タイトル:【馬・エ】 虐待派愛護
ファイル:リハビリテイションズ2.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2718 レス数:0
初投稿日時:2008/11/08-15:21:22修正日時:2008/11/08-15:21:22
←戻る↓レスへ飛ぶ

 虐待派愛護

※自己保管ログより

08/08/31(日)08:01:22 No.26574079   
>チョイと殺しただけで社会的に認められ賞賛の嵐?
学生なら試験はパスで校内の女子からモテモテ 推薦入学で一流大学に合格
不良や教師全員が毎朝挨拶に来るんだぜ もちろん虐待のために遅刻や早退は一切不問
社会人だったらもっと大変だ
近所地域は優に及ばず立派な好青年だと家族も鼻高々
お前は自慢の息子だとポンと五万円くれるし
警察消防保険所役場からそれぞれ表彰と金一封が贈られ講演会の依頼は引きも切らず
無職なら上場一流企業の社長自らが家まで内定を届けに来るし
働いてれば同僚を追い抜いて昇進昇給当然社内の女の子からもモテモテ
引っ切り無しに舞い込む縁談をいかに断わるかに心を砕く毎日なんだ
虐待派になって本当に良かったと思ってるよ
以上 虐待幸せ回路全力公試運転してみた…書いてて涙が出てきたよ


ってあったんで、虐待派虐待も書いたんだし愛護も書かないとな!
っつーことで、虐待派愛護編、はじまります。
前もって警告しときますと、上の流れ+過去の虐待派キャッキャウフフな作品群、を参考にした形のスクにするんで、
読みたくない人は読まないほうがいいですよ(マジ)

 P.S.
 虐待派虐待について語られてるログは
	FUT1887.mht	かつて虐待紳士と呼ばれていた者たちの回顧(imgスレ)
 です。





























 1.
 彼の名はとしあき。
 誰もが憧れる超一級の虐待派。実装石の事を全く知らない人でも彼の名前だけは知っている、という超弩級の本格派だ。
 そんな彼のビューテホーワンダホースペシャルプレシャスなある一日を、追ってみることにする。

 朝。彼の一日は股間に群がる他実装たち(とりあえず、燈と蒼と紅、一匹ずつで)の陰茎への奉仕からはじまる。
勃起しても8センチ、などという虐●のようなみすぼらしいこともなく、朝にはきちんと隆々とそそり立つ彼の珍宝に、
他実装たちは朝っぱらからメロメロの濡れ濡れ。
 いちばん積極的な実装燈は、彼の股間にそのしなやかな肢体を這わせ、体全体でもってとしあきの珍宝に奉仕する。
 やや消極的だが、じつは大胆な実蒼石は、己の股間をとしあきの珍宝の先端、鈴口に馴染ませ嬌声をあげる。
 攻め方をいちばん心得ている女王様気質な実装紅は、カリの付け根にツーテールを巻きつけ、絶妙な具合に締め上げる。

 一匹の攻撃だけでも、女に縁のない虐待派ならばフル勃起、ジックスもOKな虐待派ならば即発射モノ。
 それが3匹が一体となり、熟練のコンビネーションで攻め上げるのだ。
 これには人間相手も他実装相手も百戦錬磨なとしあきといえども、敵わない。
 
 としあきは目を覚ますと、いちばん最初に手の届いた実蒼石の頭を軽くなで上げた。

 すると……なんということでしょう!
 あっという間に実蒼石は絶頂に達してしまったではないですか!
 跨っていた鈴口の上から、ドサリととしあきの腹の上に倒れる実蒼石。後を追うようにして、実装燈と実装紅も放心して倒れ
込みます。としあきの指先が、掌が、肌の上を撫でるたびにびくん、びくんと震える他実装たち。
 身も心も蕩け果てて、失神するかのように眠りこけてしまった3匹の他実装を残して、としあきはベッドを出ます。

 なんというジゴロ。信じがたいほど伊達男。これぞ男の中の男。これゾ♪真の虐待派、としあきなり!

 そう言わずにはおられません!!



