王様と実装石(3) 「」 06/11/30(木)01:35:57 No.3878[返信]
「テチュテチュ、ママとお別れなんて寂しいテチュ。」ぐずる長女を、母親は優しく撫でながらなだめます。「お前を預かってくれるのは、実装王国の王様デス。きっと実装石のことを可愛がってくれるデス。近いうちに、妹も王様のもとにやるデスから、寂しがらないでもいいデスよ。」
やがて、王様が買い物を終えて店から出てきました。「行くデスよ!」「はいテチ!」覚悟を決めた仔実装、母親の手から、勢いよく王様が手に提げたビニール袋に飛び付きます。「ん?」王様は、ビニール袋に潜り込む仔実装を一瞥しましたが、さすが王様、別段気にする様子もなく、ゆうゆうと親子の前から歩き去って行きました。
ビニール袋の中の仔実装、さっそく王様が買った食べ物を漁ろうとしますが、王様が買ったのは、缶ビールと焼き鳥の缶詰と雑誌だけです。「テチャァァッ!」どんなに歯を立ててもびくともしない缶に、当てが外れて憤慨する仔実装。さすが王様、実装石に付け入る隙など与えません。