続々々々々々々々々々々・実装小話    その14     子供が殺されてしまったデスゥ〜! 実装と言う生き物が、行動を起こす時は殆どが、切羽詰った状態にならないと起こさない。 目先の事(毎日の食料調達)等は、誰でも行っているが、春から夏に掛けて(飲み水の対策) 夏から秋に掛けて(冬籠りの為の食糧調達、断熱効果のある落ち葉、藁、毛布等)等。 先々の事を考えて行って居る者も居るが、ほんの一握りの先行管理が出来る実装達である。 当然普段はだらけた生活をしていても、ちゃんと対策を取れる者も居るが、物資の奪い合いによる喧嘩 殺し合い、仔実装を捲き込んでの家族崩壊劇、等かなりハードな戦いになるのは必至。 そんな事が、嫌な者は同族がさぼっている時に≪せっせ!せっせ!≫と準備をしてしまうのだ。 但し、一つの事に集中したら、誰しも周囲の状況に目が行かない事がある。 人間にもそんな人がいるが、そんなニンゲンより更に劣り過ぎる実装となれば......。 その実装は、ある牧場の干し草と水が湧き出る泉に目を付けた。 牧場にある干し草は、断熱効果もあるし、もしもの時には実装の食糧にもなる。 毎日、毎日、牧場通いをして干し草を巣の下に深く掘った穴に運び込み、こんな時期に冬籠りの準備をしていた。 御丁寧に雨が降っても湿らない様に、何処から盗んで来たのか防水シート迄被せて。 更にペットボトルに夏の暑い時期に、水汲みに行かなくていいように、何本ものペットボトルに水を入れて 段ボールのおうちに保管した。この実装は、妥協する事なく、『これでもか!』と言う程迄徹底していた。 ................................................................................................... 俺は、この家の住人だ。 家の前は、広いコンクリートの駐車場(個人の車を止める為だけの)と家で飼っている仔犬(コーギー)の遊び場として、一部芝生を植えている。 最近になって、何かの動物が、干し草を持って、俺の家の庭を横切って裏山の麓に運んだ形跡がある。 毎朝、犬を散歩させる前に掃除する。しかし帰宅すれば、掃除した跡をなぞる様に、又、干し草が落ちている。 『仔犬が、拾って来ているのか?』と思ったが、昼間は妻が職場迄連れて行っているのでそれは無い。 更に最近になって干し草の上に、水を零して行きやがるから、箒で掃いても取れない。 結局スコップ等で取り除くしかない。 一体誰がこんな事をしやがるんだ。 これが、毎日続くと流石に腹も立つ、『諸悪の根源を叩き潰してやる!』そう思って、休みの日、1日ずっと庭を見張っていた。 すると、成体実装が、沢山の干し草を大きなコンビニ袋に入れて、行ったり来たりしている。 その後、どこからか拾って来たのか、ペットボトルに水を入れて蓋もせずに、水を零しながら家の庭を行ったり来たり、フェンスの下を通って裏山方向に入って行った。 『此奴が、毎日俺の家にゴミを落として行きやがったのか!ニンゲンが実装なんかに舐められてたまるか!』 そう思って、落ちている干し草の後を辿って実装の家を突きとめた。 山の麓の木の間に段ボール箱が、挟む様に置いてあった。更に数匹の仔実装がいる。 『ニンゲンを恐れない不届き者!その内目に物みせてやる!』そう思いながら今回は何もせずに帰った。 実装が、何故毎日俺の家の庭を通って、物資の輸送をしていたかと言うと、干し草を置いている牧場から実装の巣は、俺の家の庭を使えば最短距離となるからだ。 それと他の家の駐車場は、塀やフェンスで行き止まりになっているから通れない。俺の家は、昔、お爺が畑をしていた都合で、コンバインを出せる様に緩やかな坂になっている。 