賢いワタシの仔を是非飼うデス 季節は秋、黒髪市のとある公園に10匹の仔実装を連れた野良実装が渡って来た。 この親は『ワタシの仔達は、思いやりがあるし、ニンゲンさんの事を、第一に考える事の出来る賢い仔達デス! 飼いにして貰っても恥ずかしくないデス!ニンゲンさんに売り込んで見るデス!』と考えていた。 実装は、早朝、通勤する為に公園を通過するサラリーマンとか、公園周辺をジョギングする人に話しかけた。 しかし無視されるばかりで話にならない。 『急いでいるニンゲンさんは、ワタシの話を聞いてくれそうにないデス! ならば、今度は、日曜日に子供を連れて公園に遊びに来る親子連れなら、時間もあるから話を聞いてくれる貰えるデス! それに子供を育てる親なら、ワタシの仔も大事にしてくれて、可愛がってくれるデス!賢いワタシの仔なら絶対に飼って貰えるデス!』 と言う自己中心的で根拠も無い糞蟲的な考えで、人間に接触しようと考えた。 今日は日曜日、公園には沢山の家族が子供を連れて来て、遊具のあるエリアに遊んでいた。 砂場や滑り台で遊んでいる子供をベンチに腰かけて、笑顔で見ている人が沢山いる。 『このニンゲン達は時間がありそうデス!ワタシの話を聞いて貰ってどの仔か飼って貰うデス!』 この親実装は、賢い仔実装10匹の内、特に賢いと思う長女、次女、3女の3匹を連れて行く事にした。 「さあ!お前達、これからニンゲンさんにとても賢いお前達を飼って貰える様に話に行くデス!しっかり自分を売り込むデスよ!」ニコニコしてそう声を掛けた。 「ママァ〜!ワタチ飼い実装テチ!ワクワクテチィ〜!」 「優しいニンゲンさんなら良いテチ!色々お手伝いするテチ!」 「ニンゲンさんに可愛がって貰うテチ!」仔実装達も笑顔でそう返した。 『飼って貰える事間違い無し!』と実装親子は、そう思ってニンゲンの前に出た。 「デス!デス!デス!」親実装が、一番端で遊んでいた優しそうな家族に声を掛け、仔実装を持ち上げて『連れて帰って』の様なポーズを取った。 しかし、この家族は、リンガルを所持しておらず、意志の疎通が出来ない上に【疎通が出来ても所詮無駄だが】臭いニオイがする薄汚い実装に近寄られたら 子供を持つ親なら全員こう思うだろう『子供が病気になる』。 殆どが子連れで来ているこう考えても不思議ではない、当然黙ってその場を立ち去った。 「な……何デス!こっちが話をしているのに、無言で向こうに行ってしまうなんて失礼なニンゲンデス!他のニンゲンを当たるデス!」そう言って、他の子連れの親子の所に行った。 しかし人々は。『これは仔実装を連れて帰ってのポーズをしている託児だ!』そう思って話も聞かずに逃げる様にその場を去ってしまった。 「ど......どうしたデス!ワタシの賢い仔供の誰か一石飼って下さい!とお願いしただけなのに、黙って向こうに行ってしまうなんて、失礼にも程があるデス!」親実装は、そう言って別のニンゲンを探し始めた。 だが「野良実装が自分の仔実装を飼って欲しそうに近寄って来る!」の情報が流れてしまっていたので、実装が行く所、行く所、蜘蛛の子を散らす様に、ニンゲン達は離れていった。 「ワ......ワタシは、生活に困って託児するのでは無いデス!ワタシの賢い仔供を飼ったら、絶対に損はしないデス!それをニンゲンに解って貰いたいだけデス!」そう言って弁明 した。 だが、リンガルを起動して聞いている人も「そんな事がある訳ない!実装が託児しに来るには、絶対それなりの魂胆がある。見え透いた嘘まで吐いて飼って貰いたいのか!」と言って信じようとしない。【実際そうだろう】 「おい!実装がこっちに来たぞ!こっちは小さな子供がいる!どんな病気を移されるかわからん!」 「今度は、こっちに来たわ!早く逃げなきゃ!」 「薄汚いし、臭いもクサい、吐き気がしそうだ!」 「早く家に帰った方がよさそうね!糞を投げられても困るしね!」 「うちの子の公園デビューがぶち壊しだ!」公園に来ていた親子連れは、口々にも文句を言った。 「ワタシの賢い仔を貰ってくれないデスなんて、此処の公園に来るニンゲンは、バカばかりデス!それじゃあ!お願いするのは、無しにして仔供を無理やり押し付ける事にするデス!」 と言って賢い?仔実装をニンゲンに黙って押し付ける事(結局託児する事)にした。 ......................................................................................................................................................... その日の昼頃......。 「今日から1週間のリフレッシュ休暇だ!家に籠っているのもなんだし、たばこでも買ってぶらぶらするか! そう言って一人の男が、町に出てきた。 コンビニでたばこを何箱か買って公園のベンチに座って一服していると、ベンチの横から≪ゴソ!ゴソ!≫音がする。 すると実装が、男のたばこを入れたコンビニ袋の中に仔実装を入れようとしていた。 男と目が遭いビックリして仔実装を引っ込める親実装。 男はリンガルを起動して実装に話かけた。 「何だ!お前は!このご時世に託児か?託児なんて久しぶりに見たぞ!実装はまだこんな事をしているのか?」 「ち......違うデス!託児では無いデス!ワタシの仔は、優しくて、賢くて、機転の利く良い仔ばかりデス!絶対ニンゲンさんに損はさせないデス!是非、飼って下欲しいデス! いや、絶対に飼った方が良いデス!ニンゲンさんは絶対得をするデス!」と自分の仔供を飼えば凄いメリットがあると言わんばかりの勢いだった。 「それ程の自身があるなら何故、正面から来ない!ニンゲンの隙を突いてコンビニ袋に入れる事は、託児と言われても仕方ないぞ!」そう諭す様に言った。 すると実装は、今迄公園であった事を話し、自分の巣に男を連れていった。自分は正面から「自分の10匹仔を貰ってくれとお願いした」と言った。 「休みの日に公園の遊具の所に居る者は、粗、小さい子供を連れて来ている親ばかりだ!普通に考えたら、汚い野良など近づけたら自分の子供に病気が移ると考えるだろう! いくら優秀と言っても実装尺度の優秀など、赤ん坊以下だ!ニンゲンに押し付けても見つかれば直ぐガキは、殺されて捨てられてしまうだけだ!やめとけ!」 「で......でも......」 「じゃあ!1匹だけ俺に預けろ!どうせ託児する積もりだったのだろう!」 「二......ニンゲンさん!」 「その仔実装は、手伝いをすると言ったな!それは間違いないだろうな!」 「間違いないデス!保証するデス!飼って後悔は絶対しないデス!」 「それだけ大きな事を言うんだ。嘘なら殺しても文句は言うなよ!」そう言って男は、その実装の一番賢いと言われる次女を貰って帰った。 ............................................................................................................................................................................... 俺の家は、市内の高層マンションの12階にある。4LDKの部屋に単身赴任で来ている。 こちらに転勤して来てから2年が経つ。家族と一緒に住んでいないから、何も詮索されない、だから仔実装を連れて帰って来ても大丈夫と言う訳だ。 俺の部屋に入った仔実装は、きょろきょろ周囲を見廻して.......「二.....ニンゲンさん今日からワタチは此処に住めるテチね!嬉しいテチィ〜!どこのお部屋がワタチの部屋になるテチかぁ〜! そのうち、ママやお姉チャ、妹チャがやって来る手筈テチ!そうなれば一緒に暮らせるテチィ〜!」ニコニコしながら俺にそう言ってきた。 こいつ浮き浮きしていやがる。賢く思いやりがあると言っても、所詮実装レベルだ!この程度だろう!しかし親が此処に押しかけて一緒に住もうとする為に、こいつを預けたのなら、形を変えた託児だな! 今の内に手を打たないと......。 俺は嬉しそうにベラベラ喋る仔実装を横目で見ながら、小さな段ボール箱を持って来てそこに放り込んだ。 そしてベランダ迄持って行き「今日は此処に居ろ!無事に一晩越せれば中に入れてやる!」そう言って、 強い風の吹くベランダに置いて部屋に入りカーテンを閉めた。 「テッ!ニンゲンさん!話が. ......