タイトル:【虐】 タイトルは適当です
ファイル:幸せを逃した仔実装.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:5657 レス数:0
初投稿日時:2008/07/29-08:47:25修正日時:2008/07/29-08:47:25
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とある公園に仔実装が居た。
その仔は多少賢かった。
これだけなら特に珍しくもないだろう。
だがこの仔実装は他の実装石とは明らかな違いがあった。
それは…

「テッチューン♪」

仔実装はダンボールハウス内にある鏡に向かって媚びた。
その鏡には無論自分の姿が映し出されている。
すると…

「テプゥ!オエップゥゥゥ!」

なんと仔実装は鏡に映った媚びる自分の姿を見てゲロを吐いた!

「ダ…ダメテチュ…キモすぎテチュ…何でワタチはこんなにキモイんテチュ…」

この仔実装は自分の事が可愛いと思えない個体だった。
正確に言えば実装石全てがキモイ存在だと思っていた。
人間に媚びる同族を見るだけで吐き気がするほどだ。
無論自分の親もキモイ存在だ。
親指や蛆も思わず捻り潰したくなるほど醜悪な存在でしかない。
そして何よりも自分の存在がキモかった。
仔実装は自分が実装石として生まれてきた事を心の底から呪った。
かといって自ら命を絶ったり同族を怒らせて食われるような事はしなかった。
実装石の「生きたがり」という性根が自殺を妨害していたのだ。
こうして仔実装は毎日を何の希望も無く無意味に過ごしていた。

「今帰ったデスよ」
「ママお帰りテチュ」

親実装が愛護派の人間から手に入れた金平糖を持って帰宅する。

「デププ♪ワタシがあまりにも美しいからこんなに沢山手に入ったデス♪美しいのは罪デスゥ♪」
「…」

親実装の糞蟲なセリフと表情にぶちキレそうになる仔実装。

「(何が美しいテチュか、ママは自分のツラを鏡で一度じっくり見つめる事をお勧めするテチュ!)」

心の中で悪態をつく仔実装。

そして数日後、いつものように人間に媚びに行った親実装が何時までたっても帰ってこなかった。
虐待派に捕まり、地獄の苦しみを受けた末に殺されたのである。
仔実装はすぐにそれを察知した。
しかし悲しみの感情は湧かなかった。
むしろ「ママも醜い実装生を終える事が出来て幸せテチュね」と思ったほどだ。
孤独となった仔実装だが賢いのが幸いし餌取りもすぐに覚え同族に襲われないように慎重に行動した。
そしてさらに数日が経ったある日、仔実装は自分の体に違和感を覚えた。

「ま…まさか…!」

仔実装の両目は緑色になっていた。
妊娠である。
仔実装は妊娠しないように気をくばっていたがどこからか飛んできた花粉を吸収してしまったようだ。

「ワタチがあの醜悪な生物を産む…?冗談じゃないテチュ!」

仔実装は自分の腹をポフポフ叩いた。
腹の中の仔を粉砕するためだ。

「痛いテチュ…お腹が痛いテチュ…」

自傷行為に耐えられずにすぐ殴るのをやめる仔実装。
次に仔実装は胎教の唄を歌った。
産む気になったわけではない。
それは歌詞を聞けばすぐ分かるだろう。



ワタチの腹ン中に惨めに蠢く糞共〜♪さっさとワタチの栄養となって消え去るがいいテチュ〜♪
それでも無様に生き恥を晒しこの世に生れ落ちた暁には〜♪
禿裸に剥きマラの集団に放り込んで悪夢を体験させてあげるテチュ〜♪
もちろん最後は食われてオシマイテチュ♪
無様♪無様♪無様すぎテッチュ〜ン♪
それが嫌ならさっさとワタチの中で消化されてろテチュ〜ン♪
最低最悪醜悪にして外道蟲の汚物〜♪