更に昔飼っていた柴犬が、外に出る為にフェンスの下に穴を掘っていた穴がそのまま残っていたからだろう。 俺は、実装が干し草を調達する為に、庭を通った後、フェンスの穴の所に買って置いた土を入れて上から押えて固めた上にブロックを置いて完全に通れない様にした。 これで干し草を取って来ても此処は通る事は出来ない。 次に『此奴の段ボールハウスを叩き潰してやる!』此奴の家に行くと仔実装が5匹家の中と外で遊んでいた。 「あっ!ニンゲンテチ!逃げるテチ!」仔実装共はそう言って段ボール箱に逃げ込んで戸を閉めてしまった。 「飛んで火に居る夏の虫だな!」そう言って段ボール箱に近づいた。 持って来たスコップの角で≪ベシッ!バシッ!≫叩く度に「テチャァ!止めて!殺さないで!」 「痛い!痛い!おうちが壊されて行くぅ〜!」と段ボール内から聞こえてくる。 「ふっふっふっ!残念だが君達は此処で殺されてしまうのだよ!覚悟しなさい!」 段ボール箱から仔実装が放り出されて、地面に落ちた痛みで蹲っている。 そんな仔実装をダンボ―ルの下に作られた干し草を入れてある穴にスコップを使って落とした。 穴に落ちたところを、親実装が一生懸命貯めたペットボトルの水を一気に流し込んだ。 「テチャァ〜!お水がぁ〜!お水が一杯入って来るぅ〜!これじゃあ〜溺死してしまうテチィ〜!ニンゲンさぁ〜ん助けてぇ〜!」 「早く!早く!泳がないと溺れてしまうぞぉ〜!」 「ワタチ達泳げないテチィ〜!助けてぇ〜!」 「駄目!駄目!実装もこれからは泳げないといけないぞぉ〜」 「無理な事を......言わないでテチィ〜!」 と言っている間にどんどん水は入れられて......。 「テパッ!テパッ!溺れる!溺れテチ!」≪ゴボゴボゴボ≫ 「テゲパァ〜」≪プクプクプク≫ 「ケパァ〜!お......おぼ」≪ブクブクブク≫ 残りの2匹は声も上げられずに水中でもがき苦しんでいる。 その内、偽石が割れたんだろう、動きが止まってゆっくり沈んでいった。 「たったこれだけの水で、水死するなんて、実装なんてちょろいなあ〜」 「後は、人の庭を断りも無しに、ゴミを落としながら通行しやがる実装だけだな!」 自宅に戻って見ると親実装が、≪ニコニコ≫しながら干し草を持って帰って来た。 「今日仕事はこれで終わりデス!あの子達にご飯を取って来てやるデス!」 そう言ってやって来たが......。 「デデッ!道が......道が塞がっているデス!如何してデス!如何してデス!」真っ青な顔をして慌て出した。 どうするのかと思ってみていたら......「ニンゲンさぁ〜ん!ニンゲンさぁ〜ん!通行出来ないデスゥ〜!」 「真性のバカか此奴?」思わずつぶやいて、そして庭に出て行った。 親実装は「ニンゲンさん、穴が.....穴が塞がっているデス!ワタシ達の通り道を潰さないデス!」 「喧しいわ!毎回毎回、人の家の庭に干し草ばら撒きやがって!誰が此処を通って良いと言った! 誰の許可を取って勝手に人の家の庭に侵入した。お前が通る度に俺は、此処の掃除をさせられたんだ。 人の家の庭を汚すだけ汚して、何が通行出来ないデスだ!ワタシの道を潰すなデスだ!舐めやがって!」 「早くしてデス!子供が......子供達が待って居るデス!」 「ああ!お前のガキ共彼なぁ〜!家の下に掘った穴に落とされた上に、家にあったペットボトルの水を全て入れられて、苦しみながら溺れ死んだよ! 段ボール箱は、叩き潰してバラバラにしたから、もう住む事は出来ないぞ! お前が一生懸命貯めた藁や落ち葉は、水浸しで使え無くしてやった!!ザマァ〜!見やがれ!」 「そ......そんなぁ〜!ワタシの子供が全滅しただなんて信じられないデス!」 