話が違うテチィ〜!ワタチは......ワタチは、飼い実装テチ!こんなお外に出されるのはオカシイテチィ〜!」そう叫んでいる。 仔実装の鳴きごとを聞きながら、何も話は違わねぇ〜よ!俺は「預けろ!」と言ったが飼うとは一言も言ってない。 室内に入っただけで何時の間に、飼い実装になった気分になるのだ!それに機転が効くのだろ!賢いのだろ! ならこの状況を打破してみろ!取り敢えず一晩ここで過ごせ。ここで死んだらそれまでと言う事だ。 だが、高層階のマンションのベランダは、仔実装にとっては強すぎる風が吹いている。 「テッ!強い風テチュウ!と......飛ばされてしまうテチュウ!そ......それに此処はとても寒いテチィ〜!ニンゲンさん、ニンゲンさぁ〜ん!此処で一晩は無理テ......テッ!窓が......窓が閉まっているテチ!」 ベランダに一匹取り残された仔実装は「二……ニンゲンさぁ〜ん!ひとりにしないでぇ〜!寒いテチィ〜! 怖いテチィ〜!暗いテチィ〜!寂しいテチィ〜!」仔実装は、≪ビュン!ビュン!≫風の吹くベランダで大声を出して俺を呼んでいる。 だが......今日は無視する。 言って置くが!俺はこいつをずっと飼う予定ではない。休暇が終われば、絶望を与えて殺すか、捨てるか。だが、休暇中だけは、退屈しのぎに最高のおもてなしをしてやるよ! それから、こいつの一家がぞろぞろ此処に来たら厄介だ!⒉〜3日中こいつの家族を皆殺しにした方が良さそうだな。 託児した先の家に来ようとしたら、早かれ遅かれ実装は、始末される運命を辿る事になる。 次の日、ベランダのカーテンを開けると、仔実装がベランダの隅に体を寄せて≪ぶるぶる≫震えていた。 「やるじゃねぇ〜か♪ベランダの隅に居れば寒いが風だけは、防げるしなあ〜!案外バカじゃねぇ〜のかも! じゃあ!こいつを室内飼いにしてやろう!期待を裏切りやがって!退屈しない休暇になりそうだぜ!」俺はベランダの段ボール箱の中に雑巾を入れてそこに仔実装を入れた。 「暫く待っていろ!」そう言って実装ショップへ行き実装フードを買って帰った。 帰ってみると仔実装は、段ボール箱の雑巾の中でぐっすり寝ていた。 俺は、起こさない様にそっと仔実装裸にして、マンション前に流れている川に連れて行き、ドドンパを飲ませた。 寝ていた仔実装は体の異変に気が付いて「テ......テッチャァァァァ〜!」大きな叫び声をあげたと思ったら......≪ドバドバドッバァ〜!≫大量の糞が尻の穴から飛び出して来た。 「すげえ糞だな!こんな小さな体の何処にこれだけの糞を蓄積出来るのだ!」 家に帰ると、風呂に連れて行き、桶に仔実装を入れて暖かい湯に漬けてやり、冷えた体を温めてやった。 「テチュ〜ウン♪テチュ〜ウン♪」うっとりした顔をして,湯の中に居る仔実装を持ち上げてボディソープを泡立て、綺麗に丁寧に仔実装の体を隅々まで洗ってやった。 「ほう!こいつは驚いた、野良といえば凄い臭いニオイがするのだが、こいつはそうじゃないな!実装レベルだが、体も綺麗な方だ!」そう言って感心していた。 「テ......テチュウ〜♪」仔実装は、体を俺の手にゆだねながら、とろける様な顔をして気持ちよさそうにしている。 次に、シャンプ—で実装の垢やゴミのこびり付いた髪の毛を一本、一本洗って、ぬるま湯のシャワーを掛けた。 「テ......テチュウ〜♪チュワァ〜♪チュワァ〜♪」体を伸ばして気持ち良さそうにしてきやがった。 ついでに総排泄溝に指を突っ込んだ。すると「テ......テチュウ〜♪」今度は体をピンと伸ばしてのけぞる様にした。 糞が残っていないか確認して今度は、シャワー水温を温めにして、総排泄溝に入れてやった。 すると......「テチュウン♪てっ......ちゅうううん♪」痛がると思ったが、逆に気持良過ぎたのか、色気の有る様な声を出して来やがった。 『糞蟲のくせに色気付きやがって!』一瞬イラっとした俺はシャワーの温度を少し高目にして総排泄溝に押し当てた。 すると「テッチャーァァァァ〜!」熱かったのだろう、腹を押さえて暫く苦しんでいた。 俺は、この気持ちの悪い仔実装を見て改めて疑問に思った。実装の体の構造も人間と同じなのだろうか? 此奴のこの目は何で赤と緑のツートンカラー何だろう?