ピンポーン! 「ちわース! 宅急便でーす!」 ピンポーン! ピンポーン! 「ちわース! 宅急便でーす!」 「・・・・・・まいったな、ここも留守か・・・」 ゴトゴト・・・ カチャン・・・ 「(え、いたの?)あ、宅急便です、お荷物お届けに・・・・ って、あらら?」 僕がドアを開けると、そこには2匹の実装石がいた。 「赤いきつね」の空きカップを頭に載せた実装石、そして「緑のたぬき」の空きカップを頭に載せた 実装石が、だ。 この変な2匹が空き箱に乗って鍵を開けてくれたらしいけど・・・ 「○○トシアキさんの飼い実装さんですね? あの、伝票にハンコを・・・って無理かなぁ・・・」 デスーデスー デスゥ? あ〜、まいったなぁ、今日は留守ばっかりで全然配送品が片付かないよ。 デースーデースー! デデスー! 「あっ ちょっと! 待って! これ食べ物じゃないから・・・・放してくださいって!」 ちょっと油断した隙に「赤いきつね」の実装石に配送品を奪われてしまった。 ああ、もう! だから実装石は嫌なんだ、絶対食い物と勘違いしてるぞ、これは。 「ほら、この箱は薄くて軽いでしょ!? 多分、中身はタオルか何かだから・・・ちょ、放し・・・」 デー! デデー! デジャー!! デッフーーンw デププププw その時、「緑のたぬき」の実装石が家の奥から出てきた、手にハンコらしきもの掲げて。 それ! それだよ、それ!! こんな家、とっととハンコ押して次行かなきゃ! 「え〜と・・・・・・ なんて賢い実装ちゃんなんだろう! 賢いついでハンコが欲しいなぁ〜?」 デェ? デフフフフンw 僕が伝票を見せると、いやらしい笑いをしてハンコを引っ込めてしまう。 こ の や ろ 〜 !! 飼い実装じゃなかったら、絶対ぶっ潰してやるのにい〜!! その実装石は台所へ向かうと、冷蔵庫をペンペンと叩く。 言いたい事は判る、「この冷蔵庫を開けろ」だ。 実装石の悪戯防止フックの付いた冷蔵庫だ、確かに人間の手じゃないと無理。 「いやそれちょっと勘弁してくださいよ〜〜〜! 僕、会社クビに・・・って、あああっ!?」 「赤いきつね」の実装石がパンツを下ろして配送品にまたがってるぅぅぅっ!! なにっ!? なにする気!? なんで気張ってるのおっ!? デス! デスデス! アゴをクイクイとやって冷蔵庫を示す、「その冷蔵庫を開けろ」って!? 「いやだから、そんな事したら僕・・・あーーーやめてーーー!! お尻フリフリやめてええ!!」 「赤いきつね」の実装石は、僕を見ながらお尻を振ってデププと笑う。 悪魔だ! こいつら緑の悪魔だっ!!! どうしよう? どうすればいい??? 冷蔵庫を開けたら・・・ 人間にしか開けられないんだから、宅急便の僕だってばれる! このまま逃げたら・・・ ハンコも無いし、荷物無くしたって言われて絶対クビだ! 荷物を奪ったら・・・・ 実装石のケツはゆるい、奪う瞬間にウンコされたら配送品台無しだ! 腕力で解決したら・・・ 飼い実装相手じゃ、器物破損でそれこそ警察行きだよおおお!! 逃げ道が無い!? うぐぐ・・・ デース! デース! ペンペン デース! デース! フリフリ あああ、悪魔の要求が激しくなってくる。 ・・・・よし、こうしよう。 「わかりました、僕が悪かったです。その冷蔵庫開けますから・・・・」 デ? デププ・・・デッ!? 「あーはは! 隙ありー! ハンコも〜らいw これで・・・・よし、と」 デズアアーーッ!! デッジャーーッ!! 「はい、ハンコは頂きましたので僕は帰ります。配送品は確かにお届けしましたよ? ではw」 デギャーーーーッス!!! デジュァァーーース!!! 実装石は怒声を上げて足元にまつわるけど、僕は逃げるように外へ。 配送品はちゃんと届けてハンコもあるし、後は「お宅の実装石の悪戯ですよ〜」だ。 いや〜、あの調子じゃ絶対に配送品を無茶苦茶にするだろうなぁ・・・ ・ ・ ・ 「ただいま〜〜、って 珍しいなお前ら、玄関までお出迎えとは?」 デズ〜・・・ デズゥゥ・・・ 「何だよお前ら不機嫌だな? 代えの頭巾が標準品で気に入らなかったのか?」 デェ〜? デスゥ〜? 「お前ら喧嘩して頭巾破っちゃったから、通販で代えの頭巾を注文してやったんだろ、頭のカップの 代わりにさ。我侭言わずに標準の実装頭巾被っとけって」 デッ!? デデェ!? 何だ、二匹とも慌てて台所に・・・って、何じゃこりぁーーーーーっ!?!? そこには糞をてんこ盛りにした品物の箱が!! 「このバカ石どもが、覚悟は出来てるんだろうなぁ?・・・・」 デ・・・デッス〜ン! デデ デッス〜ン! おはり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いつもご意見や感想ありがとうございます。 とりあえず、2匹そろうとどうなるか考えてみました。我ながら物好きな飼い主だと思います・・・