タイトル:【虐人間】 Gの旋律
ファイル:愛誤派.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2572 レス数:0
初投稿日時:2008/07/01-23:58:19修正日時:2008/07/01-23:58:19
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 − Gの旋律 愛誤派 −


すっかり青空になった雨上がりの土曜日、そろそろ日も高くなる頃。
ここ中央公園のベンチに、青年と小太りの中年男性が腰掛けている。

青年の名はアキラ。
実装獣親子との戦いで全身に裂傷を負ったアキラは、実に3週間も寝込んでいた。
その様な事情を知った親友の山岡氏が、ようやく動けるようになったアキラをリハビリがてらに外に
引っ張り出したという訳だ。



「なあ、アキラ。やけに仔実装や中実装が多くないか?」
「・・・ですね」

まだ顔色の悪いアキラがだるそうに答える。
もっとも、だるそうに答える原因は、あちこちから聞こえる「テチテチ声」にあるのだが。

 テチテチテッチー!
 テチィ? テチー!
 テッチューン♪
 テチャー テチャテチャw

ここ中央公園は広い敷地に緑豊かな植栽、噴水や遊具やトイレ等々、人間だけでなく実装石にとって
も快適な空間である。
故に生息する実装石の数も半端な物ではないのだが、アキラを始めとする実装石虐殺派や虐待派の活
動によって、無軌道な繁殖性と多少の糞蟲率は抑えられていた・・・はずなのだが。

「おいアキラ、アレだよアレ。あのオッサンだよ」

山岡氏が指差す方向に、見慣れない男性が群がる実装石の輪の中に立っている。

 デスゥデスゥ! デシャー!  
「は〜い実装ちゃんたち〜! 並んで並んで〜! イッパイあるから喧嘩しないでね〜!」

 テッチー! テチュテチュ・・・ヂュベ!
「ん〜、君は可愛いね〜! 抱っこしてる蛆ちゃんも可愛いよ〜!」

 デッシャー! デジャー!! デギャ・・・
「そうそうそう、お利口さんだねぇ! イッパイ持って帰るんだよ〜!」

 デッス〜ン♪ デッス〜ン♪
「可愛いねぇ、お利口さんだねぇ。君たち実装ちゃんは、まさに天使だね〜♪」

男は左手に下げた紙袋から、安物実装フードを掴み出しては周囲にばら撒いている。
並べと言った本人がばら撒いているのは、並ばせる気が無いのか、それとも醜く争って上に下に入り
乱れる糞蟲共を見て諦めているのか。
にこやかな表情とその口ぶりからは、元から並ばせる気が無いのであろう。

「何が天使だっ、気でも狂ってるのか?」
「まあ、そういきり立つなアキラ。もう少し様子を見ようぜ」

件の男は左手に下げた紙袋から、大盤振る舞いで実装フードを撒き続ける。
「実装石に食べ物を与えないで下さい」と書かれた公園の看板などまるで見えないかの様だ。
まさかこの中央公園の、全ての実装石に餌を与える気であろうか?

年の頃は40歳手前、青いジーンズに白いポロシャツのその男。
実装石に向ける愛誤派丸出しの言葉と、外見の爽やかさとのギャップが、さらにイラつかせる物があ
る。

「皆、元気でお利口さんだね〜♪ 君達には実権(じっけん)という物があって、皆等しく平等に豊
 かで美しく可愛らしく生きる権利があるんだよ。」



「うがぁー! 聞いてるこっちまで気が狂いそうだ!」

もう少し様子を見ようと言った山岡氏だが、ここまでくるとさすがに堪えきれるものではない。
アキラにいたってはグッタリとベンチに崩れている。

と、二人の前に実装フードで腹をパンパンに膨らませた仔実装が通りかかる。
この仔実装は争奪戦の渦中から離れた安全圏でおこぼれに与っていたのだが、親から離れた仔実装が
一匹で腹が膨れるまで餌を得られる、過剰なエサ撒きは問題有りだろう。
二人は、実装石の急な増殖はあの愛誤派が原因なのだと理解した。

 テチィ テチテチィ テーテーテーテッチー

「んあ? ナンだよお前?」

満腹仔実装が二人の前で立ち止まり、何やらテチテチと訴えかけてくる。
少々興味が沸いてしまった山岡氏は、リンガルを取り出し覗き込む。

< そこのニンゲン 美しいワタチにデザートを持ってくるテチ 早くするテチ >

来た来たテンプレ、と嬉しそうにアキラにリンガルを見せるが、げんなりした顔つきで押し返してく
る。
どうやら愛誤派の毒電波に精も根も尽き果て、「屍してます」状態だ。
山岡氏はリンガルを携えてニヤリと笑うと満腹仔実装に向き直る。