この目の色は、カラコンじゃねぇ~だろうなあ~。 ボディソープを目の中に落とした一体どうなるのだろう。 そう思った俺は、実装の体を逃げられない様にしっかり捕まえてボディソープを1滴、目に垂らして見た。 「テ......テッチャァァァァァァァァァァァ〜!」仔実装は、大きな叫び声を上げて俺の手の中で悶えだし 手から必死に逃げようとした……が、しっかり押さえているので逃げ出せなかった。 やっぱり石鹸が目に入った痛い様だな。赤と緑の涙を流してやがる。 俺はシャワーを目に掛けてボディソープを洗い流してやったら、痛みがとれたのか少しは静かになった。 そういや実装ってこんな髪の毛を、何故命と同等位に大事にしているのだろう。俺は後ろの髪の毛を1本抜こうとそっと引っ張っただけなに……。 ≪ポロ!ポロ!ズポッ!≫左側に生えている髪の毛がごっそり抜けてしまった。 「おい!実装って髪の毛は以外に簡単に抜けるのだな?」そう言って抜けた髪の毛を仔実装に見せた。 「テッ.......チャァァァァァァァァァァァ〜!」凄い声を出したと思ったら≪ブリ!ブリ!ブリィ〜!≫総排泄溝から凄いオナラをした。 そりゃあ!ドドンパを使って体の糞を全部出したから糞は出ねえが、オナラの臭いも結構クサイなあ〜! 仔実装が段々弱って来たので、風呂から出して体を綺麗に拭いてやった。 仕上げに残った髪の毛をドライヤーで乾かし服を着せ、ぐったりした仔実装を段ボールの中にタオルを置いて入れた。 「かなりビックリした様だな!あれだけ大騒ぎしたら夜迄、疲れて動けないだろう!」 総排泄溝に熱い湯を入れられ、目の中には、ボディソープを入れられ、左側の後ろ髪を全部抜かれたら、とても楽しいバスタイムだっただろう。 夕方になって少し元気になったのか、仔実装が起き出して何やら「テチ!テチ!」言っている。 リンガルをオンにして聞くと「ゴシュジンサマ!お腹減ったテチ!ごはん欲しいテチ!」そう言って来た。 「仕方ない餌をやるか!」そう言いながらフードを皿に入れてやると「テッ!フ......フードテチィ〜!」 ≪ムシャ!ムシャ!≫喰いだした。 こいつ食う事に夢中で、命の次に大事な髪の毛を片方抜かれた事、もう忘れて居やがる。まあ!いいか!俺は別に何も困らないし。 でもこいつらニンゲンに依存して、寝て、喰うだけの生き物だなぁ〜!ある意味、命の保証がされているなら楽勝だなぁ〜!そう思っていると、仔実装が俺の方を≪じっと≫見ている。 「何だ!人の顔をじろじろ見やがって!」 「おかわりテチ!」 「おい!ちょっと待てよ!お前の母親は、お前は躾が出来ていて手伝いもする損はしないと言って来た。どんな手伝いをしてくれるのだ!今日は朝から今まで寝っ放しだぞ!何の手伝いもしていない!餌を欲しいなら何か奉仕しろ!」そう言った。 すると仔糞は「ワタチは楽しいお歌が唄えるテチィ〜!」自身満々にそう答えた。 「ほう!歌が唄えるのか!だがそれが俺に何のメリットがある!お前が楽しいだけじゃないのか?」 そう返すと……。 「そ......そんな事無いテチ!マ......ママはワタチが1番歌は上手と言ってくれたテチ!それにワタチの歌は、皆を幸せにするテチ!だから1回聞いてみるテチ!」 「俺は別に実装の歌等、聞きたくはないし興味も無い!他に何かあるのか?」 「じゃあ!幸せの楽しい踊りが出来るテチ!雨の日等、お外で遊べない時は、ママやお姉チャ、妹チャに踊りを見せてあげるテチ皆、楽しい!楽しい!と喜んでくれるテチ!踊りを見たら皆が幸せになるテチィ〜!」 「だから、それは歌が踊りに変わっただけだろ!その踊りを見て俺に何のメリットがあるのだ!もし何もなければお前は、責任をとれるのか?なんの根拠があって人が幸せになると言うのだ。」 「せ......責任を取るとはどういう事テチ?」仔実装が、慌てて聞き返した。 「いや!お前はこの家から追い出されても、文句は言えないと言う事だ!俺はわざわざ公園まで、お前を連れていかないぞ!お前が勝手に帰れよ!賢いのだろう! それとも此処でお前を始末してやろうか?お前が望むなら!」すると仔実装の顔から自身に満ちた表情が無くなっていた。 やっぱりお手伝いと言うのは、踊りとか歌か......元々期待などしていなかったが、思った通りあの糞蟲のガキは、このレベルだったな。 