 (御免タンマ。まだそんな書いてないけどちょっと辛くなってきた)



 ベッドを出たとしあきは、勃起し、天狗の鼻のごとく天を指す珍宝をそのままに、寝室を出ようとした……ところで、今度は
実蒼さんの登場だ。彼のように超弩級の虐待派を、ただの一時もメスが離すことなどない。
 3匹の他実装の奉仕の跡も生々しい珍宝を、かしづき可憐な口で咥え込む実蒼さん。他実装たちの愛液も、としあきの淫水も、
一滴残さず舐めとると、ぐん、ぐん、と咥え込んだまま、グラインド。
 カリが実蒼さんの小さな前歯にあたり、喉の奥にまで亀頭がぶつかるたびに、としあきは眉をひくつかせる。
 としあきをもってしても、やはり外見は完璧な美少女である実蒼さんの口撃には耐え切れない。
 まだ実蒼さんが実蒼石だった頃から調教し、ここまで育て上げたとしあきにとっても、実蒼さんの飽くなき性的探究心の果て
に掴み取った、究極ともいえるフェラテクには、心酔せざるを得ない。
 最初のうちこそ、眉をひくつかせるだけで耐えていたとしあきだったが、そのうち呼吸が荒くなり、やがて実蒼さんの後頭部
に手を回して、その頭を掴み、強引にグラインドさせ始める。
 これをやられると実蒼さんはもう腰砕け。射精が近いのをメスの本能で感じ取り、としあきのスペルマを零すことなく拝飲し
ようと身構えはするのだが、体全体が燃えるように熱く、そして力が入らない。
 としあきが低くうめいて発射した時には、すでに床に尻をついて、股間から愛液をとめどなく溢れさす実蒼さん。
いきおいの良すぎるとしあきの発射を全て受け止めきれず、最後の数滴は、顔面で受け止める結果となった。

「……はぁっ、はあっ……
 今日も全部飲めなかったな。帰ったらオシオキだゾ♪」
「は、ハイぼくぅ……」

 寝室のドアの前で、一人と一匹の愛の交歓が終わった。



(すいません、これ以上ムリ。マジでムリ。ここから先いろいろ考えてたけど、
 〜としあき、エロっちぃ朝編〜残りはプロットだけで勘弁してください)

 ドアを出ると次は実燈さん。巨乳らしくパイズリ
 リビングの前のドアでは次は実紅さん。廊下でまぐわう背徳感にしばし酔う一人と一匹。
 ちなみにこの実燈さんと実紅さんも、としあきが育て上げたもの。としあきは超弩級の虐待派なだけではなく、プロ顔負け
の実装ブリーダーでもある。というか、としあきはブリーダーとしても超弩級。
 ようやくリビングに着くと、姉が飛びついてくる(服は寝室出たときに身に着けてたから大丈夫)。
 としあきは常識人なので、家族に欲情することなんてないけど、姉の方は、「男としてのとしあき」にガチ夢中。
 そういうところにトンと気付かない、としあきクンの天然さも堪らない、とはご近所の年頃のお姉さん方の評判である。

(では仕切り直して、家族揃っての朝食から)


 としあきがリビングにつくと、もう家族全員が揃っていた。
 完璧超人なとしあきだが、朝早く起きるのだけは苦手だ。
 父親に今日も遅いんだな、と苦笑いされながら、自分の席につく。

「おはようヌヌ」
 
 にっこりと隣で笑っているのは姉のヌ●(仮名)。先ほど抱きついてきたのは何でもありませんよ、という風を取り繕って
はいるが、頬っぺたは赤いままなのがご愛嬌。
 としあきの向かい側で新聞に目を通していた父親が、顔を上げた。

「としあき、お前のことが今日も載ってるぞ」
 誇らしげに新聞の社会面を広げてみせるとしあきの父。一面ほどではないものの、それなりの大きさの見出しが躍っている
紙面には
『としあき氏、偉業達成! 前人未到の一時間一億匹虐殺!』
 の文字が躍っていた。としあきは朝食の手を休めて、頬を掻きながら、照れくさそうにはにかんだ笑みを浮かべる。