「おい、仔実装。なんならデザートを出さない訳でもないんだが、ちょっと教えてくれないか?」
「テプププw このワタチの『みりょく』にメロメロテチ? なんなら飼われてやってもいいテチw」
「そうそれ、魅力ってさぁ、お前のどこが美しいんだ?」
「テ? このかわいらしいお顔、くり色のビューチーヘアー、みりょくてきなボディー、気品あふれ
 る姿、これがわからないとは、おろかな生き物テチwww」

実装フードで突き出た腹で、イゴイゴと踊ってみせる仔実装。

「は? その赤と緑の気色悪い目のどこが可愛いんだよ? 鼻なんてぺったんこ、ピスピス穴が開い
 てるだけ。お前そこの足元の水溜り覗き込んで見ろよ」
「このバカニンゲン、なにを寝言ほざいているテチかw・・・・」

仔実装は山岡氏をあざ笑いながら足元の水溜りを覗き込むと、そこにはもう一匹の醜い仔実装が居る。

「テププw なんテチか、この・・・
「それ、水溜りの中の仔実装はお前の姿が映ってるんだよ。自分の顔触ってみろよ、な? それにそ
 のふざけた形の三角の口、アホ面さげて涎たらしやがってw どこが可愛いんだよwww」

山岡氏の言う通り、水溜りに映った姿が自分だと理解すると、真っ赤な顔になって固まってしまう。

「で、髪がどうしたって? 垢と埃だらけの、ゴワゴワしたきったねー髪の毛。枝毛だらけでクシャ
 クシャで、犬か猫の方がずっと艶やかできれいだぜ」
「テェ・・・」

「それに、魅力的な体だって? たるんだ腹に、ずん胴・短足の二頭身。無駄にでかい頭しやがって、
 お前自分の頭の上触ってみろよw どうよ? な? 届かねぇーだろwww 」
「テェェ・・・・」

「しかも気品に溢れる姿だ? 涎と食いカスで黄色い前掛け。泥だか糞だか何だか解らない染みだら
 けの実装服。おまけに下着は糞が張り付いて乾いた、パリパリ・ゴワゴワの緑色のウンコパンツ。
 汚ねぇし、臭ぇし、まるで歩く生ゴミじゃねぇかよwww」
「テェェェ・・・・・テヂイイイイイイイイ!!!」

ワナワナと震えて立ち尽くしていた仔実装は、「歩く生ゴミ」の言葉に遂にキレたようだ。
盛大にパンコンしながら、水溜りに映った自分の姿をバシャバシャと踏み散らかす。
更に、下着から溢れ出た緑糞が足をつたって流れ落ち、それを踏み散らかすものだから酷い有様だ。

「うっひゃっひゃっひゃっw きったねぇな、お前。それがお前の風呂か? 今出した自分の糞を泥
 水に混ぜて頭からかぶるのが流行りかよw」

山岡氏の高笑いと指摘に、仔実装は呆然と立ち尽くす。
水溜りの中に映る仔実装は、汚らしい実装服にゴワゴワの髪、顔にも頭にもいたる所に跳ね上げた糞
が滴っている。
ピチョン・・・ ピチョン・・・ 滴り落ちる水滴が、水面に映る仔実装の顔を歪ませる。

「なあ、お前さ、水溜りに映っている『歩く生ゴミ』見てどう思う? 美しいか?ンな訳ねぇだろw
 激しく頭悪いんじゃね? 歩く馬鹿生ゴミってか? 誰が飼うかよ、だあははははははwww」

 ヂ・・・ヂイ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛ッ!!!!! パキン・・・・

感極まった仔実装、ぎりぎりと歯を食いしばって一際高い絶叫を上げたかと思いきや、偽石の砕ける
音と共にぱったりと糞溜まりの中に倒れこむ。
一拍おいて噴き出す山岡氏と、GJサインで応えるアキラ。

が、間の悪い事にそこへ気違い〜 もとい愛誤派が死んでいる仔実装を見つけてしまう。

「あああ!! 仔実装ちゃん!? どうして、どうして・・・」

糞まみれの仔実装を一生懸命ゆすってみるがピクリとも動かない。
仔実装がもう駄目だと解ると、愛誤派の男は近くに居る二人を睨みつける。

「あなた達ですね!? 仔実装ちゃんを殺したのは!?」
「おいおい、ちょっと待ってくれよ。俺達は指一本触れてもないし毒を撒いた訳でも無い。強いて言
 えば、そいつは『糞死』ってやつだろw」
「天使のような実装ちゃんが、こんな汚い死に方するはずありません! 実装ちゃんのウンチは綺麗
 で控えめなんです! これはきっと毒を盛ったんでしょう!?」
(訳わかんねーよコイツw)

