オブニバス 『柏餅』 5月5日は、子供の日、男の子の居る家庭では、鯉のぼりをあげ、鎧兜を飾って、子の成長を願う。 端午の節句と言う行事。 欠かす事の出来ない食べ物と言えば『柏餅』である。 『老夫婦』 GWの初日、無関心派の初老の婦人(=以降:奥さん)が、自宅近所のスーパーで買い物をした。 普段は旦那さんの健康の事も考え、野菜中心の買い物になり、甘い物、辛い物等は、余り買わない。 しかし、この日は旦那さんに柏餅を食べさせてやろうと思い1パック5個入り(税別400円)を買った。 同じ頃、1匹の仔実装を連れた実装が、町内をウロウロしていた。 「ママァ〜!何かアマアマの美味しそうな匂いがするテチねぇ〜!」 「そうデス!以前、愛護派のニンゲンさんから貰った事があるデスが、これは柏餅と言うニンゲンさんの食べ物デスが、中にあんこの入った甘くて美味しい御餅デス!」 「ワタチも食べたいテチ!」 「ほら!あそこに柏餅を持ったニンゲンさんが居るデス!優しそうなニンゲンさんみたいデス!貰えるか聞いてみるデス!」 2匹の実装は、≪トテ!トテ!≫と走って、奥さんの前に出た。 「二…….ニンゲンさん!お願いデス!持っている柏餅を1個戴け無いデスか?」 「ニンゲンさん!1個ワタチ達に戴けますテチか?」と奥さんに柏餅を下さいと訴えたが、元々、実装に無関心の奥さんは、リンガルを持っていない。 「デス!デス!」 「テチ!テチ!」としか聞こえない。 「可愛い仔実装をつれているのね!」そう言ってその場を立ち去ってしまった。 「ニンゲンさんは、リンガルを持って居なかったデス!ワタシ達の言っている事が解らないみたいデス!」 「残念テチィ〜!柏餅貰えなかったテチィ〜!」仔実装は、がっかり諦めた様だったが……。 「大丈夫です!あの人は、お前の方を見てにっこり笑ってくれたデス!優しい人デス!」 「じゃあ〜!ママ!」 「ママが手振り、身振りで解る様にお願いするデス!それにあのニンゲンさんは、ゆっくり歩いているから追いついてもう1回お願いするデス!」 暫く歩くと奥さんは、旦那さんの待つ自宅に入っていった。 「あれがニンゲンさんのおうちデス!行って見るデス!」 2匹は、奥さんの入った家の庭に廻った。 家の中では……。 「お父さん!今日、柏餅買って来たんです!食べますか?」 「おお!美味しそうだ!お茶を入れてくれ!」 お茶を飲みながら、2人は柏餅を食べだした。 「甘くて美味しいなぁ〜!」 「そうですねぇ〜!」 そんな話をしながら老夫婦は2個目の柏餅も食べてしまった。 「最後の1個ですねぇ〜!お父さん食べますか?」 「偶には、沢山食べても良いか!」 そう言って最後の柏餅に手を掛けようとしたら……。 「デス!デス!デス」 「テッチャ〜ァ!」 庭から、実装の叫び声が聞こえて来た。 「あれ!実装じゃないか!どうしたんだろう!」 「あの実装、道で私に声を掛けて来た実装ですねぇ〜!」 「どれ!リンガルを起動して!」旦那さんは、携帯リンガルを起動した。 「ニンゲンさん!ニンゲンさん!そ……その柏餅をワタシの子どもにあげてデス!」 「柏餅欲しいテチィ〜!ニンゲンさん欲しいテチィ〜!」 「な〜んだ!柏餅が欲しかったの!リンガル持ってなかったので解らなかったわぁ〜!」 「じゃあ!これをあげるよ!受け取りなさい!」 「本当に良かったデスゥ〜!優しいニンゲンさんデェ〜!」 そう言って旦那さんが、実装に向かって軽く放り投げた。 「ママァ〜!ニンゲンさんが、アマアマをくれるテチィ〜!」落ちてくる柏餅の下に急いで入り受け取ろうとしたが……。 「テチャ!」≪グチャ!≫仔実装の喜びと悲鳴とが混合した。 「デデデデェ〜!」親実装。 「ああっ!」と旦那さん。 「ど……どうしてぇ〜!」と奥さん。 犬や猫に餌をやる感覚で仔実装に柏餅を投げた旦那さん。 ニンゲンの優しい心も、美味しい食べ物も、仔実装に取っては、恐ろしい凶器になってしまうのだ。 