とある託児 ************************************************************************************************************************************** 「ふふ、またやられた・・・・・・」 「テッチュウゥゥゥン♪」(幸せテッチュゥン♪) 用事の帰りで、油断していた。 ビニール袋から取り出され、テーブルの上で股を広げ、顎に手をあて、汚らしくアピールをする緑の仔蟲。 チューハイの缶×3は緑の糞にまみれ、裂きイカのビニールにはたっぷりと糞が詰まっている。 クチャクチャ、と仔蟲が口を動かし、咀嚼している。 一瞬で怒りが頂点に達し、テーブルに思い切りこぶしをたたきつけた。 凄まじい音に仔蟲は驚き、パンコンをする。 見上げた人間の表情は闇に包まれた。 以前、コンビニの期間限定の焼きプリンの時の託児にはトシアキの助力のもと、最後はぐだぐだだったが、けりをつけた。 しかし、今回は俺自身でけりをつける。 あ、ベランダの黒い箱片付けるの忘れてた。ごみに出しておこう。 さて、親蟲がにおいをたどって来るまで、ざっと二時間かな? じゃあ、用意をするか。 チューハイ・・・・・・・。 炭酸が入ったラムネチューハイである。 飲みやすく、夏場の良い友達だ。 仇はとる! ************************************************************************************************************************************** 用意するもの。 炭酸ジュースのペットボトル。 冷蔵庫内にて保冷剤の役割を果たしているドライアイス。 以前虐待で使わなかったジャムの瓶。 糞を丁寧に洗い落とした炭酸チューハイ。 接着剤。 そして、針金。 ん〜、時間あまりそうだし、 まあ、その前に仔蟲の虐待いっとくか? さて、仔蟲イン台所シンク。 過去、痛めつけた仔蟲の憎悪が未だに残る場所で、今日も虐待しましょう。 携帯のリンガルを入れた。 このとき、すでに偽石は取り出し、栄養剤に漬けておいた。 まず、頭巾と服を剥ぎ取り、強力な風呂場用洗剤でドロドロに腐食させてみることを思いついた。 赤いボトルの洗剤。 これは最近の製品で、配管に詰まった髪の毛や皮脂などを溶かすものだ。 シンクの中央に放り棄てた服にスプーン一杯程度の洗剤をかけてみる。 瞬間に黒ずんで、みるみる泡が立つ。 押さえつけていた仔蟲を放してみた。 「チィィィィィィ!!!!」(お洋服がァァァァ!!!) 叫び声を上げながら、服のもとに駆け寄る。 手で掴もうとするはなから粘液のようにドロドロと崩れ、流れてしまった。 それを救い上げ、こぼしてはまた救い上げる。 面白すぎる。 「あははっはははははは!!!ww」 「テチャァァ!!チャァァ!!テチィ!!」(なんでテチィ!なんでテチャァァ!!糞ニンゲン!!) 絶叫し、お情けで残されたパンツの中に盛大に糞を漏らす。 やがて、腕や足の皮膚がただれ、激痛を伴うようになった。 「テチャァァァ!!テチュウウウウウウウウウ!!」(おててがぁ!あんよがぁ!!イタィィ!!カユイィ!!) シンク内で、のた打ち回る。 時計をみて、まだ15分しかたってないのを確認。 まあ、まだ時間はある。 「仔蟲。お楽しみはこれからだ」 ************************************************************************************************************************************** 換気扇を回し、窓を開け、 白い液体洗剤と青い液体洗剤を用意した。 漬物用の大きな透明な容器。 中に腕と足がただれ、泣きじゃくる仔蟲を入れた。 