その唄を嬉しそうに何度も何度も腹の中の仔に聞かせる仔実装。
その度に腹の中から「テヒィィィィ!!」だの「レヂャアアアアーー!!」だの小さな絶叫が漏れるが仔実装は唄に夢中で聞こえない。
数日後、仔実装の両目はオッドアイに戻り腹の膨らみも無くなっていた。
腹の中の仔は全て消化されてしまったのである。
あんな胎教を聞かされればそりゃ生まれるのに絶望するのは当たり前か。

「全く…余計な手間をかけさせやがってテチュ!」

そして再び無意味に毎日を過ごしていると公園に薔薇実装を連れた人間の男がやってきた。
どうやら薔薇実装はこの男に飼われているようである。
無論野良実装達は自分達の天敵の出現に恐怖しパンコンしつつポテポテとスローな動きで逃げ出す。

「んじゃやるか」
「カワイソウ」

男と薔薇実装はお互いに頷くと野良実装に襲い掛かった。

「ヒャッハー!死ねや糞蟲どもーーーー!」
「クソムシ…カワイソウ…」

彼らは実装石虐待をこよなく愛する虐待派。
今日は「どちらが多くの糞蟲を始末出来るか」競争するつもりのようだ。

薔薇実装も勝負に勝てば飼い主の男に散々甘えられるので本気で殺しに掛かっている。
対する飼い主の男は勝負などどうでもよく単純に糞蟲相手に大暴れしたいだけのようだ。

「た…助けデベェ!」
「死にたくないデボォ!」
「ママーー!怖いテチュベェ!」
「オナカプニブニュ!?」
「レェ!?蛆チャーン!?蛆チャーッゴジュバァ!」

2人は問答無用で実装どもを地獄に送っていく。
そしてそんな様子を草むらの中から見ていた仔実装は…

「チププ、みんな幸せものテチュ♪醜い実装生から開放され魂を浄化してもらえるなんて、ここはまさに楽園テチュ♪」

ひとしきり仲間が浄化されていく所を祝福してあげると仔実装は自ら草むらから出て大暴れする2人に近づく。

「さてと、ワタチもそろそろ浄化してもらうテチュ♪あれなら一瞬で天国にいけそうテチュ♪」

痛みは一瞬で終わると判断した仔実装は無様で愚かな実装生を終わらせるべくテチュテチュ鳴きながら2人に近づく。

「ん?」
「?」

2人は既に仔実装以外を全滅させたらしく一息ついていた。
そこへ仔実装が自分のほうから向かってくるのを見て不思議そうな顔をする。
そんな2人に向かって仔実装が取った行動は