「そんなに信じられないなら自分の目で確かめろや!」 俺は、親実装をスコップですくって、フェンスの向こうに放り出した。 「デジャーァ〜!」 地面に生えている草がクッションになり、潰されずに済んだが......。 「子供達ぃ〜!」実装は、腰をさすりながら、情けない声を出して、仔実装の待つ家に向かって行った。 俺も止めを刺すべく、フェンスを乗り越え実装の後を追った。 ..................................................................... 何時もの様に家から少し離れた牧場に干し草を取りに行ったデス。 「デッス!今日はニンゲンが牧場に居ないデス。これなら干し草も取り放題デス!」 ワタシは嬉しくて普段より多めに干し草を取って行ったデス。1回、2回と行ったり来たりしたデス。 3回目を取りに行った所で、空を見たら太陽が真上に来ていたデス。 そろそろご飯の時間デス。ワタシは、一旦、おうちに帰ってペットボトルを持って近所にある湧水が出ている泉に行こうと考えていたデス。 でも......。 何時も潜っているフェンスの下に何か押し込んであるデス。 と......通れないデス!大変デス!此処が通れなければおうちに帰れないデス!これはニンゲンの仕業デス。 酷い事をするデス!早く帰らないと子供達がお腹を空かせて居るデス。 「ニンゲンさぁ〜ん!ニンゲンさぁ〜ん!通行出来ないデスゥ〜!」 ニンゲンさんの居ると思う方向に向かって、叫ぶとニンゲンさんが出て来たデス。 「ニンゲンさん、穴が......穴が塞がっているデス!ワタシ達の通り道を潰さないデス!」と注意したデス。 するとニンゲンさんは、凄い剣幕でワタシを捲くし立てたと、思ったら......。 急にスコップを振り回してワタシをフェンスの向こうに投げ飛ばしたデス。 ワタシは投げられた瞬間、死んだと思ったデス。子供達は、どうなるのかと思ったデス。 運よく下は草が沢山生えていたので、クッションの役割をしてくれたデス。 ワタシは、怪我をしなかったデス。子供達のいるおうちに急いで向かったデス。 すると......そこには目を疑う光景が広がっていたデス。 段ボールのおうちは、叩き潰されてバラバラに破られて、木の枝に引っ掛かっていたデス。 一生懸命貯めたお水を入れたいたはずのペットボトルは、其処ら中に散乱していたデス。 おうちの中に敷いていた落ち葉や藁、干し草が散乱していたデス。 おうちは後からでも作り直せるデス、でも子供達は居ない!......上手く逃げてくれたデスか? 上手く逃げてくれたと信じて、おうち下に隠していた干し草がどうなったかと覗いたデス。 ワタシは、一瞬自分の目を疑ったデス!そこには......そこには......。 大事な5匹の子供達が、上に向かって恐ろしい形相で睨みつけ、苦しそうに口を開けて水の中に沈んでいたデス。 「デ......デジャァァァァ〜!ワタシの!ワタシの!ワタシのぉ〜!子供達ぃ〜!ワタシの子供達が殺されてしまったデスゥ〜!」 .................................................................................................... 俺は、親実装の後を追いかけて行った。彼奴の家が有った所に着くと、大声を挙げて奴が泣き叫んでいた。 仔実装が全部穴の中に放り込まれて2Lのペットボトル20本分の水を一気に流し込んだんだ。 これだけの干し草と水を集めるには、随分前から準備していたのだろう。 