タイトル:【観察】 超観察・異常気象
ファイル:実装親子.....⑦.txt
作者:kobeUS 総投稿数:45 総ダウンロード数:1097 レス数:3
初投稿日時:2018/09/13-10:54:23修正日時:2018/09/13-11:24:42
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              超観察・(暴風雨、洪水、高温)異常気象

      *観察作品ですので、直接ニンゲンさんが虐待する描写がありません。
     虐待描写が無いから面白くないと言わないで読んで下さい。


 地球温暖化に伴い季節を問わず、日本各地に台風や爆弾低気圧が襲来する、ゲリラ豪雨による川の氾濫、真夏に雹が降ってきたりと......。
 11月、12月になっても高温による熱中症で、病院に搬送される。

 事前にニュース等で、気象状況を把握している人間でも、こんな状況になれば生死の淵をさまよう事になる。
 観測記録の無い風速60mの台風がやって来て、家や車を吹き飛ばし、洪水で3mの防波堤を越えて川の水が押し寄せて来て、家も家族も失ってしまう。
 雹が降って来れば車のフロントガラスをぶち壊し、涼しいはずの秋が無く、従来の四季が無くなり、日本が赤道直下の熱帯地方の国になりつつある昨今。
 毎日お日さん西々で、その場さえ良ければ満足している実装が、実際に雷、暴風雨等の異常気象に巻き込まれたら一体どの様になるのか。

 此処は市内にあるT公園、段ボール箱の下に石を置いて、固定しただけの、簡単なおうちに住んでいる実装達。
 「今日は、いつも以上に木の実が落ちていたデスゥ〜!子供達食べるデスゥ〜!」
 「テッチャァ〜!ママァ〜!凄い量テチィ〜!戴くテチィ〜!」
 台風の余波か、少しきつい風が吹けば木の実は、バラバラ落ちるが......。落ちている木の実が、何時も以上に多すぎるのは何故だろう?と考えない実装達。
 「今日は空が真っ黒デス!一雨着そうデスね!少し風も出て来たデスが、まあいいデス!愛護派のニンゲンさんから貰ったビニールシートを掛けて置けば大丈夫デス!」
 と考え方はいつも安易である。


  その結果......。

  夜になれば≪ビューゥゥゥゥー!ボアーァァァー!≫更に≪ゴロゴロゴロォ〜!ザーァァァァァ〜!≫
 「す……凄い風デス!子供達ぃ〜!しっかりおうちに寝転がっておうちを押さえになるデスゥ〜!」
 「ママァ〜!駄目テチィ〜!おうちがぁ〜!おうちが飛ばされるテチィ〜!」
 「デッスゥゥゥゥゥゥゥ〜!」
 「テッチャァァァァァァ〜!」
  悪あがきも虚しく、実装親子は、段ボール箱と一緒に空高くに放り出されて......。
 「デバア〜!」≪グチャ!≫
 「テッチャァァァ〜!」≪グチャ!≫
  哀れ地面のシミになってしまった。


  ならば風に飛ばされない様におうちを木の間に挟んで生活している者でも。
  ≪ボアァァァァァ〜!≫
 「ママァおうちが凄く揺れるテチィ〜!」
 「大丈夫デス!このおうちは、木に挟んでいるデス!絶対に飛ばされないデスゥ〜!」
  などと思っていると......。
  ≪メキ!メキ!メキ!≫
 「ママァ〜!何の......。何の音テチ〜!怖いテチィ〜!」
 「も......。もしかして.....。」
  ≪ボキ!ボキ!ボキィ〜!≫
 おうちを守っているはずの木が折れて段ボールのおうちの上に倒れて来た。
 「押しつぶされムギュウゥ〜!」≪パキン!≫
 「助け......。ムギュウ〜!」≪パキン!≫
  木の下敷きになって圧死してしまった。


 運よく風に捲き込まれなかったとしても......。
 ≪ザアァァァ〜!≫
 「おうちに水が入って来るデス!子供達ぃ〜!早く逃げるデスゥ〜!」
 「ママァ〜!助けてぇ〜!」
  ≪ドバドバドバァ〜!≫
  濁流に捲き込まれて、おうちと一緒に何処かに流されて行ってしまった。