「テッチュ〜ン♪」

媚だった。
自分でキモイ行動だと分かってる媚を行なったのは相手を怒らせ確実に殺してもらう為である。

「さあ!ワタチもみんなと同様に浄化しろテチュ!痛いのは嫌テチュ、一瞬で終わらせないと許さないテチュよ?」

仔実装の言葉を聞いた2人の反応は

「なんだ?コイツ…死にたいのか俺達をバカにしてるのかどっちだ?」
「カワイソウ…」

男がちょっと困惑していると薔薇実装はゆっくり仔実装に歩み寄る。

「ん?どうした?お前が殺るのか?」
「(コクリ)」
「ま、勝負は圧倒的差でお前の勝ちだし好きにしな」

それを聞いた仔実装は喜んだ。
薔薇実装なら確実に自分の偽石を破壊し一瞬で終わらせてくれると。

「さあ、早くワタチを天国という楽園に連れて行くテ…ジュベェ!?」

仔実装の言葉は薔薇実装の鉄拳によって遮られた。

「テチャーーーー!痛いテチューーー!痛いテチューーーーー!」

仔実装は激痛のあまり地面をコロコロ転がる。

「テェ!?どうして一撃で終わらせないテチューーー!話が違うテチューーー!」
「…カワイソウ…」
「テ!?テヒィ!」

仔実装は薔薇実装の憎悪に染まった視線を受け悲鳴を上げる。

先程仔実装が取った行動「媚」
薔薇実装にはそれが自分達をバカにした行動だと判断したのだ。
極限状態の糞蟲なら最後の手段として媚はよく使う手だが仔実装はそれとは違っていた。
ヘラヘラしニヤけた表情で近づいてきたと思ったら満面の笑みで媚びたのだ。
完全にバカにされた、それが薔薇実装の解釈である。
しかも自分だけではなく大好きな飼い主の男にも同様に媚びやがった。
自分だけならまだしもこれは許せない。
一撃で終わらせるものか。
ジワジワとなぶり殺しにしてくれる!

「カワイソウ?」
「テェ!?」

薔薇実装はパンコンし殴られた頬を押さえる仔実装を見下ろし一言呟いた。

絶対…絶対に許さないよ?と。



それから仔実装の地獄が幕を開けた。

「カワカワカワカワカワカワカワイッソーーーーウ!!」
「テジュべべべべべべベベベベベベベベベベベェーーーー!?」

薔薇実装の連続パンチが仔実装の全身に叩き込まれる。
まるで某世紀末救世主の「北斗百〇拳」を思わせる高速の拳だ。

「ヂ…ヂィ…」

仔実装が糞と血を吐き出し地面に倒れる。

「カワ!」

一息つく暇も無く薔薇実装が蹴り上げ上空へ飛ばされる仔実装。

「イッソウ!」

次の瞬間薔薇実装は無数の水晶を生み出しそれを仔実装へと叩きつける!

「テベェ!ヂガァ!ブビュ!ゴジバァ!」

手が千切れ足が千切れ耳が千切れ腹に風穴が空き総排泄口が粉砕しと散々な目にあう仔実装。
何故か顔面には一撃も入れていない。

ジャキン

ズタボロの姿で落ちてくる仔実装を睦めながら薔薇実装は右腕にドリル型の水晶を装着。
そして…

ギュルルルルルルルル!!!

「ヂボァ!」

高速回転するドリル水晶パンチを仔実装の顔面に叩き込んだ!

「おお、すげー」

男が薔薇実装の技の数々に感心している。

「…ポッ」

それを聞いて顔を赤らめる薔薇実装は目の前に転がる顔の無い糞蟲に蹴りを入れた。

「…」

蹴りを入れられても仔実装は何も言わない。
ドリルで顔を削り取られてしまい悲鳴を上げたくても上げられないのだ。

「フン」

それを鼻で笑うと薔薇実装は手から光の玉を放ち仔実装に叩き込む。
すると仔実装の体はみるみる再生していくではないか!
薔薇実装は自分のエネルギーを仔実装の偽石に送り込み無駄に延命させているのだ。
既に再生させた回数は10回を超えている。
だがさすがに仔実装の体も限界を迎えようとしていた。
そして薔薇実装自身もそろそろ仔実装をいたぶるのも飽きてきた。

「どうちて…どうちてワタチを楽園に行かせてくれないテチ…」

ようやく再生の終わった仔実装が呟く。

「どうしてテチュ!どうしてワタチだけこんな酷い目に遭わせるテチュ!ワタチもみんなと同じに一撃で…!」

仔実装の言葉は薔薇実装が頭を踏みつけたことにより中断された。
薔薇実装は仔実装の頭をグリグリと少しずつ力を込めて潰していく。

「♪」

ふと薔薇実装は「そういえばまだコイツの髪を奪ってなかったっけ」と気が付いて一気に髪を毟り取る。

「…エェェェ!!!」

その瞬間、仔実装は目を見開き体を震わせ極限の悲しみを味わっていた。
いくら自分が醜い存在だとしても髪と服が大切な財産である事には変わり無いのだ。
ちなみに服は今までの責めで既に消えてなくなっている。