愛誤派は実装石の素晴らしさを熱弁し、山岡氏はそれをうんざり顔で受け流す。
そんな山岡氏に段々と興奮する愛誤派は、今にも掴みかからんばかりだ。

「ウゼえよ、オッサン」
「な!?」

ベンチにもたれたアキラが、だるそうに顔を上げて言い放つ。

「実装石が天使だか使徒だか、こっちはあんたの『俺設定』なんてどーでもいいんだよ」
「なんだって!?・・・」

「こっちはこっちで、あんたの様な奴には積極的に係わらない様に住み分けしてんだよ。一々そっち
 側の言い分を押し付けてくるのがウゼえってーの」
「何だと!? 君の様な奴が居るから公園が・・・

「大体さ、あんた『実装石に食べ物を与えるな』って看板見えないのかよ? それともあんたが公園
 の管理人さんかよ? 人にガタガタ言う前に、自分はどうだって事に気づかないとな」
「うるさーい!!」

二人の耳には「デジャー!!」と聞こえた様な気がした、ただの錯覚なのだが。
それはともかく、怒り狂った男は憤然とアキラに殴りかかる。
山岡氏が止めに入って何とか治めたものの、男は未だ興奮冷めやらない。

「お前らが実装ちゃんを殺したんだ! 愛護動物虐待で警察を呼んでやる!!」
「つつつ・・・痛ぇなオッサン。警察呼ぶだ? 条例違反で実装石に餌撒いて、挙句に人間相手に暴
 力沙汰起こして、警察だ? 呼ぶんなら呼べばいいさ、こっちは構わないぜ」
「うっ うっ うるさーいっ!! 馬鹿とは話すだけ無駄だ!! 気分が悪い!」

再び「デジャー!!」と吼えると、男は逃げるように去ってゆく。
しかし気分が悪いのは二人の方だ。

「おい、アキラ大丈夫かよ?」
「大丈夫ですよ、いつもなら避けられたんだけど・・・」
「いや、悪かったなアキラ。俺が余計な遊びしたばっかりに」
「山さんは悪くないです、悪いのは糞蟲とあのキチガイなんだから」
「だけどさ・・・」

しかし、面白くない話なのは確かだ。
うつむいて何か考え事をしていた山岡氏は、顔を上げてボソリと呟く。

「人間は・・・虐待しちゃ駄目なんだよ・・・」
「え? ええ、まあそうでしょう?」
「だったら、定番の実装石だろう。実装石でついたケチは実装石でケリをつける、どうだ?」
「どうだ・・・とは?」

先程とは違ってニヤリと笑う山岡氏。
糞蟲相手にナイス虐待が極まった時のあの顔だ。

「実装石でついたケチは実装石でケリをつける。あの愛誤派、泣いたり笑ったり出来なくしてやる」



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



二週間後、山岡氏に呼び出されたアキラは、中央公園に姿を現す。

「お、アキラ! こっちだこっち! 随分と顔色が良くなったな!?」
「ええ、もう普通に動けますよ。今度あのオッサンが絡んできたら・・・」
「いやいやいや、今日はそんな心配しなくていいんだ。ささ、もう時間が無い、さっさと仕込みを終
 わらせよう!」

山岡氏は小走りに、例の愛誤派が実装フードを撒いていた場所に移動すると、持っていたビニール袋
からあたり一面に砂の様な物を撒き始める。

「ほれほれ、早くしないとな、時間が無い」
「や、山さん?」
「あの愛誤派は、アキラがこの公園に来なくなった同じ時期に、この近所に引っ越してきたんだ。そ
 して、毎週土曜日のこの時間きっかりに、必ず決まってこの場所で実装フードの撒き餌をするんだ」

愛誤派の男が立つお決まりの位置、そこを中心にかなり広範囲に、そして結構な分量の砂の様な物を
せっせと散布する山岡氏。
予定の準備が終わった山岡氏は、アキラを連れて噴水の陰に隠れる。

「ほら、来た来た来たw 決まってこの時間にあいつは来るんだw」

二人が隠れ終わると同時に、例の愛誤派の男が大きな紙袋を両手に提げてやってきた。
今日も青いジーンズに白いポロシャツの気違〜 もとい、爽やかさんの登場だ。
男がお決まりの場所に立つ頃には、あたり一面が実装石で埋め尽くされてしまう。

 デスーデスー! デジャァ! デッス〜ン♪ テチュ〜ン?
 デギャァ! テスーテスー! テチー デデスゥ! 
 レフー? デスデス! レベェ テシャー!