「あんまり大袈裟に取り上げないで欲しいんだけどね……しつこいからしょうがないよね」
「今回は大変だったのか?」
「んー、まぁそれなりに。全部成体だったから、最後はちょっと雑になったのが反省点かな?」
「成体をこんなにやっつけたヌヌ!? すごいヌヌ!」
 ヌ●お姉ちゃんが抱きついてきて、実燈さんより小振りな……実蒼さんよりも小振りな……実紅さんよりも小振りな乳の弾
力がとしあきの横顔に押し付けられる。としあきは出勤前の姉の香水の淡い香りに、実燈さん達にはない人間の女性の色気を
嗅ぎ取り、思わず勃起してしまった。
 常識人と言え、としあきも年頃の男の子。しかも精力では他の追随を許さないほどのツワモノでもある(もしも実蒼石や実
燈さんたちが居なければ、いったい一日にティッシュをどれだけ消費していたことやら)。
 興奮してしまった自分を気取られぬよう、としあきは抱きしめられた格好で身をよじり、姉の弾力から逃れながら言った。
「姉さんのこれ、新しい香水?」
 そう問われるとヌ●お姉ちゃんは、ぱっ、と顔を赤らめてとしあきから離れると、頬っぺたを両手で抑えながら頭を振った。

「いやんヌヌ〜。なんで分かったヌヌゥ? としあきってばちょっとえっちヌヌ!」
「別にえっちじゃないよ。なんかこの前より甘い匂いがしたから気になっただけだよ」
「としあきって鼻も人よりいいかもヌヌ。ロリータレンピカの新作ヌヌ。
 トップはあまぁいけど、ラストはちょっとちがうのヌヌ。としあき、嗅いでみるヌヌ? としあきならいいヌヌ」
「ちょっw 弟からかうなよ、姉さん」
「あはは、赤くなったヌヌ〜。やっぱりとしあきはかわいいヌヌ!」

 離れたりくっついたりしてじゃれついていたとしあきとヌ●の様子を穏やかな目で見つめていた父親が、キッチンから出て
きた母親に促されて立ち上がる。

「それじゃ、父さんはそろそろ出るからな。お前たちもいつまでも姉弟漫才してると、遅刻するぞ」
重ねるようにして、母親の言葉がそれに続いた。
「あんたたちもそろそろ出なさいよ。いつまでも片付かないじゃないの」
せかせかと追い立てる母親に促されるようにして、ヌ●ととしあきも朝食を食べ終わるとそそくさと席を立つ。

「としあき、今日も一緒に行こうヌヌ」
「あ、ちょっと待って。上の連中にも挨拶しておかないと」
「もう! 実装たちはどうでもいいヌヌ! いっつも実装とばっかり遊んでちゃ駄目ヌヌ!」

 としあきはカバンを取りに再び自分の部屋に戻り、倒れ込んでいる実装たちと、実燈さんたちにキスをする。
前もってこれをしておかないと、いろいろな意味で帰ってからが大変なのだ。復活しかけてきた6匹を宥めすかしながらキス
をするのにはけっこう時間をとられるもので、急いだつもりだったが、としあきが玄関に降りた時にはヌ●お姉ちゃんは脹れ
っ面だった。

「遅いヌヌ! もうお姉ちゃん間に合わないヌヌ!」
 そう言ってぷっ、とさらに頬を膨らませるヌ●お姉ちゃんの頬っぺたに、としあきは何もいわず、軽く口づけする。
 それだけでヌ●お姉ちゃんは腰砕けになり、「しょうがないヌヌ〜許してあげるヌヌ〜」と言いながら、駆け足で門を出て行った。
 真っ赤になってパタパタと駆けていく姉を苦笑交じりに見送ったとしあきは、母親に呼び止められて靴を履く手を止めた。
「どうしたの、母さん?」
「お父さんから、特別にお小遣い。はい」
 そう言ってそっけなく無地の封筒を差し出されたとしあきは、ああ、と頷いてからそれを受け取った。
「父さん、直接渡してくれればいいのに」
「お父さんは照れ屋なのよ、ああ見えて。いっつも自慢の息子だ、鼻が高い、って周りでは自慢してるのに、としあきを面と向かって褒めるのは苦手みたい」
「父さんって、ちょっと子供っぽいとこあるよね」
「ふふ、そうね。としあきも、さりげなくお礼言っときなさい。正面からありがとうって言ったら、きっと照れ隠しに怒っち
 ゃうわよ」
「それやってみようかな」
「ダメダメ。その後宥めるのはお母さんなんだから。あんまりお母さんの手間増やしちゃダメよ、出来のいい息子なら」
「分かったよ。それじゃ行ってきます」
「いってらっしゃい」



