢献した。
また、実装石の使用を主張した張本人である「」助教は本件に関する責任を問われることもなく、実装石の飼育用品、
虐待用品メーカーとして名をはせることになる漏善明電株式会社に移籍、実装石の知能を血液から即座に判定する装置や、
それを応用して、一定知能を持つ仔実装が生まれるまで半永久的に成体実装石に仔を生ませ続ける自動出産装置
(商品名「メンゲレのゆりかご」)といった様々な機器を発明し、実装石関連機器の開発における第一人者となった。


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1 Re: Name:匿名石 2018/12/25-01:11:06 No:00005703[申告]
こう言う論文やレポート調のスクって実装石ジャンル独自の物かな?
実は好きなんだけど他では知らない。
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