そのうえで、白と青の洗剤を少量ずつ入れるのである。 ちょっぴり、仔蟲にもかかったが問題は無い。 入れた瞬間、敏明は蓋を閉め、距離を取る。 蓋の中は地獄だった。 仔実装には二色の液体が混ざり合った瞬間、空気が抜けるような音が聞こえた? 「・・・・・・テ?・・・・・・・!!?テェギィ!!」 体が飛び跳ねた。 イタイイタイイタイ!! そして、刺激臭だ。 喉と眼と、鼻と舌が痛い。 涙が溢れ、とまらない。 瞼が無い固体のため、露出され続けた眼球の表面は激痛に襲われ、ただれた腕で、それを乱雑にこする。 口からは黄色い粘液が吐き出され、嘔吐をし続ける。 鼻はすでに真っ赤になり、鼻汁が止まらない。 髪は逆立ち、洗剤が付着した皮膚が炎症を起こし、真っ赤に腫れ上がる。 やがて、力尽きたかのように、足腰に力が入らなくなり、へたりこむ。 息をすることが出来ず、ただただ、苦痛だった。 「どうだ?まぜるな危険は?」 混ぜるな危険。 仔実装を襲っているのは塩素ガスだ。 もちろん人間にも有害な毒ガスだ。 刺激臭、粘膜の痛み、呼吸障害が特徴だ。 そのため、敏明は距離を取り、換気扇を回し、窓をすべて開けたのである。 近所迷惑だが、まあ、もんだいないだろう。 1時間が経過したころには、仔蟲は蘇生と仮死を繰り返すだけになっていた。 全身の皮膚はズルズルになり、体中の穴という穴からは血の混ざった粘液が滴っている。 部屋の外に出て、蓋をあけると、糞の嫌なにおいと、ツーンとなる刺激的な匂いが鼻につく。 さっと、仔蟲を取り出し、容器を水で洗浄し、外に放置する。 さて、仔蟲の虐待はここまでにしよう。 託児した親にもそれ相応の罰を与えるために。 ************************************************************************************************************************************** 「デッスン♪デッデロデェェン♪」 今頃は仔がニンゲンの奴隷を魅了しているはずだった。 特に可愛い仔を選んだ。 三女だ。 間抜けなニンゲンデス。 「「テッチュウゥゥン♪」」 他の仔たちもうれしそうな声をあげるデス。 今日から公園とはおさらばデス!飼いの生活デス! 夕暮れの道を鼻をヒクヒクさせながら、実装石の親子が歩いている。 匂いが強くなるたびに、我が仔と奴隷が近いことを示す。 不思議と心が躍った。 敏明は近所の空き地にいた。 そろそろ親蟲が近いのはこの様子から解る。 鼻がヒクヒクしているのだ。 匂いを嗅ぎ取っているために。 瀕死の仔蟲を地面に放り出し、準備にかかる。 まず、ジャムのガラス瓶を砕き、瞬間接着剤で破片をジュースのペットボトルに貼り付ける。 そして、仔蟲を針金でそのペットボトルに巻きつけた。 「ヂィィィィ・・・・・・!!」 ガラスの破片で皮膚が切り裂かれ、苦痛を訴えるが無視。 ペットボトルに炭酸チューハイを注ぎ、その上、ドライアイスを入れる。 強力にキャップをしめ、出来上がりだ。 ペットボトル爆弾、とは誰がいったのだろう? しかし、こと立派な殺傷能力を誇る。 あとは遠くから観察するだけだ。 ************************************************************************************************************************************** ここデスゥ? 変だった。ナンテことの無い空き地。 草むらに、むき出しの地面。 コンクリート塀。 とてもニンゲンの家があるとは思えない。 「デ?」 地面の上に、何かあった。 匂いはそこからしている。 長女と二女をつれ、駆け寄ってみた。 「デェェェ・・・・・・!!」 柱、のようなモノに、託児したはずの三女が変わり果てた姿でいた。 体を柱に縛り付けられて。 それは柱だった。