一番優秀な仔と言ってこの程度なら残りは、ガラクタだな本当に下らねえ。 そう思ったが......。 しかし、からかっているとどんどん面白くなって来たので、もっともっとこいつを追い込んで見たいと思った。 「俺は、実装の歌も踊りにも興味が無い!お前の売りは歌と踊りだけか?言って置くがお前の言う歌や踊りは、趣味であって手伝いではないからな!」俺は奴の自慢の歌と踊りを完全否定してやった。 飛車・角を取られたこいつは、どう巻き返すのだろう!そう思いながら更に攻撃の手を緩めず「賢いのだろう!その賢い頭でこの問題を解決してみろよ! ええっ!お前の親は嘘つきか?それにお前もそうだ、ニンゲンの役に立つかどうかも分からないで、大きな顔をしてノコノコやって来て、何の奉仕も出来ない。 それで自分は飼い実装になったと、ニンゲンを舐めるにも程がある!解ってるのかぁ~!この糞蟲!」そう言って徹底的に追い詰めて、仔実装の顔を見ると、顔面蒼白になっていた。 こいつもう駄目だな、そろそろだな!そう思っていると......仔実装の頭の中で偽石が≪パキン!≫と割れる音がした。 すると、仔実装が仰向きに≪パタッ!≫と倒れ、痙攣しながら、口から泡を吹き、両目は白く濁ってきた。 痙攣が止まったら全く動かなくなった。 『死んだな!』そう思った......少し早すぎたかな、もう2~3日遊んでから追い込んでも良かったかもな。 休暇は後残り5日残っている。 退屈しのぎに仔実装を虐待するという計画は残念だが、今日で終わってしまった。 俺は、死んだ仔実装をナイロン袋に入れ1階にある実装の回収ボックスに放りこんだ。 ........................................................................................................................................................................... 次の日の朝早く、俺は例の公園に俺に仔実装を預けた実装の所に行った。 公園に到着して段ボール箱の中を見ると、親実装はそこにはおらず7匹の仔実装が寝ているだけだった。 『こいつは10匹の子供がいたはずだよな!2匹は一体どうしたんだ!」そう思っていると......。 親が、コンビニ袋に餌を入れて帰って来た。 「さあ!朝ごはんデスよ!皆起きるデス!」そう言って仔実装を起こした。 7匹の仔実装に餌を与えながら親実装は、「今日、次女を預けたニンゲンさんの所に行って、お前達も飼って貰える様に頼んでくるデス!着いて来たい者だけ着いて来るデス! 子連れでない男のニンゲンなら、お前達を飼ってくれると思い頼んだデスけど......」 そこまで聞くと、俺は、こいつに何が起こったのか、直ぐに察した。 『だから言ったのだ!託児しても成功するはずがない、殺されるだけだと!』そう思っていたら......。 仔実装全員が、「ママと一緒にニンゲンさんの家に行くテチ!」と言い出した。 結局、全員で押しかける気だな!ならここで始末するか。 「おい!糞蟲!ちょっと待て」俺がそう言って実装一家の前に出た。 「二......ニンゲンさん、い......今ニンゲンさんの所に行こうとしたところデス!」 「その前にお前達に餌をやる」そう言って仔実装の周りにコンペイトウを撒いた。 「コ......コ......コンペイトウテチ!」 「これはワタチの物テチ!」 「いいや!これはワタチが貰うテチ!」 仔実装は、体格が良い四女、五女、六女が下の妹を押しのけて我先とコンペイトウに群がった。 七女、八女、九女、十女も自分達にも寄越せと言わんばかりに横から割って入った。 「本当に醜い争いだぜ!こいつらが、思いやりがあって機転が効く賢い仔実装か?」 「お・お・お・お前達、止めるデス!見苦しいデス!」 「おい!それはそうと、こんな食い意地の張ったガラクタを連れて、俺の家に来て貰っても困る! こんな醜態を見せる様では、やがてメッキが剥がれて、例え託児に成功してもニンゲンさんの家から追い出されるか、殺されるかだぜ!」 「そ......そんな事言わないで欲しいデス!