此奴は、更に干し草が水に濡れない様に防水シートみたいな物を上に掛けて居た為、シートの上に水が溜まって、池の様になり仔実装が溺れ死んでしまったと言う事だ。 更に言わせて貰うと、いくらシートを被せていても、もう干し草は使う事は出来ない。 「おい!実装解ったか!ニンゲンに迷惑を掛ける実装は、全て始末されると言う事を......。 人の家の庭に干し草や水を毎日、毎日、バラバラ零して行きやがって、掃除する者の身になりやがれ! 庭を通るにせよ干し草を零したりしなけりゃ〜、こうやってガキの始末されずに済んだのによぉ〜!次は実行犯の手前が裁きを受ける番だ。覚悟しな!」 「ワタシは此処でお前に殺される訳には行かないデス!ワタシは子供達の分まで生き......デブッ!」 俺は、彼奴がセリフを言い終わらない内にスコップで彼奴の首を刎ねた。 彼奴の刎ねられた首は、暫くブツブツ何かを呟いて、下の胴体は手足を痙攣させていた。 「本当に実装って気色悪いぜ!」 そう言いながら、俺は実装の首と胴体をスコップで穴に押し込んだ。 これで、庭は汚されなくなったな。 実装小話15      おかん対実装    *虐待色は薄いです *作者の地元の浜手言葉と標準語を比べてお楽しみ下さい 俺の家には、親実装と5匹の仔実装が計6匹の実装が住んで居る。 別に問題行動を起こす訳でも無いのだが爺婆孫の俺の事より実装の方が可愛いみたいだ。 俺の年齢は、12歳の小学6年生で実装達は、俺が小学5年の春に爺がショップから買って来た。 躾は良く出来ていたみたいで、家族に対して奴隷ニンゲン等とか、言う言葉を吐く事や態度は無かった。 しかし爺婆は、何故か完全に俺を無視していた様に思った。 それは、後日解る事だが、嫁対舅・姑の問題が有ったみたいで、どうやら爺婆おかんと仲が凄く悪かったみたいだ。 『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』と言う態度で俺に接していた様だ。 ホント虐めかよ? 爺婆は、いわば自分の息子夫婦に見せしめの為に、孫である俺を可愛がらずに、実装を飼って可愛がっていた訳だ。 別に可愛がって欲しいとも思わなかったけどな。 ところが、最近になって婆がボケだし、昼夜を問わず外を徘徊する様になったので、施設に入れなければならなくなった。 婆が施設に入所してしまうと、一人になった爺は、一緒になっておかんを罵倒する協力者が、居なくなってしまった。 その事がストレスになったのだろか、それとも昔から辛い物と甘い物が好きで高血圧、医師から糖尿病に注意と言われていたのを守れなかった。 息子夫婦に嫌がらせをするのに、躍起になっていたのであろう、体調管理するのを余りにも怠りすぎたようだ。 天罰が当ったのか、持病の糖尿病が悪化、遂には糖尿性腎不全を併発して緊急入院してしまった。 ホント笑えない。 一時退院した、その日に部屋に籠って何かしていたと、思ったら、いきなりこんな事を言って怒り出した。 「おんどれ(=お前)の世話になりとうなんかないわ!おんどれの世話になる位なら病院付の施設に入所するわい!」 と言ってへそくりを下ろして、無理矢理透析付の病院兼施設に頼み混んで入所しょうと画策。 しかし、何処の世界に即日入所できるような所があるのだろう。 当然、断られるわな。 「家を出て行く!」と大きな啖呵をきった爺は、帰る場を失ってしまった。何としても施設に入りたい。 (爺は、以前アパート住まいだったので、持ち家は無く金が無いからと、婆と一緒に転がり込んで来た) 断られてしまった爺は引くに引けず、施設の長をを飛び越し、直接経営者の所にアポも取らずに押しかけた。 脅迫紛いな事を言って、無理矢理契約書を作らせ、即日入所の手続きをさせてしまった。 