少なくとも実装石には。 透明で、キラキラしたモノが回りについており、 中には何か液体が入っている。 ペットボトル、とニンゲンが呼んでいた。 失敗デスゥゥ!! そう、託児はしくじっていたのだ。最悪の形で。 「キラキラテチィ!」 「アマアマテチィ!」 脇にいたはずの娘が三女そっちのけでペットボトルに駆け寄る。 綺麗なキラキラが一杯つい照るテチィ! ジュースが入ってるテチィ!アマアマにちがいないテチィ! この娘たちには瀕死の姉妹のことなど頭に入らなかった。 綺麗なもの、公園でニンゲンが持っているのを見かけるアマアマの汁! それしか頭に無かった! 「ヂィィィィ・・・・・・!」 いつの間にか、縛り付けられている三女が憎悪と恐怖をこめた眼でこちらを見ていた。 「デヒィ!!」 長女と次女がペットボトルに触れた瞬間、 彼女たちの運命は決した。 凄まじい、轟音とともに、ペットボトルが破裂した。 白く、波打つ液体は暴れ、 爆心地のの仔蟲三匹を飲み込んだ。 ズタズタに引き裂かれ、一瞬で血煙と化したのだ。 姉妹には何がおこったか理解できなかっただろう。 即死だったから。 そして、親蟲には血煙とともに、キラキラとした欠片が襲い掛かった。 それは凄まじい速度で飛来し、服、皮膚、筋をあっという間に貫き、体を切り裂いた。 ガラス片。破片だ。 赤い方の眼に破片が飛び込み、グジュッ!という音とともに、視界が半分失われた。 顔を舐めるかのように皮膚をこそぎ落とし、頭巾と髪を持っていく。 最後に、衝撃波で、体を吹き飛ばされ、ショックで内臓が破裂した。 ************************************************************************************************************************************** 「よぉ?」 「デ・・・・・・・ヒィ・・・・・・・?」 地面には血まみれとなり、体が歪に歪み、曲がり、かろうじて原型が残っている実装石がいた。 そしてまだ息がある。 「ひでぇな。まあ、天罰だな」 ズタズタになった服からは肌色と赤とピンクが覗く。 腹が破れ、中身がズルズル、ビュルビュルと飛び出していた。 ジグザグに曲がった腕と足はなんと芸術的だろう。ところどころ骨が飛び出している。 手曲げでは再現できまい。 顔は片目が無事で、後はグチャグチャになっていた。顎なんて何処に行ったのやら。 体中のいたるところには食い込んだガラスの破片が輝いている。 そして、血と糞の池に身を沈めているのだ。 「託児なんかしなけりゃよかったんだ。今まで成功した話なんてないだろ?」 「デ・・・・ウ?」 「まあ、最後の情けだ。止めくらいは刺してやるよ。ほら」 零れ落ちていた偽石を拾い上げ、踏み砕く。 パキン! 「・・・・・・!!」 小さく息をはき、絶命した。 「う〜ん、止めを刺すなんてなんて愛護でしょう?さて、片付けて帰りますか?」 死体を持ってきたスコップでほった穴にうめ、ごみを回収し、敏明は帰っていった。 こうして、この親子は託児に失敗したのだった。 駄文お読みいただき感謝です。 いや、ペットボトル描写と塩素ガスは過剰でいい加減かも。 以前、日常の中の小道具で洗剤云々って書いてくださった人がいましたが、 参考にしました。ありがとうございました。 放射線@改訂が詰まったので、息抜きに書いた文章です。 放射線はまったく別な話に書き直しますね。 劣化ウランからコバルト60に変更します。 あと、マリアーナのことも書き掘って。 字も被爆から被曝ですね。 あと、時間系列はあまり考えないで呼んでください(笑) 指摘されたところをちゃんと注意しときます。 今回もお読みいただき感謝を。 byレーザーメスの人 過去の文↓ レーザーメスで焼くこと 研究生活・親蛆 火遊び 食用白仔実装のつくりかた 公園浄化7月 過去、敏明学生時代 箱はサウナ 放射性物質