 2.
 学校に間に合うように家を出たものの、としあきが学校に遅刻せずに登校する事は稀である。
 としあきが家を出たとたん、あらゆる会社のリクルーターが彼を取り囲むからだ。まだ高校生ですから、と言ってその誘い
を退けるものの、それでも縋りついて来る。家から学校まで、こうまで囲まれるととしあきだけでなく、近所の人にとっても
迷惑だ。通学路を歩いているとしあきを囲んでいるリクルーターは、歩道を占拠し、下手すると車道にまではみ出して危険極
まりない。
 けっきょく、としあきは父親の伝手を頼り、各企業との間に、接触するならせめて業種ごとに曜日を分ける、というふうに
ルールを設けた。
 これで多いときは100人単位で囲まれていたとしあきの負担はかなり軽減された。とはいえ、彼を囲むリクルーターが消
えたわけではないから、それなりに苦労はある。
 年を経るごとにとしあきに対する各企業の攻勢は強まっており、3年になってからはさらに、よく名の通った私立大学など
からの勧誘が混ざるようになってしまった。まさか大学からもスカウトされるとは思っていなかったとしあきだが、これは彼
が超弩級の虐待師であることを考えれば、ある意味予想されて然るべき事態であった。超弩級にして頭脳明晰であるとしあき
でも、たまにどこか抜けていることはあるのだ。
 企業との間に設けたルールの通用しない大学の勧誘もあって、一時期は普通に学校に通えていたものが、最近ではまた遅刻
がちになっていた。としあきがそれぞれのリクルーターにちゃんと向き合って話をするために、どうしても時間がかかってし
まうのだ。もっとも、彼の説得は効果覿面で、これで脱落していった企業も数知れないのだが、しつこいところは担当をリク
ルーターから係長・課長、部長クラスへと段階的に切り替え、果ては社長まで繰り出してきてリクルートしようとする。いつ
までも彼を囲む人の輪が小さくならないのも無理はなかった。


 さらにもう一つ。彼が学校に遅れる大きな理由があった。
 としあきはリクルーターの輪が解けると(この時点で既に登校時刻は過ぎている)、通学路を外れて、郊外の公園へと向か
った。としあきはすでに到着していた自治会の会長さんと、挨拶を交わす。
「おはようございます」
「おはようございます、としあきさま。学校もありますのに、わざわざすいません」
「別にいいですよ。実装石虐待はボランティア活動という形で処理されるから、そんな影響ないです」

 としあきの語ったのは事実だった。というより、としあきに限り、「実装石虐待はボランティア」ということになっている
のだ。としあきの人並みなずれた実装石虐待能力は、社会に必要とされている、ということで特例的に認められたものだ。
これが並みの虐待派なら、自治体から駆除への協力要請が届いたり、公的な虐待として、大々的に認められたりはしない。
せいぜいが公園などの一斉駆除の際に、ボランティアとして一般市民に紛れて参加して虐待するくらいのところか。
としあきのように虐待行為そのものが社会正義に則っている、と認められている虐待派は、この世のどこにも存在しないのだ。

 としあきイズナンバーワン、としあきイズオンリーワン、である。

「それで、問題の実装石はどこに居るんです?」
「あれです」
 そう言って自治会長が指差した先には、媚びた格好のまま固まっている実装石がいた。一見、何の変哲もない実装石だ。
「あれが、問題なんですか?」
 拍子抜けしたとしあきが尋ねると、自治会長は部下らしき人に頷き、言った。
「見ててください」
 部下らしき人が、案山子をスケートボードに載せ、実装石の正面に向けて転がした。すると、実装石は
「テッチューン、テッチューン」と仔実装のように甲高い、それでいて声量だけは成体並みの声でいきなり媚びだし、
ブババッ、と糞を漏らした。糞は指向性を持って、転がしたスケートボードの上の案山子へと降りかかる。

