タイトル:【青鬼】 青鬼 vs 実装石
ファイル:実装石VS青鬼.txt
作者:トランプ大統領 総投稿数:1 総ダウンロード数:704 レス数:1
初投稿日時:2017/11/07-14:29:02修正日時:2017/11/07-14:29:02
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実装石の親子が歩いていると、前から青鬼がやってきた。

青鬼というのは人間を食べる妖怪と云われていた。
彼らは全身がブルーベリーのような青紫色で、一般に頭が大きく四肢が異常に短い。
廃墟に住んでいて人間、とは云っても肝試しに来たDQN達を捕食していると云われていた。

長らくそれは都市伝説の域を出なかったのであったが、とあるベッドタウンに建つアパートの廃墟から行方不明者のものと思われる人体の断片が続々発見されるに至り、自衛隊までもが投入される事態となり、彼らの強力な対青鬼兵器によって好戦的な大型種は根絶やしとなった。
咀嚼され脳を吸い出された後の眼球がデロンと飛び出した頭部の破片、牙で肉を削ぎ剥がされた長管骨が写真週刊誌に載っているのを見た者の中には嘔吐が止まらずにそのまま入院した者もいた。

もちろん、それは一方的な戦いではなく、自衛隊員からも犠牲者が出ており、首相から哀悼の意が示され、国民の青鬼への怒りに油を注いでいた。

そのため、世間でも青鬼の被害が出るのは廃墟を放置しているからだという考え方が主流となり、企業や行政が青鬼が棲息出来るような廃墟を取り壊し、雑木林、薮も続々と刈られていった。

しかし、サメの中で人を襲うものが比較的大型の一部の種に限られるように、人間を捕食する青鬼も比較的大型で凶暴なものに限られていた。
小型の青鬼は廃墟や雑木林、薮に住み着いた野良猫、鼠、トカゲあるいはクモ、ムカデ、ゴキブリのような小動物や昆虫を捕食してその生を長らえていたのである。

ところが廃墟が取り壊されると比較的温厚な小型種までもがその住処を失い、その数を減らしていた。
人間に見つかって彼らは夜中にひっそりと街に移動した。

諸処の公園の植え込みの中にはこれら小型の青鬼が身を隠して棲み着くようになった。
当初は草木を食べる、昆虫のまねをして樹液を吸うなどしていたが、肉食動物の血はそれを許さなかった。
やがて彼らの主食は池のある公園ではそこに棲む魚、ザリガニ、カエルとなり、池のない公園ではそれ以前からそこに棲息していた実装石達もその補食対象となった。


実装石もまた不快生物として駆除対象とされていたのだが、その理由はゴミを荒らし、悪臭を放つ、さらに驚異的な増殖力を持っており、駆除しても後から後から湧いてくるなどの理由であり、ゴキブリや野良猫、鼠、カラスと同レベルのとらえ方がされていた。

ゴキブリはともかく、猫を愛好し、飼う人間は数多く、鼠やカラスそのものではないが、近縁のハムスターや九官鳥を愛好飼育する者はいたし、最近では実装石についても同じ現象が起こっていた。
いわゆる愛護派と云われる人たちの存在がクローズアップされた時期があったことは記憶に新しい。

その一方、たとえ小型のものであっても青鬼を飼う者はまれであったのでその点は全く違っていた。

愛護派達が青鬼小型種による実装石捕食を、青鬼大型種による人間(DQN)捕食と同一視していきり立った。もともと、池のある公園では水棲動物の敵として青鬼の駆除が行われるようになったのだが、池のない公園でも目を血走らせながら青鬼を探す愛護派の姿を見かけるようになった。

青鬼にとってはこれも正当防衛であろうが、駆除しに来た愛護派の中には指を食い千切られて自衛隊に駆け込む者もいたという。
街中の公園では対青鬼兵器は使えなかったため、結果としては一般市民だけではなく、警察官や自衛隊員の中からも指を食い千切られる者が続出しただけであった。
ただし、虐待派の中には実装石に指や陰茎を食い千切られた者もいたため、青鬼特有の現象ではない。

その一方で、虐待派は小躍りしていた。
愛護派と違って普段から実装石の捕獲に長けていた彼らは、青鬼の捕獲スキルも数段上だった。
駆除されかけた青鬼がいたら、密かに指を食われることもなく捕獲し、実装石が多く棲む公園にこれを移送していた。
そして、青鬼が実装石を追い回して惨殺して捕食する様をビデオカメラで撮影し、Youtubeにアップしていた。
ただし、愛護派によってビデオカメラを壊されるトラブルも多発していたが。

そんな日常の中生き延びた実装石親子と青鬼が邂逅したのである。
青鬼は非常に小型のもので、親実装よりも一回り以上小さかった。
この小ささが人間の目から逃れるのに役だったことには疑いがない。

青鬼はまず仔実装の頭を丸呑みするように食い千切った。
仔実装が抱いていた蛆実装の顔面も同時に削がれて二つの命が一瞬にして失われた。
バタリと倒れた仔実装と蛆実装の胴体。
青鬼の口からはペッと赤と緑の眼球が大小一つずつはき出されてきた。
最近の生態研究で明らかになったことであるが、実装石の眼球は青鬼にとっては忌避物質が含まれており生では喰えないらしい。
親実装は「デビュー」と激高し青鬼に抵抗するが振り上げたその手を青鬼に食われただけだった。
青鬼はその四肢を一本ずつ食い千切り体幹だけになって動けなくなった親実装をゆっくりと食べた。
食べきれなかったのか仔実装と蛆実装の首なし死体がそこに残された。
物陰から見ていた他の野良実装達は素早く残飯処理を開始した。

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実装石と青鬼が絡むスクをたくさん読みたいので、まず隗から始めよ、とにわか仕立てのたたき台を提供します。


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1 Re: Name:匿名石 2017/11/08-11:03:36 No:00005089[申告]
プロローグとしては良えんでない
ここから話膨らませてって欲しい、面白くなりそうな要素はある。
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