タイトル:【馬】 トランスレーター(人為的な転生)
ファイル:トランスレーター(人為的な転生).txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2138 レス数:0
初投稿日時:2008/09/15-20:18:20修正日時:2008/09/15-20:18:20
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トランスレーター(人為的な転生)

「やめなさい! それは!」

鉄面皮と言っても差支えがないほどに傍目には感情変化の薄く見える教授が
なぜここまで血相を変えるのか
その理由については一応の察しはついていたがそんなことはこの際どうでもよかった
「やめなさい! それに触れるんじゃない!」
さらに激しくなる教授の動転振りを見たところでどうでもよさが占めるパーセンテージ比率にはさほどの変わりもない
ただ、多少の失笑をまぶした満足感がそれに浸透してゆくのだけはよくわかった

「私が気付いていなかったとでも?」
なぜだろうか? 装置の操作法については見る前からよくわかっていた
コンソールを見たあの時に自分のために誂えられたかのような何かに気付いてしまったのは事実だ
抑えようとしても笑みが漏れそうになるのをどうにか抑えようとするが
そんなことに意味がないことに気付いた瞬間からそれは垂れ流しにされたままになった

「わかっていますよ」
儀式のシーケンスを滞りなく実行しながら聞こえよがしに呟いたのは
当然ながら気まぐれからのものではなかった

「…何を」
「私にこうしてもらいたかったんでしょう?」
「違う!」

わかっていたとはいえ露骨な拒絶振りには肩をすくめざるを得なかった
しかし決定権が自分にあるとでも思っているのだろうか? 全く恐れ入る
だがそのらしかぬ愚かしさもまた魅力的だ

「始めますよ? 答えは聞いていませんからね」
「やめろ!」

いよいよどうにもならないと知って自棄を起こしたのか
それとも自分が勿体を付け出したのを見てどうにかなるとでも思ったのだろうか
教授は身体を投げ出すように飛び掛ってきた
全く、手遅れだというのに


意識を取り戻すと全ての感覚が過去とは異なったものになっていた
予想した通りの結果だ

ふと『教授は気付いていただろうか?』と益体もない思考に身を委ねていたことに気付く
首を振る、馬鹿馬鹿しい話だ
気付いていないわけがない
そうでなければ態々勿体ぶって時間を稼いだ意味がない
間に合うだろうと僅かばかりの可能性を信じながら飛び掛り自分を突き飛ばし
そしてやはり間に合わなかったのだとと気付いた瞬間のあの表情
それが愛らしく美しいものだと誤りなく知っていたのは自分だけだというのは疑問を挟む余地もなかった

下らなさの極みそのものの愚問に改めて首を振ると
自らの体についての簡単な確認を行う
懸案であった股間の『それ』が失われていなかった事に歓喜の念が湧く
これで問題なく愉しむことができる
何にしても目的を果たすためには『彼女』を壊さないよう気をつけなければ
ともあれひとまずの確認は終わった
ゆっくりと周りを見渡す

『彼女』は壁際で糞を盛大に漏らし下着を醜く膨らませていた

これから何が起こるのかよくよく理解しているのだろう
声も上げる事もなく目からは緑色の涙を流し震えている
間違いない、ありのままの『彼女』だ
間違いない、むきだしのままの『彼女』だ
間違いない、夢に見たままの『彼女』だ
間違いない、『      』の『彼女』だ

何気なしに『彼女』の瞳に映った自らの姿を見る
確かにそれは紛れもなく…

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