男の周囲は上に下にの大騒ぎ、その数は成体だけでも200匹を下るまい。
まるであたり一面が実装石の海だ。

「くっくっくっく。見ろよアキラ、すげ〜数の実装石だぜw あの野郎、馬鹿みたいに餌撒いて、馬
 鹿みたいに実装石繁殖させやがって・・・」
「で、どーなるんですか?」

男が紙袋から実装フードを掴み出し・・・

「さあ、いくよ〜〜!」
 デアアアー! レレェー! テッスー! デスデスー!

ぱぁっと前方に撒き散らす・・・

「僕の天使ちゃん〜〜〜♪」
 デッジャー!! テヂュゥ!・・・ テシャァァー!! デギャー!!

餌が撒かれた辺りが実装石で盛り上がり、まさに実装石の海、実装石の波だ。
正気の人間ならば吐き気をもよおす光景だろう。
しかし男は恍惚とした表情で、右に左に後ろに前に、ザックザックと撒き散らす。

「うえええー!! 気色わりーっ!!! 早く発動しろよぉ!」
「なんスか、山さん? 発動って?」
「おお? オエ・・・ 発動ね」

吐き気を堪えながら、山岡氏は折り畳み傘を2本取り出し、1本をアキラに手渡す。

「これは?」
「さっきあの辺に、しこたま粉を撒いたろ? あれはな、業務用の実装ドドンパに使われる薬品を、
 濃縮して更に乾燥させた物の粉末だ」
「実装ドドンパ? 猛烈な勢いで消化器官内の糞抜きをする、あのドドンパ?」
「おう、あれの濃縮版を更に乾燥させたものだ。だから、あんな物を撒いた地面に落ちた実装フード
 を拾って食べた日にゃあw・・・」

 デ? テス? デェアア? テ、テチュ〜 デエエエ・・・

 ド ブ バ バ バ バ バ ーーーーーー ッ !!! 

次の瞬間、数匹の実装石がモジモジしたかと思いきや、猛烈な糞の噴射と共に空に撃ち上がる。

 デギャアアアアーーー!!!・・・・ドパン!!

緑糞を撒き散らしながら宙を舞った実装石は、破裂音と共に汚らしい血肉の花火を咲かせた。
腹内からの猛烈な排便効果に、総排泄口の排泄能力が追いつかず、腹圧で破裂死したのだ。
これを皮切りに、次々と実装ドドンパの効果が発動する。

 デズアアアーーー!?・・・・バン!!
 ヂイイーーー!!・・・・バチュン!
 デエアアアーーー!!・・・・ボン!!

緑糞の柱と共に一斉に宙に舞い上がる実装石、実装石、実装石・・・
そして緑に染まった空に咲く、無数の赤と緑の実装花・・・

「なあっ なあっ なあんですかコレはーーーーっっ!?!?」

糞柱の渦中にある男にとっては、まさに天変地異の類だろう。
延々と無数に立ち上がる糞柱に、絶叫と共に弾け散り、降り注ぐ実装石の滝。
足元は糞と血肉に溢れかえり、見上げる空は霧散した緑糞に緑に染まる。

「うはぁw すげぇw 阿鼻叫喚の実装地獄だぜwww まるで巨大な1本のクソ柱だwww」
「中に居る人間には・・・この世の終わりに感じるでしょうね・・・ウォェ・・・」

時折、方向違いに飛散する血肉や糞を傘で受けながら、食い入るように見つめる二人。
そしてようやく、実装石の打ち上げ花火も散発的になり、後に残るは糞にまみれた実装石の残骸と、
それに膝まで埋もれた男だけになった。
即死を免れた実装石の呻き声にまじり、なにやら愛誤派の男の呟きが聞こえてくる。

 テンシチャンハ トンデイッタンダヨ
 ドバーッテ トンデイッタンダヨ

「まだ『天使ちゃん』て言うかw つか、あれヤバクねw」
「結構、ヤバめでしょう」

二人が見守る中、男は静かに天を見上げるとグイと両手を突き上げる、まるで空に消えた実装石達を
掴むように・・・

「天使ちゃんは〜 みぃ〜んな お空に上って行ったデス〜♪」

 パキン



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いつもご感想やご指摘ありがとうございます。
スク作成の励みにもなり、感謝しております。

また、一部の方に誤解を与えてしまった事をお詫びします。
私は「Gの旋律」では、予定調和の既存のスクを再現するつもりはございません。
「Gの旋律」独特の旋律(メロディ)です。
重ねてお詫び申し上げます。

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