『愛護派?の家』 五月五日の午後。 「此処に柏餅を飾ってと!」 この愛護派?の家には、としあきと言う幼稚園年長の男の子がいる。 としあきのお婆さんとお母さんがとしあきの為に柏餅を作った。 出来立ての柏餅は、柏の葉に包まれて良い匂いがしていた。 としあきの分は一口サイズに作られて、小さなお盆に乗せて鎧兜の横にラップを掛けて置いた。 そこにこの家で飼われていた仔実装2匹を連れたミドリと言う名前の実装がやって来た。 「デスゥ〜!何か美味しそうな匂いがするデス!」 「ママァ〜!あの葉っぱに包まれた食べ物、美味しそうな匂いテチィ〜!」 「食べたいテチィ〜!」 「あれは、柏餅と言う食べ物デス!」 「か・し・わ・も・ち……テチ?」 「大ゴシュジンさま(=お婆さん)に貰える様に頼んでみるデス!」 今年の4月に産まれたばかりの仔実装にそんな話をしていると後ろから……。 「駄目ですよ!あなた達には、ちゃんと実装フードあげているじゃないの!」 「大ゴシュジンさま、で……でもぉ〜!」 「いけません!此処に来た時にちゃんと約束したはずよ!実装フード以外は食べさせないって!言う事を聞かないあなたの子どもは、全部捨てたでしょ!(=実装回収に出した事を言っている) あなた達は、言いつけを守る賢い飼い実装として此処に置いているのだから!勝手に食べたりして約束を破ったら捨てますからね!」そう釘を刺した。 実装親子は、自分達の部屋に戻っても柏餅が食べたくて仕方なかった。 仔実装の頭の中では、我慢するか、捨てられるのを覚悟で(=当然、ミドリも仔実装と同様に実装回収の意味が今一理解出来ていない)食べるかと言う所まで葛藤していた。 「ママァ〜!ワタチは、追い出されても食べたいテチ!それ位の価値はあるテチ!」 「此処で、諦めたら死ぬ迄後悔する事に成るテチ!」 「長女!次女!大丈夫デス!ゴシュジンさまは、沢山、柏餅を作っていたから1個位食べても気が付かないデス!ワタシ達全員で柏餅1個を取って来て食べるデス!食べたのが、解らなければ捨てられないデス!」 *御主人さんはそれ程単純ではないのだが、躾済とはいえ所詮、頭の中はこの程度 自分達の部屋をこっそり抜け出した実装親子は、柏餅の置かれた座敷に来た。 「大ゴシュジンさまは、先程外に出て行ったみたいデス!小ゴシュジンさま(=お母さん)は電話の最中デス!今がチャンスデス!」 「テッチャ!」(小さな声で)次女が鎧兜の横に置かれた柏餅のラップを外し、「戴きぃ〜!」≪パクッ!≫約束を破って、柏餅を一つ口に入れた。 「あっ!ずるいデス!」 「卑怯テチ!」 ミドリが、自分の前に居た長女を突き飛ばして柏餅を食べていた次女に飛び掛かった。 ≪どん!がらがらがっちゃぁ〜ん!≫ 勢い余ってミドリは、頭から鎧兜に突っ込んでしまい倒してしまった。 「テジ!」≪パキン!≫ 長女は、倒れてきた鎧兜の下敷きになって死んでしまった。 「テ……テチ!く……苦しい」≪パキン!≫ 柏餅を頬張っていた次女は、柏餅を取られまいと丸のみした為に喉に突っかえて窒息死してしまった。 「な……何なの!」 お母さんが電話を切って座敷に行くと、折角作った柏餅の上で鎧兜に押しつぶされて血まみれになって死んでいる仔実装と白目を剥いて喉に餅を詰まらせ、仰向けになって脱糞して、死んでいる仔実装と 頭とさすりながら、座っているミドリの姿が目に飛び込んで来た。 「ミ……ミドリィィィィィィ〜!なんて事をしてくれたのよぉ〜!折角朝早くから起きて作ったのにぃ〜!もう、柏餅食べられないじゃないのよぉ〜!」 「デ ……デスゥ〜!」と苦笑いを浮かべながら周囲を見渡すと、既に死んでいる自分の子ども達の姿。 「こ……子ども達ぃ〜!」 お母さんは、ゴミ袋を持って来て、窒息した仔実装と鎧兜を除けて、柏餅の上で死んでいる仔実装をお盆毎入れた。 