タイトル:【馬】 実装的にこれで善し
ファイル:名も無き虐待師.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2991 レス数:0
初投稿日時:2008/08/27-23:55:01修正日時:2008/08/27-23:55:01
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 名も無き虐待師



私は名も無き虐待師。
そう、ヒャッハーな人ではなく虐待師なのだ。
ちょっとばかり偉いのだ、多分。

 テチィ〜・・・

む、仔実装の鳴き声。
行き付けのペットショップを訪ねた帰り道で、商店街の裏路地からか聞こえてくる細い鳴き声に出く
わした。
見れば裏路地のポリバケツの陰に隠れた仔実装がさめざめと泣いているではないか。
なんと虐待欲を・・・ もとい保護欲を感じさせる光景なのだ。

「これ、そこな仔実装や。何を泣いておるのだ?」
 テチャ!?

リンガルを取り出し優しく語り掛ける私に驚いた仔実装だが、そこはそれ。
私の慈悲深きオーラに包まれた仔実装は、よよよと泣き崩れて事の顛末を語りだす。



「ママが・・・ ママがゴハンをとろうとして、あなにおちちゃったテチィ」
「やさしいママなんテチ。ニンゲンさん、たすけてほしいテチ!」

ふむ、見れば生ゴミをほじくり返したポリバケツの横に、側溝のフタにしていた板が立て掛けてある。
この板を足場にして迷惑行為に及んでいたのであるな?
なかなか利口な糞蟲であるな、いやいや。

「ママはニンゲンさんがおこるから、いつもおかたづけしてたテチ」
「かしこくて、やさしいママテチ! ニンゲンさん、おねがいテチィ!」

なんとこの仔実装め、私の顔色を読み取るとは!
おまけに短い足で器用に土下座とは、コレは一本取られたのう!
よし仔実装め、お前に免じて母を助けてやろうではないか。

「ママ! ママ! ニンゲンさんがたすけてくれるテチ! げんきだすテチ!」

仔実装は穴に向かって嬉しそうに叫ぶ。
それに返すは仔実装を気遣う母の優しい言葉、泣けてくるではないかね!



コホンと咳払いを一つして、側溝の奥に落ちている親実装に話しかける。

「これ親実装、今から私が助けてやろう。私の言う事を良く聞くのだぞ」
「はいデス〜」

「今から金平糖を一粒落とす。だが、この金平糖には弱い毒が含まれているのだ」
「ど、毒デスゥ?」

「なに、心配は要らぬ、弱い毒であるから大丈夫」
「ニンゲンさんを信じるデスゥ・・・」

「では今から一粒落とす・・・ああっ」

 ガチャン! バラバラバラバラー!

なんとした事か、手が滑って瓶ごと落としてしまったわい!

「これ、親実装! 一粒であるぞ! 食べて良いのは一粒だけであるぞ!!」
「デデスゥ!? いっぱいあるけど一粒デス!? わかったデス、毒だから一粒だけデスゥ・・・」
「ママ! いっこだけテチ! ニンゲンさんいうとおりテチ!」

「デッス〜〜〜ン! あああっまあまデッズウゥwwwww」
「こ、これ! 一粒であるぞ!! 毒であるからして!・・・・」
「一個だけデッスーw 一個だけしか食べてないデェーッスーーンwww」

「よいか仔実装よ。もうじき母はこの穴から出てく・・・」
「デッス〜〜ンw」
「デッス〜〜〜ンww」
「デッス〜〜〜〜ンwww」
「デェッス〜〜〜〜〜ンンンwwwww」

「・・・・・仔実装よ、これはイカン!!」
「テヂッ!?・・・」

私は仔実装を小脇に抱え、ラグビー選手が跳ぶが如く路地裏を飛び出したのだ。

「トラァァーーーイ!!」

私が表通りに転がりだしたその瞬間、ドンッと響く音と共に親実装が宙に舞う。
ええい、やはりいくら賢かろうが実装石は実装石。
私が一粒であると言うておるのに、ドドンパ金平糖をありったけ喰らいおったな。

「やれ仔実装、残念な事になったのう?」

やや、仔実装め。
私の小脇で潰れておるわい、ははははは。
親の愚かさで命を落とすとは不運な事であるのう。
まあ、これで親子の対面が叶うというものだ、万事解決である。



 − え ん ど −

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