 「ママァ〜!暴風雨テチネェ〜!」
 「此処は、地面を掘っておうちを作って居るデス!安心デス!」
 「台風が来てもびくともしないテチィ〜!やっぱりママは天才テチ!」
  と自分達は安全と、嬉しそうにタカを括っていると......。
  ≪じゃああああああ〜!≫
 「ああっ!天井から水が入って来たぁ〜!どうして!どうして!」

 「どうして」と言われても......。
  当然だろう、地面より下におうちが在るのだから、水は引力に従って下に落ちてくる。
  ≪ざああああああああ〜!≫
 「こら!水!おうちに入って来るなデス!これは、命令デス!出て行けデス!」
  本当にバカである。

 「ママァ〜!水が、どんどん......。ゴボ!ゴボ!ゴボ!」≪パキン!≫
 「ワタシのおうちが......。ゲバ!ゴボ!ゴボ!」≪パキン!≫
  どのパターンのおうちも濁流によって潰されてしまった。

  風が吹いても壁があって、吹き飛ばされず、濁流も流れて来ない環境にいる実装達にも天は牙を剥く。
 「ここは、分厚い壁があって風も防げるし、場所も濁流の来ない少し高い所に有るから、大丈夫デス!
  地面もコンクリートだから、段ボール箱に泥が付かないので、綺麗デスし太陽が出れば直ぐに乾くデス!
  ワタシの様におうちを作るなら、こう言う場所に作らないと駄目デス!」と、台風被害で潰されてゆく同族の事を、対岸の火事の如く笑っていると......。

  台風一過、天気が回復していった。
  すると、太陽が顔を出してくる。だがこんな時にこそ気温が急上昇してきて猛暑になる。
 「台風が来ても平気!」と言う事は、言い換えれば風通しが悪いと言う意味である。
 「暑い!暑い!急に暑くなって来たデス!」
 「ママァ〜!お水!お水が飲みたいテチ!」
  更に、熱中症を引き起こす程、気温は上がりやすい気候である。
  一気に猛暑になり、実装の住む場所は一気に40度迄気温が上昇し、熱波が襲ってきた。
  こういう輩こそ普段から、こう言う時の対策を怠る。
  水なんかいつでも手に入ると安直な考えをしているから、いざとなれば飲み水は、無い。
  地面は、コンクリートだから熱しやすい、雨水も一気に蒸発してしまい水溜りも無くなる。
  と言う事は、水のあるところまで移動しないといけない。


 「く......くるしいテチィ〜!体が燃える様に暑いテ......。」≪パキン!≫
  仔実装の脆い体から一気に水分が蒸発したものだから、干物の様に乾燥して死んでしまった。
  仔実装より体力のある成体実装は、一気に死ねず、苦しんで死んでゆく。
 「デジャ!暑い!暑い!早く水を飲まないと!デジャ!足が、足が攣ったデス!痛い!痛いデスゥ〜!」
  体が脱水症状を起こして両足の太もも付近が攣ったのである。【これはとても痛い!】
  喉が渇いていても両足が攣ってしまったのでは、歩く事も出来ない。
 「足が痛いぃ〜!喉が渇いたぁ〜!苦しいデ......。」<パキン!≫
  色々な要素が加わり成体実装の偽石が、耐え切れず割れてしまった。
  この夏、多くの実装が死んでいった。

  実装の爆発的な繁殖力か、異常な気象か、どちらが勝つか今後が楽しみだ。


 FIN


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1 Re: Name:匿名石 2018/09/14-02:12:05 No:00005585[申告]
人間による虐待よりも自滅していく観察の方がむしろ面白くなる題材だと思うゾ、おじさん観察スクの方が好き派、着眼点は良い。
擬音語の使い方が相変わらず独特で俺には難解、その点で新境地目指して欲しいゾ。
2 Re: Name:匿名石 2018/09/18-14:52:43 No:00005594[申告]
異常気象で死んで行く実装石って最高
3 Re: Name:匿名石 2018/11/22-22:50:16 No:00005675[申告]
自然の実装石が森林の多い山地近辺にしかいないことから
都市と言う環境は食料は手に入りやすいけど
それ以外は実装にとって苛酷な環境なのかもしれない
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