「明後日、生ゴミの回収があるわ!捨ててしまいましょう!それからっと!畳も拭かないとぉ〜!」 「しょ……小ゴシュジンさまぁ〜!ワタシの子どもがぁ〜!あんまりデスゥ〜!」 「あなたの子どもなんてどうでもいいのよぉ〜!どうしてぇ〜!何で言いつけを守れないのよぉ〜!」 その後、帰宅したとしあきには「酷いよ!ミドリ!柏餅を食べるのを楽しみしていたのにぃ〜!」と言って泣かれる。 お婆さんからは、散々説教を食らった挙句に……。 「約束通り捨てますからね!実装回収センターに連絡して回収に来て貰います!」 「大ゴシュジンさまぁ〜!捨てないでぇ〜!」ミドリはそう叫びながら、実装回収に着たトラックに乗せられて連れて行かれた。2〜3日中には、焼却されてしまうだろう。 決められた約束は守らないとぉ〜! 『スーパーマーケットの客』 食用仔実装を販売しているスーパー双葉。 今日は、子供の日フェアーで店は、買い物客でごった返していた。 今日のメインは食用仔実装ではなく……「柏餅」である。 多くの客が、パック詰めの柏餅や店頭のケースでバラ売りされている柏餅が飛ぶように売れる。 食用仔実装は、「ワタチ達を買ってぇ〜!」と声をあげるが、今日はそんな物には目もくれない。 そして閉店迄買い物客に無視された上、売れ残りとして返却されて廃棄される運命。 それとは別に野良実装も仔実装を連れてやって来る。 「いいデスか!今日は、お前達の可愛さをアピールして飼い実装にして貰うデス!幸せになって欲しいデス!」と言う場違いな発言をしている奴。 「今日は、多くのニンゲンが来ているデス!こっそり託児するデス!ママも後から行くデス!」と後に親子共度お地獄を見る様な発言をする奴。 「ニンゲンさんが持っている良い匂いのする白い物(=柏餅)を戴くデス!」と楽観的な言っている奴。 「柏餅を奪ってやるデス!」と息巻いている奴等『絶対無理だろう!ありえない』発言をする奴が、店を遠巻きにして集まった。 「ママッ!あのニンゲンさんに御愛想して飼って貰うテチ!」両手に買い物袋を持って、店を後にしている家族に目を付け嬉しそうに仔実装達は追い掛けて……。 「ニンゲンさん!ワタシ達の可愛い踊りとお歌を……。」 「邪魔!」 「テチャァ〜!」≪パキン!≫ 「テチャァ〜!」≪パキン!≫ 「デデェ〜!」 話も聞き終わらない内に仔実装達は、親実装装の目の前で蹴り殺されてしまった。 「あの小さい女の子達に託児するデス!」 店から出て来た女の子の後ろに廻って託児しようと構えるが……。 「託児か糞蟲!」 「デ.……デデデデ!」 託児しようとした実装は、自分達の後ろに居たその女の子父親に見つかり、店から予備に貰っていたナイロン袋に親子共々放り込まれて、実装回収ボックスに生きたまま投げ込まれた。 「ニンゲンさんにお願いして柏餅を貰うデス!」 3匹の仔実装を連れた親実装がそう言って、買い物から帰る妊婦さんに声を掛けた。 「ニンゲンさん!柏餅1個でいいから可愛いワタシの子ども達にあげてデス!」 この実装は、妊婦は、子供の事を一番に考えているだろうと(=何故か人間の子供と仔実装を混同にしている)妊婦さんの母性に訴えた。 「柏餅の前に……。これをあげるわ!」 そう言ってコンペイトウを実装の前に転がすと……。 「テチャ!アマアマテチ!」 「テチャ〜!コンペイトウテチ!」 「デスウ〜!退けぇ〜!ママが食べるデス!」 「テッ!」≪パキン!≫ 「テジャ!」≪パキン!≫親実装は、仔実装を踏み殺してコンペイトウの所に行った。 そして……。「デヘヘ!お前達は捨石デス!」そう言ってコンペイトウを丸呑みした。 「何が可愛い子どもよ!結局自分の事しか考えて無いじゃない!」 「し……しまったデス!お腹が空腹過ぎて思わず飛びついてしまったデス!こうなれば力づくでも奪い取るデス!」 そう言って体を低くして妊婦さんに襲い掛かろうとしたのだが……。 