お墓と実装石 (2/3) 「」 06/08/27(日)22:14:42 No.2096[返信]
「ウソみたいだろ、死んでるんだぜ、それ」タケシがポツリとつぶやいた。
なぜこの親子は死んだのだろう。理由は分からないが、死んでもなお離れまいと身を寄せ合う姿がいじらしく、僕は声を上げて泣いた。そんな僕の肩を、タケシがポンと叩いて言った。「野ざらしじゃ可哀そうだ、埋めてやろう」。
普段乱暴者のタケシも、こういう時はよく気が付く。「そうだね」なんだか急に恥ずかしくなり、僕は慌てて涙を腕で拭くと、近くの家からシャベルを借りてきた。
「浅いと犬や猫が掘り返しちゃうから」というわけで、僕たち二人はずいぶん深く墓穴を掘った。そして、親子の思い出深い家であったろうダンボールをガムテープで閉じると、そのまま静かに穴の中に下ろし、上から土をかけた。