「……とまぁ、あんな感じなんです。視界に人間が入るとサイレンみたいに泣き喚いて、糞を飛ばしてくる」
「なるほど、これは面倒ですね。後ろから一息に潰すとかは試してみたんですか?」
「この近所では名の知れた虐待派がそのアイデア出したんですけど、一定の距離より近くに近づくと今度はそっちを振り返る
 みたいで。耳もいいみたいなんで、人間の接近する足音やらにも反応するみたいです」
「ふむ……すると、このまま放っておいて自然死を待つとかは」
「もう一ヶ月、あのまんまです。しかも糞飛ばしの勢いは衰えません」
「はぁ。こりゃそうとうなデタラメですね」
「ええ、もうデタラメすぎてどうしようもないんですよ。このクソム……実装石」
 自治会長は糞蟲、といいかけて言い直した。としあきはにっこりと笑ってそれを肯定してやった。

「いいんですよ、会長さん。人間に迷惑かける実装石は糞蟲で。愛護派がなんと言おうと気にしないことです」
「ははぁ、国家虐待術師に言われると……あれですな、なんというか心強いですな」
 感慨深げに言う自治会長の言葉に、としあきは苦笑する。
 この世でただ一人、虐待正義を具現した男として、公権力からその虐待を賞賛すべき行為として認められた男として、とし
あきはいつのまにか、世間から「国家虐待術師」と呼ばれるようになっていた。もっとも、そんな名称は存在しない。ただ、
としあきの虐待派としてのスケールの大きさをよく現している俗称なので、あっという間に世間一般に浸透したのだ。

 ほとほと困り果てていた自治会長を余所に、としあきは涼しい顔をしている。じっさい、としあきにとって、この程度の実
装石、どうということはない。華奢なように見えて、リアルマッチョでも指先一つでダウンさせる能力を持つとしあき。
実装石の感覚しうる空間と時間を超えて背後をとり、瞬殺するくらい、造作もない。
 しかし、それではなんとなくつまらない。実装石ごとき、どうとでも殺せるが、ここは一つ、久しぶりに偽石割りでもやっ
てみるか、という気になったとしあきだった。
「じゃ、駆除しますか」
 そう言ってすたすたと実装石に歩み寄るとしあき。自治会長が止めようとした手が空を切る。としあきは迷いない足取りで
実装石の元へと近づいていった。
 実装石の制空権へ、としあきが一歩足を踏み入れた瞬間!
 実装石は、実装石とは思えぬほどのすばやさで振り向くと、小首をかしげ、腕を口許に持っていき、「テッチューン」と媚
びた。股間からは早くもクソがブバッ! とひり出され、飛沫を伴った熱い塊となってとしあきに襲い掛かる!

「ブサイク」

 としあきは、たった一言、言った。
 いきおいよく噴射されたクソが、壁にぶつかったかのように止まり、地べたに落ちる。
 実装石はデ? と成体特有の鳴き声をあげ、媚びた鳴き声がぴたりとやんだ。

「ブサイク」

 としあきはふたたび言った。
 実装石はわなわなと震え、零れんばかりに目を見開いて、ガタガタと歯を鳴らしていたが、やがて
「ポンッ(パキンッ)!」 という音とともに絶命した。
 ありえない現実、本当に自分がブサイクなのか、実装石が己が目で確かめようと躍起にむき出していた眼球が眼窩から飛び
抜け落ちた音。
 眼球が抜け落ちる刹那、視神経から途切れる直前、生涯最後に己の視界に移った、自分自身の姿が、ブサイクという現実に
耐え切れなくなった偽石が割れた音。
 ほとんど重なるように聞こえたそれが、としあきの神業に静まり返った公園に響いた。


 一件落着した後は自治会長は泣きながら喜んで、その部下らしき人は唖然とした表情でとしあきを見つめていた。
 それはそうだろう。名の知れた虐待派でも負けた実装石を、たったの二言で叩きのめしたのだ。しかも、偽石を割る完全死。
 自治会長ら二人は、「国家虐待術師」のその凄まじさにあらためて慄然とし、尊敬の念を深くした。