自分のわがままで、他人に迄迷惑掛けて施設に入るとは。 おかんに施設の長から、自分の顔に泥を塗られたと、怒りの電話があったみたいだが、やんわり躱して後は知らんぷり。 施設に入る時間が来たのだが、爺は、外にタクシーを待たせた上、態々自分の息子嫁に『おんどれ』呼ばわり迄して出て行った。 ストレスが、相当溜まっていたんだろう。スッキリした顔をしてタクシーりに乗り込んだ。 結局、爺の尻拭いをさせられたのはおかん。 尻拭いさせた、息子夫婦に当てつけで買った実装共は、「此奴等は用済みや!おんどれにやる!それからこの家のローンもなあおんどれらが払いさらせぇ〜!」とおかんにそう言って家に置いていった。 なんだこりゃ? おかんは「死んだら地獄へ直行だわ!立つ鳥後を濁して行きやがった」と怒り心頭。 爺、幾ら何でもやり過ぎ、おかんに悪いわそりゃあ〜! 実装親子は、自分達の世話をしてくれていた爺婆が、家に居なくなった為に、今度はおかんが自分達の世話をしてくれると思ったみたいだ。 勘違いも甚だしいだろう。こんな状況下でよくそう思えたよなぁ〜。 おかんには、当然の事ながら拒否するわな。 「ゴシュジンサマ、御飯の時間デス、フードを下さい」 「何でやねん?」 「お腹が空いて仕方が無いデス」 「お義父さんかお義母さんに貰わんかい!」 「大ゴシュジンサマは、此処には居ないデス、今日から貴女がゴシュジンサマとなります」 「誰が御主人じゃ?勝手に決められたらこっちが困るわい!」 「そう言わずに、お願いデス」 「野良実装みたいに、外に出て勝手に餌を集めて来んかいやぁ〜!」 「ワタシ達は、野良実装ではありません、飼い実装デス、御飯は御主人様から貰うようにしか教育されていませんデス」 「何の教育も受けとらん野良がしよんのに、出来るやろうがぁ〜!ピイ!ピイ!ほざいとらんとさっさと行き晒せ!」 「無理な事を言わないで御飯頂戴デス!子供達(仔実装)もお腹を空かせて居るデス!」 「誰でも死ぬ気になったら、どないにでも出来るわい!ガキの為に死ぬ気で頑張って、外行って探して来んかいやぁ〜!この糞厄病神!」 実装は、とぼとぼ外に餌を調達に行った。 多分手ぶらで帰ってくるだろうな。 暫くして今度は仔実装共が......。 「ゴシュジンサマお腹減ったテチ、御飯の時間テチ」 「無いわ!そんなもん!」 「なぁ〜んでテチィ〜!そんな事言わないでテチィ〜!」 「五月蠅いんじゃ!無い袖は振れんやろがい!黙ってひっこんどれぇ〜!カス!」 「そんな事言わないでテチィ〜」 「あんたらの親が餌を探しにいったからなぁ〜!ちょっと位待ったったら、ええんとちゃうんけぇ〜!」 「待てないテチィ〜、お腹と背中がくっつきそうテチ」 「そんな事絶対に有る訳無いやろ!しょうもないボケ構しとらんと、あっちへ行けよぉ〜!こっちは忙しいんじゃい!邪魔や!邪魔ゆうたら邪魔なんや!早よそこ退かんかいボケ!」 そんな感じでおかんは、実装親子を撥ね付けた。 夕方になって親実装が帰って来た。 思った通り手ぶらだ、しかも髪の毛は無くなり、着ていた実装服は、ボロボロになって......。 世間を知らん奴だなぁ〜、それともちゃんと勉強してなかったのか、どうせ相手の神経逆撫でする様な事を言ったのだろう。バカが! 「ゴシュジンサマァ〜何も持って帰って来られなかったデスゥ〜」 「何んや!汚ったねぇ〜なぁ〜、何処の野良実装なん!臭いニオイさしとらんと早う出て行かんかえ!」 「ゴシュジンサマァ〜!そんな事言わないでぇ〜!ワタシデスゥ〜!」 「糞喧しい奴やのぉ〜!絶対に出て行かんゆうんやったら......。」 暫くして≪ピンポ〜オン!≫ 「実装愛護センターですぅ〜!野良実装が押しかけて来て困っていると聞きましたので捕獲にきましたぁ〜!」 