「テェ…テェェェェェン…テェェェェェェェン…」

仔実装は自分の実装生を心底呪った。
何故自分は実装石に生まれてきたのか、違う生物ならもっと幸せな生活が待っていたはずなのに。
何故…何故…

そんな仔実装を汚い物を見る目で睨む薔薇実装。
もういい加減終わらそう、そしてマイダーリンとムフフな生活に戻ろう。
そう思い薔薇実装は仔実装に向かってパワーボールを打ち込む。
その瞬間仔実装はビクンと痙攣し、凄まじい絶叫を上げ苦しみ出した。

「ヂギャーーーーーー!!痛い痛い痛い痛いぃぃぃ!お前ぇぇ!何をしたぁぁーーー!」

それを無視し薔薇水晶は男と共に公園から去っていった。
飼い主の男は「俺の出番少なくね?」と呟いていたがどうでもいい事だ。
だが帰り際に薔薇実装が言った言葉に仔実装は戦慄する。

お前の偽石にとある仕掛けをした、今から1時間後にお前は死ぬ。
ただしその間、激しい苦痛に襲われ続けるけどね。
1時間たっぷりと地獄の苦しみを味わいながら楽園とやらに旅立つがいい。

「テジュガーーーーーーーーー!ビェエーーーーーーーー!オォォォォーーーーーーーー!」

誰も居ない公園内の中央で禿裸の仔実装が子供とは思えぬ絶叫を上げのた打ち回る。
そのあまりの激痛に偽石がストレスで崩壊するかと思いきやそれも叶わぬ夢であった。
どうやら薔薇実装の「仕掛け」とやらが偽石自壊を妨害しているようだ。

「アァァーーーーーー!!!ギェェェェーーーーーーーーーーーーー!」

「1時間」それは楽しい事をしている時はあっという間に過ぎ去る時間だが
そうでない場合は無限にも匹敵する長い時間である。

「…!!!」

既に叫びすぎて喉は潰れ口からは血と空気しか吐き出されない。

「…!!!」

仔実装は激痛の中、ふと思う。
もう嫌だ、こんな苦しみは。
早く死にたい、死んで楽園へ行きたい。
そして今度こそは実装石以外に生まれ変わり幸せになってやると。

そんなことを考えていると日が沈み始め辺りが暗くなっていく。
日暮れの瞬間が自分の命尽きる時である事を感じ取りいよいよ死が迫っていた。
今まで散々望んでいた死だがいざその時が近づくと全く逆の考えが浮かぶ。
死にたくない、ワタチは生きていたい、来世ではなく現世で幸せになりたいと。
大人になって…仔を沢山生んで…家族仲良く暮らしたい…
家族…?
そうだ…ワタチはせっかく授かった仔を自分で殺してしまったんだ…
ゴメンテチュ、ワタチの仔…バカなママを許してテチュ…だからもう一度ワタチにチャンスを…

ビキィ!
ビシビシビシビシ!!!

次の瞬間自分の中の石に無数の亀裂が入っていくのを感じ取る。
ついに最後の時が来たのだ。

「…!!!」

役立たずの口から必死に声を出そうとするがどうにもならない。
日もほとんど沈んでしまっている。
あと数秒で全てが終わる…
そう思った時だ。
喉が潰れ声が出ないはずの口から仔実装は最後の一言を発する。

「ワタチは生きて幸せになりたかったテチューーーー!」

彼女の魂の叫びが終わるとバキン!と何かが砕ける音がしたあと、仔実装は全ての動きを停止した。
日が沈み辺りが闇に覆われ仔実装は夜の闇へと沈んでいく。



彼女の最大の過ち、それは実装石に生まれてきた事ではない。
醜い実装というだけで幸せを掴もうとしなかった事だ。
自ら幸せを手放した者に来世だろうと楽園だろうと幸せなど訪れるはずもないのだ。


終わり


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