 しかし、としあきの気は晴れない。
 最初の一言で、実装石の偽石を割ることが出来ると踏んでいたからだ。
 二回も実装石に声をかけなければならなかったことに、まだまだ自分は力不足であると、としあきは痛感する。
 真に超弩級の虐待派と、一般の人々の認識には、これほどの差があるのだった。


 3.
 としあきが学校に着いたのは、一時限目の終わる直前だった。
正門前で待ち構えているしつこいリクルーターをかわすために裏門に回り、体育館裏で暇を潰すサボりのプチ不良から直立不
動の挨拶を受け、教室に至るまでの廊下で擦れ違う教師たちからも礼を受ける。
遅刻に関して何らかの小言を言ってくる教師が居ても良さそうなものだが、擦れ違った生活指導の教師さえも頭を下げていく。
としあきの遅刻の理由ははっきりしているから、学校としてもあまり咎め立てしないのだ。
というよりむしろ、超弩級の虐待派であるとしあきが在籍しているということで学校は大いに名声を高めている。入学志望者
数はとしあきの入学後とてつもない勢いで伸びており、特に女子の志望者の増加率が凄まじい。それほどの恩恵を齎してくれ
るとしあきをぞんざいに扱うような真似など、出来るわけがない。
 としあきが下駄箱を開けると、中からドサリ、と手紙の束が落ちてくる。毎朝恒例のラブレターの束だ。
この間としあきが戯れに貰ったラブレターの整理をしていたところ、なんと在籍している全ての女子生徒から届いていた。登
校拒否になっている子や、たしか病気で長期療養している子も居たはずだが、そうした子たちも、としあきにラブレターを送
っている。
 としあきはそれを肩に引っ掛けてきたラブレター保管専用のバッグに丁寧に詰めると、ようやく自分の教室に向かう。朝、
昼、そして下校時、ひっきりなしに投函されるラブレターを全部回収していると、1日でバッグがパンパンになるくらいだ。
 としあきは超弩級なので、常人ならとても読みきれない量のラブレターでも、届いた分にはちゃんとすべて目を通して、き
ちんと断りを入れている。こうした生真面目さと紳士な態度が受けて、諦め切れずに何度も何度もアタックを重ねる女子がど
んどん増えていっているのだが、としあきはそのことに気づいていない。
 こうしたとしあきと女子生徒の関係を快く思わぬ男子は当然のように大量に存在するが、としあきと正面切って対決しよう
という奴は居ない。一度、ヤクザにもスカウトされたことがあるという学校一の不良がとしあきに勝負を挑んだものの、ブザ
マに敗れ、それ以来としあきに挑戦するものはいない。
 としあきが超弩級の虐待派、ということで、実装石を愛玩する、いわゆる「愛護派」に転向してとしあきの実装石虐待に対
して抵抗しよう、とする者もいたが、そもそも実装石という社会の害虫を愛玩し保護するというその嗜好のおぞましさに、却
って多くの人々を敵に回す結果になってしまった。
 ただでさえみっともない男の嫉妬、それもおぞましい愛護派への転向という形でのとしあきへの反逆、となれば女子生徒た
ちの受けがいいわけもなく、愛護派は校内で全くの孤立無援状態となった。それでも細々と命脈を保っていたが、やがて、愛
護派に転向した男子生徒の一人が引きこもりとなり、家庭内暴力で摘発されたことから、その流れもすっかり影を潜めてしま
った。
 このこともあって、としあき本人は何もしていないにもかかわらず、高校からは全ての愛護派が一掃されることとなり、
「さすがとしあき」とさらに名声を高めることになった。
 超弩級に一般の、いや、愛護派だから一般以下の底辺層が逆らおうとするだけ無駄だ、という典型的な例である。


 午後のLHR。
 全国模試の結果が発表される。
 上位100位のみ、氏名が公表されるだけなので、クラスで名を呼ばれるものなどほとんど居ない……はずなのだが。
「物理。ふたばとしあき。満点」
「古典。ふたばとしあき。満点」
「日本史……」

