タイトル:【馬】 天才悪魔プー・ニンフー【序章】
ファイル:天才悪魔プー・ニンフー【序章】.txt
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初投稿日時:2008/08/09-23:56:18修正日時:2008/08/09-23:56:18
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天才悪魔プー・ニンフー【序章】

薄暗い部屋の中からも爆ぜる様な放電音は聞こえた
当然ながら雨戸に打ち付ける荒波の如き音が止む様子もない

「さっきも言った通り1.2ジゴワット程度の出力が確保できれば召喚できるはずだ」
「そしてお前はまたもやコンペイトウ3ヶ月分と引き換えに依り代になってもらう」
「コンペイトウ3ヶ月分だ、前払いだ、不足はないはずだ、今度こそだ」

高濃度圧縮コンペイトウ(徳用)袋を男から渡され椅子に座らせた助手に返答を求める
「テェ……」
ランタンの暖色に照らされた小人は眉を寄せ困惑したように呟く
相変わらず男はわけのわからない事を言いながら
勝手に色々決めつつ段取りを進めるが
やはりいつもの事なので助手は適当に付き合うことにする
大量のコンペイトウが得られた過去の実績も今手にしている袋の存在感も確かなので
特に不満はなかった

また乾いた轟音が暗い部屋に響いた

「よし、! このいきお!いでこれとこれをつ! なげれば!」
いつしか激しい興奮状態に陥りながら
男は部屋の外から部屋に引き込んでおいた絶縁体にて被覆処理された電線を両手に1本ずつ持ち
「せいこうした! せいこうした!」
絶叫と共に絶縁処理されていない端末同士を接触させその瞬間、薄暗い部屋に閃光が奔った

永遠にも似た瞬間が終わると
天地を揺るがすかのようなさらなる轟音と共に超高圧の電流が電線を駆け抜け
そしてついでのように男の身体も激しいスパークで感電させながら通り抜けていった
男は激震の如く震えながら放電しそして壁まで吹き飛んだ

「テッ! デデッ!」
これはいくらなんでもなにかがまずいのではなかろうかと
助手はコンペイトウ袋を放り出し
助けを呼ぶために慌てて椅子から飛び降り部屋から走り出て行った

”プ=ニ・フー”

『成功だ!』
 男は幽体離脱しながらも名状しがたき愉悦で全身を震わせる

”プー・ニ=フー”

それは紛れもなく奴だった
紛れもなく幻惑的な夢に現れた天才悪魔プー・ニンフーの悩ましくも呪詛めいた呟きだった
その声は明らかに男の身体から発された物ではあったがそんな事はこの際どうでも良かった
ともかく実験は成功に終わった

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