ミドリの奴はかなりご機嫌斜めだ。
この間の、ヤドカリを真似たミカン箱の家を、生き埋めにした事がかなり気に入らないらしい。
ミカン箱が倒壊して仮死させてしまったのは正直悪かったと思っている。
まあ、発見した時は笑ってしまったんだけどねｗ



　デス・・・デス・・・
　クッチャ・・・クッチャ・・・
　ゲェフ・・・

怪我した時は栄養を取らないといけないらしいから、いつもより多めに実装フードを与えてみた。
けどこの野郎（野郎じゃないけど）、ふてくされて投げやりな態度で食ってるし・・・

「おい、もう少し食うか？」

　デ?　デズ!　デズ!

はいはい、食うのかよ、なんだよその態度は。
元はと言えばお前が死亡フラグ立てたんだろうが。
まったく、家はコイツと二人暮しだから、空気が悪くなってしょうがねぇ〜や。

　プシッ！　カパ・・・

こんな気分的にも蒸し暑い日は「大人の泡ジュース」でも飲むに限るｗ
んっ　んっ　・・・かぁ〜〜！　うめぇ〜〜〜ｗｗｗ

「どうだミドリ、フードにかけてやろうか？」

　デ?　デズァ!　デズシャーッ!!

「うを！？　そんなに怒るなよ、お前がビール苦いから嫌いなのは知ってるよ」

冗談の通じねー奴だよ、まったく・・・
い〜よ、俺はテレビでも見てるからな。

お？　何？　今から心霊特番やるの？
やっぱ夏はビールと海と幽霊話だね〜。
ひぃ〜怖ぇ〜〜！　オープニングだけでションベンちびりそうだよｗ

　デデ!?　デヒィ!!

って、いつの間にかミドリが俺の横に来てテレビを見てるじゃん。

「何だよお前、怖い話好きなの？　幽霊ってわかる？　死んだ奴がお化けになって出てくるんだぜ」

　デァ?　デスデス

コクコク頷いて・・・　実装石も幽霊ってわかるのかな？



番組は視聴者から寄せられた恐怖体験特集で、もう怖ぇのなんのって。
ミドリの奴なんてガクブルになりながらテレビに釘付けになってるしｗ
・・・つか、お前さ、何でいつの間にか俺の膝に座ってんだよ！
機嫌悪かったんじゃねぇのかｗ

ただでさえ暑苦しいってのに、こんな生暖かくて湿ったモノを抱えにゃならんのだ。
降りろってば！
ずうずうしい奴だ、おまけに何かぬめってるし・・・
ぬめってる？・・・

「てめっ！！　人の膝の上でパンコンしてんじゃねーーよっっ！！！」

　デギョァーー!!

　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・

ったく・・・　おかげで番組の後半見られなかったじゃないかよ。
ホントにお前はケツの穴がゆるい奴だな！

「ほら、もう寝るぞミドリ！　今夜はテレビの影響受けて変な事するなよ？」

　デスゥ　デデスゥ

「あ？　なんだよ？　ついて来いってか？」

　イソイソ　ズルリ・・・ブリブリブリ〜

「って、ふっざけんな！　トイレくらい一人でしろよ！」

　デ!　デズゥー!　デズゥー!　ブリブリー!

「ああ！？　おまっ　糞たれながら追いかけてくんなあっ！！」

　デギョエッッ!!　

　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・

　デズッ!　デズッ!　デズァッ!!

「なんだよっ！　ウンコたれながら走る奴が悪いんだろーがっ！？」

一度は機嫌の直ったミドリだけど、俺の鉄拳制裁で再びお怒り中だ。
というか、それ逆切れだろ？　ふざけんなって！

「じゃあな！　大人しく自分の寝床で寝ろよ、ウンコたれ！」

　デズァッ!

ミドリを寝床のある台所に追いやり、お互いに睨み合ってからピシャンと引き戸を閉める。
デズァッ!　じゃねぇよ、糞生意気な！
俺の方は、テレビを見ていた時のちゃぶ台を片付けて、自分の布団を引いて寝床完成だ。
ちっ　今夜は胸糞悪いぜ、寝よう寝よう。

・・・まったく糞生意気な奴だぜ、俺様が飼い主だと解ってんのか？
誰が毎度毎度エサやってると思ってるんだ。
それをミドリの奴め逆切れしやがって、あいつは絶対絶対許さないからな。
明日は覚えてろよ・・・

　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・

「・・・・なあミドリ、起きてるか？」

　デ?・・・

「トイレ・・・行きたくないか？」

　・・・デスゥ

「よし、ついて行ってやるよ」

　デスゥ

　ドスドス　トテトテ　ドスドス　トテトテ

「じゃ　じゃあ　俺も『ついでに』するから、そこで待ってろよ。帰るなよ？」

　デ?　デプププw　　ブリブリブリ〜

「う、うるせーなぁー。怖いんじゃないよ、なに勘違いしてんだよ？」　ジョボジョボジョボ〜

　デププププ・・・　トテトテ・・・

「あっ！？　待てよ！先に帰るなよ！　待てよ！　待ってて〜！　ミドリってば〜〜！」



　おはり



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いつも感想ありがとうございます。

書いた自分ですら読みかえすと「キャッキャ・ウフフじゃねーか！」と言いたくなるバカ飼い主ぶり
です。
ストレスが溜まった方はご容赦を。