「デ…….デスゥ〜!お腹が痛い!く……苦しいデ…….」実装は、お腹を押さえて苦しみ出した。 「コンペイトウ型実装コロリよ!何で!あんたに柏餅あげないといけないのよ!」妊婦さんは、そう言ってさっさとその場を立ち去った。 「痛いぃ〜!お腹がぁ〜!」≪パキン!≫ 結局、子供の日でも実装達の子ども(=仔実装)に幸せは訪れなかった。 と言うか、全ては親実装の行動と考え方一つの問題で、仔実装が幸せにも不幸にもなると言う事だろうな。 『飼育用と柏餅』 実装ショップで中学生の女の子が、改良型飼育用仔実装『癒し系!ニンゲンさんとお話しするテチ!バージョン』(税別3000円)を購入した。 発売当初と違い現在の飼育用はケース入りではなく、躾済で普通にゲージの中で飼われていて販売されている。 購入者は、動く飼育用仔実装を見て選ぶ事が出来る。 *それでは、ブリーダーが倒産してしまうと言う方へ。実は、改良型は人間に対して従順に作られているが、 性能を発揮する為には、偽石に手を加えて加工しなければならず、6か月、3か月、1ヶ月の3種類の寿命になってしまう。らしい?(=業者談) 仕入れコストは、税別300円で1匹売れれば、10匹分の利益があり例え売れなくても8か月の寿命があるが、全国の実装ショップで、予約や問い合わせが殺到している今、そんな事を考える暇はない。 又、タグは現在の寿命が分かるタグを取り付けていて、飼い主も寿命が分かる。 残念ながら7ヶ月目を過ぎると赤いタグをつけられて、サンプルとして置かれる事になる しかし、寿命が1ヶ月切っても買いたいと言う人には、1回限り次回購入時に割引をして貰えるチケットが貰える。 (=買った次の日が、8ヶ月目の場合もある) ・販売時に購入者のリクエストに答えて偽石に特殊なセンサーで傷を付け寿命を決める。 ・寿命が長い、短いは購入時に飼い主が選ぶ事が出来る。 ・寿命が短ければ短い分、飼い主に従順に作られている。 ・飼い主に可愛がられて命を全うすると言うコンセプトで作られている。 この4つの但し書きがショップ内に貼られている。 1ヶ月・・・・飼い主の言いなりにしかならない。だが、話上手で飼い主がどんなに気分が悪くても癒せると言われている?らしい。1ヶ月の寿命。(2月に購入すると3日損) 3か月・・・・飼い主の許容範囲を超える行動はとらない。話のキャッチボールが出来て周囲の空気を読んだ話が出来る。3か月目に入ると、1ヶ月バージョンと同じ性能になる。 「長時間目を離す時、寝る時はゲージに入れましょう」の注意書きあり。 6か月・・・・飼い主の許容範囲を超えて行動する事は稀にあるかも?3か月用より劣るが、基本的な会話は出来る様に設定されている。 飼い主と話をして徐々に学習し、話を合わせるタイプであるが、若い女性には「子育てをしている様な体験が出来て楽しい!」と好評だ。 更に飼い主の腕次第で上手く5か月間飼育出来れば、その後1ヶ月バージョンと同じ性能になる。「目を離す時は、必ずゲージに入れましょう」の注意書きがある。 説明が長くなったが、本題に入ろう。 ちなみにこの女の子は、少しでも長く居ようと思い、6か月バージョンを買った。 「テッチュ〜ン!初めましてゴシュジンさま!これから宜しくテチィ〜!」と言って両手を出して抱っこしてのポーズを取った。 女の子は、抱っこして「こちらこそ宜しく!仲良くしてね!」そう言って、頭を撫でて飼い実装様に買って来た可愛いピンクの服と帽子、白い靴下を履かせた。 「ゴシュジンさまワタチは、ゴシュジンさまと楽しいお話をする為に作られたテチ!お話するテチ!」 「そうねぇ〜!今日は子供の日ってね、子供が健やかに成長するのをお願いする日なの!」 「子どもの日??テチ??」 「それからねぇ〜!柏餅って柔らかくて甘い和菓子を食べる日なの!」 「か・し・わ・も・ち?テチィ〜?