 としあきは全課目のうち、3科目を残してトップで名が呼ばれた。うち1科目は試験を受けていないうえ、残り2科目につ
いてもちゃんとベスト10には入っている。ほぼパーフェクトといってよい成績だった。
超弩級の虐待派であるとしあき。これくらいは当然である。クラスじゅうの羨望を集めているとしあきが教壇上に呼ばれ、さ
らに表彰される。
 秋の運動大会で、そこそこの強豪として知られるこの学校の陸上部の部員を抑えて、見事100メートル走で1位を獲得した
としあきだったが、その記録が過去最高を更新したばかりか、全国記録をも上回るものであったことが非公式ながら認定され
たために、あらためてクラスで表彰されることになったのだ。
 もっとも、これくらい、超弩級の虐待派であるとしあきならば、言うまでもなく当然の記録である。超弩級の虐待派とは、
全ての点で人より一歩先を行くもの。としあき自身はひそかにウサイン・ボルトの記録を更新することを狙っていただけに、
やや不機嫌といったところだが、そうした感情をおくびにも出さないあたり、同級生より老成した、大人びた雰囲気を感じさ
せる。女子生徒たちの人気が、としあきに集中するのもむべなるかな、である。
LHRが終わると、クラスじゅうの女子だけでなく、同フロアの全学級の女子が集まってとしあきを囲むものだから、としあき
は下校するため、下駄箱まで行くのにすら、優に30分を費やした。



 4.
 下校時もやはり、としあきは一人ではいられない。
超弩級の虐待派、社会の敵、実装石を打ち砕く正義のヒーロー、だからではなく、純粋に、一人の男子としてのとしあきの人
気が凄まじいものだからだ。
としあきと一緒に帰ろう、と声をかけるべく校門で待ち構える女子生徒の長蛇の列。それは校門を飛び出してとしあきの通学
路沿いに1000mほど延びている。学校の近くに住んでいる子なら、もしかしたら自分の家を通り過ぎて列に並んでいるか
もしれない。
リクルーターたちを人数制限した時のようには行かず、としあきはいつも帰りに、この長蛇の列をなす女子たちと二言三言交
わしながら、帰り道をゆっくり歩いてゆく。
登校時とはまた違った意味で、この下校の通学路も長いものになっていた。

 としあきが列の真ん中辺りまで差し掛かった頃。
 既に通り過ぎた後ろのほうで、女子生徒の悲鳴が上がった。
 なにごとか、と振り返ったとしあきの目に映ったのは、クソ塗れの実装石を列に投げ込みながら遁走する軽トラックだった。
荷台には男が二人と、実装石を入れたケージが乗っていて、一人が次々に実装石をケージから取り出しては、もう一人の女子
生徒の列に実装石を投げ込んでいる男に手渡していた。
 荷台の後部には
「可愛い実装ちゃんに愛の手を!」 とデカデカと書かれている。愛護派のテロだ!

「ちょっとごめん」
 そう言ってとしあきは列を為していた女子生徒から離れると、きびすを返してテロの軽トラを追いかける。
追いかけながらも、次々に軽トラから行列に投げ込まれていく実装石を、バールのようなもので撃墜するのは忘れない。
そんなバールがどこにあったのか、と疑問に思われる方も居るかもしれないが、としあきは超弩級の虐待派。
空中元素固定装置を持つことを許されている、真のヒーローなのだ。
何もない空間に、忽然と現れるバー(ry。 まるで錬金術のよう。この辺のつながりもあって「国家虐待術師」なのだろうか?
現れるそばからバー(ryは実装石の脳天へと叩きつけられ、そのクソ塗れの肉体が可憐な少女たちに降りかかる前に、地面
に縫い止められる。脳天への打撃をかわした実装石も、アスファルトの舗装路に叩きつけられ、バー(ryで釘付けにされてし
まってはもうどうしようもない。汚物を投げつけられた女子生徒たちの怒りに満ちた足が、何度も何度もその実装石の体に振
り下ろされる。ほどなくして、全ての実装石が息絶えた。危機は未然に防がれたのだ。

 いや、まだ危機は終わらない!