ワタシの仔は本当に賢いデス!普段はこんな事無いデス!普段は優しく思いやりのある仔達デス!」 「その説明をしても誰も聞いてくれないと......」 「沢山のニンゲンさんに説明したデスが、誰も話をまともに聞いてくれないデス!長女と三女も預けようお願いしたら殺されたデス!」 「実装の戯言など誰も本気で聞かん!実際今目の前で起こっている事が現実だ!野良など所詮この程度だ!」 「デスが、お手伝いの出来るワタシの賢い子供を、飼って貰ってニンゲンさんに、幸せになって貰いたいデス!」 「お前の言っている事の意味が解らん!誰が見てもそこらにいる野良の仔実装だぜ!それからお前が俺に預けたガラクタなあ!手伝いをしろと言ったら、歌を唄う事と踊りを踊る事が手伝いと言いやがった。 それは趣味であって手伝いでは無いと言ったら、頭の中から≪パキン!≫と偽石が割れる音がして白目を剥いて死んだぞ! お前の言う手伝いは、歌と踊りの事か?ニンゲンをバカにするのもほどほどにしろ!」 「デッ!ワタシの……ワタシの自慢の仔を殺したデスか?」 「俺は何も手を掛けたりしてねぇ〜!話をしている最中に頭の中で、偽石が割れ勝手に死んだんだ」 「デウウゥゥゥ〜!お前、ワタシの仔を殺したデスね!大事な......大事なワタシの仔を......」 「そんな大事な子供ならニンゲンに預けたりせず、何故自分で育てない。お前が悪い!」 「歌と踊りが出来ればニンゲンを癒す事が出来るデス!ちゃんとお手伝いをしているデスゥ〜!殺す事は......殺す事は無かったデスゥ〜!」 そんなやり取りをしている内に......『そろそろ効き始める頃だな!』そう思った途端、ガラクタ共が......。 「テッ!く......く......苦しいテ......」≪パタン!≫≪パキン!≫ 「テ......」≪パタン!≫≪パキン!≫ ≪パタン!≫≪パキン!≫ ≪パタン!≫≪パキン!≫ ≪パタン!≫≪パキン!≫ ≪パタン!≫≪パキン!≫ ≪パタン!≫≪パキン!≫ 「ど......どうしたデス!み......皆、起きるデス!デッ!く.....口から泡を吹いているデス!こ......子供達ぃ〜!しっかりするデ!デデッ!し......死んでいるデス!どうしてぇ......どうしてぇ……目を開けてぇ〜!起きるデスゥ〜!」 「ああ!それはコンペイトウに似せた実装コロリだ!お前、託児では無いと言って置きながら、実際にはこのガラクタをダシに、ニンゲンの所に転がり込む魂胆だろう! 自慢の次女が、聞きもしないのにお前の魂胆をペラペラ喋ってくれた。だからこうやってガラクタを始末しに来たと言う訳だ」 「こ......子供が......ワタシの自慢の思いやりのある賢い子供が......皆殺しに......皆殺しにされたデス〜!」 「ガラクタを始末してやったんだ!礼を言って貰いたい位だ!」 「デジ......ャァ〜!ガラ......く......タと言.......うなぁ〜テちゅゅゥゥ......ゥう!」 「何だか、あいつ(親実装)の様子がおかしい、呂律が廻っていない」 「てチャァ〜......ぁァァァ〜!デすウ〜!......てちャ!ちゅゥ......ゥう」≪パタン!≫≪パキン!≫ 「一気に七匹の仔実装を始末されたショックで偽石が、耐え切れずに徐々にヒビが入って、割れたか! しかし、野良もニンゲンに飼われたいから、色々な手段を使ってくるなあ〜!気を付けないとなぁ〜!」 FIN
1 Re: Name:匿名石 2017/09/18-01:53:37 No:00004874[申告] |
ベタだけど面白い
糞蟲基準の善良なんていうのは自分こそが正しいという独善だよなあ 下手な悪実装よりこういう自分が善良なつもりのガラクタこそ不様に死んでほしいし そうなってすっきりした |
2 Re: Name:匿名石 2017/12/16-21:31:54 No:00005113[申告] |
野良の糞虫ごときに、ニンゲンの役に立つと考えるのが生意気だな。
こんな自意識過剰な糞虫は、跡形もなく潰してやりたい気分だ |
3 Re: Name:匿名石 2023/06/25-02:43:50 No:00007344[申告] |
なんでこんな子悪党みたいなしゃべり方なんだw |