それは美味しいテチ?」 「あっ!飼育用仔実装って栄養ドリンク以外は、与えてはでは駄目って聞いていたんだわ!こんな話してごめんね!」 「大丈夫テチ!それは、発売当初の飼育用仔実装だけで、今は改良されて何を食べても良いテチ!」 女の子は、仔実装の前に『柏餅』を持って来て……。 「これをあなたにあげるわ」そう言って手渡した。 柏の葉に包まれた餅は、美味しそうな匂いがした。 「美味しそうな匂いテチィ〜!食べるテチィ〜!」仔実装は、柔らかい柏餅を器用に少しずつ千切って食べた。 「美味しいテチィ〜!ショップでは、こんな美味しい物食べた事が無いテチィ〜!」 「あら!もう食べちゃったの!」 「とても美味しかったテチィ〜!御馳走テチ!」 「そう!喜んで貰って嬉しいわ!」 お話実装は、女の子と1時間程、楽しい会話をした。 「あのう〜ゴシュジンさま、柏餅もう1個欲しいテチ!貰えるテチ?」 「いいわ!どうぞ!」 「ゴシュジンさま、ありがとうテチ!」 暫くして家の電話が鳴った。 「今は、お母さんが外出していないわ!ちょっと待っていてね!」 そう言って女の子が目を離した隙に仔実装は、「とても美味しい柏餅は、ショップのお友達に分けてあげるテチ!」 コッソリ家から出てしまい女の子の自宅から、5分位の場所にある、ショップに向かって≪トテ!トテ!≫走って行ってしまった。 少し走ると公園があり、腹を空かせた野良実装が餌を探しに出て来た。 「デスウ!彼奴は飼い実装デス!綺麗なお服を着やがって!デスッ!手には……か……柏餅を持っているデス!」 「オイ!その手に持っている柏餅を寄越すデス!」 「駄目テチ!これはショップのお友達にあげる分テチ!」 「生意気な奴デス!」≪ガブッ!≫ 「テ……テッチャァァァァ〜!」 野良は仔実装から柏餅を取り上げて食べてしまった。 「やっぱり柏餅は美味しいデスゥ〜!これは愛護派から貰った奴より甘くて美味しいデス!」 「ショップの!ショップのお友達にあげようとしたのにぃ〜!」 「お前も美味しそうな匂いがするデス!」そう言って仔実装を押し倒し≪ガブ!≫ 「痛い!痛い!私のオテテがぁ〜!」 「じゃあ!次は足を食べるデス!」≪ガブ!≫ 「嫌テチ!嫌テチ!怖いテチィ〜!」 「飼い実装は、野良実装の敵デス!ニンゲンと一緒に行動しない世間知らずは死ぬデス!」≪ガブ!ガブ!≫ 「テ……」≪パキン!≫ 可哀想に飼育用仔実装は、着ている服毎、野良実装に喰われてしまった。 「美味しかったデス!じゃあ!御飯を探しにいくデス!」 「一体……一体何処へいったのよ!目を離すんじゃなかったわ!」 飼育用仔実装が、食べられてから1時間程経って女の子が仔実装が、殺された現場を通った。 仔実装のショップの友達に柏餅をあげようと思う優しい心と、そこまで深読みせず、更に注意書きをしっかり読んで無かった、女の子の心の隙がこの様な悲しい結末を引き起こした。 FIN *5月5日迄に仕上げて投稿する予定が、遅くなってしまいました。 *年中柏餅は販売されている。子供と関係無い人も食べているじゃないか!とか言わないで読んで下さい。 *最後は、柏餅に関係ないような作品になってしまいましたが、そこは大目に見て下さい。
1 Re: Name:匿名石 2018/05/14-03:52:53 No:00005216[申告] |
今回のオブニバス(オムニバスの転記?)とかカタカナ語の表記が独特なのは何かのパロディなのかな?
外国語の翻訳みたいな雰囲気を感じる、アメコミあたりが元ネタか? |
2 Re: Name:匿名石 2018/05/17-23:12:37 No:00005222[申告] |
これはオムニバスというかオムニDEATHデス |
3 Re: Name:匿名石 2019/04/30-08:54:09 No:00005940[申告] |
↑うまいこと言ってるけど笑えねえw |