おかんは、なんと爺が入院したその日に、実装センターに連絡したのだ。 禿裸の薄汚れたボロボロになった糞が帰って来たから仕方っちゃ、仕方ないが......。 禿裸になって、只でさえガックリしている実装は、ダブルパンチだろうなぁ〜。 実装は、愛護センターに行くと言う事は、殺されてしまうと言う事位は理解しているし、まさか自分が......。 と言う表情だったが、事態を飲み込むと......。 段々顔色は真っ青になって来て、≪ブルブル≫体の震えが始まり、両足は≪ガクガク≫震えが止まらなくなって、遂には土間にヘタってしまった。 パンコンしようにも、朝から何も食べていないから、出る物も出ない。 こいつらの唯一の武器は、不発に終わった。 「えーと!捕獲して帰るのは此奴ですね!」 「はいっ!此奴です!」 「さあ〜!行こうかぁ〜、こっちに来い!」 「嫌デスゥ〜!ワタシは、飼い実装デスゥ〜!」 「何、しらこい嘘つっきょんじゃい!この禿裸!」 実装センター職員は持っていた特殊警棒で実装の頭を≪ボカン!≫と殴り、怯んだ隙に籠に放り込んだ。 「奥さんすみません。そこの仔実装は?」 「ああ!此奴等も要らないので、持って帰って下さい」 「テッ!ゴシュジンサマ!要らないなんてそんな酷いテチ!」 「喧しい!その汚い己らの親と一緒に始末されたらええんじゃぁ〜!」 「何を言うテチ!ワタチ達は、立派な飼い実装テチ!こんな糞野良と一緒にしないでテチ!」 「お前達ぃ〜ママに向かってなんて事を言うデスゥ〜」 「黙れ!こんな禿裸の糞実装なんかママじゃないテチ!」 「オロローン!情けない、自分の子供にそんな事言われるなんてぇ〜」 「喧しい!糞蟲同士の言い争いは、あの世に行ってからしろい!」 「テェ〜ン!この禿のお陰でワタチ達に飛び火したテチィ〜!」 「五月蠅いデス!禿、禿と言うなデス!」 「喧しいテチ!この疫病神!」 「デッ!親になんて事言うデス!今まで世話をしてやった親に言う事か!」 「禿の親なんてワタチ達の親じゃないテチ!」 おかんに厄病神と言われ、今度は自分の子供に厄病神と言われて......。哀れな奴。 親としての威厳が無くなり子供にも見限られたのだから、此奴ももう黙ればいいのに。 「何時までもごちゃごちゃ御託並べとらんと!喧しいゆうとーやろ!とっとと行きさらせぇ〜!」 禿裸と仔実装達は、センターの準備した籠に放り込まれても、言い争いを続けた。 焼却炉で燃やされる寸前までやってろ!   ≪標準語訳≫ 「ゴシュジンサマ、御飯の時間デス、フードを下さい」 「何故」 「お腹が空いて仕方が無いデス」 「お義父さんかお義母さんに貰いなさい!」 「大ゴシュジンサマは、此処には居ないデス、今日から貴女がゴシュジンサマとなります」 「誰が御主人なの?勝手に決められたら私が困るわよ!」 「そう言わずに、お願いデス」 「野良実装みたいに、外に出て勝手に餌を集めて来なさいよ!」 「ワタシ達は、野良実装ではありません、飼い実装デス、御飯は御主人様から貰うようにしか教育されていませんデス」 「何の教育も受けていない野良に出来るのに、出来るでしょ!ゴジャ!ゴジャ!言ってないでさっさとやりなさいよぉ〜!」 「無理な事を言わないで御飯頂戴デス!子供達(仔実装)もお腹を空かせて居るデス!」 「誰でも死ぬ気になったら出来るわよ!子供の為に頑張って外で調達して来なさいよぉ〜!この厄病神!」 実装は、とぼとぼ外に餌を調達に行った。 多分手ぶらで帰ってくるだろうな。 暫くして今度は仔実装共が......。 「ゴシュジンサマお腹減ったテチ、御飯の時間テチ」 「無いわよ!そんな物!」 「なぁ〜んでテチィ〜!