 テロを起こした軽トラはスピードを上げて通学路を走り去ろうとする。超弩級の虐待派、鋼のタフネス、としあきといえど
も自動車に追いつくことはままならない。じりじりとその差は広がっていく。
「———くっ!!」
 としあきは追跡を止めると、立ち止まり、一つ、深呼吸。
 もはやこれまで、と諦めたのだろうか?
 いや、そうではない。ふたたび軽トラを見据えたとしあきの眦を見れば、そこには諦めの陰など微塵もなかった。
「ガンセット!」
 一声叫んだとしあきの右手には、物騒きわまりない鉄の固まり、拳銃が握られていた。
 そんなものをなぜ一介の高校生が握っているのか? ここは日本ではないのか? そんな疑問は無用である。
 彼は超弩級の虐待派。不世出にして永遠の虐待正義のヒーロー。並び立つもののない真の英雄、ふたばとしあきである。
 そう、もはや彼を止められるものはこの世には存在しない。国家さえも彼が銃を所持することを暗黙のうちに認めている。

「バーン、バーン」

 としあきの握る拳銃〜ソード・カトラスっぽいの〜の引き金が、二度、絞られる。ほんの少し遅れて

「バーン」
 
 三度めの銃声が響いた。

 やがて軽トラはコントロールを失って蛇行したあげく、道路下の崖に転落した。転落する前に荷台から振り落とされていた
二人の男が、車道の上に倒れ付したまま、ぴくりとも動かない。

 正義は、成ったのである。


 ばんざい、の掛け声とともにとしあきの周りに女子生徒がどっと駆け寄る。学校から、近所の商店や家から、真のヒーロー、
超弩級の虐待派、ふたばとしあきの新たな偉業を称えるために人々が湧き出てくる。人だかりは車道にまで溢れ出し、ついに
道を埋め尽くして、通行止めのような状態にしてしまった。
 だれが言い出すでもなく、あれよあれよという間に抱え上げられてしまったとしあき。そのまま胴上げへと移ってしまう。

「ばんざい!」「虐待派、ばんざい!」
「やった! やった!」「愛護派死ねぇええ!!」
「としあき、ばんざい!」
「としあき、マンセー!!」

 人々が口々に叫ぶ。満腔の思いを込めて。何度も何度も胴上げされ、空中を舞いながら、としあきは
「この後ラブレターの整理と、実燈さんたちの相手があるんだよな。やれやれ、超一流の虐待派も楽じゃないぜ」
 などといったことを考えながら、それでもまんざらでもなさそうな笑みを浮かべていたのだった。


 5.
 ……以上が、超弩級の虐待派・ふたばとしあきのある1日である。
 この日が特にイベントの多かった日、というわけではない。
 国際テロ集団を相手に大立ち回りを演じた日もあったし、野良実装に迫害される天涯孤独の実蒼さんを救い出した愛の逃避行もあった。
 そうしたことのない、特にとしあきにとって平凡と思われる一日を追った結果が、上記である。
 しがない一般ピープルの私には想像もつかない現実ではあったが、これが超弩級の虐待派の生活ということなのだろう。
 驚愕するほかない、想像以上の生活であった、ということで、レポートを締めくくることとする。

 ちなみに、レポートをまとめながら、ちょっとやりすぎたかな、という思いにかられた事は、私と君だけの秘密だ。


  END















後書き

まさかとは思いますがここまで読んでくれた人が居たら感謝します。
途中でも書きましたが、書いててマジでくじけそうになりました。
どうあがいてもエロパロとヒーロー展開は俺には書けない、というのが分かったのが収穫ですかね。
最後のほうは明らかにギャグ展開ですし、端折った感が否めないです、自分でも。
あらためてゾ♪あきとか、長編スク書く奴すげぇ、とか思いましたよ。
あのレベルに達するにはまだまだ実装石に対する愛が足りないんだろうな、と痛切に感じました。
この路線は諦めて、次はもうちょっと普通の虐待なりなんなり書きたいと思います。
長編はムリなんで、短めの奴で(笑)。


最後になりましたが、参考にした全ての作品の作者さんに感謝します。ありがとうございました。

テッチューン。

■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため4015を入力してください
戻る