そんな事言わないでテチィ〜!」 「五月蠅いわねぇ〜!無い物は無いのよ!黙って引き下がりなさい!」 「そんな事言わないでテチィ〜」 「あなた達の親が餌を探しにいったから!ちょっと位待ってあげたら良いのと違うの?」 「待てないテチィ〜、お腹と背中がくっつきそうテチ」 「そんな事絶対にある訳無いでしょ!下らない事言ってないで、あっちに行ってよぉ〜!こっちは忙しいのよ。邪魔、邪魔って言ったら邪魔なのよ!其処退いてよ!バカ!」 そんな感じでおかんは、実装親子を撥ね付けた。 夕方になって親実装が帰って来た。 思った通り手ぶらだ、しかも髪の毛は無くなり、着ていた実装服は、ボロボロになって......。 世間を知らん奴だなぁ〜、それともちゃんと勉強してなかったのか、どうせ相手の神経逆撫でする様な事を言ったのだろう。バカが! 「ゴシュジンサマァ〜何も持って帰って来られなかったデスゥ〜」 「何よ!汚いわねぇ〜、何処の野良実装よ!臭いニオイね!早く出て行ってよ!」 「ゴシュジンサマァ〜!そんな事言わないでぇ〜!ワタシデスゥ〜!」 「喧しい奴ねぇ〜!絶対に出て行かないと言うのなら......。」 暫くして≪ピンポ〜オン!≫ 「実装愛護センターですぅ〜!野良実装が押しかけて来て困っていると聞きましたので捕獲にきましたぁ〜!」 おかんは、なんと爺が入院したその日に、実装センターに連絡したのだ。 禿裸の薄汚れたボロボロになった糞が帰って来たから仕方っちゃ、仕方ないが......。 禿裸になって、只でさえガックリしている実装は、ダブルパンチだろうなぁ〜。 実装は、愛護センターに行くと言う事は、殺されてしまうと言う事位は理解しているし、まさか自分が......。 と言う表情だったが、事態を飲み込むと......段々顔色は真っ青になって来て、≪ブルブル≫体の震えが始まり、両足は≪ガクガク≫震えが止まらなくなって、遂には土間にヘタってしまった。 「えーと!捕獲して帰るのは此奴ですね!」 「はいっ!此奴です!」 「さあ〜!行こうかぁ〜、こっちに来い!」 「嫌デスゥ〜!ワタシは、飼い実装デスゥ〜!」 「何、白々しい嘘ついているのよ!この禿裸!」 実装センター職員は持っていた特殊警棒で実装の頭を≪ボカン!≫と殴り、怯んだ隙に籠に放り込んだ。 「奥さんすみません。そこの仔実装は?」 「ああ!此奴等も要らないので、持って帰って下さい」 「テッ!ゴシュジンサマ!要らないなんてそんな酷いテチ!」 「喧しい!その汚いあなた達の親と一緒に始末されたらいいのよ!」 「何を言うテチ!ワタチ達は、立派な飼い実装テチ!こんな糞野良と一緒にしないでテチ!」 「お前達ぃ〜ママに向かってなんて事を言うデスゥ〜」 「黙れ!こんな禿裸の糞実装なんかママじゃないテチ!」 「オロローン!情けない、自分の子供にそんな事言われるなんてぇ〜」 「喧しい!糞蟲同士の言い争いは、あの世に行ってからしなさいよ!」 「テェ〜ン!この禿のお陰でワタチ達に飛び火したテチィ〜!」 「五月蠅いデス!禿、禿と言うなデス!」 「喧しいテチ!この疫病神!」 「デッ!親になんて事言うデス!今まで世話をしてやった親に言う事か!」 「禿の親なんてワタチ達の親じゃないテチ!」 おかんに厄病神と言われ、今度は自分の子供に厄病神と言われて......。哀れな奴。 親としての威厳が無くなり子供にも見限られたのだから、此奴ももう黙ればいいのに。 「何時までもごちゃごちゃ文句言ってないで!喧しいと言っているでしょ!さっさと出て行きなさいよぉ〜!」 禿裸と仔実装達は、センターの準備した籠に放り込まれても、言い争いを続けた。 焼却炉で燃やされる寸前までやってろ!  FIN  *ピクシブ参照しています。